インフィニット・ストラトス〜消えた歌姫〜   作:仏のマスター

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簪ちゃんその後…………


51 簪パニック

「【NAO】ちゃん……尚兄…………」

 

 尚兄から衝撃の事実を聞かされてパニックになってしまった私は耐えきれずその場から逃げ出してしまった。今は寮内の自室のベットの上で、大の字になっている。

 尚兄に告白されて振ってしまった……それは仕方ない。私としては尚兄の事は諦めてたし、今は……「号外! 号外ダァー!!」……そんな時、寮内に響き渡っているのではないかという叫び声で誰か……いや、号外ダァー!! なんて言って叫ぶのは間違いなく新聞部の黛薫子先輩だろう。

 内容が気になった私は耳をすませていると…………

 

「織斑一夏君と篠ノ之箒ちゃんのカップル成立ダァー!!」

「「「「「なんだってぇぇぇぇぇ!?!?」」」」」

 

 !? 一夏と箒さんが…………

 

「そんな……」

 

 震える体に鞭を打って、寮の通路まで出た私は聞こえてくる黛先輩の号外内容に耳を傾けると、箒さんと鈴ちゃんが一夏君に同時に告白して一夏君が箒さんの方を選んだらしい。

 そんな……私はこれから一夏に……それすらももう遅いっていうの?

 

「アッ…………」

 

 扉を閉めて再び私はベットへとダイブし、これから始まろうとしていた新しい恋すらも終わった事を理解する

 結局その日はもうそれ以上の事は考えられず、掛け布団に丸まり眠る事にした。

 

 

 

 

「寝れなかった…………」

 

 気づけば朝だった……頭ん中グッチャグチャだけど、何も考えたくなくてただボォーっと布団の中に包まっていたけれど寝付けなくて、朝が来てしまった。同室のクラスメートの子に「そろそろ起きないと遅刻しちゃうよ?」と言われたけど、体が言う事を聞かなかった。

 体調不良で今日は休むと同室の子に伝達をお願いして、私は朝食も食べないままベットの上で布団に包まったままだった。

 

「何してるんだろう私」

 

 何もすることもないまま時間だけが過ぎ、お昼休みになった頃、寮部屋の扉がノックされた。正直、今は誰とも話したくない気分だったのもあって居留守を使おうと思ったのだけど、その人は扉を開けて中へと入って来たのだった。

 

「簪ちゃん……居るわよね? 体調不良って聞いたけど大丈夫?」

 

 中に入って来たのはお姉ちゃんだった。クラスに行ったら休みだと聞かされ、わざわざ寮までお見舞いに来てくれたらしい。

 

「……大丈夫。色々あってちょっと頭がイタイくらいだから」

「尚人君と一夏君の事?」 ピクッ 

 

 流石お姉ちゃん……もう分かってて来てるんだね。

 

「尚人君の告白断ったら、【NAO】だと聞かされてパニックになって、更に一夏君は箒ちゃんと――『ストップ!』」

「分かってるならそっとしておいてよ」

「ごめんね……ただ尚人君からも聞いたと思うけど、【NAO】の正体秘密にしてたのは彼なりの理由があったのを分かってあげて……彼凄く気にしてたから。それと私も口止めされていたとはいえ秘密にしててごめんね」

「……うん。分かってる……分かってるけど」

「今日はゆっくり頭の整理をして今後の事を考えなさい」

「……うん。学園にも明日からはちゃんと行くから」

「そう」

 

 私の返事を聞いたら満足したのか、私の隣まで来てしゃがんで私の頭を撫でてくれていたお姉ちゃんは立ち上がり、扉の方へ。

 

「……お姉ちゃんはどうするの?」

 

 何気なく聞いてしまった。ふと言葉に出てしまったのだ。

 

「私は変わらずよ……昔も今も。尚人君がフリーな以上、一回振られたくらいじゃこの想いは消せないんだからね! むしろ勝負はこれからだから」

「そっか……お姉ちゃんは強い……えっ? 振られ!?」

 

 お姉ちゃんから帰ってきた返事は私の予想を遥かに超えたものだった。

 

 

 

 





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