ひろがるスカイ!プリキュア・地を這う獣は宙舞う蝶の夢を見る 作:幻水
「いいですか?大怪我が1日で治る何て説明つかないんですから何か違和感があったらすぐ病院に連絡してくださいね?」
「アッハハハ奇跡って本当にあるんですね!実は魔法もあったりして!」
結局検査検査で3日間入院生活が長引き、ようやく今日退院する事になり帰り支度をすすめている。
完治に関しておそらく狼男への変身が原因だが、そんな事を話しても信じて貰えないので黙っておく事にした。
「馬鹿な事言うと首を切り取りますよ?」
「すいませんでした…っとこんなもんかな?」
シーツ交換をしているナースとだべりながら荷造りを終えた。
「お大事にしてくださいね?…本当にタクシーとか迎え呼ばなくていいんですか?」
病室から出る際にナースに訪ねられたが、首を横に振り断わる。
「せっかく自由に動ける様になったんですから、歩いて帰ります」
「そうですか?それではお気を付けて」
「ようやく完成ですね」
「あぁ、デルタやカイザでデータをとりアンダーグ・エナジーの無効化も実証された最もバランスの優れたベルト…ファイズギア…」
防護服を纏った研究員達が丁重にファイズギアと呼ばれるベルトをアタッシュケースにしまい、それを実験室の外から主任と共にガラス越しに見つめる。
「デルタやカイザのベルトも使うんですか?」
主任は二種のベルトのデータを眺め、コーヒーを口に含む。
「必要ならば…だね、オートバジンにサイドバッシャー、ジェットスライガーにフライングアタッカー…ファイズ用に様々な武装を準備したが、戦力は多い方がいいからね」
「我々からしたらその戦力だけで過剰戦力なんですがね?」
「我々が戦うのは人知を超えた異世界の敵と進化人類だ、過剰な程いい」
「まぁ確かにそうですね」
俺の母親が店長を務めていたケーキ屋ラッキークローバー。
母亡き後ラッキークローバーは俺が店長になり、店を切り盛りしている。
まぁ、母親の店長時代から働いてくれている木場さん、海堂さん、長田さんが今でも家で働いてくれているおかげである。
「長蛇の列…流石木場さん達だ」
久々にラッキークローバーに戻ってきたもののまだ開店時間前だと言うにも関わらず長蛇の列が店前に出来ており、自分が店を空けていた間でも問題なく切り盛りしていた事に感謝が溢れてくる。
「木場さん、海堂さん、長田さん店を空けてしまって申し訳ありませんでした」
『え!?』
裏口から店内に入ると木場さん達が驚きの表情で見つめてくる。
「天月君!?」
「拓坊!?何でここに?」
「店長さん!?入院中じゃ!?」
「いやはや、何か早めに怪我治ったんで出勤したんですが?…あれ?言ってませんでした?」
『じゃなくて!!』
「天月君まだ休んでおきなよ?」
「そうだぜ?拓坊それに」
「あげはちゃん達が病院に迎えに行ったんだよ?連絡来てませんでした?」
長田さんに言われスマホを確認するが、液晶は真っ暗なままだった。
「充電…キレてる…」
「何やってんだよ…拓坊…まぁいいや…店は俺達に任せて、休暇を楽しんでこいよ」
「聖さんには僕から天月君の家で拾うように連絡しとくから楽しんできな」
「えぇ?…でも…」
『いいからいいから!』
三人から店を追い出され開店時間になってしまった事もあり、これ以上は邪魔になってしまうため仕方なく集合場所である家に向かった。
「あ!拓狼!!退院おめでとう!!さぁ乗って乗って!!」
集合場所へ着くと既に駐車場に止めてあるあげはの愛車の窓から身を乗り出し、こちらな手を振っていた。
「あれ、ましろちゃんも来てたの?、ん…君は?…ってか赤ちゃん!?誰の?」
車に乗ると後部座席にましろちゃんと見知らぬ少女に、チャイルドシートに座る赤くがニコニコしながら座っていた。
「お兄ちゃん退院おめでとう!このこはね!」
「貴方が拓狼さんですね!私はましろさんの友達のソラ・ハレワタールです!この子はえっと…私の妹のエルちゃんです!」
「あ、妹さんかましろちゃんと同い年くらいなのに偉いね!それで?どこ行くの?あげは」
「そ・れ・は!山登りだよ!山!退院祝いに山登り!行こ」
「え?…退院祝いに?山?…」
「そ!それで!拓狼!この子持ってて!」
シートベルトをつけたあげはが俺の膝に鳥?の様なぬいぐるみを置いてきた。
「ん?なにこれ…鳥のぬいぐるみ?…むにむにしてて可愛い!!」
「あ、アハハ…お兄ちゃんむにむにしてる物昔から好きだったもんね…でもそろそろ辞めてあげないと…」
「プッ…アッハハハ!!く…くすぐったいです!」
手触りの良さにぬいぐるみの脇腹辺りをつついた瞬間笑い声を上げ煙に包まれると、先程までぬいぐるみがいた脚の上に小柄な少年が座っていた。
「うわ!?人間になった!?え?手品?魔法?…えぇ!?」
「拓狼さんくすぐったいですよ!」
「あちゃ…少年には鳥の状態でいてって頼んでたんだよ、車に乗れなくなっちゃうから…まぁ走りながら説明するよ」