昨年の11月以来の本番レース出走、さらには本来得意とする距離ではない条件で競い、四着にまで食い込んだヒシミラクル。
鷹木は担当トレーナーとしての目から見ても、内心では上々の結果だと捉えていた。もちろん勝利するに越したことはないが、しかしヒシミラクルのエンジンの掛かりの遅さを思えば、1800mという距離を走り抜いた際に最下位集団の中に紛れていても不思議ではなかったのである。
それに、敢えて中距離レースの中でもマイル寄りの条件を選んだ意図は、しっかりと効果を発揮しているようにも思われた。
「URA公式の配信アーカイブで、幾度も昨日の未勝利バ戦を見させてもらったがねぇ、ゴール直後のヒシミラクルくんは悔しそうだったねぇ。いやなに、表情には出していなかったが、あの走り終わりの足取りを見れば易々と知れることだねぇ。」
トレセン学園へと帰ってきた翌日の朝、練習場で鷹木と顔を合わせたアグネスタキオンは、開口一番そう告げてきた。
京都レース場の現地で見ていた鷹木は、ミラ子の表情がすっかり固まっていることからおおよそ察していたが……ウマ娘同士ならば、走り終わりの挙動から明瞭に内心を見抜くことが出来るらしい。
その日も上半身の筋力維持トレーニングを行うタキオンから、脱いだジャージの上着を受け取って椅子に掛けつつ、鷹木も言葉を返す。
「あぁ、去年ヒシミラクルが11月に出走したレースでは二着、三着という結果を残せていたのも事実だからな。あわよくば、今回は一着にまで上がれると踏んでいたところもあるかもしれない。」
「流石に去年の未勝利バ戦と、今年の未勝利バ戦では、競争相手の質も変わってくるだろうからねぇ。しかし何にせよ、全く手の届かない勝利ではなく、目前にまで迫った勝利を逃したとなれば、かのヒシミラクルくんとて悔しさを覚えるのだねぇ。」
「それを確かめられただけでも収穫はあった。当のヒシミラクルは、まだ練習場に来ていないんだがな。」
屈腱炎の治療から回復しつつあるタキオンは、そろそろ車椅子から杖をついての移動へと切り替えようとする段階であったが、いずれにしても健康そのものなヒシミラクルの方が練習場への到着に遅れることは考えづらい。
本番レースを走った直後の疲れが響いているのか、それとも勝てなかったことが想定を遥か超えての精神的負荷になっているのか……普段のヒシミラクルについてはいずれも考え難い可能性が脳裏をよぎった鷹木であったが、まもなくヒシミラクル自身が姿を現した時、それらの懸念は霧消した。
遅刻したことを欠片も自覚していないダラダラした足取りで、大あくびを披露したのち、とろんとした目をこすりながらヒシミラクルは現れたのである。
「ふわぁぁーああぁ……ぉあよざいまぁす……」
「ヒシミラクル、本番の翌日で疲れているのは分かるが、だからと言って気を抜いていてはいけない。今日は負荷も軽めのトレーニングだけでメニューを組んでいるから、きっちりとこなすんだ。」
「はぁい。」
「キミならば大抵のことでは肉体的な疲労としては残らないと思われるのだがねぇ、あるいは別の理由があるのかい?ヒシミラクルくん。」
ヒシミラクルはまだまだ眠そうであったが、タキオンからの指摘を受けた後は多少なりと動きに機敏さを見せた。
タキオンと同じく鷹木も、昨日までのヒシミラクルの運動量を顧みたところで、潤沢なスタミナを誇るヒシミラクルを疲労させるほどの状況は見いだせなかった。となれば、肉体的ではない……精神面での負荷がヒシミラクルには掛かっているのだろうか。
メンタル面でも安定感が段違いのヒシミラクルが実際のところ精神的に追い込まれていたというわけでもなかったが、一通りの練習を済ませた休憩時間、彼女自身が遅刻の理由をアッサリと喋り出した。
「すんません、正直に言いますと、昨晩遅くまで起きてレース映像見てまして。いや、ホントにレース映像なんですよ、映画とかアニメとか見てたワケじゃないですよ。」
「そこは別に疑ってない……疑われる前提で居るのも気になるが。寝不足になるほど見返してたってことか、昨日のレース。」
「まぁ、はい。」
そこから暫し、ヒシミラクルは口を噤んだ。
鷹木は今しがた言ったように、ミラ子の発言内容が嘘だとは思わなかった。そも、寝不足の理由を誤魔化す意図があるなら、むしろ取り繕うために口数は多くなるだろう。
何よりも、昨日のレース直後の彼女の様子と、その晩遅くまで自分の出走したレースを幾度も見返している様は、ごく自然にイメージとして繋がったのである。
「いくらなんでも、半年近くレースから離れて、復帰早々勝てるとは本気で思ってませんでしたけどね、私も。けど、実際にやってみて、いざ自分の能力じゃ届かないって現実を突きつけられると……引き下がりたくなくなるもんですね。」
「その通りだ。俺はトレーナーとしての立場だが……自惚れているわけではなくとも、勝ち負けに何の思いも持たず、この世界に居られるはずがない。」
感情が動くのは、本気でレースに向き合っている証である。
それも一度の勝利の栄冠を前にして、ごくわずかな希望を除き、ほぼ全てを塗り尽くす苦しさ悔しさで占められた感情。ひとたび抱えれば、快楽は遠ざけられ、しかし手放し難く掴み続けずにはいられない、難儀な思いである。
旨味や快感だけを得て、望まぬ感情など抱えていたくない者は、観客の立場に収まっていれば良い。
勝利は果て無き悔しさの先にある。
ターフの上で笑える者は、だからこそ尋常の存在ではないのだ。
ヒシミラクルは無論、目に見えて悔しがったり、執念の炎を宿すタイプのウマ娘ではなかったが……現役ウマ娘の一員として、レースに抱く思いが本物であることには違いなかった。
「昨日は夜になってトレセン学園に帰ってきて、京都駅で買ってきていたお土産を開けて、まったり過ごしながら眠くなったらそのまま寝ちゃおう、ぐらいに考えてたんですけどねー……。気がついたら、自分が走ったレース映像を鬼ループしてましたよ。日付もとっくに過ぎてましたし。」
「寝不足はアスリートの身体には大敵だが、そうせずにいられない思いがあったのは分かる。映像を見返して、何か掴めたことはあったか?」
「えぇー、そんな真剣な目で見てませんけど……あーでも、ゴール前の様子を見ると、先着した子たちはみんなヘロヘロでしたし、私だけはまだ余裕でしたし……あともーちょい距離が長ければ、私が追いつけてたんじゃないかなって。」
他のウマ娘がゴール時点でスタミナを使い切っているのは、言い換えれば無駄のない、理想通りのペース配分であったということでもある。
ヒシミラクルがただ独り、ゴール直後も余裕のある状態であったのは、スタミナを使い余しており、まだまだ彼女に最適な走りが実現できていない証でもあった。1800mでは、有り余る持久力を使い切るのも難しいだろうが。
鷹木はそこまで考えはしたものの、今はそれよりも熱が入り始めたヒシミラクルの語りを聞き続ける方を優先することとした。
「あー、思い出してきたらまたモヤモヤが湧いてきちゃいましたよ!トレーナーさん、次に私の出られるレース見つけるんなら、今度はせめて2000m以上の距離にしてくださいね!どう考えても、私に不利なんですよ、あんなほぼマイルみたいな距離は!」
「もちろん、中長距離も選択肢には入れているが、とはいえヒシミラクルには限られた距離内で速度を上げる感覚をまず身につけてもらいたい……それに、同じ条件のレースでリベンジするのも、勝ちにつながる走りをイメージしやすくなるんじゃないか。」
「そりゃトレーナーさんの言ってることも分かりますけどぉ……」
不満げなヒシミラクルの耳は、僅かに後方へ反らされていた。単なるわがままで不満そうに振舞っているのではなく、自分が勝ちづらいレース条件に本心から不服を抱いているのだ。
勝ちたいという思いが本物であることは何よりであったが、次の未勝利バ戦へと挑むまでのヒシミラクルのやる気をいかに維持すべきかについては、鷹木の指導の手腕に委ねられていた。
後輩ウマ娘の活躍に心から期待しているタキオンもまた、それに協力的であることには違いなかったが。
「トレーナーくん、何をボンヤリとしているんだい、今日も見逃すべきではないレースがあるだろう?」
昼下がり、こちらも練習を終えて休憩に戻ってきたタキオンが鷹木を急かす。
今しがた、ヒシミラクルをあらためて練習コース上で走らせ、彼女の本番での消耗からの回復具合を確認するためにもデータを記録する作業の最中であった鷹木は、虚を突かれたように顔を上げた。
「……何かあったっけ。シンボリクリスエスが出走する青葉賞なら、来週だが。」
「それももちろん必見だが、今日はメトロポリタンステークスだねぇ!タップダンスシチーくんが東京レース場で走るねぇ!」
メトロポリタンステークスは十数年前に創設されたオープン競走である。URAの長い歴史の中では比較的新しいレースであり、2300mという珍しい距離での開催となる。
以前、メイショウドトウが勝利したレースでもあり、オープンクラスからの登竜門として見られる節もある。
「タップダンスシチーくんがオープンクラスからさらに上がっていくところを見逃すわけにはいかない!間もなく15時じゃないか!さっさと中継画面をパソコンで見せたまえ!はやく、はーやーく!」
「分かった、分かったから……俺の耳元で大声を出すぐらいなら、練習コース上のヒシミラクルを呼んでくれないか。」
「あ、私ならもう居ますんで。タキオン先輩から、そろそろ休憩に戻ってくるようにって言われてましたから。」
休憩時間を得る事に関してはしっかりと忘れることもないヒシミラクルは、既に休憩エリアのベンチ、タキオンの隣席を占めていた。
アグネスタキオンとしては、長らく勝てない時期を経験し続けていたタップダンスシチーが、実際にGⅠの舞台まで上り詰める様をヒシミラクルに見せたいとの意図あってのことなのだろう。確かに、既に雲の上の存在となった先輩ウマ娘を見せるよりは、ミラ子自身の実感にも繋がりやすい。
鷹木がタキオンから急かされながら、ノートPCの画面にレース配信ページを映したとき、ゲートインは完了間際であった。
〈さぁ間もなく発走の時を迎えます。東京レース場、第10レース、雨の降り注ぐ中、芝2300mのメトロポリタンステークス……全ウマ娘、体勢完了、スタートしました!11名、綺麗に揃ったスタートです、流石にベテラン揃いのレース!ウチ側からまず前へと飛び出したのはロードブレーブ、そのすぐ外に並んでケイエムチェーサー、更には今回1番人気となりましたタップダンスシチーが3番手、と言った形で一周目スタンド前を駆け抜けていきます。〉
タップダンスシチーが1番人気となっていたのは、それまで条件戦ばかりを走っていた彼女が急激に調子を上げ、今年に入ってGⅡレースでの好走をも見せていたことが後押ししていただろう。
ツルマルボーイやビッグゴールドなど、今やGⅠレースに出ているのが当たり前になっているほどの面々を抑えての1番人気は、タップのスター性ゆえであったかもしれない。
「トレーナーくんがグダグダしていたから見逃してしまったが、出走前のパドックで、今回もタップくんはタップダンスを披露してみせたようだねぇ。ファンサービスに余念がないねぇ。」
「はぇー、あれだけGⅠウマ娘の先輩たちに囲まれて、自信満々でいられるだなんて、なかなか真似できませんよこりゃあ。」
素直に感心している様子のヒシミラクルの傍らでアグネスタキオンも頷いていたが、タキオンは鷹木が想起した一つの懸念と同じものを既に考慮に入れていただろう。
以前も、タップダンスをレース前に披露し、そのためにスタミナを浪費したと見せつつ、レース本番では十分な余力を以て勝ちきるパフォーマンスがあった。しかし、それは条件戦でのこと。
GⅠクラスのウマ娘が相手となれば、パフォーマンスに費やす程度の体力すらも、無駄にすべきではない。今回のレースでどこまで響くのか、今はただ見守る他に無かった。
〈1コーナーに入りましてここから向こう正面までは緩やかな下り坂、先頭変わらずロードブレーブ、2番手にケイエムチェーサー、更に1バ身程開いてタップダンスシチーが3番手でありますが、その内側にシルヴァコクピット、さらにチカラダユウキが並んでいます。かなり詰まった隊形で混戦模様、トウカイポイント、レディパステルがその後に続きまして、カリスマサンオペラ、最後方に並んでツルマルボーイ、そしてビッグゴールドといった形となっています。〉
昨年、挫石による負傷で休養を余儀なくされていたシルヴァコクピットに加え、さらに別のウマ娘もがタップダンスシチーよりも内側のコースを走っている。
むろんタップはこれまで通り、加速や減速も不要の、無理なく走り切れるペースで進んでいたため、先行集団の中では最も安定感のある走りを披露していた。が、若干コーナーを大回りで走らされていることは事実であった。
「位置は悪くないが、コースのウチ側が詰まっているのが気がかりだねぇ。1番人気なだけに、マークされているのもあるだろうねぇ。」
「片桐トレーナーのことだから、綿密な計算の上でペースを指示しているはずだ。タップ自身は、作戦を多少狂わされたところで、押し切れるだけの強みもあるだろうが……。」
これが条件戦クラスのレースならば、全く問題なくタップダンスシチーは勝てるはずだ。
懸念があるとすれば、後方に控えていた面々、特にGⅠの常連とも言えるツルマルボーイの存在であった。全くロスなく、ツルマルボーイ自身が最も得意とする追い込みの位置取りで虎視眈々と集団全体を見渡している。
〈向こう正面へと入ります、間もなくスタートから1000m。位置取りは変わらずロードブレーブ1番手、リードは広げて5バ身ほど。2番手ぽつんとケイエムチェーサー、3番手はなおも並んでいます、1番人気タップダンスシチー、シルヴァコクピット、そしてチカラダユウキ。全体のペースがじわじわと上がってまいりまして、シルヴァコクピット徐々に後方へと下がり出したか。中団ではビッグゴールドが外へと出して仕掛けどころを見計らっています。〉
タップダンスシチーのペース配分が作戦通りであることは、向こう正面の出口に近付くにつれて知れた。
じわじわと後方の集団が加速に備え始めるにつれ、先頭で逃げていたウマ娘のリードも縮まり出し、タップと並んでいた先行集団もそろそろ苦しそうに下がりつつある。
「向こう正面の坂を上り切れば、後は下りながらの3コーナーだねぇ。ここで後ろからの集団に呑まれれば、勝ちは厳しくなるねぇ。」
「タップさん、問題なく先行のポジションをキープしてますね。大丈夫そうじゃないですか?」
ヒシミラクルはそう言いつつも、画面に向ける視線は後方のウマ娘たちを注視していた。
自分がこのレースを走っていれば、おそらく後ろから駆け上がっていく形をとるだろう。その想定で、残り距離に応じ、どの程度の速度を出しているべきか……脳内でイメージしつつ見ているのだろう。
とはいえ、間もなく見ることとなる後方からの追い上げは、簡単に参考に出来るものではなかったが。
〈残り1000mを通過して3,4コーナーを回っていきます。中団ビッグゴールドに続きレディパステルも外に出して上がっていく態勢、ツルマルボーイはまだ最後方です。先頭ロードブレーブはそろそろ厳しいか、残り800mと言ったところで外からケイエムチェーサー並びかけて先頭に立った!タップダンスシチーがぴったりと背後につけて2番手、更にその後からロードフォレスターも上がってくる、残り600を過ぎて間もなく最後の直線へと向かいます!〉
タップダンスシチーとしては全く無理のないペース、ロードブレーブは1番手をキープできる様子ではなく、先頭を追い続けていたケイエムチェーサーも既にギリギリの状態だろう。
だが、既に東京レース場の観客たち、そして画面越しに見ているタキオンやミラ子も、視線は後方のツルマルボーイに吸い寄せられていた。
「うわ、綺麗なコース取り……完全に前が空いてるところ行きましたよ。」
「ベテランの走りだねぇ、そして誰にもブロックされないとなれば、あれから逃げ切ることは出来ないねぇ!」
鷹木もまた、あまりに見事な追い上げを開始したツルマルボーイの走りを前に、感嘆の唸り声をあげて見つめているばかりであった。
タップダンスシチーも後ろからの気配に勘づいたのか、若干ながら速度を上げていた……が、パフォーマンス用のタップダンスで消費した程度の体力すら、今は惜しかった。
〈先頭はケイエムチェーサーを交わしてタップダンスシチー!しかし大外から、ツルマルボーイだ!残り400、ツルマルボーイぐんぐんと追い上げてくる!そのウチ側にレディパステルも懸命に上がっていくが、ツルマルボーイ圧倒的だ!先頭のタップダンスシチーをあっという間に交わして、残り200、ツルマルボーイが先頭!レディパステル2番手だが、ツルマルボーイ、更にリードを広げる!これは圧勝です、ツルマルボーイ今、先頭でゴールイン!やはり強かったツルマルボーイ!〉
同じく後方から上がっていったレディパステルも居たのだが、ツルマルボーイはそれすらも難なく引き離し、悠然と一着でゴールラインを越えていた。
オープン戦ながら、GⅠクラスのウマ娘に歴然たる格の差を見せつけられた形であった。レディパステルもまたGⅠへの出走経験がある。タップダンスシチーは、それでも最後まで失速せぬまま三着となっていた。
「ツルマルボーイくんから約1バ身差でレディパステルくん、そこからさらに3バ身の差でタップくんだねぇ……やはり易々と覆る実力差ではないねぇ。」
「道のりは遠いですねぇ。」
タキオンの呟きに返答したヒシミラクルであったが、その表情はむしろ昂揚していた。
条件戦から勝ち上がっていくタップの姿はいったんおあずけとなったが、どちらかと言えばミラ子は追い込みウマ娘としてのGⅠクラスと拮抗する走りを、自分自身の出走の翌日に見ることが出来たのが満足感に繋がったらしい。
「あんだけ大外から駆け上がっていったら、気持ち良いでしょうねぇ……私にも同じこと、出来ますかねぇ。」
「おや、その思いを抱けたのなら、既に勝利は半分以上引き寄せたも同然だねぇ!存分に自らの勝利をイメージしたまえ、実質的な身体能力はトレーナーくんが身につけさせてくれるだろう!」
「いや、まるきり同じ走りをさせるってわけにはいかないからな。」
歓喜の表情と共に言葉を走らせるタキオンの傍ら、鷹木は慎重に釘をさす。
鋭い瞬発力から一気に最終直線で最後方からぶち抜いて行ったツルマルボーイの走りは、相応の適性あってのことだ。
ヒシミラクルにいきなり全く同じ真似が出来るとは言えなかったが……せっかく気分が乗りつつあるヒシミラクルの表情を前にしては、あまり強くも否定できない鷹木であった。