キヴォトスに狩人様がやってきた   作:小説を書く左廻りの変態

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アリウスのみんなが、水着を着て、ああ、あああ……よかった。みんな幸せそうで、本当に…

【集団リンチ中に失礼します】
【戦車片手どかし筋肉モリモリマッチョウーマンの変態】
【DJサオリがまだ来ない】
【姫尊し】

やっぱりブルアカは最高だ!!!


第二十話 行き違いとやけ酒

 

「獣だから狩人だからって、傷ついても良いって事…っ?」

 

「ふざけないで!!」

 

「人でありたいって…同じ人間でしょ…?理由になってないよ」

 

「えっちょホシノ先輩落ち着いて!?」

「ツキミちゃんが何をしたっていうんですか?前みたいに自分一人で抱えて込もうとしてただけじゃ」

「それだけじゃ……ないんです」

「ノノミ先輩…?」

「昨日の夕方頃、ツキミちゃん用の眼帯を幾つか買って学校に戻ってきた時の事です。話し声がして保健室の扉を開けたら……居たんです」

「なっなにが…」

 

その問いにノノミちゃんは少し言葉が詰まりつつも話し出す。瞳孔は激しく揺れて息も絶え絶えで萎みそうな声でそれでも一生懸命に話そうとする。ああ、話しちゃうんだ。そう思いながらも私は立ち尽くすだけだった。

 

「黒い人が、ツキミちゃんの左目に…目のあった、ところに、針の様な物を刺しこん、ヴ」

 

“黒い人…それって”

 

「うん、前にセリカちゃんとツキミちゃんを探すときに接触してきたあいつ━━」

 

“ヘイローが変わってたのもそれで…っ!”

 

「まっ待って下さい!」

 

突然啖呵を切る様に話し出したのはアヤネちゃんだった。

 

「私達が見にきたときにはヘイローはいつもどうりでした。私達が来る前の話ですよね!?先輩達お二方だってベットで寝t」

「それより何でそんな事今になって思い出すのよ!?もっと早く」

 

「分から、ないんですよ!!」

 

「えっ」

「ツキミちゃんの姿を見るまで確かに忘れて、たんですよ!理由なんて分かりません。ただ今それを思い出したのは事実ですが、というか何で私たちが起きたとき借金のことを教えて、くれ、なかったんですか!!ヴォエェ…」

 

呼び覚まされる記憶、それを忘れていた恐怖が、自然と拒絶反応として吐き気を催す。私も……少し吐きそうだ。

 

「そっそれは━━」

 

言葉の詰まるアヤネちゃん、それを遮る様に話し出したのはツキミちゃんだった。

 

『それについては私からアヤネ達にお願いしただけだ。【借金については話さないでやってくれ。驚き過ぎて気絶してしまった】とな。騙す形になったが…協力、感謝する』

 

「確かにそう言ってましたが」

「つまりさ。おじさん達に隠したかったってことかな?」

『そうだが?』

「何で…」

 

『貴女と黒い人物もとい“黒服”と敵対している様に見えたのでな。都合良く忘れて貰おうと考えた次第だ』

「じゃあ、何で忘れさせようとしたのかなあ?おじさん怒るよ…本気で」

『話す必要もないだろうに……そうまでして知りたいか』

 

『だが分かるよ…秘密は甘いものだ。』

『けれど、けれども。無理に探り、踏み躙るのはあまり薦められない』

『誰にでも秘め事はある。それを求めた者は…腑を抉られ、身体中を焼かれる様な、恐ろしい目に遭うだろう』

 

そう淡々と言葉を連ねて行く、確かな殺意と心の奥底を見透かした様な深い瞳に自然と体が強張る。本能的な恐怖。捕食者に対して被食者の感じる恐怖。それを感じると同時にヘイローのその赤は一層輝きを増していく。

 

「それってさ、脅しってことかな…」

『あくまで経験談だ』

 

「三人とも落ち着くべき!ノノミもホシノ先輩も!!!」

「ノノミ先輩取り敢えず水飲んで下さい!水!」

 

緊張に包まれた空気が二人の後輩の声によって、一時的にだが霧散して行く。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

【同じ人間でしょ】

 

その言葉が頭の中を駆け回って止まらない。

 

ああ、ホシノは……私を人だと思っているのか。だがそれは実際にはどうだ?見た目は秘匿で誤魔化せても、性質も声も、血に至ってさえ人からかけ離れてきている。声は以前よりも奴ら(上位者)に近く、血に至ってはあの鉄錆の様な匂いすら消えて月の香りに変化している。

 

確実に人から変態していっているのを感じる。そのうちあらゆる事も出来なくなるのだろうな、今よりも、もっともっともっと……

 

そしてそれをひた隠しにし続ける自分が、今の環境に固執しようとしている自分が、堪らなく憎く、恐ろしい。いつか体質だなんだでは隠せなくなる。だからこそ今回の様に脅しの様な形ではあるが、それについて触れられぬ様にした。

 

だが結局は事態をややこしくする結果になってしまった。

 

やはり私は━━━

 

厄災でしか無いのか

 

触れる者、関わった者を壊すことしか知らない。あの子も、長も、アルフレートも、アイリーンも、シモンも、何もかも、全部、私が……

 

それに、今回においては騙している様なものだ。どの様な形になるか分からない。だが、今まで道理ならまた傷つけてしまうのだろうな。だったら今でもまだ遅くは無い、すぐにでも離れれば……そうすればだれも傷つかない。そうだろう?

 

そもそも自らの手で居場所を捨てた癖に拠り所を求めるとは滑稽だったな。そうだ、私はただ孤独であれば良い、友人も仲間も全て要らない。

 

もう、潮時だ。

 

ノノミの介抱をするシロコやセリカ達を尻目に校舎を後にする。一先ず家に帰ろう。今はただそれd

 

「ちょっと!」

 

呼び止めて来たのは一人の赤髪に角を生やした女だった。そういえば殺し損ねたのだったな、今更何の様だ。

 

『……何だ』

「何だじゃ無いわよ!!体調を崩した仲間をそのまま放置する訳!?」

「ちょ、アルちゃん…っ!」

「もう仕事は終わりだからその呼び方でも何でも良いわ。ただこれだけは言わせてちょうだい。仲間は大事にしないとダメよ、それに友人なら尚更ね」

 

『尻餅を着かなければ死んでいた癖に何を言う、そんなのは百も承知だ。だがな、結局原因は私にあるんだ。もう関わらない方が仲間の為と言えるだろう?』

 

「たっ確かに尻餅ついたお陰で斬られずに済んだけど貴女一体何様のつもり!いつ!どこで!だれが!貴女に!アビドス全員が迷惑だって一言でも言った?」

 

「みんな貴女が死んでしまわないか、壊れてしまわないか、心配で心配で仕方ないのよ…」

『私はまだ来たばかりの余所者だ。そんな心配なぞするわけ』

「ラーメン」

『???』

「五人でテーブルを囲んでラーメンを食べているあの様子を見て、誰が余所者だと思うの……時々聞こえる声にそんな悪意なんて微塵も感じなかったわ」

 

『………悪いが、失礼する』

「ちょっ止めないと!」

 

“大丈夫…”

 

「先生?」

 

“きっと、整理する時間が欲しいんだよ。そっとしておこう。”

 

その言葉を聞こえた頃、自然と私は走り出していた。一切振り返りもせず、スタミナの続く限り走り続けた。砂に足を取られても走り、家まで走って行く。聖杯ダンジョンで刺突特化マラソンするよりも道のりは遥かに短く、時間も経っていない筈なのに、それは遥か遠くに感じた。

 

古びた木のドアを開け、部屋に入る。砂を被った外套や靴を振って、砂を落とす。木の隙間に入って行く砂をただ眺め、物思いに耽る。明日の事も、これからもどうしていけば良いのかを。

 

最悪、あのブラックマーケットで廃材を使って銃を作って売るのも良いし、傭兵でも殺し屋でもしようかと思うが……

 

ギィィ

 

『何も言わずに入るのは、些か礼儀がなっていないと思うが』

「ええ、ですが鍵を開けたままにするのは不用心かと」

 

無言で呼び鈴もノックも鳴らさずに入ってきた男にそう告げる。

 

「兎に角、目当てのモノを持ってきました。今日の様に上手くいかない日には……どうでしょうか」

『見ていたんだな、上手くいかないのは昔からだ』

「“前に居た場所”の事ですか…」

『まあ、そうなるな』

 

そう話しを続ける。会話は大事だ。社交ダンスと同じで、時に合いの手を入れ、受け入れ、また自分を表現する。……今の私に足りていないものばかりだな。

 

「顔色が優れない様ですが」

『いつもどうり青白いだけさね……ククク』

 

「これは……また何処で」

『ああ、良いモノ()には良い器を、とな。棚の奥にあったのを引き出しただけだが…』

 

棚の奥から引き出してきた高そうなグラスを手に取り、軽く拭いたものを机に置く

 

「何故……本当の事を言わないのですか?」

『一に手間が掛かる。二に気にしないで貰いたかった。』

「余計ややこしくなっていますが……」

『結果は、な』

「もう一つ、かねての質問で恐縮ですが何故……アビドスに固執するのですか?」

『ダメか?』

「ダメというわけでは、ゲヘナにトリニティ、ミレニアムや百鬼夜行など他の学校もあります。そこまでして此処に居座る理由も『その理由は、しっかりあるさ』

 

半ば食い込む様な形で話を進める

 

『こんな私を誘い、受け入れ、気にかけてくれた。たったそれだけだとしても、その“たった”が恋しく、又愛おしいのだ。ヤーナムの様に獣と血と呪いに塗れた私には…余計にな』

 

「そうですk『関係は無いと思うが』

 

『貴様、アビドスの敵ではないよな?』

 

「……」

『私に対して執拗にアビドス以外の学園を薦め、離れさせようとする』

『ホシノと敵対している』

『そして』

『私達が関係者がヘマを起こしたせいで攫われたと言うが、計画の内だったのだろう?あわよくばそこで砂に埋めるなり撃ち殺すなりして、アビドスの生徒数を減らす』

『そして、借金の口座も、何もかもを知っており、即座に変更が可能。つまりこの借金に通じる何らかの筋を持っていると考えられる。』

『そしてそこから逆算して、関係者とやらはカイザーなんちゃらに関する者。違うか?』

 

「一部正解と言えます。ただ、攫うのは計画の内には有りませんでした。決して敵対したくてしている訳では」

『私を攫うのは、だろ?黒服』

「……図星、ですね。クククッ!」

『それをしてどうする?借金を返済させず、利子だけを掠め取るならば人数を減らさない方が良い、それにも関わらず……つまりは』

 

カイザーの目的は金では無い━━━

 

『しかし、それを結果的には邪魔する者が現れた。それが…私か』

「まあ、奴にとっては非常に邪魔でしょうね。やること成すこと全て阻害してくる理を外れた力を持つ存在。だからこそ、今回の様に便利屋68を送った。あくまで自分は関係せず、また私兵を使わなくて済む様に。愚かなものですね」

 

『まあ、長話はなんだ。飲もう』

「ええ」

 




数々の評価や感想ありがとうございます!本当にありがとうございます。大事な事なので二回言わせて貰いました。もっと手軽に何の気も使わずに感想をじゃんじゃん書いてくれと本当に嬉しいです。もうあれが無いと夜しか眠れない程中毒になってしまいました。もっと、もっと感想を!一心不乱の大感想を!(少佐感)

銀行強盗

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