キヴォトスに狩人様がやってきた   作:小説を書く左廻りの変態

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勉強やだ…や!!!!!!(大迫真)


第二十八話 汚染

「それって…どういう、こと?」

「言ってしまえば、彼女は人の精神や感情などに干渉し、変化を”促す“」

 

昼間にしては暗い社長室の中、黒服の重苦しく纏わりつく様な言動が耳へへばり付き頭の中に入ってくる。それと同時に呼び起こされるのは、今までの違和感だ。

 

銀行強盗の時、あれだけツキミちゃん戦闘に出したがらなかった先生が、どうしてあのときは何も言わなかった?

どうして、私たちも、それを、許した?

何故、ツキミちゃんの千切れた手足を、血痕を見たとき、以前の様な吐き気が、違和感が無かった?

そう言えば、どうしてあの時、*1私は

 

頑なに路地を見たがらなかった?

 

助けにアビドス砂漠郊外に出た時、あの時ヘルメット団の子のお腹から吹き出していたのは、血だった?なんで、それを、今?

 

ツキミちゃんが、突然喋れる様になったのに、それを普通かの様に思ったのは、何故?

どうして、ツキミちゃんの出生地を聞かなかった?

あの武器を振るった時、確かに、いや?あれ?

そもそもどうして私は、ツキミちゃんを撃った?怖かったから、じゃあどうして怖っかった?違和感があったから、どこに違和感を感じた?その理由は?この違和感の正体は?そう思うのは?

 

何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?何故?なんで?なんでなんでなんでなんでどうしてどうしてどうして?

 

「ひとまず、落ち着きましょう…その方が」

「落ち着いてなんかいられるか!!!!!」

「それもそうでしょう。ではその理由は、貴女の感じた彼女の違和感に少なくとも理由が着きそうだから?そうでしょう、小鳥遊ホシノさん。」

 

「嘘だ…そんな訳ない。」

「そう思うのも必然でしょう。ですが同時に、事実なのです。こちらをご覧ください」

 

そう言って天井からプロジェクターが出てきた。壁に向かった映し出されたのは、左右二つの横向きの脳のCT画像。断面がくっきりと見えるそれに、黒服が懐から取り出したレーザーポインターを使い順序を追って話していく。

 

「先ほど話した精神への干渉もとい精神汚染について説明しましょう。この二つの画像を見て、どこか不審な点はありませんか?例えば形状や影の位置など、なんでも構いません。」

 

映ったその二つの脳の断面図は、左の方は特になんの異常もないただの脳。でも大きさがどちらも小さい。多分人の物じゃないのは分かる。でも違和感?

 

その時、私は気づいた。いや、気づいてしまったとでも言うのだろうか。

 

「右側の脳には、白い影がある?これって…」

「ようやく気づいてくれましたか。これは脳症、あるいは脳炎によく見られる症状です。この脳はこの肉塊に生えたカビ状のものに実験用のマウスを入れた時のものです。ではもう一つ質問です…この症状が出始めたのは接触させてからどれぐらいでしょうか?A.1日後B.半日C.数秒」

 

「……A?」

「正解はC。接触させてからわずか数秒。もっと明確に言えば⒈27秒しかたっていないのにも関わらずにこの症状が出始めました。影が出来ている場所は中央部の腹側被蓋野から、下垂体後葉といずれも脳内物質の分泌箇所。そしてこの症状の現れたマウスはいずれもドーパミンやオキシトシンなどの“幸せホルモン”や“愛情ホルモン”どちらも恐怖を和らげ興奮させる作用があります。」

 

「ですが同時に、接触を絶った場合にはすぐにこの影が消えます。理由として考えつくのは免疫による排除です。脳炎の早期感染、早期完治をしているものかと…恐らくこの作用で現在私達は“彼女”に対して疑問を感じることが出来る」

 

「違う!!だったら何で先生はツキミちゃんが頭を握り潰そうとしたのを止めたの!?それが本当だったら先生は止めずにそのまま私達と同じ様に見ているだけだった!!お前の思惑には乗らない!!」

 

「どうせツキミちゃんとの距離を離させて、それで、前みたいに!!」

「先生は、どうやら特別な様です。でも、完全に防げる訳ではありません。銀行強盗の際にはそれが顕著でした。彼女を止めなかった結果、一体どころでは無く何体もブラックマーケットのオートマタが破壊されました。」

 

「……っ」

「しかも体質の影響なのかその特別さが理由かは分かりませんが、自然免疫で排除されず脳内に蓄積され続けるみたいですね。」

 

ッッッッドォォオオオン!!!!!!

ガラガラガラガラガラガラ、ボスゥン!!!!!!

 

「なんの音!?」

「近くで爆発があった様ですね、しかもかなり大きい」

「ツキミちゃんが!!行かないと!!」

 

そう思った時には足が動き出していた。でも、足が進みだすのとは逆方向に腕が引っ張られ勢いづいた足が宙に浮かぶ。

 

「お待ち下さい…どうか行くならばこのことを念頭において下さい。この汚染は鼻腔からのリンパ管を通り脳へと至ります。彼女を止めたければ鼻を塞いでください。相手はカビです…それだけでもある程度は防げます。私の言うことが疑わしいのなら、試してください。今回の話はまた後日」

 

「っっっ……!!!!!」

 

掴まれた腕を振るい落とし、エレベーターに乗り込む。

 

⚪️

 

(この数値…以前の反応に似ている)

 

私は、小鳥遊ホシノが帰った後に“彼女”につけた機器から常時送られる脳波の数値を見ている。

 

(彼女が誘拐された時)

(彼女が便利屋の襲撃を受けた時)

(そして今回の数値…いずれも人の出せる領域を超えている)

 

(そしてこれは肉体の損壊度が一定の値を超えた時に発生する事象…そして一瞬強い波が出た後に、強い波が出る前の波を辿るかの様な数値が出る…まるで、まるで……)

 

(巻き戻しているかの様に…)

 

何かしらの法則性が…

*1
セリカ誘拐時




短いですが、こんな感じで終わりにさせて頂きます。下書き段階なので後日編集し直します。分かりずらい描写や不明な点などがある場合は感想やメッセージなどで知らせていただくと有り難いです。
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