エイジ761 十月十一日 五時の暗黒魔界
暗黒魔界の第三層の住民達は大混乱をきたした。
暗黒魔界の住民も魔族だとて年がら年中殺伐とした場所ではない。
食事はする、風呂に入りもするし余暇や趣味もありなんなら住民の憩いのカフェだとてある。
この辺りは表の世界の大半の住人達、特に地球と大差ない生活をおくっており、無論睡眠だとてとる。
時間の流れは太陽がないので明確な昼夜は存在しない。
しかし無限のエネルギーを持った特殊な魔人や魔族ではない限り疲れれば寝る。
魔界の住民はそれぞれバラバラではあるが、第三層にいた魔族達は近々地球とやらにいる己達魔界の天敵たるラディッツという男を屠りに行く為に集められた者達が大半であり、生活サイクルがバラバラでは一斉攻撃をする際に全員揃ってのフルパワーが出させなければならないとダーブラは決意した。
軍隊の様に同じ時間に寝起きする習慣を今よりも半年前から叩き込み、そこさえ守ればあとは好きにしてよしのお達しのもと、暗黒魔界開闢以来の魔界軍団はここに誕生し!・・・そして壊滅させられた。
中には寝たまま怨敵よりの陽の光の気によって絶命し、ダメージを負っても跳ね起き反撃しようとしたが、ー大小様々な大きさの光輪ーによって全身を引き裂かれ、あるいは自動的に動く十以上の気弾によってボコされそして気弾の主に食い殺される様にたおされ、動きを止められた中で圧倒的な物理力の拳によって絶命をし、五分とただずにダーブラが心血を注いで作り上げた軍隊は壊滅の憂き目にあい
「・・・ここにはカカロットはいない。」
次に行くぞと陽の光の気を放った男は、その後は何もせず敵が殲滅した後ポツリと言ってスタスタと歩き出す。
死体の中を無人の野を行くが如く、真っ白な袍に黒い縁取りをあしらえ左胸に小さな丸に鶴の字をつけたラディッツは先頭を歩き、後から地球人のクリリン、ヤムチャ、餃子、天津飯とシン、そしてレズンとラカセイがついて行く。
悟空・カカロットを取り戻すべくラディッツ自らが選抜したメンバーと共に暗黒魔界に乗り込み奇襲をかけ成功してが、本人も周りも淡々として気がつき迎撃に出てきた敵を効率よく屠っていく。
クリリンの大小様々な光輪で向かってくる敵の速度も利用し肉体のどこかを傷つけ怯ませ、ヤムチャの操気弾十発を集団の中に潜り込み内側から食らい尽くす様に餌食にし、外と内からの訳のわからない攻撃で足を止めた者達の体をさらに餃子がテレキネスで止め天津飯がとどめを刺す無限ループの完成である。
ここにいるのは尖兵となる予定の者達で、達人と呼ばれるほど強くはないが、それでも地球人のそれなりの戦士達の何倍かは強いはす!!・・なのだが、ヤムチャも天津飯も餃子だとて歴とした地球人であるはずなのに・・・
「とっとと悟空を返せ馬鹿野郎!!」
「悟空に何かあれば絶対に許さん!!」
「全滅が嫌ならばとっとと悟空を返せ!!」
「僕達本気だからね!!」
手向かう者に容赦が無い・、・同行しているシンがどん引くほどに、全員意気軒高にして士気は暗黒魔界よりもさらに高い。
無論暗黒魔界の者達、特にダーブラ達よりよりの邪悪な魔族にとっては自分達の生存がかかっているのでやる気があり、侵入者を殺そうと群がるも、ラディッツ達の餌食になるのを水晶で見ているダーブラ達は歯噛みしつつ、もう一つの水晶に映っているラディッツは何なのだと疑問で頭がいっぱいになる
そんな中
ボン
地球のラディッツを映している水晶はー変な音ーを拾いそして・・・青い空飛ぶネコのようなぬいぐるみもどきがラディッツのいたところにいるではないか!!!
「そんな・・・馬鹿な・・・」
青いネコもどきの正体を知っているバビディーは、呆然とした
あの青いネコもどき・プーアルは変身術に長けているので、今回の様にラディッツの影武者をしてなんらかの作戦に出るのではないかと警戒していたが!確かにラディッツの側を心配そうに浮いて行ったり来たりし、なんならラディッツと同じくらいのタイミングで水晶で見張っており、どこからも異常報告はなかったのだが
「もう時間だしー元の姿ーに戻っていいんだよな。」
ボン!!
・・・浮いていたプーアルもーラディッツー同様に音を立てて煙を出してそして
「・・・なんであの豚野郎がプーアルって奴と同じにー長時間ー化けていられたのよ!!!!」
ーラディッツーとープーアルーのカラクリは、トワが綿密に調査したのを全てひっくり返された理不尽さに憤った叫びに全て集約されたと言っても過言ではない。
昨日の地球に戻った時点で、ラディッツはー刺すような敵意の視線ーを感じ取り、いよいよ魔界の者達が自分の予想通りに水晶で監視を始めたかと悟ったのだ・・・いやなんだよそれ、チートじゃねかよ出鱈目でパワーバランス無視してるじゃねえかよと言ってはいけない。
数多の政争と殺されかけた事が誰よりも多く、そして膨大な気を緻密に扱えサイコキネシスやテレパスをも防げる気のコーティングを常時張り巡らせているラディッツだからこそ気がついたといおうか、気のコーティングに魔法の波長が引っかかたってしまったのが暗黒魔界勢にとっての運の尽きとも言える・・・やっぱ出鱈目かもしれないが、ラディッツは感知出来たのを幸とばかりにプーアルとウーロンに念話で入れ替わり出来ないかを頼み込み
「分かりました!僕頑張ります!!」
プーアルは大好きな家族の一大事時に自分が役に立てると張り切り
「・・・それってさ、俺とプーアルが狙い撃ちされるんじゃね?」
調子に乗りやすく勢いで突発的な(ちょっとスケベ行動・・)するが、基本臆病と言われかねないほどの慎重なウーロンの言葉に、熱血プーアルがそんな事言わないでやろうよウーロンと熱く誘いそして
「ウーロン、陰からこっそり白白師兄のーナノウィルスー達を常時お前達につけてもらうようにして許可は降りている。」
他にも二人を守り抜く策を施すから頼むと頼み込むラディッツに
「・、・わかったよ、俺だって悟空に帰ってきてほしいしいいぜ。」
安全がそれなりに保証された事でウーロンもラディッツの策に頷いた。
自分とプーアルの安全をラディッツが請け負ってくれたのだからとラディッツを信頼して
そして夕餉の支度の忙しない中で、ラディッツとプーアルは入れ替わった。
水晶も万能ではなく、ー孫家の食糧庫ーという倉庫に入ったラディッツを追う為に映像が少し乱れた時からプーアルが化けたラディッツとラディッツは入れ替わっていた。
その少し前にプーアルも似たような方法で自分に化けたウーロンと入れ替わりをして、倉庫の中で箱の一つに化けてラディッツを待って入れ替わったのだ。
この作戦が成功した功績の一つはシンによる水晶事情の説明であった。
ラディッツも特撮でー水晶ーの事は知っているが、この世界の実際の水晶の力と便利・不便を知らず、どう敵の水晶の目を掻い潜れるないかを念話で意見を求めたところ、ご先祖様の水晶で遠くからラディッツを見ていたというシンから朗報がもたらされた
曰く建物の出入り時には追跡のラグができ、いつもそれで万が一を見逃さないかとキビトとご先祖様と共にハラハラしたのだという苦労話し付きで。
・・・俺はそんなに前からあちこちから見張られていたのかとラディッツは呆然とし、ならなんで今回は見られているのが分かったんだと本人と周りは疑問にもなった
・・・・たんに相手の殺意がこれまでの一億倍に跳ね上がったからだとはわからんだろう・・・色んな意味でやっぱこいつ滅殺だとなったので視線と邪気魔力が跳ね上がったのが相手の運の尽きとも言おうがそれは兎も角!
ラディッツからの念話で作戦を伝えられた、不自然にならないようにー知らされた一同ーは目の前のプーアル・ラディッツを本当のラディッツと同じだと思う事に成功し、プーアルも優しい性格はラディッツと同じなので落ち込み方も憂い方も同じので、荒野で月を見上げていたのがラディッツ本人であると魔法の第一人者たるバビディーとトワをして騙しおおせたのだ。
そしてプーアルラディッツの肩に溜まったテラも当人(?)であったのだ。
暗黒魔界には流石のテラもついて行く事は出来ずに、プーアルの落ち込みに共感をして共に慰め合い、荒野のティラ達も気配でラディッツではないと知っても、よくラディッツと一緒に遊びに来る一人だと覚えていたので落ち込んでいるのを慰めに来たのも功を奏したのかもしれないがテラもティラ達もそして化けたプーアル本人も本当はそこまでの事を考えての芝居では決してない。
プーアルは戦いが大嫌いだ
プーアルはヤムチャ様とそして家族と思う人達と楽しく暮らせればそれ以上は望まず、理不尽な騒ぎから放っておいて欲しかった想いに偽りはないのだ。
悟空との出会いは最悪だった。
無論当時を振り返れば山賊なぞして悪事を働いてブイブイ言わせていた自分とヤムチャ様が悪いが、だからと言ってロケットランチャーの弾を爆発させる事なく打ち返してきた悟空理不尽すぎるだろうとは今でも思う!
普通は棒で打った衝撃で暴発してその場で爆発してるだろ!
・・・とはいえ、悟空達に捕まったお陰で今かある
ーこのビッグウェーブ乗らない手はありませんよヤムチャ様!!ー
うちの用心棒やらないかというブルマの誘いに悩んだヤムチャ様を説得出来たのは今でも自分の誇りの一つだ。
そしてあれよあれよと孫悟雲さんに出会い、忙しすぎて身を二つにしないととてもではないがお兄ちゃん過労死してしまいかねないのを見かねたブルマの発案ー影武者ー作戦で写真集やPRポスターの仕事をしてもう十年以上が経つ。
長い年月の中、荒野では決して味わえない温もりを、思い出を、幸せをプーアルはヤムチャと共に味わいいつしか自然と二人も入れて孫ファミリーと言われる中に入っていた。
プーアルはファミリー全員が大好きだ
・・・ちょっとヤムチャ様がブルマに想いを伝える暇もなく失恋した時はちょっぴり悟雲さんに呪詛飛ばしかけたけど、それも今となっては懐かしい思い出の一つ
そんなファミリーの戦える人達は何事かがあればすぐに最前線へと向かい、プーアルはいつも彼らの無事を祈りながら見送る事しかできない自分を恨めしく思った。
同じく小さな餃子だって戦いに行くというのに
しかしプーアルはそこで腐る事はせず、残ったファミリーと周りを元気づける為に明るく振る舞い慰めの一条になる事も嫌ではなかった。
泣きそうな子をウーロン共に可愛い物や他の物に変化して笑わせる事ができるのだから。
そして、今自分の変化が今回の作戦の重要な事だと知らされ願われたプーアルは俄然張り切り!
ー頑張ろうねウーロン!!ー
と、ラディッツ念話(?)で繋がったウーロンに熱い言葉を送り
お前な、張り切りすぎたっていい事ないぞ?肩の力抜けよと言われても張り切ったプーアルであり、ウーロンとしては本当に大丈夫かプーアルはと心配する羽目になった。
ウーロンはプーアルと違い女の先生の着替えを覗いて南部変身幼稚園から追い出されて、五分しか変身出来なかったー過去ーがある。
そう、トワ達がラディッツの周りを綿密に調べてプーアルの凄い変化能力と、変化が完璧にできてもー五分ーしかできなかった落ちこぼれウーロンの話も当然調べてある。
写真集をプーアルとウーロンに代わってもらう時、ラディッツ達は必ず仕事相手に断りを律儀に入れ、相手としては多忙の中の撮影なので二、三枚ぱっと撮らせてもらえれば恩の字だと考えていたので、細部までそっくり同じ姿を何時間も独占できるとあれば否やもあるはずもなかった
意外にも表情や雰囲気をつくるのは正直者のプーアルよりも、小悪党正確に近かったウーロンの方が上手く惜しむらくは
ー五分以上変化できてたらいう事ないのになー
と残念な声が業界に多く残り、トワはその情報でウーロンは監視しなくてもいいだろうとリソースをラディッツとプーアルにふったのだが
ー悟雲さんの姿の方がギャル達にモテる!!俺だって女の子達にキャアキャア言われたい!モテたい!!握手してハグしてもらえれば最高だ!!!ー
・・・こんなとんでもなくウーロンらしい理由からウーロンの変化能力はプーアルと同じになって、同じになれた頃には写真集と他の仕事の兼ね合いがきちんとできるようになれたラディッツ事情で影武者仕事をお役御免になったせいで、業界のウーロンに対する評価が変わらなかったという物凄くウーロンにとっての残念な理由でトワ達をひいては暗黒魔界を出し抜けたのだから人生何が起こるか分からんだろ・・・
しかしウーロンも乗り気ではないふりをしても、あの当時五分しか変化出来なくてもプーアルにいう事と同じように、ありがとうと言ってくれるのだ。
地球最強にして誰もが憧れる孫悟雲さんがだ
本当に彼と周りの人達は優しい。
時折りスケベな本を読んでいるのを見つかってもラディッツであれば子供達と女性に見つからないところで頼むとお茶目に言われ、亀の爺さんとヤムチャであれば一緒にうししをして、女性陣や生真面目組に見つかって一緒に怒られながら、楽しい騒がしさの中にいる。
だから、プーアルか張り切った時あいつ大丈夫かと心配になり、悟空酷い目に遭ってないかを案じ、チチ達を始めとした自分の家族を泣かせる奴なんて滅んじまえばいいと憤りもして、俺達の安全大丈夫かと尻込みしながらもウーロンはラディッツの策に手を貸し、そしてー作戦定刻ーになって少ししてから二人は変化を解き、覗き見輩全員の度肝を抜いてやったのだ。
ラディッツは地球時間を刻む時計で動くよう、作戦を伝えた全員に念を押した。
魔界に行くクリリン達は仕事ないし呼び出しのていで家を渋々出てもらい職場に行くふりをして監視の目の外に出た後、建物を落ち着かない態度で出たり入ったりするシンがーカイカイーで回収して、先行して潜り込ませたラディッツの気のステルスモードのバリアーと、レズンとラカセイ最新のステルスシールドも併用したので、魔界の者達は本当に侵入に気が付かずに奇襲作戦は成功を果たした。
功績はプーアルとウーロンは無論だがーカイカイを習得していたーシンにもある。
シンは界王神ではあるが、年若く未熟な中で一人で界王神をしなければならなかったせいで出来る事が少なかった。
そこに自分を追い込んで鍛えたいと思う理由が生まれそしてシンはウィスの導きでカイカイを習得した。
ー貴方を戦闘力で戦力にするよりも、貴方にしかできない強みを活かしましょうーと
悟空達の瞬間移動とは違い、風景の断片であっても思い浮かべれば瞬間移動出来る能力は極限の戦いや長期の戦いにおいて味方を有利な方に導く事ができるかもしれないという言葉にシンは頷きそして習得した。
その前からキビトも使えていたが、キビトの性格では何かを案じてうろつくという演技は出来ないので、自分ができるようになっていて本当に良かったと、暗黒魔界を飛びながらシンは想いを馳せる。
シンも時計をしており、定時刻と共にカイカイで魔界に飛びそれを合図にラディッツが陽の気を加減する事なく魔界の第三層に降り注ぎさくせんかいしとなったのは感慨深さがシンにはあった。
界王神としてこの宇宙を守り抜くというーあの時ーの想いに偽りはなかったが、多忙の中にて己の修練を忘れ去っていた矢先に、ーラディッツーという漢の生き様を知らされたシンは、多忙は言い訳だと、教えを乞いたいとー普段怖くて近寄るのも畏れ多いー破壊神・ビルスに面と向かって頼み込んでそして、今この時にラディッツ達と地球にいるあの優しい人達の力になれる事を誇らしく思いながら、ー仇ーもとれると神らしくない事も思いつつ。
・・・・・・・・・・・
確かに今度の大騒動もラディッツが原因であるが、その大騒動に立ち向かえる策を発動出来るのも、周りの大切な人達を思う心とそして根っこにはラディッツか、孫悟雲が必死に我武者羅に歩いてきた道のお陰でもあり、ここに地球勢と界王神による暗黒魔界への大反攻の幕が切って落とされたのであった。
シンはZ本編ではキビトしか使えないような描写でしたが、最新情報では界王神も使えるとあったので、修練して習得した設定にさせて頂きました。
また暗黒魔界の魔族達の睡眠も、ダイマでも詳細な設定は無かったので本編のように書かせて頂きました。
物語りがようやく動かせ、ここまで書けてほっとしている筆者です(苦笑
(先はまだ長いのに、、)