些細なきっかけで思い出してしまうものです。
あえて言うなら忘れたふりをしているだけだと思いますよ。
悪いとは思ったけど調べさせてもらった……
あの女性の評判…… これはかなり良かった。私はまったく知らんかったけど……
ゲンヤさんにも聞いてみたら管理局内では“お嫁さんにしたい女性”で五本指に入っとるそうや。
無理言ってよその部隊の作戦にまで参加したんやけど仕事ぶりもなかなかやった。
「皆様、お疲れでしょう? 少しばかり作りすぎてしまったお菓子なんですけど部隊の休憩の合間にでもどうぞ」
合同会議が終わると皆が退席を始める。そしたら各部隊にお菓子を配っていた。
見た目も綺麗やけど量が多い…… ちょっとの域ちゃうわ。
私にも渡された、甘さ控えめのバタークッキーとちょっと甘めのキャラメルクッキーやそうや……
悔しいが美味かった。
【闇の書―失われたモノ達―】
第三話 オプファー
会議の翌々日、今日は月に一度あるかどうかの全員休日。
のんびりするのがええ感じや。
ザフィーラを枕にして日向ぼっこしてると奥から声が掛かる。
「はやてー、これ食べて良いのか?」
「リインも食べるですよ」
ヴィータがそう言いながらも既に封を開ける。
部隊に持ち帰ったのを更に小分けにしたやつや。そういやゲンヤさんも家に持って帰るとか言うとったな。
「いいでー、でも全部食べたらあかんで?」
「わかったー、おーこれギガウマだな。さすがはやて」
あー…… 私ちゃうねん。手作りだから勘違いしたんやろがなんて言おうか……
「それは貰い物や。だから皆の分も残しといて」
「わかったー」
「これは美味しいです」
チラッと見たがいい食べっぷりやな二人とも。
……一応言っとこうか。
「それな、この間の女性が作ったんやて」
「ほぉのあいふぁって?」
口にほうばったまま喋るからちゃんと聞こえない。たぶん“この間って?”かな?
行儀悪いで、ヴィータ。
「……三日前の食堂であった女性や」
リインはそのまま食べてたがヴィータは手に持ってた分をそのまま戻してた。
戻しても食べた事はなくならないで?
作戦まで後二日っていうのに彼女の事がイマイチよく分からん。
噂や評判は結構聞くんやけど経歴とかが全くや……
こんなんやから学校でも考え込んでたんがいけなかったんやろな。なのはちゃんとフェイトちゃんにも心配されてもうた。
「はやてちゃん、何かあったの?」
「……ちょっとな、なぁなのはちゃんにフェイトちゃん? 情報補助管理3課って知っとる?」
一人で悩んでても仕方ないし、二人に聞いてみようかと思う。
たぶん知らんかと思うけど話すだけでも変わるかもしれんし……
「え? アンタールさんの所かな?」
「は?」
「私もよく捜査協力をお願いしてるけど? そういえばアンタールさんって動物とか子供が好きなんだって、アルフが言ってたよ」
「……なんでやねん」
えっと、もしかして知らんかったんは私ら八神家だけなんか?
もしかして、いやもしかしなくとも私ら避けられてるんか? そうなるとやっぱり闇の書位しか思い当たる事ないんやけど……
「彼女の事調べてたんや…… もしかしたら闇の書の被害者かもしれない……」
「「あ……」」
管理局のデータベースでは当り障りのない情報しか載ってない。当たり前やが個人情報を詳細になんてわからんもんや……
でも私が調べたから出てこない可能性もある。
以前からちょっと気になってた事やけど、闇の書の
「なのはちゃん、フェイトちゃん、悪いんやけど“アンタール”さんの事を調べてもらえへん? それと“闇の書の被害者”の事も……」
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ラッへ・アンタール
※重要機密※
少将オプファー・アンタールの養女であり、ロストギア“闇の書(現在は夜天の書)”の被害者。
15年前の闇の書事件にて両親が死亡、自身の右腕も無くしている。
当時感情をうまくコントロールできずに暴れていた所を養子としてアンタール家に入り落ち着いた。
管理局入局までアンタール孤児院の孤児達と過ごし、現在の管理局内にいるアンタール孤児院出身者の母の様な存在である。
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オプファー・アンタール(男性)
所属及び役職:時空管理局本局所属
階級:少将(名誉職)
アンタール孤児院設立者
補足:15年前に引退済みであるが過去の功績の高さから管理局に籍を残している。
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アンタール孤児院
設立者:オプファー・アンタール
孤児収容数:80~100名(乳幼児~12歳まで)
主な事業内容:孤児の受け入れによる生活の保全、独立支援等
活動費:私財と管理局及び聖王協会からの寄付
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なのはちゃんもフェイトちゃんも次の日には調べた事を教えてくれた。
なんやこれ? 思いっきり私らに関係してるやないか。
15年前…… 私の時のひとつ前の闇の書事件やな。
作戦当日になって彼女の事見てたんやけどこの間の会議の時とはまったく印象が違った。
初めて会うた時と同じようにこちらを見てへん。口調も淡々としててまるで人形のようや……
「各部隊の配置が完了したら作戦開始やな」
私の言葉を最後に各部隊が行動を始めた。108部隊はここで待機やから他部隊を見送るだけやけど。
それと情報補助管理3課からは2人がこっちの部隊に残ってる。さっきからずっと端末を操作しながら作業しとるけどこっちを一切見ない。
もちろん職務中やから無駄話やよそ見とかする方がおかしいんやけど108部隊との会話がまったくないのもどうなんやろ?
「違法研究所と思われる施設の入口を発見! 98部隊突入を開始!」
「突入部隊の映像来ます!」
作戦開始から30分もかからずに状況が変化した。
事前の情報通り、やはり地下に施設が隠れていたようやな。
「入口は計3ヶ所、残りの2ヶ所に102部隊突入しました! α隊β隊です」
「内部構造映像がリンクします! 補助管理3課が先行してますので各部隊は確認をお願いします」
108部隊の通信士達も手伝いはじめる。
空間に映像がいくつも出ては動いている。その映像を使って構造データを作っていく。
そして作ったデータはすぐに各部隊に送られる。
「データバック来ました! 98部隊にて戦闘が発生しています!」
「同じく102β隊交戦中! キメラ生物です」
通常の通信とは情報の量が違う……
施設の構造データはもちろんやけど施設警備システムの様子から敵の情報、そして何よりも早い。
各部隊も動きに何の迷いもないかの様に動いとる。
サポートの重要性は分かっとったつもりやけどここまで違うものなんか情報補助管理課っちゅうのは。
「補助管理3課隊長より全部隊への通信です!」
《「施設構造の掌握はほぼ完了! 研究用と思われる子供数名と動物を保護、そちらの護送をお願いします」》
広い空間に出た。
目の前には一人の男…… そして一匹のキメラ。
ここに来るまで交戦してきた魔導師やキメラ達とは明らかに漂う魔力が違う。
細く長い通路を発見した時は逃走用通路かと思っていたが侵入者を迎え撃つ為に入口が狭められているのだろう。
「おや? 麗しきレディ、お一人ですかな?」
「時空管理局です。管理外世界での誘拐、殺人、違法研究及び不正魔法使用で貴方を拘束します」
まるで貴族の様な仰々しく振舞う男にこちらは淡々と返す。
男はおもしろそうに笑いながらキメラをこちらに向かわせた……
テスト投稿作品の為、一話毎をわざと1500~3000文字で作成しています。
その関係で今回の投稿で削った文の描写は次以降に回します。