シャルロット・デュノア→???
「ぼ……僕は…………自由になりたい! 義母にいいように使われるだけの人生なんてもう嫌だよ……助けて……下さい!」
涙を流し心の本音を叫んだであろうデュノアさんを俺は助けてあげたいと思った。
「……分かった。細かい事は私の方で何とかしよう。たが決別の意志は自分でちゃんと伝えろ」
「……いいんですか?」
「入学してきた理由はどうあれ、今のデュノア……お前は私の大切な生徒の一人だ。生徒が困っているなら助けるのが担任の私の仕事だろう?」
「…………」
「うっ、うわぁぁぁぁぁ!」
泣きながら飛び込むように織斑先生に抱きついたデュノアさん……ホントこういうとこカッコいいよな〜と俺は思う。
「それなら膳は急げだな。直通の連絡手段はあるか?」
「義母の連絡先は分からないけど父のなら…………」
「それなら一つ提案があるのですが良いですか? 確かめたい事もあるので」
俺は二人の会話に割り込み、ある提案を持ち出す。そしてデュノアさんから携帯を受け取り、提案実行となった。
「……こんな時間に何用だ!?」
「…………」
「なぜ黙っている! 何もないなら切るぞ、シャルロット」
「……こんばんわ。デュノア社長」
「!?――貴様何者だ?」
娘のデュノアさんではなく俺の声が聞こえた事で、怒り声だったものが、こちらを疑う様な声色へと変わる。
「二人目……と言えば、分かって頂けるでしょうか? 息子さん……いや、娘さんの件でお話をさせて頂きたく……ね」
「二人目……もしや布仏尚人か?」
「せ〜いかぁ〜い★」
俺はワザと悪者ぶった口調でデュノア社長へと問い掛ける。
「お話はシャルルく――シャルロットちゃんから聞かせて貰いましたよ〜ちょっと脅したら洗いざらい全て語ってくれましたからね〜」
「!?――シャルロットは無事なんだろうな!?」
この反応は……いや、まだ確定するには早いか。因みにこの会話はスピーカーモードにして織斑先生もデュノアさんも息を潜めてすぐ隣で聴いている。
「えぇ、今も隣で眠っていますよ……可愛らしい寝顔ですねぇ」
「グッ!?……何が目的だ? 金か?」
「別にお金なんていりません。ただいくつかお願いを聞いて欲しいだけです……でももし、聞いてもらえないのであれば……フフフ、分かりますよね?」
「キサマ……もし私の大事な娘に手を出してみろ……地獄の果てまででも追いかけて絶対にキサマを殺してやる!」
もうこれは確定でいいよね? 俺は視線をデュノアさんに移し、携帯を受け渡した。
「……父さん」ぐずっ。
「――シャルロットか! 無事か!? お前泣いて……まさか奴に何かされたんじゃ!?」
「違う……違うんだ……父さん、聞いて」
それからデュノアさんは男装して潜入捜査していた事がバレた事や義母からの仕打ち、デュノア社長の真意を確かめるべく一芝居打った事、先のお願いの部分に当たる今後の事などをデュノア社長へと語った。
「そんな…………」
全ての話を聞いたデュノア社長は驚愕し、言葉を失っている様だった。そもそもデュノアさんが男装してIS学園に入学した事もついさっきテレビで【3人目の男性操縦者現る!】といったニュースを見て、初めて知ったらしく、デュノア社長は女子として入学するものと思っていて、全ては義母が裏で手を回していたらしい。
俺は話を進める為に会話に割り込む。
「布仏です。まず先程はデュノア社長の真意を確かめる為の芝居とはいえ、失礼な態度を取ったことをお詫び申し上げます。……その上で、デュノアさんの未来の為に御協力を願えないでしょうか?」
「今はもう君に対して怒りは無いよ……しかし娘には本当に何もしてないだろうな?」#
「――も、勿論です!」
「彼はとても真面目で誠実な青年です。そこは担任である私も保証致しましょう」
「フム」
織斑先生の後押しもあり、とりあえずは信じて貰えたようだ。ここからは織斑先生も加わり、今後の事を話し合った。
次話はもう一人のあの子ですね☆