景虎と行く、聖杯探索 作:ぐだぐだイベの復刻ください
凄まじい猛攻、素早い剣裁。
息をつかせないほどの連撃が、突然止まる。
景虎から距離を置いた沖田は数秒の静止の後に刀を納める。
「……あなたの城に行きなさい。あなたから生まれた影が、そこで待っています。伝言は伝えましたので、では」
沖田は、そう言って姿を消した。
『──春日山城に高濃度の魔力反応が検出されてる。きっと、この特異点の元凶がそこで待っている』
ロマニがそう伝えると、武田と藤丸の視線が一気に景虎に向く。
景虎は数秒の静止の後に、ようやっと自分へ向いた視線に気がつく。
「え?私が疑われてます?違いますって、私の影だとか、見に覚えないですし。」
本当に身に覚えがなさそうな仕草の景虎。
「とりあえず、聖杯の持ち主本人が呼んでるんですし、私の影っていうなら誘っといて罠はなさそうですしとりあえず行きませんか?」
そうして立花たちは春日山城へ向かうが、その道中には凄まじい景色が広がっていた。
地面に突き立った刀、散乱する壊れた武具たち。
新しいものから古いものまで、老若男女の屍が皆、自分が死んだことすら気づいていないかのように死の間際の表情を浮かべたままに散らばっている。
春日山城の前には数多の「毘」ののぼり旗を掲げた鎧武者。
しかし、その誰もが立花たちに刀を向けようとしない。
「待っていたぞ、もう一人の上杉謙信。本物の毘沙門天の化身が、天守台にてお前を待っている」
山そのものを城とした春日山城、その山道にすら多くの武具が散乱し、戦いの跡が多く残っていた。
すると、立花はその武具たちの中に幾つか見知ったものを見つける。
刀や槍に銃、その一部は立花がカルデアで見たことのある、つまりは英霊の宝具だった。
そのどれもが日本のサーヴァントが使うものだったことから、それはおそらく抑止力により土地に召喚されたサーヴァントたちの残骸だろうと予測できた。
進む先、天守台の方から鉄と鉄がぶつかり合う激しい音が鳴り響いている。
立花達が道を登り切ると、そこには……
「……やはり、私では叶いませんか……」
沖田総司の胸を、一本の太刀が貫いていた。
下手人は黒いコートに白髪の男。
「お前が本心から俺に従ってなどいないことは既に気が付いていたとも。お前を泳がせたのは単に、貴様が俺に及ばぬからだ。こうして牙を向いたからには、ここで消えてもらう」
沖田総司の胸から刀が引き抜かれる。
刀はどうやら霊核を寸分違わず貫いていたらしい、沖田は血を流すよりも早く消え去り、彼女の刀だけがそこに残った。
男はその刀を先ほどまで彼女が立っていた場所に突き刺すとこちらに振り向く。
「─────待っていたぞ、かつて我らが一族を照らした光。俺を照らした光。俺を、影に落とした光よ」
「……困りましたね、本当に覚えがありません。どなたです?」
「ハハハ、知らずとも無理はない。俺の祖先はお前に仕えた者たちの一人だったが、俺自身はお前が死んで遥か後に生まれた男だ」
「では、そんな男がなぜ私の名を名乗るのです?」
「そうあれと望まれ、そうあるように作られたからだ。俺はお前を目指して作られた。もう一人の毘沙門天の化身となるべく作られた。だからこそ、俺はお前だ。そうだろう?」
そう言った男の表情は張り付いたような笑みから変わることはなく、その白い髪や景虎の持つものと同じ槍は確かに長尾景虎、ひいては上杉謙信を想起させるものだった。
「だが、あぁ、お前は歪んでいる。わかっているだろう?お前はココロを欲した。ならばこそ、俺はお前を殺し、越える。そうすることでようやく俺は俺を証明する事ができる。さぁ、構えろ」
『──っ、高魔力反応!聖杯の持ち主は彼だ!』
上杉謙信と名乗った男は槍を構える。
あたりに濃密な魔力が満ちる。
ここに、神の化身と呼ばれた二人の戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
読んでいただきありがとうございます
これからは基本的にFGO本編を読み返して本編を書くほど時間がない時に番外編を書いていこうと思います。
よろしくお願いします
原作の大幅コピー(規約違反)に引っかかるのが怖いので本作主人公が活躍しない部分は……
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省略してええで(^^)
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関係ない、書け(DIO風味)