ひろがるスカイ!プリキュア・地を這う獣は宙舞う蝶の夢を見る 作:幻水
私のパパとママは海外で働いていて、私が小学校に上がる時期におばあちゃんと2人で帰国した。
帰国後暫くして従兄の天月拓狼と言う男の子と出会いました。本当のお兄ちゃんの様に接し、パパとママが居なく寂しかった私を支えてくれました。
私の誕生日には大好きな苺のショートケーキを作り、おばあちゃんとあげはちゃんと一緒に祝ってくれたりしてパパとママが居ない寂しさも薄れていきました。
でも…昨日大好きなお兄ちゃんと喧嘩をして仲直りしないまま学校を終え下校していると。
「あれ?…ここ…ラッキークローバー…お兄ちゃんのお店だ…」
無意識に兄が経営しているケーキ屋の前まで来ていた。
「…私だって…別に好きで喧嘩した訳じゃないもん…」
一応店内を確認し客が居ない事を確認し、ドアノブに手をかけ入店する。
(えぇっと…)
入店するや否や木場さんにお兄ちゃんと2人で買い出しを頼まれ、無言のまま商店街についてしまった。
(どうしよ…お兄ちゃんずっと無言のままだよ…)
「ましろちゃん…ここ寄っていい?…」
「え!?う…うん…ここって」
立ち止まったのは小さな頃よく利用していたスーパーだった。
「ここ一緒にくるの、久しぶりだよね」
「う、うんそうだね」
無言からの急な会話に少しギクシャクしながら入店すると、昔のままの店内に懐かしさが心を満たしてくる。
「ましろちゃん、行こ」
「え?…う、うん」
お兄ちゃんと2人、並んで買い物すると小さい頃の出来事を思いだした。
(お兄ちゃん!!お菓子買って!!)
(1個だけだよ?ましろちゃん)
(なんでぇ!?…今日ましろの誕生日なのにぃ…)
(だからだよましろちゃん、これから帰ってましろちゃんの誕生日ケーキ作らないとだから!)
(ケーキ!…私の好きな…)
「…苺…のショートケーキ…」
「あ、流石に気づいちゃった?」
小さく呟いた声に拓狼は気づき、胸ポケットから木場から渡された買い物メモを開いて差し出した。
「ましろちゃんと仲直りしたいなら…思い出の苺のショートケーキを作りなよ…?」
木場さんの字で書かれたメモを見た後買い物カゴを見ると小麦粉や生クリーム、苺等ケーキに必要な材料が入っている。
思わず泣きそうになったが、何とかして涙を堪える。
「買い物終わらせて早く作らなきゃね」
「うん!!」
必要な物を購入し帰り道を歩くが、行きとは違い会話が弾む。
勿論内容は小さい頃の思い出だ。
「買い物行く度にお菓子を沢山カゴに入れて来たよね!」
「もう…そんな小さい頃の事まだ覚えてたの?…恥ずかしいよ…」
普段通り会話を楽しむが引っかかりがお互い残ったままだからなのか、無言の時間が生まれてしまう。
「あのね…ましろちゃん」
「な、なに?」
僅かな沈黙を破ったのは拓狼だった。
「昨日は…ごめんね…でも本当にましろちゃんが心配だったから…ましろちゃん達を傷つけたくなくて…」
拓狼はましろの正面に立ち、真っ直ぐ彼女の目を見つめた後、頭を深く下げる。
「私こそごめんなさい…お兄ちゃんがあげはちゃんと付き合った事を知って…2人を守らなきゃって…お兄ちゃんが傷つけばあげはちゃんが悲しむから…」
お互いようやく言えた本音。昨日のぶつかりはお互いがお互いを思い、守ろうとした強いいしによるものだった。
「ありがとう…ましろちゃん」
「私の方こそ…でね…私はお兄ちゃん達を守るからだから…お兄ちゃんも私を守って!だから一緒に戦って!」
「ぷっ…ハハハっ!そうだね!お互い守って一緒に戦おう!」
ましろの提案はとても彼女らしく、そしてとても優しい物だった。
「それじゃはい、お兄ちゃん握手」
「うん!…危ない!?」
ましろの握手に応える様に手を伸ばそうとするが、ましろの頭部目掛け飛んでくる矢が目に入り、超反応で矢を掴む。
「な、なに!?矢?…それにお兄ちゃん…凄い反応…」
オルフェノクになってから分かった事が幾つかある。
動体視力、瞬発力、耐久性に筋力の向上等、常人を遥かに超える体を手に入れてしまったらしい。
「大丈夫?ましろちゃん!?」
「うん!ありがとうお兄ちゃん」
「この攻撃…ランボーグじゃない…」
飛んできた矢をへし折りながら飛んできた方を向くとカブトムシとクワガタムシのようなオルフェノクの大剣とボウガンを構え、こちらの正体がわかって居るように手招きをして挑発していた。
「お兄ちゃん…あれってオルフェノク?…」
「うん、さっそくだけどましろちゃん戦える?」
「勿論!」
「よし!」
ファイズフォンのボタンを押すと透明化していたファイズギアが現れ、ファイズフォンをはめる。
「STANDING BY COMPLETE」
「スカイミラージュ!トーンコネクト」
「変身!」
「ふわり広がる優しい光!キュアプリズム!」
「行くよましろちゃん!」
「うん!お兄ちゃん」
「はい、ましろちゃん!完成だよ」
「ありがとうお兄ちゃん!」
オルフェノクを2人で倒した後、閉店後のラッキークローバーでショートケーキを完成させた。
「ん〜いい匂い!懐かしいなぁこの匂い」
「ですね!あげはさん!」
「あう!」
「なんだかんだ仲直りしたみたいで良かったですけど…あげはさん…僕達までいいんですか?…」
ましろの提案でソラやツバサ、エル達も呼ぶ事になった。
ちなみにエルちゃん用のケーキも作ってある。
「いいんだよ少年!皆で拓狼とましろん達の思い出の味を堪能しよう!」
「はい、お待たせ」
お皿に載せたショートケーキとオレンジジュースをあげは達に配った。
「美味しそうですね!」
「あい!」
「それじゃさっそく!」
『いただきます!!』