ひろがるスカイ!プリキュア・地を這う獣は宙舞う蝶の夢を見る 作:幻水
今回ケンガンアシュラネタが含まれます。
「いきなり頼んじゃってごめんね…お兄ちゃん、あげはちゃん…」
「私の為にありがとうございます!」
「アッハハ、大丈夫だよ!二人とも」
「そうだよ、気にしないで……うぅ…」
結局あげはに根負けした翌日。皆で特訓キャンプをする事になり、目的地まで安全運転で車を走らせている。
自分を含め楽しい雰囲気ではあるのだが、荷物が乗った一番後部座席から約一匹…一人?の不満に満ちた視線を背中に受ける。
「えっと…ごめんね?ツバサ君…テントとか色々あるから…」
沢山のキャンプ道具が積まれ到底荷台には収まりきれない量になり、座席を畳まざる負えなくなってしまった。それ故に仕方なくツバサ君にはプニバード状態で荷物に紛れてもらっている。
「いえ気にしてないです、これが僕本来の姿なので」
「本ッ当にごめんね…キャンプ場に着くまでだから…」
「うわぁ!!ここがキャンプ場ですか!」
不機嫌な彼をなだめる事1時間弱。
目的地であるキャンプ場に到着し受付を済ませ、プニバード状態のツバサを車の外に出すと大自然に目を輝かせた。
「凄いでしょツバサ君!この街で一番大きなキャンプ場なんだよ!」
「そうなんですね!こんな間近に自然と触れ合えるなんて凄いです!」
(良かった…ツバサ君機嫌戻ってくれたみたい…)
「あッそう言えば、ソラちゃん特訓って何するんだい?」
「フッフフ!!よくぞ聞いてくれました!!」
ツバサを近くの切り株に置き、キャンプ場を見渡すソラ達に尋ねるとソラとましろは自信に満ちた顔で手作りのガイドブックを見せてきた。
「凄っ!!ソラちゃん特訓メニューだって!ましろん達で作ったの?」
「そうだよ!昨日色々調べてソラちゃんとツバサ君と一緒に作ったんだ!!」
ソラからパンフレットを受け取り、あげはと2人で内容を確認する。
かなり本格的に作られておりイラストや目的地までの地図等書かれていた。
「なるほど分かったけど、怪我とかに注意するんだよ?後暗くなる前に戻って来ること!」
「わかりました!!拓狼さん!」
「よろしい、設営とか色々な事は俺がやっとくから行っておいで!」
『はーい!行ってきまーす!』
「ましろん!ソラちゃん!少年!行ってらっしゃい!!」
「さてと」
ソラ達3人と別れタープテントと寝る用のテントを組み立て終えると、夕食の支度を始めていく。
あげはには約束通りレポートをやりつつエルの面倒を見てもらっている。
やはり気分転換になっているらしく、家にいる頃よりレポートの進み具合がとても早い。
「あげはも順調だし、エルちゃんも喜んでるしやっぱりきて良かった!」
ご満悦な2人を見届け再び食事の支度に取り掛かる。
途中自分達の昼食を作ったり休憩する事数時間、夕暮れ時になり夕食が完成したのと同時にましろ達3人が帰ってきた。
「ただいま戻りました…」
「おかえり!ましろん!ソラちゃん!少年!ん?…」
「おかえりなさい、ちょうど今ご飯が出来た…よ?…」
ソラの声に振り返ると3人とも納得のいかない顔をした。
「…お疲れ様、とりあえずご飯食べながら何があったかはなしてよ」
「なるほど…滝行や山の主?との修行は出来たけど、ソラちゃん的には納得出来る内容じゃなかったんだ?」
「そっか…どうする拓狼?」
「ん〜そうだね…」
夕食を食べつつソラの話を聴き、どうしたものかと頭を抱える。
ソラ的には今日の特訓内容はスカイランドでも似たような事をしていたらしい。
「あのね、お兄ちゃん!」
「拓狼さんにお願いがあります!」
「ど…どうしたの!?ましろちゃん、ツバサ君?改まって」
「ましろさん、ツバサさん私から話します、あの拓狼さん…私に稽古をつけて欲しいんです!」
「えぇ!!…俺!?」
「はい!以前…私と拓狼さんが初めて出会った時、手合わせした時の事を覚えていますか?」
「あ、あぁ…お、覚えてるよ…」
「稽古!いいじゃん!拓狼格闘技とか色々やってたもんね!…え、手合わせって何の話?」
「ま、まぁ…それは後で、それで俺と稽古を?」
流石に緊急時とは言え、女の子に頭突きしたと言えば絶対あげはやましろにドヤされると思い、無理矢理話を濁した。
「あの戦い方はスカイランドでは教わったことがありませんでした…それ故に有効的でした…」
そう話しつつ自分の額を摩るソラを見てあげはとましろの拓狼を見る顔が険しくなる。
「ねぇ拓狼?」
「ねぇお兄ちゃん?」
「ひッ!?」
『一体ソラちゃんに何をしたのかな?…』
「ち…違う!!あ、あの時は仕方なく…ぎゃぁぁぁぁああああ!?」
その後2人に詰められ事情を全て話すとめちゃくちゃ怒られてしまい、代わりにソラとの稽古をする事になった。
「それじゃあソラちゃん、拓狼準備はいい?」
「いつでもOK!」
「はい!よろしくお願いします!」
夕食後人気のない場所にて早速稽古する事になりソラはキュアスカイに、拓狼はオルフェノクの状態になり円状の枠を描きその中で向かい合う。
審判役にあげはが名乗り出てくれた。
「ルールはこの枠から出たり、降参するか戦闘不能になった方が負けって事でいいな?」
「わかりました!」
「じゃあ二人とも行くよ!レディーファイっ!!」
「タァァァッ!!」
「フッ」
あげはの合図と同時に一気に距離を詰め、顔面目掛け拳を振るわれる。
「なっ!?」
完全に当たると思った一撃だが、避けることなく拓狼をすり抜けたかの様には当たらなかった。
「こんの!!」
「なんの!」
理解が出来ない中ソラの打撃の連打を繰り出すが、拓狼を捉えることなくすり抜けていく。
「攻撃が全く当たらない…すり抜けている!?…」
「凄いでしょ?俺も師匠に見せられた時はびっくりしたよ」
「流石です!拓狼さん!一旦距離を…」
「甘いよ、ソラちゃん!!」
連撃を辞め一旦距離をとるソラだがボクシングのヒットマンスタイルの構えを取り、すかさず彼女との距離を今度はこちらが詰め追撃する。
「速い!?クッ!!」
間合いに入りフリッカージャブの連撃を打ち込む。
何とか両手でガードするが、先程とは逆の構図になっていた。
「ソラちゃん!!集中!!」
「えっ…」
ソラのガードが甘い下を狙い、上半身を右に大きく曲げアッパーを顎ギリギリで寸止めする。
「はいはい!!ストップストップ!!ちょっと拓狼!?本気出しすぎ!!ソラちゃん大丈夫?」
「当てるつもりないよ、どうだったソラちゃん?」
「大丈夫ですよあげはさん、凄いです!スカイランドでは見た事ない戦い方でした!…悔しいですが、私の負けです」
「拓狼…黒木さんやガオランさんと初見さんの戦い方使ってたけど…まさかそれをソラちゃんに教えるの?…」
「うん、黒木さんの先読み、ガオランさんの如何なる体制からの攻め、初見さんの膝の入り抜きによる回避、ソラちゃんには一気に、実戦的に覚えて貰うよ」
「はい!よろしくお願いします!」
「よろしい!早速2戦目行くよ!」