景虎と行く、聖杯探索 作:ぐだぐだイベの復刻ください
まぁ、思いつきで書いてるので匙加減だと言われるとそうなのですが
書きたいものが多すぎて仕方がなかったのでここまで先延ばしになりました。今回もよろしくお願いします
「……ん?」
ぐに、と何か柔らかいものを踏みつけて謙道は下を向く。
そこには心地よさそうな顔で地べたで眠る橙色の髪の女がいた。
「おい、何故ここで寝ている?」
トントンと叩いたり揺さぶったりを試すが、女は寝息に苦しげな吐息を交えるだけで一向に目を覚さない。
するとそこへ
「フォウ」
と鳴き声と共にフォウと呼ばれる猫にもリスにも見える生物がやってくると、ペロリと女の頰を舐める。それと同時に女がパチリと目を開く。そして謙道と目が合うと
「……私が寝てる間に、何したんですか……?」
と、怯えた目で謙道を凝視する。
「特に何もしていない。何故、廊下で大の字で寝ているのかを聞こうとしただけだ。」
疑いの目を向ける女に謙道は淡々と返す。
しかし未だ疑いの目を向ける女、そこへ丁度よくマシュ・キリエライトがやってくる。
「ちょうどよかった、キリエライト。この変な女に疑いの目を向けられていてな。手を貸してくれないか?」
マシュは突然のことにかなり戸惑いながらも二人からことの経緯を聞いた。
そして
「ご安心ください、先輩。謙道さんは少なくともこんな公然の場所でそのような行為に及ぶ人ではありません。」
「キュ、フォーウ!」
「ここにいたのですね。この方はフォウ、カルデア内を自由に移動する特権生物です。先輩は気に入られたようですね。カルデアで二人目のお世話係の誕生です。」
そんな話をしていると、廊下の奥から緑の服の男が歩いてくる。
「ああ、そこにいたのかマシュ。だめだぞ、断りもなく移動するのは……と、謙道君が同伴だったのか。」
「俺はここで偶然出会っただけだ。」
「そうか、それで……そこの君は今日から配属された新人だね?私はレフ・ライノール。ここで働く技師の一人だ。君の名前は?」
レフ・ライノールが橙色の髪の女に問いかける。
女はレフと謙道の間に流れるどことなく険悪な雰囲気に怪訝な顔をしつつも
「えっと、藤丸立花です。」
と簡単に返す。すると、謙道は少し意外そうな顔で
「藤丸、日本人か。同郷だな、俺は謙道龍正だ。よろしく」
と言って右手を差し出してくる。立花が握手を終えたタイミングでレフが
「そういえば、じきに所長の説明会が始まる。君達も出席しないと。」
そうして説明会へと出席した立花。
カルデアの防衛としての役割を担っている謙道はもちろんオルガマリーの立つ壇上の隅で刀を携えて待機していた。
そして、霊子ダイブの夢遊状態が治らないままに説明会に出席した立花は見事にオルガマリーの演説中に船を漕技始めた。
オルガマリーは立花に綺麗なビンタを決めると、ヒステリック気味に叫ぶ。
「マシュとタツマサ!このマスターをファーストミッションから外すわ!コイツの部屋に案内しておきなさい!」
一人の人物を案内する事を2人がかりで行わせたのはおそらく、この部屋から出た彼女が暗躍が狙いである可能性を排除するためだろう。頭に血が昇っていようとそのような判断を誤らない手腕に軽く感心しつつ謙道は完全に眠っている立花を担いで部屋を出る。
廊下をしばらく歩いていると、その振動が響いたのか立花が完全に目を覚ました。
「おはようございます、先輩。そろそろ先輩用の個室へと到着します。」
と謙道の肩に担がれた立花に声をかけるマシュに謙道は
「そういえば、お前が誰かを明確に先輩と呼ぶのは初めてだな。理由があるのか?」
と聞く。
「立花さんは、今まで出会ってきた人の中で最も人間らしいので。」
「……そうか。何か学ぶことがあるといいな。」
「はい、頑張ります。……あっ、私はAチームですので、ここで戻らせていただきますね。」
そう言ってきた道を戻って行ったマシュを見送ると、謙道は担いでいた立花を下ろして立香のマイルームのドアを開いた。
「はーい、入ってまー──って、うぇぇぇぇ!?ここは空き部屋だぞ、僕のサボり場だぞ!?誰のことわりがあって入ってくるんだい!?」
「……ここはすでにこの女の部屋だぞ、アーキマン。お前こそこの部屋で何をしている?……俺には、ショートケーキ片手に空き部屋に引きこもって遊んでいるように見えるのだが?」
ロマニを咎めるような目で見る謙道にロマニは大慌てで弁解する。
「違うんだよ!ついさっき所長に〝ロマニが居ると空気が緩むのよ〟って、追い出されたんだ!」
すると、ロマニを咎めるように見ていた視線が一気に可哀想なものを見る目へと変わる。
「さて、所在ない者同士ここでのんびり喋ろうじゃないか。君も、立花ちゃんを監視するのが役目だろ?」
「はぁ、仕方がないか。」
そうしてしばらく雑談続け、ロマニがレフに呼ばれたその時、カルデアの照明が消える。
『緊急事態発生。緊急事態発生。
中央発電所、及び中央管制室で火災が発生しました。』
瞬間、謙道は中央管制室の方向へと強化魔術を使用した凄まじい速度で走り出す。
それに遅れてロマニも同じ方向へと走り出し、立花はマシュが心配でそれに続く。
そうして訪れた管制室は……燃え盛っていた。
「…………生存は絶望的だろうね。無事なのはおそらくカルデアスだけだ。ここが爆発の起点だろう。これは事故じゃない。人為的な破壊工作だ。」
『動力部の停止を確認。発電量が不足しています。予備電源への切り替えに異常 が あります。職員は 手動で 切り替えてください。隔壁閉鎖まであと─────』
ロマニは予備電源へと切り替えを行うために地下の発電所へと向かった。立花は寄り道をせずに片道を戻れと言われたものの、マシュを諦めることができなかった。
『システム レイシフト最終段階に移行します。座標 西暦2004年 1月 30日 日本 冬木』
『ラプラスによる転移保護 成立。特異点への因子追加枠 確保。』
『アンサモンプログラム セット。マスターは最終調整に入ってください。』
けたたましく鳴り響くアナウンスを尻目に、立花はマシュを探し、そして見つけた。
「……あ、」
そして、理解してしまった。もう助からない。きっともう……
「…………はい。ご理解がはやくて、たすかります。だから、立花さんもはやく、逃げないと。」
『観測スタッフに警告。カルデアスの状態が変化しました。』
『シバによる近未来観測データを書き換えます。』
『近未来百年までの地球において』
『人類の痕跡は 発見 できません。』
『人類の生存は 確認 できません。』
『人類の未来は 保証 できません。』
絶望的なアナウンスが何度も何度も鳴り響く。
カルデアスが燃え盛るように赤く染まってゆく様がその絶望感をより一層凄まじいものとする。
「カルデアスが……真っ赤に、なっちゃいました……いえ、そんな、コト、より───」
『中央隔壁 封鎖します。館内洗浄開始まで あと 180秒です』
「……隔壁、閉まっちゃい、ました。……もう、外に、は。」
「うん、そうだね。だから、一緒だよ。」
『コフィン内マスターのバイタル基準値に 達していません。』
『レイシフト 定員に 達していません。該当マスターを検索中・・・・発見しました。』
『適応番号40 謙
『アンサモンプログラム スタート。霊子変換を開始 します。』
「…………あの…………せん、ぱい。手を、握ってもらって、いいですか?」
「うん。もちろん!」
立花は笑顔でマシュが伸ばした手を両手で優しく包むように握った。
『レイシフト開始まで あと3』
『2』
『1』
『全工程 完了。ファーストオーダー 実証を 開始 します。』
次の瞬間、全ては光に包まれる。
全てが動き出した瞬間だった。
読了ありがとうございます。
この世界の藤丸は女です!
活発元気な立花ちゃんです!(上手く魅力が書ききれない)
キャラのセリフは原作シナリオと多少変わっても
そういう世界線って話でいいと思うんですが、機械のアナウンスは
変わるのはおかしいよなっていう謎のこだわりで原作の
文章を何度も見返して機械のアナウンス文を書いたので
結構疲れました(楽しいのでヨシ)
やっと原作合流ということで張り切った結果文字数がいつもより多いです。
全て読んでくださった方、ありがとうございます。
今回はやっぱりちょっと原作主人公がメイン気味だったので
オリ主組の出番少なめで景虎さんに至っては影も形もなくなっています。一応ファーストオーダーが近づいたので緊急時に対応できるように魔力温存のため霊体化中という設定です。
原作の大幅コピー(規約違反)に引っかかるのが怖いので本作主人公が活躍しない部分は……
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省略してええで(^^)
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関係ない、書け(DIO風味)