その日のトレーニングのデータをまとめ終え、翌日以降のメニュー調整もおおまかに組んだ鷹木。
12月の日暮れは早く、窓外はとっぷりと暮れた夜に包まれているが、トレーナー寮自室の時計はまだ午後8時を過ぎたところである。
有馬記念まで残り3週間、そろそろ本格的に本番条件での作戦を実践的に練習していかねばならない。明日からはヒシミラクルとアグネスタキオン、互いに本番での手の内を知りあわぬようにそれぞれ別の練習場所を確保する必要がある。
複数の担当ウマ娘を同じレースに出走させるというのは鷹木にとって初のことであったが、それ自体に関しては先輩トレーナー達からアドバイスも受け、前もってしっかりとスケジュールも組めている。
今、鷹木の精神を緊張と迷いの中に押し込んでいたのは、スマホのメッセージ送信画面に表示された「テイエムオペラオー」という宛名であった。
「去年ぶり、だよな……タキオンの皐月賞、どんな方針で行くべきか、相談をもちかけた時が最後か。」
昨年、クラシック級三冠の一角、皐月賞において、タキオンは自らの限界を突破するほどの全力を出すつもりであった。
あの当時、勝つこと自体は、もはや必然だった。
クラシック級の上半期、まだマンハッタンカフェは不調のままであったし、ジャングルポケットとダンツフレームもタキオンの背に追いつき得る能力は有していたが、肩を並べることなどないと目に見えていた。勝つだけであれば、彼女らよりも僅かに前に出ていさえすればよかった。
だが、皐月賞に出走するタキオンの目的は勝つことではなかった。ウマ娘としての限界、言い換えれば運命を超越した先に、可能性世界の片鱗を覗き見ることであった。現に、その前月、弥生賞においてはゴールの瞬間、自分の先行きが予見されたようであったのだ。
しかし担当トレーナーたる鷹木は迷っていた。タキオンが本気で走った際の、脚への負荷は尋常ではない。ただでさえ、細身で脚も頑健であるとは言い難いタキオン。下手をすれば、皐月賞を最後に引退する羽目になるかもしれない……。
「オペラオーは、俺への助言を全く迷っていなかったな。」
本来、担当ウマ娘に「全力で走ってこい」との指示を出すのがトレーナーの務めである。タキオンもまた、鷹木がそう後押ししてくれることを期待していた。そんな中、「全力を出すな」と指示を出すのは容易い決断ではない。
迷える鷹木は、その2年前に引退していたオペラオーに会いに行って助言を求め、オペラオーは鷹木の懸念を否定させなかった。すなわち、タキオンが全力で走ることを阻止するよう、告げたのである。
タキオンの望むがまま、すなわち、ウマ娘がトレーナーと出会わなくても選んでいた道に進んでいれば……タキオンは皐月賞での勝利を最後に、現役での戦績を中断させてしまっていただろう。
「……でも、今回に関しては、明確に何について相談する、ってわけでもないし……。」
意識を現在へと引き戻した鷹木は、再びオペラオーに向けてのメッセージ送信画面との睨み合いを再開する。
オペラオーと連絡を取ってほしい、とのタキオンからの頼み。異常現象が頻発するウマ娘レースの現状、その大元となるのはグランドスラムかつ年間無敗という前代未聞の偉業を打ち立てた特異点、世紀末覇王だろうとの考えあってのことだ。
しかし、いざオペラオーに会いたいとメッセージを送る段になって、何を口実に会いたいと述べるべきか、鷹木は迷い続けていた。タキオンによる憶測をいちから説明する長文を、急に送り付けるわけにもいかない。
「どんな理由で会いたいと告げても、オペラオーなら面白がってくれるかもしれないが……。」
去年の皐月賞直前に会った時以来、一度もコンタクトを取っていないこともまた、鷹木の踏ん切りをつかなくさせていた。
そも、オペラオーと連絡を取れるアドレスは常にスマホに入っている。いつでもオペラオーと話そうと思えば話せるのだが、それは鷹木にとって簡単にできることではなかった。
「迷うことはないんだ、オペラオーは快く会話に応じてくれるだろうに。」
担当ウマ娘が引退、トレセン学園を卒業した後は、それきりで互いに他者としての関係性になるのが一般的である。トレーナー自身が引退しない限り次の世代のウマ娘の指導へと移っていくわけだし、ウマ娘にもそれぞれ引退後の生活がある。
よほど強く互いに信頼しあい、生涯に二度とないと思えるほどの試練を共に乗り越えた者たちだけが、ウマ娘現役引退後も親密な関係性を続けるのだろう……サイレンススズカとその担当トレーナーのように。
顧みれば、テイエムオペラオーは鷹木にとって、確かに生涯二度とないと断言できる戦績を叩き出したウマ娘であった。
……だが、それゆえに、鷹木の側が抱く感情は、信頼よりも信奉が勝っていた。
「単に俺が、オペラオーと全然会ってないから、遠い存在のように感じてしまってるだけだろう。」
自身に言い聞かせるように鷹木はそう言ったものの、テイエムオペラオーの姿や名を目にするだけで、萎縮する思いが頭をもたげていることは事実である。
オペラオーの存在感は、鷹木の精神の常に中央にあり、絶対不可侵の聖域と化していた。鷹木がオペラオーのことについて考える時は本物のオペラオーを思い返すのではなく、似姿を思い描くことで、かろうじて触れられるような有様だった。
ウマ娘の特集番組などが放送された際、テイエムオペラオーの姿を見る機会があれば、いつも鷹木は我知らず直視を避けていた。
自分の意識がオペラオーに触れてしまうのを恐れていた……磨き上げられた宝石を不用意に触れば、自分の指紋がそこに残ってしまう。
逆に言えば、そんなハードルを乗り越えてでもオペラオーに会いに行くほどに、昨年の皐月賞目前のタキオンをどう導くべきかについて鷹木は深く悩み、強く危機感を抱いていたということでもあった。
「今も、また……去年ほど分かりやすい危機ってわけじゃないが……どうにかしないといけない状況には違いない、よな。」
タキオンが今日語った仮説が、もしも現実になれば……ウマ娘レースの結果は可能性からの縛りを脱したとしても、この世界そのものが既定の可能性から完全に隔離される結果が訪れかねない。
可能性が、意味をなさなくなる。現実ではあり得ない現象が、当たり前のように発生するようになる。
タキオンから渡された薬品を飲んだ鷹木の身体が光り輝くぐらいなら、慣れれば笑い話で済むかもしれないが……あらゆる物理法則や時間経過までも狂い始めれば、レースどころか日常生活すらままならない。
そんな荒唐無稽な恐れをこそ、杞憂と呼ぶのだろうが、しかし今の鷹木はタキオンの発言が単なる憶測で終わらないだろうと半ば確信していた。
「担当ウマ娘が懸念を抱いているんだ、俺も出来る限りのことをやらないと……よ、よし、オペラオーに送信、するぞ。」
ここまで小一時間に及ぶ躊躇の末に、鷹木はようやくオペラオーに会いたいという旨のメッセージを送信した。
結局、実際に会えたところで、現実的に何の必要性にも迫られない、憶測の上での話しか出来ないかもしれない。そもそもオペラオーは多忙ゆえに、有馬記念の日までに会える時間を作れないかもしれない。現在のオペラオーが何の仕事をしているのか、鷹木はそれすら知らなかったが。
それでも、何もしないでいてはならない、と鷹木の直感は告げていたのだ。
他でもない、テイエムオペラオーこそが、荒唐無稽な戯言に対し、大真面目に取り組んでくれるウマ娘に違いなかった。
時を同じくして、こちらはウマ娘栗東寮の一室。
シャカールの部屋を訪れていたのはアグネスタキオンである。メイショウドトウが引退して以来、ひとり部屋状態が続いていたシャカールだったが、その晩はしばらくぶりに独り言以外の声が響いていた。
「Parcaeのシミュレーションデータが欲しい、だァ?言っただろ、先月のジャパンカップを終えた後、Parcaeは起動できなくなっちまったんだッて。今は純粋なシミュレーターとして組み直してるところで……」
「何も、今から新たにシミュレーションを実行してほしいというわけではないねぇ。過去に実行したシミュレーション結果を見せてもらいたいんだ、シャカール先輩ならば律儀に保存しているはずだからねぇ。」
言いながら、タキオンはシャカールが自室の本棚に並べている雑誌類の背表紙をしげしげと見つめている。レース関連とPC関連の雑誌が半々に混ざっているあたりが、いかにもシャカールらしい……と考えているのか、ニヤニヤ笑いを口元に浮かべつつ頷いているタキオン。
コイツを部屋に入れるんじゃなかった、とシャカールは若干後悔しつつも、しぶしぶPCの過去データを漁り始める。
いつもならばタキオンが実験室という体で勝手に占拠している理科準備室を待ち合わせに使うのだが、それはトレーニングが休みの日のことである。これから先は3週間後の有馬記念まで、互いにノンビリしている暇はない。
そのため、用事が終わればすぐ就寝できるよう、シャカールの部屋での会合としたのも、タキオンなりの気遣いではあった。
「過去ファイルは、たぶん消してねェはずだが、全部残ってるかは分からねェよ。URA公式データベースですら、前年度のレースデータが勝手に消えてる異変に見舞われてンだからよ。」
「しかし不特定多数に閲覧されるデータならばまだしも、シャカール先輩の私物であるPCであれば、勝手にデータが消えることはあるまいねぇ。で、私が見たいのは、4年前のデータなんだが、ちゃんとあるかねぇ?」
「4年前、か……アー、残ってるぜ。あん時のデータなら、俺も消すはずがねェ。」
「そう、世紀末覇王、テイエムオペラオーが年間無敗を達成した年のことだからねぇ。」
テイエムオペラオーと連絡を取るよう鷹木に頼んだ一方で、タキオンも自分なりに調べられる内容に着手していた。
シャカールの組んだシミュレーションプログラム、Parcae。本来は、現実のレース結果が出る前にレース内容を予測するためのプログラムであるが、そのシミュレーションこそ可能性の可視化である。
ゆえに“可能性世界”を間接的に観測する手段として、タキオンはParcaeを見なしていた。
「これまで、Parcaeについては本来の役割通り、まだ実施されていない未来のレースを予測する用途ばかりを見出していたがねぇ、考えてみれば過去に行われたレースデータとの比較参照も可能だからねぇ。私がトレセンに入学する以前の年度ともなれば、純粋な関心もあるねぇ。」
「まァ、あん時のParcaeは、今ほど妙な挙動を見せてたワケじゃねーけどな……エラーを吐くことはあったが、それもごく稀だった。」
「シミュレーションがエラーを吐くことはあった、のだね!?俄然、興味がわいてきたねぇ、ならば以前から、可能性世界で既定されていない道を進む、特異点たるウマ娘は居たということだねぇ!」
タキオンは興奮気味に語り……だが、すぐさま落ち着き、そして眉根に小さく皺を寄せた。
今しがたシャカールが口にした内容と、自分が期待する内容の齟齬を見出すのに時間はさほどかからなかった。
「シャカール先輩。エラーを吐くことはあったが、それもごく稀……と今、言ったのかい?」
「あァ。」
「ちょっと待ってくれたまえ、かの世紀末覇王テイエムオペラオー、最大級の特異点と思しき存在が現役で活躍していた時期だというのに、エラーを吐くことは稀だったのかい……?」
「そう言ってンだろ。だから、特異点だの、可能性世界だの、お前の喋る憶測なんざロジカルじゃねェ、って俺はずっと考えてたんだ。」
返答しながら、シャカールはPCの画面をタキオンに向ける。
そこには、タキオンがトレセン学園に入学してくる以前のレースについて、当時のシャカールがParcaeを用いて行ったシミュレーション結果のデータがずらりと並んでいた。
タキオンは、常に似合わず恐る恐る画面をスクロールし、そして一着になると予測されるウマ娘名の欄を、全てオペラオーの名が埋め尽くしているリストを目の当たりにし、呆然とする。
確かに、テイエムオペラオーが出走した全てのレースで勝利し、グランドスラムかつ年間無敗を達成した年には、Parcaeもまたオペラオーの無敗を予測していたのだ。
ポカンとしたまま、黙り込んでしまったタキオンの傍らで、シャカールは喋り続ける。
「オペラオーの活躍を、俺は目の前で見ていたし、直接レースを挑んだ時は圧倒的な強さも味わった。アイツは普通じゃなかった……が、Parcaeの予測からは、ほとんど外れてなかった。だから、いずれ勝てるはずだと思えたンだ。あとは知っての通り、俺の勝利は翌年のジャパンカップまでズレこんだけどな。」
「……。」
「分かるだろ、タキオン。Parcaeの予測が、レースでの可能性を示したものだッて考え方は間違いだとは言えねェ。けど、あの世紀末覇王だって予測の範囲内に居たンだ。」
「テイエムオペラオーは、特異点ではないんだねぇ。」
「あぁ、そもそも特異点だなんて考え方自体、成立するものじゃねェ……」
「いや、特異点たるウマ娘は存在しているねぇ。言い方を変えれば、特異点はテイエムオペラオーではなく、他のウマ娘だった、ということだねぇ……!」
未だに諦め悪く、持論に縋りついているのか……とシャカールは怪訝な視線をタキオンに向ける。
が、タキオンの目の内には確信の色が浮かんでいた。
「あぁ、この4年前の京都記念から始まり、阪神大賞典、天皇賞春、宝塚記念、京都大賞典、天皇賞秋、ジャパンカップ、有馬記念……いずれも、着順だけじゃない、レース展開は全て、実際にオペラオー先輩が走ったのと同様だねぇ!」
「さっきからそう言ってんだろ、Parcaeの予測通りなんだ、オペラオーの走りは。」
「すなわち、可能性世界におけるテイエムオペラオーと呼ばれる存在もまた、この年度にはグランドスラムかつ年間無敗を達成したのだねぇ!すなわち、既定されていた可能性を塗り替えたわけでは無いという意味では、特異点はオペラオー先輩ではない、では、いったい、誰が……」
眉間に深々と皺を寄せたままのシャカールを傍らに、タキオンは夢中でシミュレーション結果が記された画面を下にスクロールしていく。
問題なくシミュレーションが実行されたレースの中にも、本来のレースとは異なる結果が表示されているものはあった。エラーが発生していないということは、出走ウマ娘は全員現実でも揃っていたのだろう。
「ほうほう、翌年の大阪杯はトーホウドリームというウマ娘が勝利するとの予測が立てられていたのだねぇ。この現実世界においては、オペラオー先輩がギリギリ勝利したはずだから、部分的にはオペラオー先輩も可能性世界の干渉を塗り替えたことになるねぇ。」
だが、その一件がウマ娘レースの歴史に異変をもたらすほどであったとは思えない。より大きな特異点が他にあるはずだ。
今から4年前の、オペラオーが年間無敗を達成した翌年、すなわち3年前。宝塚記念にてメイショウドトウが勝ち、そして天皇賞秋でアグネスデジタルが勝ち……ジャパンカップの欄は空白となっていた。
「シャカール先輩、この空白は何が理由だい?」
「アー、エラーが起きた時の記録だ。Parcaeがエラーを吐いて、マトモに予測できねェ状態になった時は、何も記録しようがねェ。」
「すなわち、可能性世界での既定を塗り替えた存在、特異点たるウマ娘がレースを走った、という証だねぇ。この年、ジャパンカップで勝利したのは……」
そこまで言って、タキオンは今まさに真隣りに居るシャカールを見た。
3年前のジャパンカップ。勝利したのは他でもない、エアシャカールだ。大方の予想を覆し、クラシック期以降勝つことなど無いと思われていたシャカールが、オペラオーに勝ったのだ。
この時のシミュレーションで、Parcaeがエラーを吐いたのは……すなわち、エアシャカールの勝利が可能性世界の既定を大きく凌駕するものだったためではなかろうか。
「シャカール先輩、キミこそが最大の特異点じゃないか。」
「言ってることがロジカルじゃねェぞ、そりゃあ俺はParcaeの予測通りになるもんか、ッて本気で勝ちに行ったけどよ……他のウマ娘も、同じことやってンじゃねーか。ネオユニヴァースも、ゼンノロブロイも、タキオン、お前だって、Parcaeの予測から外れた結果を出してる。」
「それらの勝利は、既に可能性世界の参照が歪んだあとの現象だねぇ。テイエムオペラオーの引退、その翌年から始まったんだ、前年度と同じレース展開が繰り返される異変は。引き金となった根源は、異変の始まりのタイミングに存在すると考えるのが自然だねぇ。……そうとも、他でもない、Parcaeを用いて間接的に可能性世界を観測できる手段を、唯一有していたウマ娘、シャカール先輩こそ、やはり特異点じゃないか!」
シャカールは首を横に振りながら、呆れ顔でタキオンに言い返そうとしたが……あながち否定できる材料もないことに気づき、口を噤んだ。
Parcaeによる予測は、正確そのものであった。忘れもしない、タキオンの姉であるアグネスフライトに敗れた日本ダービーのシミュレーションも、現実の着差7㎝に至るまで精密に予測していた。
シャカールは、自分が敗れる予測を乗り越えるため、全身全霊で努力を続けた。そして、翌年シニア級にて、ジャパンカップでテイエムオペラオーに勝利した。
それこそが、この世界に予定されていた可能性を、大きく突き崩すきっかけとなったのではなかろうか。
「……俺が勝って、オペラオーが引退した後から、Parcaeの予測が狂うのも、エラーを吐くのも、妙な異変も増えてきたってのは……事実だな。」
「惜しむらくは、そのシャカール先輩自身が“特異点”なる考え方を否定していることだねぇ。本来、どのような可能性が予測され、それをどう崩して塗り替えたのか、詳細に尋ねたいところなんだがねぇ……。」
「そもそもParcaeが予測できてねェんだから、あの時のジャパンカップで本来なにが起きるはずだったのか、俺だって知りようがねェよ。」
当然のこと、とばかりにシャカールは告げた。ウマ娘たちは現実世界に生きている以上、実現した内容以外を知ることなど出来ない。
だが、自分のジャパンカップ勝利がトリガーとなり、この世界の可能性が狂い始めた、との仮説がじわじわとシャカールの中でも説得力を持ち始めていたのか、その眼差しは厳しさを増していった。
シャカールの顔つきが変わっていくのを見ながら、タキオンは言葉を継ぐ。
「シャカール先輩、これから3週間後の有馬記念出走まで、トレーニングや調整以外のことに時間を使う暇がないのは私とて重々承知しているねぇ。だが、出来れば付き合ってほしい用事がある。今日、トレーナーくんはテイエムオペラオーと連絡を取るはずだ。うまくアポが取れれば、オペラオーと会えるかもしれない。」
タキオンの頼みを聞き入れ、シャカールは神妙な顔で頷いた。
テイエムオペラオーもまた、いかに世紀末覇王という仰々しい肩書を有していれども、現実世界に生きているウマ娘である以上、現実に知り得る以上のことは語れないだろう。
だが、一つの時代を築き、そして終焉する瞬間まで中心的存在であったウマ娘の視点であればこそ、見出せる景色があるのではとも思われた。