キヴォトスに狩人様がやってきた   作:小説を書く左廻りの変態

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第二話 邂逅

使者達。普段は地面や墓跡から飛び出して手記を見せてきたり、帽子をあげると嬉しそうに被ってくれる可愛らしい存在。

 

しかし今回だけは様子が違った。泣いているのだ。しかし涙を拭う仕草を見せずに何かをこちらに差し出してきた。手に持っているのは手紙らしき物と一際大きな箱。手紙の方をまず手に取り読んでみる。

 

差出人は人形だった。

要約するとこうだ。

 

・狩人の亡き今、狩人の夢は崩壊をはじめている事。

・どうにかして使者達をそちらに送れた事。

・私が変異前に使っていた仕掛け武器や狩人証と装備も一緒に送った事。

 

そして最後にはこう記されていた……

 

《狩人様、貴女の目覚めが有意なもので有りますように》

 

今更涙など出ない、自ら捨てたのだ。だからこそ、ただ彼女に託された使者達を絶対に守り抜こう。

ガスコインの娘の二の舞にはさせない。

私はそう心に誓った。

 


 

次に箱の方を見てみる。中身は綺麗に畳まれた狩人装備一式と携帯ランタンに輸血液や水銀弾、

そして工房道具や狩人証に【狩人の手記】などが入っていた。

 

その中でも目を惹くのは、数多くの夜を共に駆け抜けた、

【仕込み杖】と【獣狩りの散弾銃】だった。

 

最大強化まで施し、物理強化スタマイ27.2%血昌石をはめた仕込み杖がそこにはあった。これさえあれば、例え異世界だとしてもどうにか出来るだろう。

 

私はそう考えて早速装備を身に纏い携帯ランタンを着け、仕込み杖と散弾銃を手に取ろうとするが………

 

(左腕が触手だから銃が握れない)

 

そう、ヌルヌルしているせいで握る事が出来ないのだ。右手は辛うじて形は保っているが今にも滑り落ちそうだ。

 

そこで私は考えた、ロマの様に秘匿で誤魔化せないかと。秘匿といえどそれはただ隠す術ではない。認識を歪ませてそれを隠し、あたかも普通かのように思わせる呪術の一種。今回は街全体の儀式を隠すわけではない。ただこの身一つを“人”に見せるだけだ。

 

まずは実験だ。ロマの遺志を探って技を模倣して試しに指を隠してみる。

結果は成功だった。普通の指の様に見える上に人の指として使えるようになった。

 

同じ様に左腕を秘匿の技で誤魔化してみたが、こちらは人の腕の形にする事は出来たが、ヌルヌル感を取る事が出来なかった。精霊の粘液は神性を持つが、それの一種らしい。秘匿がこの粘液に弾かれている。まあ見た目には特に異常は無さそうだ。

 

かと言って、持てないことに変わりはない。服に留め具を付けてそれを無理矢理手袋に繋げて脱げないようにして無理やり滑りを誤魔化す。これで武器を握れるようになった。

 

一通り装備を喜終えて立ち尽くしていると使者がズボンの裾を引っ張ってくる。目を向けると使者達が別の紙を持っていた。

 

《この先に学舎、そして少女》

 

少女?先程出会った者だろうか?取り敢えず使者達の示す方向に行ってみる事にする。

 

どれほどの時間が経ったのだろうか。未だに夜は明けず校舎を月明かりが照らしている。その様はかつての終わりなき獣狩りの夜を彷彿とさせる。目の前にあるのは学校?なのだろう。見かけた瓦礫の建築様式とは打って変わって木製ではなく見たことのない材質の石材で作られていた。レンガ作りでもない均一なその四角で構成されたそれは、学校というよりも一つの城のようだった。

 

【アビドス高等学校】

 

そう記されていた校門を通り校庭に入る。そしてまた、あのただならぬ量の神秘を感じた。

 

確実にあの少女がいる、そう確信するには十分だった。

 

取り敢えず玄関を見つけたので校舎内へ入ろうとする。しかしドアを押した瞬間異音が響いた

 

 

 

バキバキベゴガシャーン!!!

 

 

 

そう鍵が掛かっているのに気付かず無理矢理押し込んだため、ドアを壊してしまったのだ。

 

目の前には歪んで壊れたドアとガラス片が散乱していた。

 

━━━━

━━

 

《ホシノside》

 

一通りパトロールを終えていったん校舎に戻ってきた。道中奇妙な人影を見かけたと思ったら誰も居なかったりなど不思議な事があったが、それ以外は平和なもので、今日はいつもよりはやく寝れそうだ。

 

そう思ったのも束の間。突然玄関から異音が響き渡った。

 

 

バキバキベゴガシャーン!!!

 

 

私は自分の銃を手に取り、音のした方向へ向かう。

そしてそこに居たのは、全身を黒いコートで覆い、人を逆さ吊りにしたような形をした赤いヘイローを持つ女が立っていた。

 

その姿を見た瞬間、突然体に言いようのない恐怖が押し寄せる。強張って震える腕どうにか抑えて相手に銃を向けて警告する。

 

「動くな。動いたら撃つ。」

 

警告をしたにもかかわらず相手は後ろへ右手を回した。

 

(攻撃される)

 

私はそう考え、恐怖のままに引き金を引いた。

 

 

散弾が相手の頭へ向かって飛んでゆく。

 

 

次の瞬間相手の頭が血を撒き散らしながら吹き飛んだ。

 

「あっ…えっ……」

 

思わず声が出てしまう。普通であれば撃たれても体制を崩したり気絶するだけなのだが

相手は頭が吹き飛んでしまった。

 

しかしもっと驚くのは、相手は頭が吹き飛んでも尚、先程手にした本に何かを書き、こちらに見せてきた。

 

【敵意は無い、少しこの場所について聞かせてほしい】

 

そう書かれていた。

 




やっと書き終わったよおぉお。
どうにかアビドス高校まで連れて来る事は出来たけど
この先どうすれば良いんだぁぁぁ!!(発狂)

取り敢えず次回からアビドス高校編に入ります。
苦手だけど戦闘描写も頑張って書いているので読んで評価をつけて貰えると
ありがたいです。

次の投稿は2日か3日後になります。
受験勉強もあるので頻度は少ないですが
頑張って書いていこうと思います。
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