「おやおや? この匂いは……♡」クンカクンカ
昼休み。俺は昼食を軽く済ませ、アリーナの整備室に来ている。目的としては――「な〜お君♪」
「のわっ!?」
急に後ろから誰かに抱きつかれ……いや、今の声は…………
「束さん、急に飛びかかって来るのは止めて下さい」
「そんなこと言ってホントは嬉しいくせに〜ウリウリ♪ 束さんに会いに来てくれたのかな?かな♡」
後ろから指で頬を突かれながら、背中に感じる束さんの感触がヤバイのを必死に耐え、何とか平常心を保ちながら、返事をする。
「いや、ちょっと知り合いの様子を見に……てか束さんはここで何をしているんですか?」
「ムゥ〜そこは嘘でも束さんに会いに来たと言うとこでしょ! まぁそれはさておき、言ってなかったかな? 私一応はIS学園の整備士として学園長に雇われる形でここに居るの」
研究ばかりしているのかと思ったら、ちゃんと仕事もしていたらしい……学生レベルではメンテナンスできない訓練機の整備などを任されているらしい。
「魔改造なんてしてないでしょうね?」
「そんなこと……強いて言えば訓練機の数機をAI操作の無人機に作り変え……あっ! 勿論学園長と話した上での事だからね!?」
一瞬、俺が疑う様な視線を向けた為か束さんは慌てて補足説明を入れてきた。
「ならいいんですが……あっ、居た」
束さんと話しながら目的の人物を探していると、整備室の片隅で一人ISをいじっている彼女を発見した。
「んっ? あの子は〜いつもあのISをいじってる子だね。けど整備に関する知識は微妙なのか中々進んでない感じだね」
「やっぱり?(ホントに一人でやっているのか……)」
俺はそんな彼女に近づき、声を掛けた。束さんは一歩引いたところから様子を見ているようだ。
「おつかれ、簪」
「あっ、尚兄」
「…………(ナオ兄? ナオ君の妹は本音ちゃんだけだったはず……いや、この子どっかで……?」
目の前の簪の専用機【打鉄弍式】は外装だけならある程度出来上がっている様に見えるが、システム的なところはまだまだの様だった。
「間に合いそうなのか?」
「……多分無理」
「そっか……なぁ簪。そもそも何で簪が作ることになったんだ? 日本のどっかの会社が作ってたんだろ?」
俺は前々から疑問に思っていた事を簪にぶつけた。
「倉持技研って会社が作ってたんだけど、急遽別の専用機を作らなくちゃいけなくなって、私のISは後回し……というか制作停止になっちゃったの」
「(倉持技研……専用機……!?)……それってイッ君の白式作ったとこでしょ!」
「えっ?――って、篠ノ之束博士!?」
「どういう事?」
それから束さん伝いで聞いたことで俺は事の真実を知るのだった。
最近体調不良です。
皆さんも健康にはご注意下さい★