久々の……ねっ♪
44話本文前半の続きにあたる部分ですね。
「夜も遅くにごめんなさいね」
「いや、いい……私もなるべく早く話を聞きたかったからな」
【NAO】様のゲリラライブの後、就寝時間まで余り時間は無いのだけど私はラウラを食堂のテラスまで呼び出した。
「時間が余りないから単刀直入に話すわね」
「うむ」
私は産まれてから今までの経緯を簡潔にラウラへと話した。
私がラウラと同じ試験管ベビーであった事、その為外見が似ていて、実験の失敗で廃棄されそうになっていたところを束様に助けて貰った事、今は束様の娘という事になっている事などを。
「私の存在はドイツが人体実験をしていた事の生き証人のようなもの……もし生きている事がバレれば国としては私を消そうとしてくるでしょうね?」
「それは…………」
「そしてソレは私がISを持っている事もあり、恐らくでしょうがアナタの黒兎部隊に依頼がくる事でしょう」
「…………」
この話を聞いてラウラがどういった回答を出してくるか……もし、軍の指令に従うというなれば…………
「私からラウラやドイツと争う意思は全くないわ。そして私は今の幸せを捨てるつもりも無い。でももし争う事となったなら私はそれに抗うつもりだから」
「……国がそれを知って何と言うかは別として、私にクロエと争う意思も無いし、報告するつもりも無い。それに争ったところでドイツの負けは確実だろうからな。そんな依頼きたら速攻で断る! ドイツ軍なんぞ辞めてやる!!」
「……ラウラ」
ラウラの言葉に胸が熱くなる……話して良かった、そう思う。
「クロエに手を出すと言う事は束博士を敵に回すも同然……そんな恐ろしい事…………」ボソリ
「ん? 何て言ったの?――『な、ななな何でも無い!?』――?」
ラウラがボソボソと何かを呟いていたけど、小声過ぎて私は聴き取れなかった。
「それにだ。クロエも同じ試験管ベビーなのだろう? 詳細までは調べきれなかったが、あの実験の生殖媒体は同じ人物から提供されていたものらしい」
「!?――それはつまり」
「どこの誰か、顔すらも知らぬが、私達の元となった精子と卵子は同一人物のもの」
「つまり私とラウラは遺伝子上の……」
「「姉妹」」
もしかしたら……心の奥底で予測していた事が現実として知れた。今は束お母様が居ますが、生涯孤独の身と一度は思った私に【姉妹】……順番的に私が姉になるのかしら? ラウラを見ると向こうも同じ事を考えていたのだろうか、チラチラとこちらの様子を伺っているように見える。
「それが分かった上でラウラはどうしたい?」
「私は…………」
「おはよう、クロエさん」
「おはようございます、尚人様……昨日はありがとうございました」
「あぁ……アレは秘密にしといてね★」
「勿論です☆」
教室でクロエさんと朝の挨拶を交わしていると……
『あっねうえぇぇぇぇぇ♡』 ムギュッ♡
開いた教室の扉からラウラとシャルロットが入ってきて……えっ、何この状況? そう思ったのは俺だけではなく他のクラスメートもクロエに抱き着くラウラを見て皆不思議な表情を浮かべている。
「もう、この子は……あっ、実はですねラウラと私は実の姉妹なのが昨日分かりまして――『えぇぇぇぇぇ!?』――以後お見知りおきを」
「クロエさんとラウラが姉妹!?」
「びっくりだよね……僕も昨日帰ってきたラウラに言われて驚いて、見回り中の織斑先生に煩いと怒られちゃったよ」
いや、コレは驚くなという方が無理な話だろう。しかし二人の幸せそうな表情を見ていたら良かったなと思うのだった。
「あぁ、そうだ!」
何かを思い出した様なラウラが前の方の席に向かい……箒さんの所か?
「箒……いや、箒叔母さん!――『おっ、オバッ!?』――私も姉上同様に束お母様の娘になったから今後とも宜しく頼む!」
「オバッ……叔母さん…………」 ガクリ
高校一年生で二人の姪っ子かぁ〜(しかも同学年という)ある意味凄いな箒さん。あっ、箒さんが机に頭から突っ伏した。
そしてラウラはまたパタパタと戻ってきて、再びクロエさんに抱き着くと更なる爆弾を投下してきたのだった。
「あっ、それと尚人の事はどう呼べば良いだろうか?」
「へっ?」
「束お母様と結婚するなら【父上】だし、クロエ姉様と結婚するなら【兄上】と呼ぼうと思う――『『ちょっと、待てぇーい!?』』――おうっ!?」
俺が叫ぶと同時にISの待機状態だったソーちゃんが実体化し、共に叫んだ。
「パパの娘ポジは私のものなんだよぉーー!」 ガルルルルルッ#
「おぉ、そういえば蒼龍も束お母様の事をママと呼んでいたな! 順番で言ったら蒼龍が末っ子か? 私の事は姉上でもラウラお姉ちゃんでも好きに呼んでいいぞ♪」
ギュッ♡
クロエに抱き着いていたラウラが、今度は逆に蒼龍を抱きしめて言った。
「あわわ、えっ、えっ? ラウラお姉ちゃん?」
キューン♡
「ワハハッ♪ 姉に続いて、妹までできてしまった!」
「……ねぇ、止めなくて良いの尚人?」
「俺にどうしろと……はあぁぁぁぁっ…………」
尚人のクソデカため息が教室内に響き渡ったのだった。
「ラウラお姉ちゃん!」
「クロエ姉様!」
「あぁ〜カワイイ妹達♡」
☆オーマ〜ケーだぞぉ〜★
クロ)それが分かった上でラウラはどうしたい?
ラ)私は…………あ、姉上と呼んでも良いだろうか?
クロ)そう……好きにしなさい。
ラ)姉上!
ぎゅっとクーちゃんに抱き着いたラウラってドイツの子……生き別れた二人が今ここに、感動の再会だね☆
束)――と、言うわけで話は全て聞かせてもらったよ! ラウラちゃんだっけ? そういう訳なら君もクーちゃんみたいにウチの子になりなさい!
クロ)束様!? いらっしゃったのですか!?
ラ)束博士がお母様に……良いのですか?
束)ドンと来いなのだ☆ もしドイツ国家が何か言ってきたらママに直ぐ報告するんだよ〜★
ラ)束お母様に、クロエ姉様……ははっ、こんな幸せになっていいのか? 私が…………
束&クロ)良いんだよ(ですよ)☆
泣き出したラウラを束とクロエが囲う様に抱きしめる。それを影から見ていた人物は静かにその場を後にした。
千)…………(今回だけは特別に見逃してやるか)