「貴様がまさか、魔女の末裔だとは思わなかった。眠りを、いや。死を誘う呪われた一族め!」

 厳寒の世界、ノーザン・ウェルス。眠りと死が近しい物として忌み嫌われる中、スリーピィ家の令嬢であるニドゥネは婚約破棄を言い渡された。身を刺すような冷たさも、永遠の眠りも、婚約解消も寝飛ばす彼女は雪原に放り出されてしまうが……

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 異世界恋愛杯用になろうにも投稿しております。オリジナルで異世界恋愛用に投降した物です。


異世界恋愛杯用になろうにも投稿しております。

 厳寒に支配された世界ノーザン・ウェルス。眠りが死へと繋がる物として忌避される中、私は婚約相手である、フェイ・カン様から糾弾されていた。

 

「貴様がまさか、魔女の末裔だとは思わなかった。眠りを、いや。死を誘う呪われた一族め! ニドゥネ! 君との婚約を破棄させて貰う!」

「う、嘘よ。そんな……」

 

 ショックを受け止め切れず、膝から崩れ落ちてしまいました。少し遅れて、黒髪、碧眼の見目麗しい方が部屋に入って来ました。

 

「紹介しよう。彼女はナジーエ、私の新たな婚約者だ。君の様な卑しい一族と違って、彼女は名家の人間だ。眠りに抗い、人々の発展に寄与して来た誉れ高き一族なんだよ」

「そうよ。これからは私がフェイ様を支えていくから。貴方の様な愚鈍な怠け者は、彼に相応しくないの」

 

 何故、ここまで言われなければならないのでしょうか? 悲しくなり、全身に力が入らず、そのまま意識まで朦朧としてきます。

 

「Zzzzz……」

「言った傍からか! この恥知らずめ! そんなに眠りたいなら、永遠の眠りに付くがいい! 外へと放り出せ!」

 

 気づいたら、外へと放り出されていました。周囲に積もった雪が溶けていた為、服が濡れてしまいました。これらは歩いている内に乾く物だとしても、何処に行く宛てもありません。

 実家に帰りたいのですが、どうやって来たかは覚えていません。街に出たことも無く、学院なる物も通ったことが無いので、放り出されたとしても何も分からないですね。

 

「まぁ、歩いていれば何処かに着くでしょう」

 

 寝起きで火照った体に、吹き荒ぶ雪が心地良い位です。植物は碌に生えず、獣すら殆ど見当たらない世界を闊歩していると、この世界の女王になったかの様な気分に陥ります。

 ですが、次第に退屈になって来ました。歩いていても何もありませんからね。それでもめげずに歩いていると、私以外にも動く影を見つけました。手を振りながら近づくと、相手側はぎょっと驚いていました。

 

「お前は一体……」

「あら、申し遅れました。私、ギネス伯爵の次女、ニドゥネと申します。先程、婚約解消された挙句、叩き出されまして」

 

 私がどうして斯様な目に遭っているのかということを懇々と説明している間、いつの間にか取り囲まれていました。目の前の殿方が身綺麗な方だったので油断していましたが、もしかして人攫いの類かもしれません。

 ですが、害意の様な物は見当たりません。皆、私に対して手を翳しています。何かの儀礼でしょうか? 私が知っている限り、この様な作法や儀礼は無かったように思えますが。

 

「これは何かの慣習でして?」

「いや、お前が暖かいんでな。周りの雪も溶けている位に」

 

 長らく、この場に留まって説明していたこともあって足元の雪が溶けていました。恐らく、有難がられている感じでしょう。

 

「そうですか。でしたら、私をお供にしませんか? 行く宛ても無く、困っていましたの」

「構わない。俺達も旅の途中だったからな。まだ名乗っていなかったな。俺の名はバグーズって言うんだ。よろしくな」

 

こちらこそ。と、礼をして、彼らとの旅路が始まりました。曰く、彼らは隣国からやって来たそうですが。

 

「一体、どういった御用件で?」

「あくまで噂程度の話なんだが、この国では祝福を受けた一族がいるらしい。迎え入れれば、呪いに立ち向かう程の祝福と繁栄が約束されると聞いたが、所詮はおとぎ話だった」

「あ、それ。私達のことです。お母さまがそんなことを言っていた気がします」

「ハハハ。違いねぇ」

 

 バグーズ様は一笑に附していました。まるで、信じてくれる様子がありません。付き人の方達も軽く笑っていたので、腑には落ちませんでしたが同じ様に笑っておくことにしました。

 彼らとの旅路は、今までの生活とは打って変わって新しい物ばかりでした。出て来る物は全部冷たいし、震えながら齧っていましたが、彼らの顔は楽しそうです。私も、彼らから分けて貰った氷漬けの肉を頂いていました。

 

「おい、ちょっとずつ食えよ。喉や腹を冷やして倒れられたら堪ったモンじゃ……」

 

 口に入れた瞬間、ブスブスと音を立てて香ばしい匂いが鼻の中を突き抜けて行きます。ちょっと、喉が渇いたので雪を口に放り込みました。口の中で融けて、喉を潤してくれます。

 

「そうなんですか?」

「まさか、本当に。いや、でも……」

 

 バグーズ様はまだ疑っている様でしたが、付き人の方達はそうでは無かったらしく。私に凍り付いた食物を差し出して来たので、口に入れ……るのは、あまりにもはしたなかったので掌の中で温めてお返しすることにしました。

 彼らが喜びながら食事をしているのを見ると、なんだか私も嬉しくなってきます。そうして、バグーズ様の分も温めて返した時のことです。

 

「こんなショボイ飯、そう嬉しがるほどのモノじゃ無いだろう。普段はもっといい物を食っていたんだろ?」

「それがですね。私、食事をしていたらウトウトしてしまうので、自分の部屋に持ち帰って一人で食べていたんですよ」

 

 フェイ様は、眠るということを憎んでいるかの如き嫌い様だったので、幾ら温かくて美味しい物があったとしても、彼といるだけで何の味もしなくなります。だからと言って、1人で食べても味気なく感じてしまう物です。

 そんなことを話させてしまったことを後悔しているのか、バグーズ様はバツが悪そうにしていました。

 

「すまん。無神経だった」

「構いませんよ。今が楽しいですから」

 

 食事を終えた後は、洞窟などに避難して全員が体を横たえます。私も雪が降り掛からないと眠くなり、付き人の方達と一緒に固まって寝る中。バグーズ様だけは、いつも見張りをしていました。

 

「寝ないのですか?」

「誰かが見張っておかないと、獣が来るかもしれないからな」

 

 責任感が強いのでしょう。ですが、眠れない辛さはよく知っているつもりです。付き人の人達も、初めて一緒に寝た時は寒さと恐怖から震えながら眠っていたことを思い出します。今ではスヤスヤと寝ています。

 

「ですが、寝ないと辛くなりませんか?」

「……怖いんだ。目を覚ましたら、また誰かが亡くなっているんじゃないかと思って」

 

 この世界では、一度眠れば二度と目を覚まさないということは往々にしてあり得ます。だから、フェイ様が私と婚約を解消した理由も分かる気がします。死という恐怖は拭い難い物ですから。

 

「なら、私が傍に居ましょう。せめて、亡くなるにしても温かさと安らぎの中で逝けるように」

「そうか。でも、付き人の奴らを引き摺ってまで来なくては良いからな」

 

 ちょうど、私を中心としていい感じに配置しようと思いましたが、バグーズ様に引き留められてしまいました。こうした夜分を幾日も経て、ようやく私達は隣国へと辿り着きました。

 

「帰ったぞ」

「バグーズ様! よくぞお戻りになられました!」

 

 防寒具を身に着けた屈強な番兵が、バグーズ様に頭を下げていました。彼らの視線は、私に注がれています。

 

「あまりジロジロと見るな。俺の大事な来賓だ」

「バグーズ様の……確かに、あり得ない位に薄着ですが。まさか、彼女が」

 

 皆、動き辛そうな服を着ているとは思っていましたが、やはり。私の方が変だったんですね。付き人の方達も口にしなかったのは、気を使わせまいとしていたのでしょうか? いや、むしろ言って欲しかった位なんですけれど。

 

「そうだ。噂は本当だったんだ。俺達を見ろ。外に居ながらも、こんなに顔色が良い奴らは見たことが無いだろう」

 

 先日までは眉唾として聞いていたのに、こういう時はちゃっかりと認めているんですね。来賓として迎え入れられ、門を潜り抜けます。

 防寒具に身を包んだ人達が、青白い顔で屋根に積もった雪を掻き出したり、細い小枝を運び入れたりと。皆が、寒さに殺されまいと必死に抵抗しています。あまりに凄絶な様子に息を呑みます。

 

「普通の奴らは、寒さに殺されない様にする為に、これ位必死にならないといけないんだよ」

 

 雪かきをしていた男性が屋根から降りて来ました。ですが、フラフラと体を揺らした後、倒れました。直ぐに、私達は駆け寄りました。バグーズ様が声を上げました。

 

「大丈夫か!」

「寒ぃ……」

 

 スゥっと目を閉じようとしていました。恐らく、彼が目を閉じれば二度と開かないような、そんな気配を感じさせました。なので、私は彼の両手を握ります。

 

「寝るなら、もっと温かい所で寝ましょう。ね?」

 

 最初は少しひんやりしていましたが、握っている内に青白かった彼の手は赤く染まって行きます。手だけではなく、全身に血が巡っているのでしょうか。顔色まで良くなって来た気がします。

 

「よし。中に運び入れろ」

 

 付き人の方達が、倒れた男性を家へと運び入れました。

 バグーズ様が話していた眠りが怖い、という話。今まで、理解も出来ていませんでしたが、初めて実感しました。彼らにとっての眠りとは死と非常に近しい意味を持っているのだと。

 

「バグーズ様。私はここに居ても、良いのですか?」

「大丈夫だ。俺が招いたのだから」

 

 倒れた男性の妻と思しき女性が何度も私達に頭を下げていました。彼女から感謝の言葉を貰いながら、私達は先へ急ぎます。

 辿り着いた王城でも、兵士達が雪を掻き出したりしている中、通された先は玉座。ではなく、誰かの部屋前でした。バグーズ様がノックをします。

 

「親父、入るぞ」

 

 返事はありません。扉を開いた先には、ベッドに横たわる老人と彼の世話をする侍女達がいました。彼女達は頭を下げました。

 

「親父の調子はどうだ?」

「生きているのが奇跡だとのことです」

 

 ベッドに横たわるのはバグーズ様のお父さんでしょうか。顔は青白く、呼吸も浅く、胡乱な瞳は何処を見ているのかさえも分かりません。濃厚な死の気配が漂っています。

 

「そうか。おい、ちゃんと見つけて来たぞ。安心してくれ」

 

 ギョロリと。老人の視線が、私の方を向きました。チラリとバグーズ様の方を見ると、彼は静かに頷きました。

 

「えっと。ニドゥネと申します。バグーズ様には色々とお世話になっております。よろしくお願いします?」

 

 何を言っているのでしょうか? 侍女の人達も困惑していました。返事代わりに老人から差し出された手を握ると、彼は僅かに口角を釣り上げていました。

 

「あぁ、温かい。魔女は生きていたのだな」

「やっぱり、ニドゥネが」

 

 掌にカサカサした感触がありましたが、徐々に張りを取り戻している様な感じがしました。侍女達も少しばかりウトウトし始めているようです。かくいう、私も徐々に眠くなって来ました。

 

「なんだか、私も眠くなってきました」

「親父。長旅で疲れたし、俺達は一旦休ませて貰うけれど、それでいいか」

「構わん。ゆっくり休め」

 

 部屋を出た後、私は個別にあてがわれた部屋のベッドに飛び込むと、直ぐに眠りに落ちました。やはり、ふかふかの場所で眠るのは格別です。

 

――夜が明けて。

 

 目を覚ました私は部屋を出ようとして、誰もいないことに気付きました。城内はシンと静まり返っていて、先日までの出来事が全て夢だったのではないかという不安に駆られていると、慌てた様子のバグーズ様を見掛けました。

 

「バグーズ様。皆は何処に?」

「全員、寝ぼけている。ニドゥネ、ちょっと付いて来てくれないか」

 

 訳も分からないまま、彼について行った先。そこにはよく分からない物と数字が書き記された紙が大量に張り出されていました。

 

「これは何かの呪いですか?」

「いや、この国の気温を測っている。これを見て欲しい」

 

 似た様な数字の羅列が延々と続いていましたが、卓上に置かれている紙には全く違った数字が書き込まれていました。

 

「これが何か?」

「お前が来てから、王城だけじゃなく、この国の気温が上がっているんだよ。だから、気持ちよくて皆寝ぼけているんだよ」

「つまり?」

「お前が本当に祝福を受けた一族だってことだ」

 

 最初から言っていたのですが、まだ信じられていなかったみたいです。ですが、皆が幸せに眠れている様でしたら何よりです。……いえ、1人だけ寝ていない人がいましたね。

 

「でも、バグーズ様はまだお眠りになられていませんね」

「色々とすることがあるからな。まずは……寝ぼけている奴らを起こす所からだな」

 

 普段、ボーっとしていた私にとって城内を駆けまわることは忙しくもありましたが、同時に人の寝顔を見ると言うのが非常に楽しい物でもありました。バタバタと皆が食事の準備をしたり、身支度をしているのは微笑ましくあります。

 邪魔をするのも悪いと思い、私は部屋に戻って二度寝をしようとした所でバグーズ様に連れ出されていました。

 

「何をするんですか。私は二度寝をしに行くのです」

「馬鹿なことを言うな。他の奴らにも吹聴して回るんだよ。もうすぐ、安心して眠れる世界が来るんだって」

 

 それは、とても素敵なことです。その為に、私の眠りが妨げられているのは、きっと些事なのでしょう。

 今までは、日中はボーっとしていたことも多かったですが、彼に連れ回されている間は、その様な暇もありませんでした。ですが、眠る暇もない位の日常は楽しくもありました。

 

――その甲斐もあったのでしょうか。この国の人達の血色は、以前よりも良い物となり、明るさも取り戻していました。

 

「聞いたか? バグーズ様は、この国に聖女様。いや、暖炉姫様を連れて来たらしいぞ」

「隣の国は、厳しいことになっているらしいぞ」

 

 道行く人々から、そんなうわさ話が聞こえてきます。フェイ様達はきっと、糾弾されていることでしょうが、私にはどうしようもありません。

 私は周りの人達さえ幸せであれば、それでいいのですが。未だにバグーズ様の表情は曇ったままです。

 

「何か困ったことが?」

「いや、ここまで有名になったらな。と思うと」

「もしかして、嫉妬ですか?」

「そんな浮ついた話じゃない。お前のことが心配なんだ」

 

 少し茶化してみましたが、彼の真面目さを思うと申し訳なくなりました。

 未だに記録を続けている気温からして、私の存在が何かしらの干渉を起こしていることは確かであるらしく、国民にも希望を持たせるには十分な物となっているそうです。

 

「大切にしてくれるのは嬉しく思いますが、少し寂しいです」

 

 まるで、見えない壁があるかの様な余所余所しさが気になります。この国に来るまでの間に交わした気安さが、今となっては懐かしく思えます。

 

「もう少し待って欲しい。そうしたら、言いたいことがある」

「期待してお待ちしています」

 

 慰めの言葉だとしても納得することにしましょう。今日も行脚を終えて、王城へと帰還する途中のことです。

 フラフラとした足取りで此方に近付いて来る者が居ました。フードを目深に被っていて、素顔は分かりませんが護衛の人達は警戒して前に出ます。

 

「止まれ! 貴様、何者だ!」

「へ、は、はぁ、わ、私は、この国のう、うわさを、聞いて、隣、国から」

 

 寒さで呂律が回っていないのか、ちゃんと喋れていません。護衛が素顔を確かめようと彼に近付いた時、不意に背後にあった雪が盛り上がり、その下から人が現れました。

 髪は垂れ、肌は青白く、唇は紫色に変色していましたが、その顔には見覚えがありました。

 

「フェイ様!?」

「キェエエエエエエエエエ!!!」

 

 何処から、こんな声が出て来るのかと思う程に憎悪に染まった叫びに身を固くしてしまいました。その手には短剣が握られていましたが、バグーズ様に蹴り飛ばされていました。

 

「やっと尻尾を出しやがったな。クズ野郎が!」

 

 護衛の人達も、先程近付いて来た人間を捕縛していました。フードを剥がしてみれば、そこには身を窶したナジーエが居ました。

 

「え? どうして……」

「大方、お前が出て行った責任を取らされていたんだろうよ」

 

 元居た国がどうなっているのかは与り知らぬことですが、精悍だったフェイ様がこんなことになっているのですから、相当ひどい目に遭ったのでしょう。

 拘束された二人は牢屋にぶち込まれました。彼らがどうなるかは、この国の判断に委ねることにしましょう。そして、帰って来た私達にはドッと疲れが押し寄せて来ました。

 

「いや、まさかフェイ様があんなに落ちぶれていたなんて」

「こんなことを自分達でやらなければ、ならない程に追い詰められていたんだろうな。まだ、心配事はあるけれど。これで片付いたな」

 

 こんな汚れ役を引き受けてくれる人間を集める求心力さえも失われていたのでしょうから、本当に何もかもを失っていたのかもしれません。

 

「私が狙われることを心配して?」

「そうだ。危険に晒した様で申し訳ない」

 

 心底、申し訳なさそうにしています。どうにも、この人は豪快そうに見えて神経質と言うか、小心者な面があるようです。常に悩んでいる為か、目の下には分厚いクマが出来ています。

 

「では、その責任を取って貰いましょうか。私からは言いませんが」

「……分かった。俺と婚約を」

「違います!! 寝ろ!!!」

 

 部屋を薄く照らすランプを消して、ベッドに腰かけていた彼を寝かせ付けました。有無を言わさず布団を掛けます。

 

「いや、まさか。お前の願いって」

「私。ずっと、貴方が寝ていないことが気になっていました。バグーズ様が寝るまで、横で見ていますからね!」

 

 乾いた笑いを漏らした後、ほんの僅かな時間を経て規則正しい寝息が聞こえてきました。なんだか、安心して眠くなって来たのでベッドに顔を突っ伏しました。……間もなくして、私も意識を手放しました。

 

――それから、色々とありました。

 

 バグーズ様から正式な婚約発表をされ、皆から歓迎されたこと。フェイ様達が凶行に及んだのは、自分達を非難した連中と私を道連れにする為だったことが判明して刑が執行されたこと。そして。

 

「ママ―! 見て! 花! 花が咲いた!」

 

 娘のネーヴォが手を叩いて喜んでいる先には、花がありました。未だに寒さが残る国ではありますが、花が咲く位には過ごしやすくはなりました。

 花の匂いを嗅いでみれば、心が安らぐような香りがありまして、思わず瞼が重くなってしまいます。

 

「寝るなら、ちゃんとした所でな」

「いえ、もう少しだけ見ておきたいの」

 

 夫になったバグーズ様に支えられながら、私はこの国の未来を担うであろう者達を微笑ましく見守っていました。何時か、ノーザン・ウェルスが笑顔と草木に覆われ、幸せな眠りもありますようにと。

 



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