ひろがるスカイ!プリキュア・地を這う獣は宙舞う蝶の夢を見る 作:幻水
ひろプリロスが癒えませんが、続きを…
「ランボーグ!!」
指示役のカバトンは既に消えヤケになったのかランボーグは単調に腕を振り上げ、真っ直ぐこちらに向かってくる。
「あげは達と待ち合わせしてるんだ!これで決める!!」
あげはやましろ達と待ち合わせ場所へ向かう最中にカバトンとランボーグの奇襲を受けるがカバトンの撃退には成功し、残るはランボーグだけになった。
ベルトから外したファイズショットを右腕に装備しミッションメモリーを付け、走り出しこちらからもランボーグとの距離を詰める。
そしてお互いの距離が縮まると腕のリーチが長いランボーグが拳を振り下ろすが体を回転させ、攻撃をさけがら空きの腹部に右ストレートをヒットさせる。
「グランインパクト!!」
鈍い衝撃音と共にランボーグは吹き飛ばされ消滅していき、完全に消滅した事を確認し人目なに場所へ移動し、変身を解除する。
「はぁ…なんか最近ランボーグ増えたな…オルフェノクより出現率多くないか?」
大きなため息を吐きながらスマホのスケジュール管理アプリを開き、ランボーグとオルフェノクの出現率を確認する。
「あ〜、やっぱりランボーグの方が圧倒的に多い…何か企んで…いや何か焦っているな…」
焦っていると言うことは何かしら相手の意表を突くことができ正常な判断が出来ていなく、こちらが僅かながら有利になっていると言う事だ。
「でも、油断は禁物だよな…って時間…やば!?遅れる!!」
スマホをしまい、集合場所へ全力疾走で向かった。
勿論ギリギリ遅刻し、あげは達に買い物後にお詫びでアイスを奢る事を約束した。
「はぁ…困ったのねん…」
陸橋付近にて営業しているおでん屋の屋台にて、これまでにないほど目立たぬ様に変装したカバトンが頭を抱えていた。
「お客さん…なにか悩み事かい?ほら食いな」
渋い顔をしたおでん屋の店主が言葉少なく、皿に盛られた大根や煮卵等をカバトンのテーブルに置く。
「おぉ〜うまそ〜!!なのねん!…ハァ…実は…」
おでんを食べながら悩みを店主に打ち明けた。
「そっか…随分ブラックな職場で働いているんだね…お客さん…同情するよ…」
「ありがとうなのねん……ん?…」
しみじみとおでんを食べ始めると反対側の歩道から聞き覚えのある笑い声と話し声が聞こえ、振り向くと憎きプリキュアとラソ山で邪魔をした仮面の男が楽しそうに歩いていた。
「あ…あいつらッ…」
楽しそうに笑うソラ達を眺めていると怒りがふつふつと込み上げてくる。
「俺様がこんなに辛い想いをしていると言うのに…」
「お…お客さん…大丈夫かい?…」
「クソ…楽しそうに笑いやがって…」
店主の言葉を気にせず昨日の事を、何故自分がこんなに焦らざるおえないのかを思い出す。
(まだプリンセスエルを捕まえられないのか?)
プリキュア達に敗れアジトである廃ビルに逃げてくると奥のフロアから、暗闇にも関わらずハッキリと目視できる漆黒の球体が突如として現れ、まるで感情がない冷たい声が頭に直接話しかけてくる。
「そ…その声は!?」
(戯言はいい、質問に答えろカバトン)
「は、はい…も…申し訳ございません…しかしプリキュアや仮面男の邪魔が入りまッ」
(言い訳をするのか?)
「ヒィ…」
思わず言葉が詰まる程に殺気を出され、自分の血の気が引き嫌な汗が体から吹き出てくる。
(早くプリンセスエルを捕まえてくるんだ、いいか次はないからな?)
圧倒的な威圧感に耐えられず片膝を着き、首を縦に振る事しか出来なかった。
「…アイツらさえ居なければ…クソ!これ代金なのねん!!」
「ちょ!?お客さん!!お釣りは!?」
ポケットから1万円を取り出しカウンターに置き、プリキュア達がいる反対側の歩道に向かった。
「おい!!プリキュア!!」
「カ…カバトン!?こんな所に?」
「またエルちゃんを!?」
「あげは、皆俺の後ろに!!」
突如現れたカバトンから庇う様にあげは達の前に出て
、何時でも変身出来るようにファイズフォンとベルトを取り出す。
「どくのねん!仮面野郎!!用があるのはお前だ!!」
『え!?…』
大声を出すカバトンが指を指したのは前に出た拓狼ではなくその後ろにいるソラで、予想外だった為彼女の事をただ見つめる事しか出来なかった。
「私…だけ…ですか?」
「そうだ!四日後に河川敷でプリンセス・エルをかけて正々堂々俺とサシで勝負しろ!」
「分かりました!受けて立ちましょう!!」
「フンッ 首を洗って待ってるのねん」
怪しい笑を浮かべ、カバトンは消えていく。それから数秒後、一瞬の出来事に遅れていた思考が追いつき始めた。
『えぇ!?二つ返事!?』
思いのほかスンナリと首を縦に振るったソラに遅れた総ツッコミが入る。
「ソ…ソラちゃん!?流石に迂闊すぎるよ!」
「ましろんの言う通りだよ!」
「カバトンが正々堂々で戦う訳ないじゃないですか!!」
「そうかも知れませんが…でもカバトンの目は何かに怯え、追い詰められているんだとだからカバトンはあんな事を言ってきたんだと思います、だから私はカバトンの覚悟をくみ承諾しました」
胸の前で拳を握り、真っ直ぐな目で見つめてくるソラに誰も言い返す事が出来ないで居るとあげはがそっと手を握ってくる。
「拓狼…どうしよう…」
「ん〜…とりあえず…お腹すいたし、明日考えよう」
「レポート大丈夫?あげは」
カバトンから決闘宣言から数時間が過ぎ、ましろ達と解散した夕食後。あげはは専門学校の課題に追われ、俺はそんな彼女にマイブームイングリッシュティーラテ・ウィズ・ホワイトチョコレート・アド・エクストラホイップ(あげはのマイブームドリンク)を差し出す。
「ありがとう拓狼、んん!美味しぃ!!やっぱり買って良かったね!ドリップメーカー…レポートは…大丈夫…かな?…」
(…あぁ…あれは行き詰まってる顔だ…)
「そっか、ラッキークローバーも改装で暫く休みだから手伝える事あったら言ってね?」
「ありがとね!拓狼」
(頑張れ!!あげは)
心の中でもエールを贈り、キッチンへ戻ろうとした時ポケットの中でマナーモードのスマホが振動し着信を知らせる。
「誰からだ…あぁ、ましろちゃんか」
あげはの邪魔にならない様にキッチンに入り電話に出る。
「もしもし、どうしたのましろちゃん?」
[あ、お兄ちゃん!今電話大丈夫?]
「うん大丈夫だよ、どうかしたの?」
あげはの方に一瞬視線を送り、電話で気が散っていないかを確認し会話を続ける。
[良かった、あ、急にごめんね…えっとねソラちゃんとカバトンの決闘の件でね、その…明日から、らそ山キャンプ場でソラちゃんの特訓に付き合って欲しいんだけど…]
「明日かぁ…」
(ソラちゃん達の力になりたいけど…俺だけ行くのも…それにあげはレポートあるし連れて行くのも…それにらそ山までバスが出てるし、未成年者用にコテージがあったはず…だから俺達が居なくも)
「ごめんましろちゃ…おっと!?…」
特訓の件を断ろうとするが左腕を引っ張られ、確認すると涙目になったあげはがこちらを見つめていた。
「な、なに、あげは?…」
「らそ山…キャンプ場…私も行きたい…」
(聞かれてたか…)
「でもあげは…レポート…」
「やるからぁ…レポートもちゃんとやるからぁ私も連れてってぇ」
「分かった、分かった…行こう、らそ山キャンプ場…」