アインズ様のようになりたくて!   作:リーグロード

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新年あけましておめでとうございます。
今年もバンバン小説を書いていきます!!


コスプレ衣装はなりきりの必須品

 平凡でつまらない生活に嫌気がさしながらも、今日も今日とて退屈な家の店番を任された少女はカウンターに突っ伏しながら溜め息を吐く。

 

「はぁ~、退屈だな~。どこかに刺激的なことなんてないかな~?」

 

 少女はカウンターに突っ伏しながらそんな独り言を呟いていると、突然、店のドアに取り付けられたベルが鳴り来客を告げる。

 

(チッ……客か。面倒な仕事だったら嫌だな……)

 

 少女は心の中で悪態をつきながらも「いらっしゃいませ~」と愛想の良い営業用の言葉を投げ掛けながら体を起こした。

 そこで少女は絶世の美貌という言葉の意味を真に理解した。

 

「やあ、この間服の作成を依頼した者だが、店主はいるかな?」

 

「…………」

 

 目を奪われるとはこのことだろうか、黒髪ロングの偉丈夫な男。その目は慈愛さを含んでおり、ニッコリと笑えばこの世のあらゆる女性がキャー!っと黄色い声を上げるのは間違いないだろう顔立ちだった。

 

 そういえば今日、店番を変わる時にお母さんが近々顔のいいお客さんが服を取りに来るかもしれないから、決してダラけてみっともない姿を見せるんじゃないよ!って言っていたような。

 

 いや、お母さん!確かに顔がいいけれども、ここまでなんて思わないじゃない!?

 精々、若い男の人だろうなって聞き流してたのに、こんな人が来るって分かってたなら、もっとオシャレしてこんなダサい作業服じゃなくて、今時の女の子が着るような服を着てたのにぃぃ!!!

 

 心の中で母親にこれでもかと愚痴を吐いて放心している少女の目の前に男が立つ。

 そして男は背の低い少女の目線に合わせて少し心配そうな表情で再度訊ねる。

 

「え~、服の作成を依頼した者なんだが、店主……お母さんはいるかな?」

 

 先程よりも優しい声で訊ねてくる男に、少女はようやく再起動しヒャイッ!と情けない声を上げて戸棚の方から少女の体を覆い隠せるほどの大きさの漆黒のローブを持ってきた。

 

「こ……これがご注文の品だと思われるんですが、ご確認をどうぞ!」

 

「おお、これは……!!注文通りの仕上がりだ!!!」

 

 男はローブを受け取ると、興奮しながらバサァ!っと広げて羽織った。

 それはまるで子供が親からプレゼントを渡されたかのような純粋な笑みだった。

 

 そんな笑みを間近で目撃してしまった少女の顔はもはや完熟トマトの如く真っ赤に染まった。

 男はローブを羽織った後にフードまで被ると、ああ!と満足そうに頷く。

 

「うむ、素晴らしい!やはりここの店に頼んで正解だったな!」

 

 爽やかな笑顔と共に男は残りの料金だ、受け取ってくれと言って今まで見たことのない量の金貨が詰まった袋をカウンターに置いて出て行ってしまった。

 

 

 

 

 店を出た男……アインズは早速手に入れた漆黒のローブを身に纏い、上機嫌のまま街を出る。

 

「フフ、やはりアインズ様を名乗るならば、必要最低限の服装というものがある……」

 

 デザイン、品質、作成者の技術力、どれをとっても文句一つ無い仕上がりに鼻歌でも歌いたい気分だ。

 

「しかし、こうなるとやはり杖も欲しくなるが、あれは九つの蛇と宝玉、そして黄金によって形作られた、まさに秘宝にして至宝の一品!手に入れたいからといって簡単に手に入るような代物ではない」

 

 単純な黄金では私の戦闘の負荷に耐え切れずにポキリと折れてしまうだろうし、宝玉もただの宝石では飾りに過ぎない。

 だとしたらどうするか?答えはついこの間手に入れた!

 

 ゼーリエというキャラとの遭遇からこの世界は葬送のフリーレンという漫画の世界だと知った。

 その漫画に登場する敵キャラのうちの1人である七崩賢最強と言われるマハト。そのマハトの使用する魔法である万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)を利用すれば土台となる杖の部分は出来るだろう。

 

「しかし、問題は魔法的効力を持つ宝玉になりえる宝石の確保と、マハトの魔法をどう利用するかだな?」

 

 前者はこの魔法が蔓延る世界だ、探せば九つくらいは見つかるだろう。

 しかし、マハトの方はどうするか?私は魔族だから即座に攻撃されて殺されることはないだろうが、素直に頼み事を聞いてくれるだろうか。

 奴は記憶通りならば、主人公ですら敗北したとされる強敵である。

 あの黄金へと変える魔法は私でも実際に相対してみなければ対処が可能かどうか分からない。

 

 いや、それ以前にいま現在のこの世界の時系列がどうなっているか。

 最悪なのが、既に主人公パーティーによってマハトが討伐されている場合だ。

 そうなれば杖の制作は大幅に遅れるどころか、下手をすれば不可能な可能性もある。

 

「確か、マハトがいた街の名は……城塞都市ヴァイゼ」

 

 アインズはそこまで考えると、即座に行動に移す。

 まずは地図の入手、そして城塞都市ヴァイゼの現状の把握。

 もし現在、マハトがその街で封印されていたとすれば、封印解除をネタに杖の依頼をするか?

 あるいは、封印前だとするのならばどう交渉すべきか?

 

「やるべきことは多いな。しかし、やらねばなるまい」

 

 アインズはニヤリと獰猛な笑みを浮かべると、最初の目的を達成するために動き出す。

 目的地は城塞都市ヴァイゼ。その道中に宝玉になりえそうな宝石がないかの探索も並行して進めるとしよう。

 

 

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