ひろがるスカイ!プリキュア・地を這う獣は宙舞う蝶の夢を見る 作:幻水
「なるほど、元々スカイランドのプニバード族だったツバサ君は事故でこちらの世界に来てしまったと」
あげはの運転でラソ山へ向かいながらツバサ君の件を説明された。
「え?…信じてくれるんですか?拓狼さん」
「君が嘘を着いているとは思えないしね」
「さっすが!拓狼!」
(まぁ俺も狼男になるし、ランボーグとかプリキュアとか現実離れしてるしな…)
「スカイランドに帰れるといいね、ツバサ君」
プニバードの状態になったツバサの頭を撫でているといつの間にか目的地でたるラソ山についたが、未だに退院祝いに山なのかは謎のままだ。
「とうちゃーく!やっぱり山の空気は美味しいね!」
「今更だけど、退院したばかりなのに大丈夫なの?お兄ちゃん」
「体力有り余ってるから大丈夫だよ…っとん?…」
全員車から降り登山コースに向かおうとした時不意に袖口を引っ張られ、振り向くとベビーキャリーでソラに抱っこされたエルが両手で袖口を握っていた。
「すいません拓狼さん…エルちゃん拓狼さんが困ってますよ」
「大丈夫だよソラちゃん、良かったら俺がエルちゃんを見ようか?」
「あい!」
俺の問に答えるようにエルは両手を伸ばし、ニコニコと微笑む。
「えぇ…でも…退院したばかりなのに…」
「大丈夫!子供は元気に遊んだ遊んだ、頂上にはアスレチック広場やクレープの屋台とか色々あるから!ほらツバサ君も!」
「それじゃ…」
エルを預かりましろ達三人を見送る。
「おうおう優しいねぇ!拓狼!ねぇ!エルちゃん」
「たうろーややしー!!」
「まぁ、あの子達にも楽しんで欲しかったのは確かなんだけど…」
「ん?…あっ…」
頬を掻きながらさりげなくあげはの手を握る。
「その…手繋ぎたかったし…付き合ってすぐ入院したから…」
「気持ちは嬉しいけど…エルちゃんを利用するのはどうなのぉ?」
「アッハハハ…さぁ行こう行こう!」
「全く…」
「ましろさん!こっちの世界にもプクーレがあるなんて!私幸せです!」
「スカイランドではクレープの事をプクーレ?って言うんだね?」
「でもスカイランドのプクーレより種類が多いんですね!」
拓狼達と別れて数十分程でらそ山の頂上に到着すると広場には様々な屋台が営んでおり、その中でも一番目を引いたクレープ屋で三人分注文した。
「お待たせしました!プリズムストロベリークレープとスカイブルーベリークレープ、ウイングオレンジクレープです!」
『ありがとうございます!』
店員さんからクレープを受け取りベンチに座り、景色を堪能しながら味わった。
「沢山歩いた後に美味しいクレープにいい景色!それに」
「ランボーーグ!!」
「ランボーグ!え?…」
「ソラちゃん、ツバサ君今…」
「ランボーグって…」
「見つけたのねん!プリキュア!」
「あ!あそこです!二人とも」
カバトンの声に辺りを見渡し、ツバサがロープウェイ乗り場の屋根の上に佇むカバトンとゴンドラ型のランボーグを発見した。
「プリンセスが見当たらないけど!お前達を倒した後に見つけるのねん!」
「ましろさん!ツバサ君行きますよ!」
『はい!』
「社長!らそ山にアンダーグエナジの反応あり!」
「映像はだせるか?」
スマートブレインの作戦室の警報が作動し、スタッフ達が慌ただしく室内を走り回る。
「映像でます!」
大きなモニターにらそ山中にある監視カメラ映像が写りだした。
「多いな…絞れるか?」
「まだ正確には…今はこれが限界です」
研究員がキーボードを叩くとモニターの映像が6面まで数を減らした。
「いた、2と6面にランボーグ、プリキュアとこうせんちゅか…なに!?4面に拓狼くん…らそ山に来ていたのか…オートバジン出せるか?」
「は、はい…もしかして起動実験なしに変身させるんですか!?」
「起動実験ならそ山でやればいい!」
「わ、わかりました、オートバジン!オートモード起動!」
「たまにはこうして歩くのもいいね!拓狼」
「そうだね!入院中自由に動けなかったから、体が固まりそうだったよ…っと…ごめんあげは、ちょっとお花摘みに…」
「OK!エルちゃんは任せて!」
あげはにエルちゃんを託し、公衆トイレに向かい用を済ませた。
「ごめんあげは、エルちゃんお待た…」
「キャ!?」
「ランボーグ!!」
「痛たた…」
あげは達が座るベンチと拓狼の間に肩にカバトンを乗せたゴンドラ型のランボーグが空から降ってきた。
「大丈夫か!?あげは!エルちゃん!」
「私達は大丈夫!」
「あ!?ラッキープリンセスエル発見なのねん!ランボーグ捕まえるのねん!」
「キャァァ!?」
「あげは!?エルちゃん!?」
ランボーグはあげはごとエルを拐い、高く跳躍さはロープウェイのワイヤーを掴み逃走をはかる。
「待て!」
「待ちなさい!!」
「あれは…プリキュア?…こんな所にまで?…てか3人目もいたのか」
3人のプリキュアが光を纏い、ランボーグを追いかけていく。
「プリキュアに任せておけば大丈夫…だけどな…人の女や赤ちゃん拐ってよ…何もしない訳には行かんよなぁ?」
堪忍袋の緒がキレ狼男へ変身し両足に力を込めると、まるで本当の狼の様な足になり通常よりも高くそして早く跳躍する。
「スカイ!ウイング!ランボーグの手を見て!」
「あれは!?」
「あげはさんに…プリンセス!?」
攻撃をしようとするスカイとウイングを慌てて止めるが、理由は二人とも理解したらしく顔に汗が滲む。
「これじゃ手出し出来ないよ…」
「だっはっはっはっ!手も足も出ないのねん!」
「くっ…このッ…離して!」
抜け出そうともがいてみるが、全く体が抜ける様子がない。
「参ったな…全然抜けないや…ん?…」
この状況をどうするか考えていると遠くから何かが物凄い速度でこちらに向かって来るのが見えた。
「あげはを返せぇぇ!!」
「な、なんなのね…うわ!?」
「ランボーグ!?」
そのままの勢いでランボーグの顔面にドロップキックを食らわせると、その衝撃でランボーグがあげはを離した。
「きゃぁぁぁ!!落ちる!?」
「大丈夫だよ」
大木を蹴りあげはが落下する方向に飛び、あげはとエルをキャッチする事ができた。
「ナイスキャッチ!ありがと!また助けてくれたね!」
「気にする必要はないよ」
「ねぇもしかして…拓狼なの?…」
「え?」
「な、なぜバレた!?声は変わっているはずじゃ?…」
「やっぱり!拓狼だったんだ」
「な…何でわかったの?…」
「何時も助けてくれるし…温かさが拓狼に似ていたからね!」
「…着地するよ、あげは」
「ありがとう拓狼!」
「ん?…あげは…俺の後ろへ」
地面に着地しあげはを下ろすと茂みの中から自分と似た人型の怪物が現れ、あげはとエルを自分の後ろへ隠す。
「お前…俺と同じオルフェノクのクセに人間を守るのか?」
「オルフェノク?…何の事だ!?それにお前は?」
「シュッ!!」
「うぉ!?」
問に応えること無くオルフェノクと言う怪物が両手の鎌で斬り掛かるが、腕の装甲を刃物に変化させ受け止める。
「名乗らないならカマキリ野郎って呼ぶからな!」
「ほざけ!」
(なんだ…この感じ…ランボーグとは違う)
「拓狼!?」
「大丈夫だ、離れて」
「わ、わかった」
「余裕そうだな…うぜぇ…お前らバラバラにしてやる!」
「やってみろよ!カマキリ野郎!!」
鎌と装甲がぶつかり合い火花を散らし、お互い引くことなくぶつかり合う。
(なんだ…この感じ…ランボーグとは違う…人間に近い感覚がある…)
撃ち合いの中時折りフェイントを入れるとカマキリ野郎はまんまと引っかかる。
これがランボーグにはない人間味を感じさせてくる。
「たァァ!!」
「グッ…クソが…」
フェイントからのガラ空きになった顔にアッパーを当て、カマキリ野郎との距離をとる。
「ハァ…ハァ…野郎…絶対ぶっ殺してやる!」
「拓狼君!」
「ん?…京子さん?え??…何処から?」
「拓狼!上上!」
「ん?ロ…ロボット!?」
あげはの言う通りに上を見あげると銀色のロボットがゆっくりと自分とカマキリ野郎の間に降りてきた。
しかも京子さんの声はこのロボットから聞こえてくる。
「京子さん?もしかしてロボットに!?てか何で俺だって?」
「んな訳あるか…通話機能を使っているんだよ、説明は後だこれを使うんだ!全く…ランボーグ相手かと思ったらオルフェノクも出てくるとは…」
ロボットからアタッシュケースを差し出されわけも分からないまま受け取り、ケースを開くと中には銀と赤を基調としたベルトと携帯が入っていた。
「え?ベルト?携帯?なにこれ?」
「いいら!ベルトを着けてファイズフォンに555を入力してバックルにはめて変身するんだ!」
人間状態に戻りベルトを装着し、ファイズフォンを入力する。
「は…はい…えっと555…変身!!」
「STANDING BY COMPLETE」