未来予知できる“聖女”の気まぐれ。   作:utsis❀

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聖『私は今日から“姉”になる!!』
双子「「聖女様大好き!!」」



十二・十三人目 “枷場美々子・菜々子”

 

 

 

 

 今日もお忍びで外へと出かけている聖女だよ!(※n回目)

 

 

 いつも街にしかいかないからたまには気分転換をしようと幽霧にランダム瞬間移動をお願いしてみたんだ!!

 

 

 

 

『“行ったことがないところに行きたいなー”』

 

 

 

 

私は確かにそう言った。

 

 

 

 

言ったけども!!

 

 

 

 

 

何処ここぉおお!?

 てか、なんで山なの!!??

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 何の因果か、私は見知らぬ土地の見知らぬ山に置き去られてしまった。

 

 絶賛、生まれて初めての放置プレイなるものを経験しております。

こんな悲しい初体験は今までなかったよ!!

 

 

 

 

 ランダムだからって、そんな高確率で樹海に放り込まれることとかある!?

 

 

 

 

 いや、森とか都会暮らしだからあまり行ったことなかったけど、わざわざ森のど真ん中になんて来るわけ無いでしょうが!!

 

 

 木が鬱蒼と立ち並んでいて暗いし、正直自◯スポットかな?としか思えない。

 

 

 

 

どうやって気分転換しろと!?

むしろストレス溜まるわ!!

 

 

 

 

 あの呪霊(幽霧)、聖女である私に対して容赦がなさすぎないか??

私へ何か恨みでもあるのか??

 

 

…いや、まぁ、その、心当たりは指折りであるけども。

 

 

 

 

でも、だからって!

いくら私が不死身でサイボーグだとしても!

 

 

 

 

 

 

こんなところに飛ばさないでよぉお!!

 

 これ間違いなく幽霧の迎えがないと帰れないヤツじゃん!!!!

 

 

 

 

 

ー…そして、私は道なき道をひたすらに彷徨っていた。

 

 

 

 

 

 トボトボといつまで経っても変わらない景色の中を進む。

 

 

 

 

真の独りぼっちってこんな寂しいもんなんだな。

 いつも誰かと出会って話してたから、感じなかったけど。

 

 

 

 

 流石にこんな山中じゃ術師はおろか話し相手なんて誰もいるわけないよね!

うん、分かってるよ!!(諦念)

 

 

 

 退屈を抑えるためにとにかく“無”で歩いていたら、茂みから何かが現れた。

 突然のことにビクッと肩を揺らして、立ち止まる。

 

 

 

 

 ま、まさかこんなところに人がいるわけ…。

じゃなければ呪霊か?幽霊か??

 

 

 いつから私はホラーゲームの世界の住人になったんだよ!!(泣)

 

 ミッションも設定も何もないホラゲーに迷い込んだとか嫌だよ?!

 

バッド・エンド確定じゃん!!

 

 

 

 

 

おやぁ?アンタ、どこの子だい?

 

 

 

 

エッ、人!?

 

 

 

 

 

 思わず失礼ながらもそのお婆さんの足元を見て、幽霊かどうかを確かめてしまった。

 

あ、良かった、生きてる人だ。  

 

 

 

 

迷子かい?

『エーット、ソウデスネー』

 

 

 

 

 “契約した呪霊にランダムで飛ばされました”などと言えるわけは勿論なく。

 

 もしそんなことを宣えば、頭のおかしい小娘認定されてしまいかねない。

 

 

 

 とりあえず棒読みで肯定するとお婆さんは「難儀だねぇ、小さな集落が近くにあるから休んでくかい?」と私の頭をなでた。

 

 

 

ちょ、私長生きしてるんで!

子供扱いはやめてもらって良いですか!?

 

 

でも、うーん。

 

 

 確かにこの先分け入っても分け入っても森なわけだしなぁ。 

 ずっと永遠と似たような視界だと気が狂ってしまいかねない。

 それに、休める場所があるなら、行ってみようかな…。

 

 

 

 

 

 お婆さんの好意を受け取って後をついていくことにした。

 

 

集落ねぇ、一体どんなところやら。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

集落を訪れた私は愕然とした。

 

 

 

 

何だこの独特でかつ濃い負のオーラは!?

 そこら中にウロウロしている呪霊も低級ではあるけれど、このまま放置すればパワーアップする可能性がある。

 

 

 

 あまりの劣環境にびっくりを通り越して呆れてしまう。

何をどうしたらこんなことになるの???

 

 

 

 アッ、皆さん、先ずはメンタルヘルスチェックを受けましょうか??

多分病んでおられる方が多いですね!!

 

 

 

「うちで休んでおいき。

 きちんとした道を通れば大通りに下れるはずさ」

 

『ありがとうございます』

 

 

 

 私は怪しまれない程度に低級呪霊を軽く手でパッパと祓いながらお婆さんの言葉に笑顔で頷く。

   

 

 

 どうやらお婆さんは集落のリーダー的存在の奥さんらしく、それなりにお偉いさんらしい。

 旦那さんにも会って、互いに自己紹介をする。

 

 私は無謀にも森の中を探検する怪しいものではなく、列記とした聖職者であることを示した。

 まぁ、実際には聖なる力ではなく術式で迷える人の未来を救ってるだけなんだけど。

 

 

 

 

なんと、聖女様でしたか!!

 

そうです、困り事などあればお聞きしますよ

 

 

 

 聖女の顔をして慈悲深い笑みを浮かべて村人の方を向いた。

 

 

 

 

「…困り事

 

 

 

 

 そう呟いた村人は途端に暗い顔をして、黙り込んでしまった。

 

首を傾げていたら、村人は恐る恐る話し出す。

 

 

 

 

 

 

実は村に呪いの吉兆である双子がいまして…

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 案内された先にいたのは、檻の中に閉じ込められ肩を震わせている術式もちの双子の少女だった。

 

 

ひと目見た瞬間に分かった。

この子達は、決して呪いなんかではない。

 ただ、普通の人とは違う優れた能力を生まれ持っただけだ。

 

 

 

ただそれだけだというのに。

 

 

 

 無辜な少女達を虐げる無知な村人達に対して溢れる不快感にぐっと眉をひそめる。

 

 

 

しかし、湧き立つ怒りを鎮めた。

 

 対応を一歩間違えば私も敵扱いされてこの子達に近づかせてもらえなくなる。

 

 

 

だから、とにかく冷静に、息を吐き出す。

 

 

 

『…なるほど、私にお任せ下さい。

 確かに危険があるので、この少女たちは我が教会が責任を持って引き取ります

 

 

 

 “()()()()()()()()()()危険がある”という意味だけど、敢えて伏せた。

 そう告げると、村人達は途端に顔色を明るくさせた。

まるでずっと追い出したくてたまらなかったみたいに。

 隠しきれていない悪意に私の胸の中でまた怒りが燃えた。

 

 

 

 

おい、立て!聖女様にご挨拶しろ!!

 

 

 

 

 怯える双子の髪を掴む男の人の手を掴んで止めさせた。

私は()()()()()優しく諭す。

 

 

 

 

『乱暴はやめてあげて下さい。

 この子達はまだ幼いのですから。

 

 ほら、いきましょう?

 

 

 

 

 男の人は不服そうではあったが、掴んでいた手を離して降ろした。

 笑顔で双子の少女たちへ手を差し伸べると、

茶髪の少女が泣きながら私の服を掴む。

 

 

 

ヒック、救けてくれるの?」 

 

 

 

 茶髪の少女と似た黒髪の少女は声にならない声を上げて私を見つめた。

 

 

 

ヒッ、グスッ、ぅ…

 

 

 

 

 

『私は救済の聖女です。

 

 困っている人を見過ごしはできませんので

 

 

 

 

泣いている双子の少女の手をそっと取る。

 

 

 

可哀想に、やせ細ってしまって。

ご飯もろくに与えられていなかったのだろう。

 髪も服も汚れだらけで迫害の痕が目に見えて分かり、胸が痛む。

 

 

 せめてこの先では、この子達を幸せにしてあげなければ。

 いつか過去を笑い飛ばせるまで、幸せな暮らしをしてもらいたい。

   

 

 

 

それではさようなら

 

 

 

 

 私は可愛らしい双子の少女を連れて集落を降りた。

 

 

 

 

村人達は私と少女達を笑顔で見送った。

 人間って、なんて尊くてなんて浅ましい生き物なのだろう。

嫌なものを見てしまった気分だった。

まぁ、もう終わったことだし忘れてしまおう。

 

 

 

 とりあえず、教会で管理するという口実をつけて、少女たちを村人から引き離すことに成功し安心した。

 

 

 

 結局、呪霊が溢れた集落を作り出した原因の村人達は救けなかった。

 幼い子を檻の中に閉じ込めて甚振るような集団には些か罰が必要だろう。

 だから必要最低限の量しか祓わずに低級呪霊郡を放置してきた。

 

 

 

 

 双子の少女たちは枷場美々子・菜々子という名前らしい。

2人を呼ぶ時はミミナナって呼ぼう。

 髪色以外はそっくりで双子コーデも映えそうだ。

 今も可愛いけどおしゃれなお洋服を着ればとびきり可愛くなるはず。

 

 

 

 あとは幽霧に瞬間移動を頼んで教会に戻ったあと、正式に教会で保護しよう。

 術式持ちの件については少し保留にして、一旦ミミナナには身体ともに回復してもらおうと決めた。

 

 

 

 

 

よし、聖女は今日から“お姉さん”になります!!

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

▶その後の御噺

 

 

 

 

見て!可愛いでしょ!私の妹達!

 

元の場所に帰してきな

 

 

『もうっ、この子達は犬猫じゃないんだよ!

 あそこには帰せないし、教会で保護したいの。

 だから一緒に連れてって!!』

 

 

「全く、行き当たりばったりにこの馬鹿は…」

 

 

『この通り!お願いします!!』

 

「「(おずおず)おねがいします…」」

 

 

「…あー、もう、分かったよ。

 でもこれきりにしてよ

 

 

分かった!!(※分かってない)

 

 

 

 

 




お読みいただきありがとうございます(*^^*)
 今回はミミナナの救済を書かせていただきました。聖女に救われた場合、ミミナナはどういう人柄に育つのでしょうか。姉妹のように仲良く笑い合う様子が想像できます。
 次の回で過去編のストーリーは完結させようと思います。その後、Another Sideをいくつか書く所存です。
 最後に、お気に入り・しおりの登録、感想や評価などをしてくださりありがとうございます❀
これからも執筆・投稿頑張ります✿
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