【完全版】相棒〜杉下右京の幻想怪奇録〜   作:初代シロネコアイルー

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第13話 名女優 その1

 

 信介が淳也の部屋に敦殺害の凶器と思われるナイフを投げ入れたと自白。淳也の潔白が証明された。泣きじゃくる信介を慧音が無理やり起こした。

 右京は、うな垂れている彼に聞き忘れていたことを訊ねる。

 

「敦君に怒鳴ったことがあるそうですね。その時のこと、覚えていますか」

 

「はい。スランプで気が立っている時に笑顔で声をかけられたので『放っておいてくれ!』と怒鳴ってしまいました」

 

「それはどちらで?」

 

「自宅正面ですけど」

 

「わかりました。どうもありがとう」

 

 右京がそう言うと慧音が信介を引っ張って行こうとする。その際、刑事は咄嗟に彼を引き止めた。

 

「あ、最後に一つだけ。君――左利きですよね」

 

「えっ。あ、はい」

 

 頷いてまもなく連行される信介。右京は微かに笑みを浮かべた。

 後ろから一連の流れを観察していた魔理沙が歩み寄る。

 

「おじさん、なんでアイツにあんなことを聞いたんだ」

 

「あんなこととは?」

 

「利き腕の話だよ」

 

 怪しむ魔理沙に右京が答える。

 

「犯人は右利きだからですよ」

 

「右利きだとっ」

 

「ほぼ間違いなく」

 

「どうしてそう言えるんですか?」

 

 首を傾げる霊夢に右京は、身体を動かしながら犯人の犯行時の動きを再現する。

 そのシーンは犯人が逃げる敦君の背中を掴み、ナイフを振り降ろしたところだ。

 

「敦君の首裏の襟が伸びきっていて、かつ右肩に振り降ろされるように一撃を受けている。これは犯人が右利きという証拠です」

 

「それって左利きでもできるんじゃないのか?」

 

「可能ですが、それでは不自然です。相手を殺そうとするのに不慣れな手でナイフを握ったら隙が生まれて奪われてしまいますよ。さらに今回の殺人は咄嗟の犯行でした。そんな状況で利き腕を変えて敦君に襲いかかるでしょうか?」

 

「あー、確かに……」

 

 霊夢は右京に意見に納得した。

 魔女も同意するも刑事の推理を聞いて、その脳裏に稲妻が走る。

 

「おじさん、アンタ……犯人の目星がついているんじゃないのか……?」

 

 魔理沙は思う。あの場にいた人間なら信介が犯人だと断定する。だが、この男は信介が巻き込まれたと判断した。常に自分たちの先を行くこの紳士が犯人を予想できてないはずがないと。

 巫女も同じ疑問を覚えていた。淳也の時も信介の時もまるで全てをわかっているかのように振る舞っていたのだから。この紳士はすでに何かを知っていると。

 二人は真顔で右京を凝視する。

 右京はしばし考える。科学捜査ができない里で時間を延ばして証拠を隠滅されたらこちらが不利。さらにはこの会話も聞かれた可能性すらある。ならば、いっそこの機会に――

 

「そうですね。せっかくです。……会いに行きましょうか。お二人とも、ついてきてください」

 

「なんだと!?」「え!?」

 

 二人は右京の決断に戸惑いを隠せない。

 そんな彼女らについてくるように促し、右京はその足で敦が住んでいた家の奥へと入って行き、とある家の戸を叩いた。

 少女たちは動揺を隠せず、その顔を向き合わせる。少しして家の主が扉を半分開けながら顔を出した。

 

「あら、昨日の方?」

 

「はい」

 

 右京が挨拶したのは七瀬春菜。敦宅の真後ろに住む元女優。春菜は突然の訪問にやや戸惑いの色を見せていたが、何事もなかったように愛想を振りまいている。

 

「ちょっと、お話がありまして――お邪魔してもよろしいでしょうか?」

 

「ええ、どうぞ」

 

 春菜は三人を家の中に招き入れる。来客にお茶を用意しようとするも、右京がそれを断った。

 全員が座卓を囲んだところで本題へと移る。

 

「たった今、小田原信介君が上白沢さんに連れて行かれました」

 

「そうだったんですか。何か叫び声がするとは思っていましたけど。――彼、何かしちゃったの?」

 

「実は彼、敦君を殺害したと思われる凶器を他所様の部屋に投げ込んだのですよ」

 

「えっ!? ということはあの子が犯人なの!? 私……なんかだか寒気がしてきたわ」

 

 春菜は両肩を抱きながら身震いした。付添人たちが同情を示した。

 しかし右京だけは違って。

 

「はい。これですべてがあなたの思惑通りになったわけです」

 

「はい?」

 

 元女優の声のトーンが若干、低くなった。

 直後、魔理沙が会話に割り込んできた。

 

「待てよ、おじさん。このねーさんが犯人だって言いたいのか!?」

 

「そうです」

 

 右京はそう言い切った。

 さすがにそれはどうかと思った霊夢も片目を瞑って腕を組みながら意見する。

 

「この人が店員さんの殺したって言うのは無理があるんじゃないですか?」

 

「どうしてでしょう?」

 

「だって、女性ですよ? いくら酔っている男性相手だからといって、揉み合いになったら負けると思いますが」

 

「そうだぜ。こんな細身のねーさんに若い男は殺せないだろうよ」

 

 魔理沙と霊夢は春菜を庇うような立場を取った。

 疑われる春菜は目に涙を浮かべた。

 

「私が犯人だなんて、酷いわ。敦君とはよく話をする仲だったのにっ」

 

 声を荒げ、右京を非難する春菜。魔理沙と霊夢も右京に険しい視線を向ける。

 右京は息を吐いてから静かに指示を出した。

 

「……霊夢さん。春菜さんの肌を触れて見てください。それではっきりします」

 

「は?」

 

 霊夢が素っ頓狂な声を出す傍ら、春菜はビクリと体を震わせた。

 右京は続ける。

 

「僕の予想が正しければおそらく、高い霊能力を持つ霊夢さんが彼女に触れれば何かが起こると思います。ですから……触って頂けませんか?」

 

「何かってなんです――」

 

 霊夢が言葉を発しながら春菜のほうを向くと、彼女は正座を崩し、座布団の後ろに体を尻を落とす。

 キョトンする少女を二人を他所に、右京が追撃を入れる。

 

「おや、春菜さん。何か霊夢さんに触れられるとマズイことでもありますか?」

 

「いや……そんなことは……」

 

 引きつった顔で立ち上がった彼女はそのまま後ずさる。さすがに魔理沙と霊夢もその行動を怪しんだ。

 

「ほんの少しでいいですから、霊夢さんにお手を預けて貰えませんかねえ。このままだと僕にずっと疑われたままですよ? ここはご自身の無実を証明するためと思って是非」

 

「……」

 

 春菜は額から大量の冷や汗を流す。もはや、先ほどまでの余裕ぶった顔などどこにもない。

 すると霊夢が立ち上がり、そのまま彼女の正面を陣取る。

 

「失礼します」

 

 巫女は半ば強引に女性の右手を握った。途端に電気が弾けるような破裂音が部屋の中に響く。春菜が痛がる素振りを見せ、その背後から微量ではあるが黒い霧が漏れ出す。

 少女は叫んだ。

 

「これは妖気!?」

 

 焦った春菜は霊夢から右手を引き離し、庇うような仕草を取った。

 右京が口角を上げて言った。

 

「これではっきりしましたね。あなたが『敦君を殺した犯人』です」

 

 狭い室内に戦慄が走る。顔色を変えた魔理沙が右京に詰め寄った。

 

「これはどういうことだよ!?」

 

 事態が呑み込めず、春菜と右京の顔を言ったり来たりさせる魔理沙に右京は補足を入れた。

 

「結論から言うと、彼女は『妖怪に関する何らかの研究』を行っていたんですよ」

 

「なんだと!?」

 

 その言葉に春菜は目を背ける。霊夢はあどけない顔を修羅に変化させ、お祓い棒を春菜に向けて突き出した。

 

「あなたは人間? それとも妖怪? 返答次第で扱いが変わってくるけど?」

 

 まるで人殺しの目である。これではどちらが悪かわからない。春菜は恐怖に竦む。

 そのときだ。二人の間に右京が割って入った。

 

「霊夢さん――もう少し待ってください。まだ敦君殺しの自供が取れていません」

 

「それよりも相手が妖怪であるかどうかのほうが問題です!」

 

「僕にとっては彼女が敦君を殺した犯人であるかどうかのほうが重要です。それに今回、犯人を見つけたのは僕です。ここは僕の言い分を通させて貰いますよ」

 

「ぐぎぎぎぎぎ……」

 

 右京は鬼巫女霊夢に一切引かず、さも当然かのように言ってのける。

 霊夢は苦虫を噛み潰したような顔をしながら右京を睨むが、まるで意に返されず、フォローに入った魔理沙にどうどう、となだめられた。

 目を合わせようとしない春菜に右京が重ねて訊く。

 

「あなたが敦君を殺した犯人ですね?」

 

「……証拠はあるんですか?」

 

「この家を探せば色々出てくるのではないでしょうかね。例えば、血のついた衣服など」

 

「そんな物はありませんよ」

 

「なるほど、すでに隠滅しましたか」

 

「隠滅だと!?」

 

 魔理沙が声を荒げた。次々に起こる予想外の事態に頭がついてこないようだった。

 すかさず刑事が推理を披露する。

 

「あなたは敦君を殺害して草むらを走る中、月明かりで自身の身体に血が付着していることに気付き、衣服や刃物についた血痕を拭き取って血を垂らさないように自宅まで戻った。その際、疲労により信介君が熟睡していることを確認し、刃物を開いている窓からそっと投げ込んだのでしょう。そうすれば、敦君を怒鳴ったことがある信介君の犯行に見せかけられると踏んで。

 そして、朝になると血のついた衣服の隠滅にかかった。血痕の量から見て、揉み合いになったとはいえ、直接トドメを刺していないので、そこまで返り血を浴びてないなかったのでしょう。証拠の隠滅は難しくありません。血の付いた部分だけを切り取って燃やすとか。残った部分は雑巾にでもしたと言えばよいでしょうしね」

 

「けど、そんなグチャグチャな衣服が発見されたら怪しまれると思うぞ?」

 

 魔理沙の言う通り、家屋を調べられた際、刃物で意図的に切り取られた衣服が見つかれば怪しまれるのは間違いない。が、右京は言い切る。

 

「だとしても信介君よりは怪しまれないでしょうね。彼は()()()()ですから。仮に自分が疑われても世間はナイフを所持する信介君を犯人扱いする。それがあなたの計算だった」

 

 春菜は右京の推理を黙って聞いていた。瞬き一つせず。

 その様子から彼女が右京の話通りに実行したのだと悟って、魔理沙はたじろいだ。

 

「マジかよ……。それにしても、どうしてこのねーさんは実験なんかをしたんだ? 里でそんなのやってバレたら追放だぜ? もし、妖怪化していたら……」

 

 魔女は険しい顔をする巫女を一瞥した。それが何を言わんとしているのか、この場にいる者なら誰も理解できるだろう。

 

「何故、彼女がそのような危険な行為に走ったのか――説明しましょう」

 

「おじさん、そこまでわかってんのか!?」

 

「ええ、今日の午前中に彼女の周辺を調べ上げましたから」

 

「あぁん!?」

 

 驚く魔女を余所に右京は午前中、自身が何をしていたのかを語り出す。

 

「今日、僕たちは個別で聞き込みを行いました。昨日と違って尾行者がいないと確認できたので、僕は春菜さんが所属していた劇団と長屋に住む有名な『易者』の下を訪ねたのです」

 

 易者。右京が口にした途端、室内は水を打ったように静まり返った。

 思わず顔を背ける春菜。何かを思い出したように口を開ける魔理沙。さらに勢いを増して目付きを鋭くする霊夢。三者の態度は並々ならぬ事情を感じさせ、極度の緊張感を生み出す。

 彼女らを一瞥した右京は、呼吸を整えて順々に説明する。

 

「あなたの所属していた劇団は、かつて表からやって来た方が創り上げた小さな劇団でした。僕はそこで働いている俳優さんや女優さんたちに色々お話を伺いました」

 

 人間の里には定期的に表から人間が流れ着く。帰りたがる人間もいるが、里で暮らす人間もいる。そういった者たちが表の技術を里へと持ち込む。劇団もその一つだった。

 歌舞伎などとは異なる西洋的な劇も扱う公演は里でもそこそこ好評だった。中でも七瀬春菜は若いながらもその演技力の高さから知る人ぞ知る人になっていた。

 右京は彼女が所属していた劇団を訪れる。劇団員たちは朝から訓練に励み、次の劇の練習をしていた。

 

 ――活気のある劇団ですねえ。

 

 そう感心しているとその珍しい服装に団員たちが興味を示した。彼らは表の世界に興味があるのか、右京に様々な質問した。

 聞けば、ここの団員たちは皆、表の世界に憧れを抱いているらしい。刑事は彼らの質問に答えられる範囲で答えた。それによって場が盛り上がる。

 話が途切れてきたのを機に右京は春菜の話題を切り出した。

 

 ――そういえば、最近まで七瀬春菜さんがこの劇団にいらっしゃいましたよね?

 

 ――そうです。ですが、急に辞めてしまって。私たちも何でも引き止めたのですが。春菜さんの意思が固くて……。

 

 ――どうして急に辞められたのですか?

 

 ――それが理由を聞いても教えて貰えなかったんですよ!

 

 ――あんなに演劇が好きな人もいないのに……。

 

 ――ヒロインも悪女も分け隔てなくこなすんですよ! それに男役も。

 

 ――ほー、男役もですか。それは、それは。

 

 ――メイクもばっちりで声色も男っぽく作って……もう、私たちがすごいと思うくらいで!

 

 ――そうそう、里でばったり会っても男装していたらわからないくらいに。

 

 ――なるほど、そうでしたか。

 

 団員たちは右京の質問にも快く答えてくれた。

 春菜は団員の間でも演技力が高いと評判だった。ヒロインもそうだが、特に男性役が上手で、女のファンも少なくなかったらしい。団員たちは辞めた彼女の帰りを今でも待っている様子で「いつか戻ってきて欲しい」と話していた。

 右京は話の終わり際、彼女について『とあること』を訊ねる。

 

 ――どなたか春菜さんのご趣味をご存じではありませんか?

 

 ――趣味ですか?

 

 ――ええ、彼女にお会いしたら何かプレゼントしたいと思ったものですから。せっかくですので、関心のある品をお渡ししたいのです。

 

 ――うーん、読書ですかねえ。後『占い』にもハマっていた気がします。

 

 ――占い? どういったものでしょう?

 

 ――占術ですね。結構、楽しそうに話してくれましたし。かなり詳しかったと思いますよ。

 

 ――なるほど……占術ですか。この里でそれを学べる場所はどこでしょう?

 

 ――それでしたら、ここから少し離れた長屋に住む易者の大先生を訪ねるとよいですよ。当たると有名です。まぁ、ちょっと、問題が発生した場所ですが……。

 

 ――おやおや、それはどう言った意味でしょうか?

 

 ――なんでも、破門されて自殺した易者がいたそうなんですよ。でも、大先生自体は気さくな方なので問題ないとは思われますが……。

 

 ――破門されて自殺した易者ですか。穏やかではないですねえ――わかりました。その場所に行ってみます。お話ありがとうございました。

 

 右京が劇団で聞いた話を終えると春菜は「あの子たちったら……」と嘆いた。魔女はどこか憐れむような目を向け、巫女は少しだけ尖った眼光を緩める。

 

「次に僕は劇団の方から聞いた長屋を訪れて易者の大先生をお会いしました」

 

 長屋の大先生は右京を客だと思ったが、話を聞きに来ただけと知って不機嫌になった。そこに自身が破門した易者の話題が出したので、へそを曲げて会話が成り立たなかった。

 そこで右京は長屋を出て独自に占術について調べようとした。その時、一人の男が刑事を追いかけてきたのだ。聞くところによればこの人物は自殺した易者とは同期だったらしい。

 男は右京が捜査を行っていると知っており、今回の件に同期の死が関わっているのかと心配になって長屋を出てきたそうだ。

 二人は人気のない道に入ってから会話を再開させる。

 

 ――わざわざ、ありがとうございます。

 

 ――いえ、そんなことは。

 

 易者は自殺した同僚について語った。

 

 その者は新井勝次(あらいかつじ)。年齢は二十八歳。細身の身体に陰気な雰囲気を醸し出す男だったが、腕は確かだったらしい。易者と勝次は同期で良く語り合っていたが、勝次は途中から同期の易者たちを追い抜くほどの占術を身につけていった。

 

 大先生も大層喜び、ゆくゆくは名を注がせようと考えていた。だが、その卓越した占術のせいで勝次は次第に幻想郷の外、つまり現代の世界の光景を断片的に覗けるようになった。

 同期の易者もそれを本人から聞かされた時は賞賛を送ったそうだ。しかし勝次は満足しなかったそうだ。彼は誰よりも才能が豊だったのだ。いつしか自身の才能を活かすために手段を選ばなくなった。

 

 そして勝次は魔術的な技術を自身の占術に組み込んだ。里において魔術に手を出す行為は禁じられている。右京が「何故?」と訊けば、同期の易者は「妖怪に近付く行為だからだと思う」と回答した。

 

 男が言うには妖怪に近付く行為は里の人間にとって『やってはならない行為』だと囁かれており、そのルールを破る者はいない。にも関わらず勝次は暗黙のルールを破った。そのために破門されたそうだ。

 期待していた弟子に裏切られた大先生はその話題になると途端に不機嫌になるのはそのせいなのだと男は語った。

 その後、勝次は自殺した。

 

 男はそんな彼が化けて出たのかと思ったらしく、右京を追いかけてきたわけだ。

 右京は『やってはならない行為』と聞かされ、今回の犯人の動機がここにあるような気がしてならなかった。そこで今度は春菜について質問した。

 

 ――貴重なお話、ありがとうございます。

 

 ――いえいえ。

 

 ――そう言えば、この長屋に七瀬春菜さんは来ませんでしたか?

 

 ――七瀬……たしか、劇団の女優でしたね。いや、ここでは見たことありませんね。

 

 ――勝次さんと一緒にいるところなどを見たことは?

 

 ――ありませんね。アイツ、あんな顔だから女にモテませんでしたよ。ただ……。

 

 ――ただ?

 

 ――知らない男と歩いていたところは何度か見たことあります。

 

 ――知らない男ですか……?

 

 ――はい。顔は帽子を深くかぶっていたのでわからなかったんですが、華奢な男でしたね。声もどこか中性的だったような……。

 

 ――そうですか、わかりました。ご協力、感謝します。

 

 右京はそう言って男と別れ、鈴奈庵に向かい皆と合流。ご飯を食べてから拠点に戻り、淳也と会い、彼の潔白を証明して春菜を追い詰めている。

 刑事の話を聞いた春菜は、目の前の和製シャーロック・ホームズの実力に呆れながらも賞賛を送った。

 

「杉下さん……。一目、見た時から只者ではないと思っていたけど、まさかここまでとはね」

 

「ということは勝次さんとお会いしていた華奢な男性は――」

 

「私のことよ」

 

 春菜は、自ら男の正体を明かした。

 魔理沙たちは面食らったような表情をする。なんとなくだが、その関係を察したからだ。

 女優は刑事に向かって静かに言った。

 

「……ここから先は私が話していいかしら?」

 

「お話し願えるなら」

 

「わかりました」

 

 観念したとでも言うのだろうか。彼女は自殺した易者、新井勝次との関係について自供を始めた。

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