未来予知できる“聖女”の気まぐれ。   作:utsis❀

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聖『浄化されるかと思った…』
灰「次会ったら今度こそ仲良くなりたいな」
3年ズ「「「“聖女”はどこだ」」」


十人目 “灰原雄”

 

 

 

 

 

 最強も目覚めたし一安心…、と思ったらまたもや“難関”が現れる。  

 

 

 

あっ、君!!

 

『…??』

 

 

 

 夜の街を歩いていたら、不意に声をかけられた。

 ナンパか?とそちらを向くと相手はなんと、“呪術高専”の生徒。

 

 

…スゥウ、全くもう、何度目の正直なんだよ!!

 

もはや呪いかな?うん、呪いだな。

 

 

 それに、この子…黒髪に爽やか笑顔って、なんか見覚えがあるようなないような。

 

 

『?何か御用ですか?』

 

 

アイスを片手に黒髪青年を見上げると、彼は「えーっと」と頭を掻きながら少し恥ずかしそうな顔をする。

 

 

「間違ってたら申し訳ないんですけど、前に沖縄でぶつかった可愛い子に似てて。

 つい話しかけたくなってしまって…」

 

 

 

おきなわ、オキナワ、沖縄…、アッ。

 

 

 

 ナナミンと出会わないように逃げた時にぶつかった子だ!?

 

 

 

“呪術高専”の生徒だったんかい!! 

 

七海も近くにいたし、彼の同期なのかな。

 アロハシャツ着てたから観光客にしか見えなかったよ!

一生の不覚かもしれない、悔しい…。

 

 

 他人の振りをしても良かったけれど、眼の前の黒髪青年の爽やかスマイルに絆され、騙すことに罪悪感を感じて認めてしまった。

 

 

『はい、間違いありませんよ。

 あの時は本当にすみません』

 

 

 深々と頭を下げる私に黒髪青年は慌てて大きく首を振る。

 

 

「いや、ソレはもう気にしてませんよ!

 それより、その、連絡先とかって交換してもいいですか?

 僕、呪術高専2年の灰原っていいます」

 

 

そう言ってケータイを取り出す黒髪青年。

私は、彼のスマートさと行動力の高さに度肝を抜かれた。

 

 

エッ、れ、連絡先…?

 

 

まさかの展開にオドオドしてしまう。

 私はケータイなんて持ったことないし、何なら触ったこともないアナログ人間である。

 

 そもそも、自己紹介すら聖女の立場上無理なんだよ…!

 身バレ情報を自分から公開するマヌケみたいになるじゃん!!

 後輩に手を出した(※語弊あり)ことが五条悟とか硝子とかに伝わった瞬間、デッド・エンド待ったなしである。

 

 

 どうしよう、断らなければ。

 

 

 そう思って顔を上げた私に、灰原はめちゃくちゃ良い笑顔で口を開く。

 

 

 

はい!せっかく再会できたので、是非貴女と仲良くなりたくて!

 

 

 

うぐっ!!

 

 

 脊髄反射で頷きそうになるのを必死に留めた。

 

重要イベント(最強覚醒)乗り越えた瞬間に新しいタイプの難関(裏ボス)が現れるとかどういうこと?!

 

 

 

でも、良い子なんだ…、この子絶対良い子なの!!

本当に根明っているんだね。

 

 

笑顔が眩しい…ってか、尊い!!

 

 

“呪術高専”の生徒でなければ是非お近づきになりたいかな。

 

 

 

さーて、どうやって逃げようか?

幽霧召喚する??

 でも、灰原の様子からすると、私=聖女だって知らないみたいだし幽霧を呼び出したらその後身バレ確定だな。

 とりあえず断って人気のない場所まで行こう。

 

 

 

連絡先は無理ですね…、ごめんなさい

 

 

 

 申し訳ない顔をして断ると、しゅんとした表情を浮かべる灰原。

 

 

 

「そうですか…」

 

 

 

うっ、何か犬っぽいなこの子。

 柴犬みたいで冷たくするのが憚られるほどに愛嬌があるんだよね。

 

 絶対幻覚だけど、垂れ耳が見えちゃうんだよ…!!

 

 

 

なら、お茶でもしませんか?

 

えっ?

 

 

 

 さっきまで落ち込んでいた灰原の切り替わりに耳を疑う。

 

ハッ、もう既に爽やか笑顔が復活してる…だと!?

 

 

 

あれあれ、雲行きが怪しくなってきたよ。

 

 

 潔く諦めたかと思えば臨機応変に攻めてきた灰原少年。

 

 

もしやこの子、予想以上に手強い??

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

結局、灰原の提案に乗った私。

 リスキーな行動ではあるけれど、いざとなったら迷わず逃げる所存。

 

 

敵前逃亡とか恥ずかしくないのって?

 万が一にも覚醒めた最強と出会した場合、勝てるわけないでしょうが!!

 

 

 灰原と2人で入ったのは、客が少ない深夜のファミレス。

 私は外が見えるように灰原の向かい側に座った。

 灰原はメニュー表を取ると、広げて私の方に向けて内容を見せてくれた。

 

 

「何か食べます?」

『ええっと、パフェ食べたいです』

「いいですね!何にしようかな…」

 

 

 灰原は気遣いできる、優しい、ユーモアがある、と良いところ尽くしだ。

 たまに天然なところが可愛げがあって好感度が高い。

 ただ、あまりに善人過ぎて騙されてしまわないか心配である。

 

 

2人で食事をしながら、会話を進めていく。

 

 

「へぇえ、占い師さんなんですね!!」

 

 

 目を輝かせる灰原に、私は『そうなんです』とニコニコ笑っていた。

 

 無論、無垢な少年を騙すことに対して私の心は罪悪感の刃でザクザクと滅多刺しである。

 “聖女として慈善活動(お金稼ぎ)してますよ”とは口が裂けてもいけないから、濁してしまった。

 未来を予知できたり干渉できる点では半分嘘じゃないからね。

 

 

 灰原は「占いかー」と呟いた後、ハッと思いついた顔をした。

 

 

「じゃあ、僕の未来とかって占えたりします?」

 

 

 占い、というにはあまりにも確定的なのだけれど。

灰原の言葉に私は然と頷いた。

 

 

『できますよ』

 

「あっ、じゃあ、お願いしたいです!

 最近占いの本読んで気になってたんですよねー」

 

 

 純粋な笑顔で頼まれて、私は何とも言えない顔をしていた。

 本来は軽いノリでするものじゃないし、有料だけど…。

 まぁ、この場では私はただの占い師だし、サービス(善行)ってことでいいか。

 

 

一応、瞑想占いで未来を視る的な過程をでっち上げてから、目を瞑る。

 

 

『“嚮後透視”』

 

 

 聞こえるか聞こえないかのギリギリラインで詠唱した。

そして、視えたものをしっかり脳に刻んで目を開く。

 

 

 

灰原は終始手に汗握る様子で私を見ていた。

 

 

 

…うーん、やはりこの世界術師に対して厳しすぎんか??

 何で尽く術師の死亡フラグ立てに来るかなぁあ!!

 

 

 どうやら灰原はナナミンとの遠出の任務で命を落としてしまう運命らしい。

 

 この子も悲劇の起こりうる原因のキーパーソンなのか。

 これは、…どうしていこうかな。

 

 

 

「どうでしたか?」

 

『確かに視えましたよ』

 

「今後僕に何が起きるとかってわかりますか?」

 

『分かりますけど…、聞きたいですか?』

 

 

 今の私の顔がどうなってるのかは分からなかったけど、灰原は少し不安そうな表情をした。

 答えることは簡単にできるけど、事実だけを聞けば確実に動揺するに違いないから。

 

 私は深く息を吸い込んで、吐いた。

 

 

遠くへは行かないこと。

 もし行く必要があるなら、必ず力強い年上の誰かを頼ること

 

 

えっ?

 

 

 私からの突然のアドバイスに灰原は目を丸くした。

事実だけ言ったところで仕方ないからね。

とにかく念入りに釘を刺しておく。

 

 

『この2つだけは“絶対に”守って下さい。 

 そうすれば貴方は救われることでしょう』

 

 

 私の言葉に、灰原は真面目な顔をして数秒黙った後、コクリと確かに頷いた。

 

 

 

 私は小さく息を吐いてから窓の外をチラリと確認した。

 

 

 

 

よし、窓の向こうには敵なし、呪術高専の生徒なし。

 

…って、幽霧!?

君そこで一体何してんn…って、ん?

 

 

 

ジェスチャーで、どこかを指さしてる??

 

そして、幽霧はパクパクと口を開閉した。

 

 

 

“シ、ラ、ガ” ?

 

“タ、バ、コ” ?

 

“マ、エ、ガ、ミ” ?

 

 

 

特徴分かりやすくて良いね。

 

 

 

 

…じゃなくて、はぁあああ!!?

 

それもしかしなくても“問題児達”じゃん!!?

 

 

 

 

最強2人と友達の合流は完全にアウトである。

 私は内心ガクガク震えながらも、表面は毅然と振る舞った。

 席を立つ前に、灰原に対しフッと意味深に笑いながら言い残した。

 

 

 

『年上の人に頼む時には私の今から言う事を伝えると良いよ。

 

 “大切なものを失くしたく無くば、手元に置いておけ、と聖女様が言ってた”ってね』

 

 

 

「??はい、分かりました!!」

 

 

 

 厨二病ムーブをかます私に灰原は不思議そうに首を傾げていたものの、素直に受け入れてくれた。

本当に良い子すぎだよ、灰原!!!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

▶その後合流した3年生コンビとワンコ少年

 

 

 

五「灰原、お前アレ(聖女)がタイプとか見る目なさすぎ」

 

灰「えぇ〜?可愛いし良い人そうですよ!」

 

五「いや特級を足にする聖女とかねぇわ

 

夏「うーん、どうだろうね。

  私は(呪霊を)“()”としてなら使ってるけど…

 

お前ら(クズ共)アイツ(聖永)を語るな

 

 

 

 

 




お読みいただきありがとうございます(*^^*)
 
お読みいただきありがとうございます(*^^*)
 今回は1話分進めさせていただくことになりました。次回は、閑話となります。
 話が変わりまして。漫画でもアニメでも、灰原の死は結構衝撃的でした。聖女による灰原の救済で七海や夏油、多くの人が救われることを願っています。
 最後に、お気に入り・しおりの登録や感想、評価をして下さりありがとうございます❀
これからも小説の執筆・投稿に励みます✿
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