ひろがるスカイ!プリキュア・地を這う獣は宙舞う蝶の夢を見る 作:幻水
ツバあげ好きは見ない事をおすすめ。
細かい事を気にしない方はそのままお読みください。
久しぶりに夢をみた。
燃え盛る炎の中、狼男の様な何かがゆっくりとこちらに向かってくる。
夢の中であってもその何かから放たれる殺気に体が恐怖し逃げたいと言う思いとは裏腹に体が動けず、ただ俺は距離が縮んでいくのを見ている事しか出来ない。やがてソレが目と鼻の先まで近ずいて来ると鋭い爪をした右腕を振りかぶり、俺の心臓めがけて突き刺すと強い衝撃と共に目が覚めた。
「ゆめ?…ハァハァ…だよな?…」
妙にリアルな夢を見た事により嫌な汗をかいていた。
「なんで体が重いんだ?…ん?…」
やたら重い体と胸部から下の違和感を感じ、手探りで正体を確認しながらようやく目が暗闇に慣れてきたらしく、自分を夢から覚ましてくれた衝撃と違和感の正体が理解できた。
「また寝ぼけて俺の部屋に入って来たのか…」
衝撃と違和感の正体はお互いの保護者から同居の許可を得て一緒に暮らしている、幼なじみの聖あげはだった。
トイレや水を飲んだ後に寝ぼけて俺の部屋に入って来て俺のベッドで寝てしまう事がたまにあり、殆どの場合目を覚ます事無く朝を迎えてしまう。
「あげは、風邪ひくよ?」
「ん、んぅ〜」
無駄だと分かっては居るが声をかけ頭を軽く撫でると器用に布団の中に入り、俺の右腕を枕にし満足そうな顔で再び寝息を立てて深い眠りにつく。
「これ…起きた時に腕が痺れるパターンだ…」
「スー…スー…」
「…」
朝食の支度がある為起こそうかと思ったが気持ち良さそうに寝ているあげはの顔を見ると起こすのも野暮だと思いまぁいいか、と自己解決し俺も再び眠りにつく。
「ほんッッッとにごめんね…拓狼…なんで部屋間違えちゃうんだろ…」
「アッハハハ…大丈夫だよ」
あれから数時間後目覚ましのアラームと腕の痺れで目を覚まし、重く痺れる右腕を庇いながら朝食を作っている。
「だいぶ良くなってきたから、はい召し上がれ」
「ありがとう…いただきます…」
野菜やベーコンを挟んだベーグルサンドをあげはのテーブルの前に置くと、手を合わせ申し訳なさそうな顔のま口にまほうばった。
「何か飲む?カフェオレ、オレンジジュース、ホットミルク」
「ん〜甘いカフェオレがいいかなぁ」
「了解」
手早くカフェオレと自分用のブラックコーヒーを作り、あげはと共に食事を始める。
「そうだ拓狼今日お店はお休みだよね何か予定ある?」
「そうだけど、今日は午前中に京子さんに着替え届けたり、買い出しくらいかな?」
「じゃあさ今日学校にバイクで送って行ってくれない?それで学校終わったら映画見に行かない?」
「映画かぁ久しぶりに見に行くか!」
俺はこの選択を後悔する事になるとはまだ思ってすら居なかった。