ひろがるスカイ!プリキュア・地を這う獣は宙舞う蝶の夢を見る 作:幻水
「プリキュアの片割れ!見つけたのねん」
「カバトン!?」
「え?豚?…着ぐるみ?…ましろんプリキュアって?」
「えっと…それは…」
拓狼のお見舞いの帰り道に、あげはと共に買い物中カバトンがいきなり目の前に現れた。
「2人だと勝てないから1人づつ狙う!!俺天才なのねん!カモン!!アンダーぐエナジー!!」
カバトンを中心に現れた黒い霧が近くで工事現場に止まっていたロードローラーを包み、ランボーグへと姿を変えた。
「キャー!?」
「か、怪物だ!?」
突然現れたランボーグにその場にいた人々が悲鳴を上げ、逃げ惑う。
「ダァッハッハハ!!泣け!叫べ!!いい光景なのねん」
「これ…私達を襲ったっていう…怪物?…じゃなくてましろん!逃げるよ!」
「ごめん…あげはちゃん…」
恐怖で体が強ばるが頭を横に振り我に返り、ましろの手を引いて逃げようとするが手を振りほどかれた。
「ましろん?…」
「スカイミラージュ!トーンコネクト」
羽根ペンの様な物を掲げた瞬間ましろが光に包まれ、光が消えると白を基調とした衣装を纏ったましろが現れた
「ふわり広がる優しい光!キュアプリズム!」
「え?プリキュア?…ましろんプリキュアって?」
「説明は後でするから逃げてあげはちゃん!」
「ましろん!?」
理解が追いつかず唖然としているあげはをよそに、プリキュアとなったましろはランボーグに向かっていく。
「やれ!ランボーグ!!」
「ランボーグ!!」
「たぁぁぁ!!」
ランボーグの手となったローラーとキュアプリズムの拳がぶつかり、激しい衝撃波を生み出す。
「ラン…ボーグ!!」
「キャー!?」
お互い拮抗していたがローラーがキュルキュルと回転すると、弾かれる様にキュアプリズムの体が激しく吹き飛ばされビルに激突する。
「ましろん!?」
逃げる途中衝撃音が響き振り返るとビルに激突するキュアプリズムが見え、思わず立ち止まってしまった。
「クッ…まだまだだよ!!」
手の平から光球を複数飛ばすが回転する腕に弾かれ、そのままキュアプリズムを殴りつけた。
「グハッ…」
重い一撃でビルに更にくい込み意識を一瞬で絶たれ、気を失ってしまった。
「プリキュア弱ぇえ!!そして俺つえー!!さぁてランボーグとどめだ!」
「ランボーグ!!」
更にローラーの回転を速め気を失ったキュアプリズムに振り下ろす。
「ガルルッ!!」
「な、なんなのねん!?お、狼男!?」
超回転するローラーとキュアプリズムの間に割って入るように現れた灰色の狼男になった拓狼が、火花を散らしながらローラーを受け止めた。
「お前何者だ!!」
「うぉぉぉ!!」
「ひっ!?」
カバトンの問に応えること無く雄叫びを上げ何倍もあるランボーグを押し倒し、倒れる間際カバトンも巻き込んだ。
「な、なんてパワーだ!?」
「ダァァ!!」
ビルにひびが入る程踏み込み拳を構えランボーグに飛びかかる。
「な〜んてな!ランボーグ!」
「ランボーグ!!」
まっすぐに飛びかかる拓狼をランボーグは容易く弾き飛ばし、地面に激突しクレーターが現れた。
「ぐッ…ダァァ!!」
怯むこと無く一直線にランボーグへ向かっていく。
「馬鹿め!」
カウンターを入れられ、また弾かれる。
「どんなに速かろうが単調な動きなら簡単に弾かれるのね!」
それから幾度も、幾度も弾かれ乗り捨てられたトラックにぶち当たると流石に意識が遠のき初め、動きが止まった。
(あれ?…俺…なんでこんな所にいるんだっけ?…)
朦朧とする意識の中、疑問が頭の中を駆け巡る。
(俺病院で寝てたよな?…何やってんだ?俺)
「ったく、変な邪魔が入ったがもうおしまいにしてやる!踏み潰せ!!」
「ランボー…」
「やめろぉぉ!!」
「ん?」
拓狼を踏み潰そうとしたランボーグに鉄パイプを持ったあげはが殴り掛かり、ランボーグが動きを止めた。
(俺確か…また怪物が現れて…街を…あげは達を守りたくて…また狼男に変身したけど体が上手く動かせなくて…)
「なんだモブキャラかぁ…ランボーグそいつから踏み潰せ」
ランボーグは体をあげはに向け、足を上げ勢い良く下ろす。
「キャー…助けて!!拓狼!!」
(ッ!?あげは!!)
あげはの悲鳴に意識がハッキリとなり、彼女を庇うようにランボーグの足元へ入り足をささえる。
不思議な事に先程とは違い、体が思い通りに動き激しい怒りが収まっていた。
「え?…」
「逃げるんだ…お嬢ちゃん」
「は…はい」
変身の影響らしく元の声とはかなり変わっている為正体には気付かれた様子はなく一安心し、あげはとの距離が充分開いた事を確認し、ランボーグの足を受け流す。
「なに!?動きが変わった!?ランボーグ!!とっとと倒せ!」
「お前…俺の大切な人を二度も傷付けようとしやがって…」
ランボーグの攻撃を受け流し、徐々に間合いを詰める。
「許さねぇぞ!」
先程より速い動きでランボーグを翻弄する。直線的な動きではなく、時折フェイントを入れる事で読まれずヒットアンドアウェイでダメージを与えていく。
「や、やべぇ…一時撤退!」
勝てないと見越したらしくカバトンは一瞬で消えてしまった。
「トドメだ!」
右拳に力を込めると装甲の様な突起が伸び、巨大な剣の様に変形しランボーグを十字に切り裂く。
「勝った!この力さえあれば…皆を…街を守れる!っとあの子は?…」
消滅するランボーグを確認しビルに埋まった少女の元へ駆け寄る。
「良かった…気を失っているだけ…あれ?この子何処かで…あ!」
初めて怪物を倒し気絶する寸前に現れた二人組の一人だと思いだし、お姫様抱っこをしてビルから下ろす。
「この子もさっきの怪物と戦う存在なのか?」