突進してきたオリヴィエを、スライムクロークさせていた盾で吸収し、動きを止める。
「単純な動きで助かるよ。」
そして、手首足首にスライムを刺し、固定する。
「な、なんだそれは!?魔力の塊?アーティファクト、いや、まさかそれは、スライムか?いやなぜ、なぜ魔力が使える!」
(ネルソンの事は無視して、オリヴィエコピーは『直系の子孫』に当たるのかな?)
オリヴィエに刺したスライムを操作して、聖剣の方に向かわせる。
「待て!何をしているんだ!」
そして、オリヴィエに聖剣を抜かせようとする。
「待たんか!」
が、オリヴィエが割れて消えた。
「ちっ、ダメージを負わせすぎたか。」
「自分たちで抜けないからと、オリヴィエを操作して抜かせようとするなど…」
「時間はあるし、成功したら面白そうだとは思わないか?」
「面白、そう?」
「人々は自分では解決できない物を前にすると、解決できる人を『仲間』にしようとする。でも、俺としては解決できる人が『敵』だったとしても、そいつを利用してしまえば良い訳だ。」
「頭が、おかしいんじゃないか?」
「で、次の一手を出さないなら、殺すけど?」
「ま、待て!分かった。私が悪かった。謝ろう。ここは一つ、冷静に話し合いで、などと言うと思ったか!」
「思ってないから安心しろ。」
「確かに、聖域の中心で魔力を使い、それでオリヴィエを倒したことには驚いた。運が良かっただけだろうが、それでも勝ちは勝ちだ。おめでとぉ。」
「ありがとぉ」
「だが!質の悪いコピーを一体倒したところで、いい気になるなよ!聖域には我々にすら計り知れない魔力が眠っている。だからこういうことも、可能だあ!」
ネルソンが操作して、壁一面にオリヴィエが現れた。
「ハァッ、そんな、」
「これが聖域の力だ!」
ナイトとシャドウに向けて、オリヴィエが突撃して来る。
「残念。時間切れだ。」
それをシャドウがスライムで一掃する。
「ハァァアァアァ?な、なぜ貴様も魔力が使える!?」
「練った魔力が吸い取られるなら、吸い取られないほど強固に練れば良い。ナイトより少し時間がかかったけど、簡単な話さ」
「簡単?」
「そんなことは人間には不可能だ。オリヴィエ、早くそいつらを殺せぇ!」
新たにオリヴィエの大群が突撃して来る。
「これを迎撃し続けるのは、俺には少し無理かな。」
「遊びは終わり、か。」
「確か、聖剣を抜いて、鎖を斬って、魔力の核を破壊する。で良いんだっけ?」
「え、えぇ。っ、あなた達まさか!」
「いちいち面倒だからさ、」
「全部まとめて吹き飛ばしちゃえば結果的に同じだ。」
シャドウとナイトが背中合わせに立ち、魔力を広げる。
「これが、ヒトに許された力なの?」
「「ウィー・アー・ジオールレンジ」」
ネルソンの指示に従って一体のオリヴィエがシャドウの心臓を刺す。
「「アトォミック」」
黒く覆われた青紫の光が湖の底から現れ、触れた湖の水を全て蒸発させた。
そして、蒸発した水蒸気が大雨となってリンドブルムに降り注ぎ、水浸しとなった。
~~~後日、アレクサンドリア~~~
「セカンドアスター、飛行船よりも、速い、飛行手段、思いついた。」
(まじか。飛行機とかの知識は飛行船のついで程度にしか持ってないからなぁ。まぁ、ある程度抽象的でも、再現できるだろうけど、)
「それで、その手段というのは?」
「鳥みたいに、翼で上昇して、翼で滑空する。」
「滑空は良い手段だが、上昇手段はもう少し検討が必要だな。」
(確か、ガンマが石油産業に動き始めている頃なはず。ちょうど良いタイミングだな。)
「だが、新たなエネルギー資源、石油を使えば解決可能だろう。問題ない。」