キヴォトスに狩人様がやってきた   作:小説を書く左廻りの変態

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父親が倒れたり、資格試験だったり、腎臓炎で入院したりで投稿が遅れて申し訳ありません。
どうにかこうにか父も自身も共に回復に向かい、自分も定期検診でどうにかなるくらいには回復しました。

どうにかこうにか書き上げたので読んで行ってください


第三十七話 混ざり者

『ほう…どうやって気がついた?」

“簡単だよ、ツキミちゃんはね『君』だなんて言わないし“

”私のことは先生なんて一回も言わないからね“

 

話は逸れるがツキミちゃんっぽい声で先生と言ってもらえたことが、少し嬉しくはあった。けれども、自らの教え子を騙る輩はどうにも見過ごせない。それに本人でもないのに殺してくれだと?笑わせてくれるじゃないか…しかも今のツキミちゃんの状態に対して何か知っている言動だった。詳細に聞く必要がある。それに思考のうちで会話ができるのはなんでだ?

 

『君は私のことを知りたいようだが、アイリーンの心配はしなくて良いのかね」

“!!!”

 

瞬時に私の頭はアイリーンの方へと向き直る。腹部を抑えてはいるがその間からは腑が今にも溢れ落ちそうになっている。だが頑丈すぎるような気がする。普通に私と同じヘイローのないキヴォトスの外の存在である以上銃撃は致命的なダメージとなる。ましてや腹部ともなれば内臓がズタズタにされてショック死の危険性もあるというのに、けれどアイリーンはそこに立っている。

 

驚きと共に一種の恐怖すら覚える。しかしアイリーンはそれに対して恐れるでもなくおもむろに、まるで当たり前かのように懐から注射器を取り出して足に突き刺し、その血液に似た色合いの液体を注入したのだ。瞬時に腹部の銃創が塞がり流れ出る血は堰き止められた。私はその様子に見覚えがある。

 

ツキミちゃんの使っていた輸血液だ。彼女もまた同じように輸血液を用いる、いや血液を体内に取り込むことで回復できると言っていた。アイリーンもまた同じように体質によるものなのだろう。

 

『体質…?そんな大層な物じゃない、あれは“血”によるものだ」

“血?”

『血の医療と呼ばれるそれはそれは素晴らしいものでなその特別な血を用いることで病魔からは解放され体は再生し、生きる感覚を得られる」

『ツキミが何度撃たれようと身を削ろうとも平気だったのは血によるものなのだよ」

 

ニヤリと笑っている顔が朧げに浮かぶような言動だ、どこかこちらを小馬鹿にするかのような明らかに何か悪意の類を持った声だ。

 

『何が言いたいかと言うと…彼女は君たちに嘘をついていたのだよ?しかもこの惨状を引き起こしたのだ…助ける必要などない殺してしまおう」

“もう隠さないんだね”

『そうだとも…まあそんな事はどうでもいい、私の意見忠告は聞いておいた方がいいぞ?」

『アイリーンもそうすれば撃たれずに済んだのだからな、ではまず初めにノノミをアイリーンの援護につけろ」

“あぁ…そうだね、ノノミを援護につk”

 

そこにアロナが割り込むように会話に割り込んできた。

 

【それだとホシノさんを巻き込んでしまいますよ先生!と言うか誰と喋ってるんですか!?!?それとアイリーンさんg】

『なんだその青い髪のは…前の時は白色だったはず…まあよかろう」

 

なんだ…今のは、頭の中の声に操られているかのようではないか。相手の言動に疑念を感じていると言うのにそのまま従おうとしていた。おかしい、ただひたすらにおかしい。いやそもそも頭の中で声がすることに何故か妙に納得していたことも、恐怖しなかったこともおかしいじゃないか。それに思考が酷く纏まらないし、というか私ってこんな難しい言葉使いする人間だったっけ?なんだか寒くなってきた。わたしどうなって

 

【わわ!?先生すごい熱ですよどうしてんですか!?】

“ねつ?”

【41度もあります!急いで医療機関に】

“だめだよ、わたしはおとなだから。せんとうしえん、おねがい”

【一時的にですが…動けるように頑張ります!でも5分と持ちませ】

“うん、分かった。5分もあれば十分か…クククッ”

 

うん…何だか頭の中が透明で…すっきりしてる、でも何だかおかしいな私ってこんな笑い方だっけ?そもそも笑うタイミングかなあ?でも、いっか。

いや違う…まあ、良いだろう。要は少し痛い目を見せて黙らせるんだよ、最悪は

殺せばいい

そうだ、殺せ

 

“セリカ。アイリーンの援護を“

「え?」

「何言ってるんですか先生!!」

”ツキミを…撃て“

「え…そんな!いやだよ!撃ちたくない!撃ったら死んじゃうかも知れないし!ホシノ先輩やアイリーンさんに当たっちゃったら!!」

”関係無い、撃ちたまえよ“

 

何でそんなに死ぬことに躊躇してるんだ?

死んでも、ただ死んで何もなくなるだけなのに。みんな、変だな。




【XXX】

アビドスに突如現れたニンゲンらし存在
出現時は満月の夜、アビドス中央砂漠近郊のオアシスにて高エネルギー反応検出後に鎮静と同時に出現
小型のドローンにより観測したことにより形状の詳細が判明

・人に近い容姿だが、手指や足の一部が触手
・発音が出来ず、機械や鳴き声にも似つかない声を発声

追記
・形状が変化、衣服を纏い手指、足の形状がより人に酷似。

名称が判明、狩谷ツキミ

上位存在に対するある種の怒りを持つ。神秘の性質が生徒の者たちと似てはいるがより古い?ような存在。【色彩】にも近い性質も併せ持つが、それよりも高位の存在の可能性が浮上。理由の一つにおおよそ単一個体としては考えられない数の呼吸、心臓の鼓動、などの生命反応に近しいものを多数検出。

銃弾に対する抵抗性_無し。代わりに特定の血液を摂取・吸収することにより修復。
背中から羽。傷を負うごとに体が変化の可能性

想定外の事態が発生、対象が戦車砲の榴弾により一部破損。修復時に夢を見る時に似た脳波検出後に破損前までの脳波を逆再生するかのような数値を出力。細胞単位で状態を”巻き戻している可能性”

二度目の破損。便利屋68襲撃時に足、胴体、目それぞれに深刻なダメージ、または大量出血。
血液の摂取により修復されるが、それが間に合わない場合(瞬間的な致命的ダメージ、または体の一部を欠損した状態での気絶)などの場合にのみ身体の状態を巻き戻していることが判明。

しかし羽が肥大化、おそらく次の破損時には2メートルを超える可能性。

対象から採取した脳細胞の一部を培養、組織液の内部に真菌類の生物を顕微鏡により発見。
マウス、牛、ブタ、羊、サル、犬、猫、ヒト。などの哺乳類全般に感染性があることが判明。
一種の脳炎に似た影をレントゲンにより発見、しかし毒性、症状は発見出来ず。

またこの際に種の壁は機能せず、免疫は全て無抵抗だったが、脳細胞から離すと自然に消えた。

レントゲンを照射しながら計測した結果。鼻腔から真菌を吸い込むことによりリンパ管から脳幹へと至り増殖。オキシトシンなどの物質の量が増大。対象に対しての恐怖感の欠如や親近感の原因か


3度目の破損を検出、前回と変わらぬ変化。”夢“の時間が前回よりも27%減。
対象の形状が変化。人型ではあるが全くの別の種へと進化したかのような変化だが、脳波自体は通常の人間が夢を見る時と同様のものであった。

対象は現在眠ってはいるが、そのまま行動している。周囲の人間の精神に異常が発生。
真菌に変化あり、考えられないことだが、真菌から“細菌”に変化の可能性あり、生物的にあり得ない反応。いったいなぜ。

アビドスの過去の文献より似た存在を確認。以後対象を【狩谷ツキミ】より
【月の魔物】と呼称

黒服
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