景虎と行く、聖杯探索 作:ぐだぐだイベの復刻ください
打ち込む手が止まらなかったので二回目の投稿です。
よろしくお願いします。
「『卑王鉄槌』、旭光は反転する。光を呑め・・・!
立花とマシュ、二人の元へ黒い聖剣から放たれた黒い光が迫る。
地を裂き、強烈な破壊音と共に迫るそれを前に立花は令呪が刻まれた右手を胸元に掲げる。
「『令呪を持って命じる』!マシュ、宝具を解放して!」
「っ、はい!宝具、展開します!」
光の盾が聖剣を押し留める。
その瞬間、それが予想だにしないことであったのか、それともその盾に何かを見たのか、セイバー・オルタは目を見開いた。
「─────ああアアァ──!!!」
マシュは全霊を持って盾を構え、そして聖剣の光を押し返した。
「─────なっ!?」
セイバー・オルタが自らの聖剣の光に飲まれる。
しかし、未だ騎士王は立っていた。
どこまで堕ちようとも彼女は円卓の長、騎士の王である。
自身の宝具、それも弾き返された一部で消滅するほど弱い存在ではない。
しかし彼女にとって誤算だったのは、マシュとの宝具の撃ち合いが始まってすぐに霊体化しね好機を窺っていたもう一人のサーヴァントだった。
「あははは!好機ですね!」
気がついた頃にはもう遅い。
宝具は開帳され、八つに分かれたそれぞれ別の獲物を手にした景虎がセイバー・オルタに迫る。
「刀八毘沙門天よ、我が身に宿り、神威を揮え!『毘天八相車懸りの陣』!!」
「貴様……!」
セイバー・オルタはその聖剣で反撃し、最初の一撃を逸らし、続くニ撃目には反撃してみせた。
しかし、三撃目でその手から聖剣を弾き飛ばされ、続く残りの五連撃をその身に受けて膝をついた。
「──フ。知らず、私も力が緩んでいたらしい。最後の最後で手を止めるとはな。結局、どう運命が変わろうと、私一人では同じ結末を迎えるという事か。」
ちょうどその時、アーチャーを倒したキャスターが合流し、さらに十秒ほど遅れて謙道がその場に現れる。
「どういう意味だそりゃあ、テメェ何を知ってやがる?」
「いずれ貴方も知る、アイルランドの光の御子よ。グランドオーダー─────聖杯を巡る戦いは、まだ始まったばかりだという事をな。」
意味深な言葉だけを残し、セイバー・オルタは消滅した。
「おい待てそれはどういう──おぉお!?ここで強制帰還かよ!?納得いかねぇがしょうがねぇ!お嬢ちゃん、次があるんならそん時はランサーとして呼んでくれ!」
キャスターも同時にその場から消滅する。
「アイルランドの光の御子、つまりはクー・フーリンか。道理でランサーを所望していたわけだ。ゲイ・ボルグに勝る槍は少ないだろう。」
謙道が呟く。
その横辺りでオルガマリーも何かしらの考え事をしているらしい。
『よくやってくれた、藤丸、マシュ!所長もさぞ喜んで……あれ?』
立花とマシュの視線がオルガマリーに向く。
「あ、えっと……所長?」
立花が控えめに呼ぶと、オルガマリーは我に帰ったように
「……え?あ、そうね。よくやったわ。立香、マシュ。それとタツマサ」
オルガマリーはボロボロながらもあのバーサーカーと戦闘し生き残った謙道を見て、よく生きてるわね、とボソリと呟いた。
「不明な点は多いですが、これでミッションは終了とします。まずはあの水晶体を回収して……え?」
大聖杯が収められていた空洞内のこれまで影となっていた場所から、イラついたような仕草で人影が現れる。
「君たちがここまでやるとは、計画の想定外にして、私の寛容さの許容外だ。」
大空洞の奥からカツカツと足音を鳴らしながら人影はこちらに歩いてくる。
「オルガマリーが直々にスカウトした四十人目。そして四十八人目のマスター適性者。全く見込みがない子供と、あのオルガマリーがスカウトした男。」
やがてその顔や服装、全てが光に照らされ露わになる。
「どちらも使えはしないだろうと善意で見逃した私の失態だよ。」
そこにいたのは、カルデアにて出会った教授、レフ・ライノールだった。
それを見て、オルガマリーの目の色が変わる。
「レフ……ああ、レフ、レフ、生きていたのね!」
今にもレフに向かって走り出そうとするオルガマリーを、謙道が引き抜いた刀で止める。
「止まれ、オルガマリー。アレはお前の知る奴ではない。人ならざるナニカだ。」
「やぁオルガ。元気そうで何よりだ。君も大変だったようだね」
「ええ、えぇ!そうなのレフ!管制室は爆発するし、街は廃墟だしカルデアには帰れないし!予想外の事ばかりで頭がどうにかなりそうだった!でも、あなたがいればどうにかなるわよね?今回だって私を助けてくれるでしょう?」
その言葉に、レフ・ライノールはニタリと邪悪な笑みを浮かべる。
しかし、瞳が曇ったオルガマリーはそれにすら気が付かない。
「その中で最も予想外なのが君だよ、オルガ。
爆弾は君の足元に設置したのに、まさか生きているなんて。」
「─────、え?レ、レフ?どういうこと?どういう、意味?」
レフ・ライノールは心底苛立たしげに頭を掻く。
「あぁ、わかっているとも。守ったのは君だろう?謙道龍正!」
謙道を凄まじい剣幕で睨みつけるレフ・ライノール。
そして、苛立ちを抑えるようにカツカツと片足で靴を鳴らしながら言う。
「しかし完全に守り切るには至らなかった。仮死状態となったオルガマリーの思念をトリスメギストスはこの場に転移させた。オルガマリー、君は死の淵に立って初めてあれほど切望した適性を手にしたんだ。あぁ、優秀な君はここで死んでもらうはずだったのに!」
レフ・ライノールは心底苛立たしげに叫ぶ。
「……え?私が、仮死状態?そんなの、そんなの聞いてない!私聞いてないわよ!?タツマサ!ねぇ、嘘よね!?私、無事なのよね……?」
ヒステリックに叫ぶオルガマリー。
謙道は冷たく真実を口に出す。
「事実だ。……だが、すでにロマニに連絡を入れてお前を治療せている。お前を死なせることは絶対にしない、信じてくれ。」
レフ・ライノールはニタリと不気味な笑みを浮かべて煽るように
「ほう?生死を彷徨う重体だというのに?少なく見積もっても致死率は七十パーセント、その女は死ぬ確率のほうが高いのだろう?」
不安を煽るレフ・ライノール。
オルガマリーは髪を振り乱して、半ば錯乱したように謙道に縋りつく。
レフ・ライノールという心の柱を無くした今、彼女に頼れるものは自らが雇ったから一人だった。
「……え、イヤ……イヤぁ!なんで私ばっかりそんなこと、私……誰にもまだ褒められてないの、誰にも認めてもらえてないの……私まだ死にたくなんてない……!」
その時、レフ・ライノールが水晶体を持ったその左手を掲げる。
「そうだ、その思念。ここにあるそれを始末してしまおう。ショータイムだ」
水晶体、聖杯がその機能を発揮しようと輝き出したその直後、レフの左腕が宙を舞う。
下手人はランサー、長尾景虎だった。
「……っぐ、貴様!─────まぁいい、興醒めだ。最後に教えてやる。」
景虎の追撃よりも前に後退したレフは言う。
「未来は焼却され、結末は確定した。貴様たちの時代はもはや存在しない。カルデアスの磁場でカルデアは守られているだろうが、外はこの冬木と同じ末路を迎えているだろう。」
『そうですか、外部と連絡が取れないのは通信の故障ではなく、そもそも受け取る相手が消え去っていたのですね。』
ロマニが言うと同時に特異点全体が大きく揺れ始める。
「おっと、この特異点もそろそろ限界か。では、さらばだロマニ、そしてマシュ、そして四十番目と四十八番目の適性者。ここまま時空の歪みに飲み込まれるがいい。」
「……っ!空間が安定していません!ドクター!至急レイシフトを実行してください!」
『わかってる、もう実行しているとも!でも、そっちの崩壊の方が早いかもだ!とにかく意識だけは強く持ってくれ!意味消失さえしなければサルベージは─────』
次の瞬間、レフ・ライノールの瞳がギラリと光り、閃光が放たれた。
殺し損ねたオルガマリーに向けて放たれたそれを、謙道が身を挺して庇った。閃光が彼の胸に突き刺さる。
それと同時にレフ・ライノールは舌打ちをしてその場から消え去った。
「マスター!」
辺りがレイシフトの光に包まれる。
景虎は倒れゆく謙道へと手を伸ばす。
景虎がその手を掴んだ次の瞬間、光が満ちた。
読了ありがとうございます。
書きたい部分を描きまくったので文字数多めでしたが、それでも最後まで読んでくれた方、本当にありがとうございます。
今日は少しセリフを多めに書いた気がしますね。
次は少しカルデアでの日常……ではないですが、戦いとは違う、何もない日の二人を書こうと思ってます。
原作の大幅コピー(規約違反)に引っかかるのが怖いので本作主人公が活躍しない部分は……
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省略してええで(^^)
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関係ない、書け(DIO風味)