景虎と行く、聖杯探索 作:ぐだぐだイベの復刻ください
よろしくお願いします
「バカじゃないの!?」
謙道が起きて聞いた第一声はオルガマリーのヒステリックな叫び声だった。
ロマニが伝えたはずだ、と答えた謙道にオルガマリーはさらに眉間に皺を寄せ
「えぇ、聞きました!聞いたわよ!でも普通はただのレクリエーションだと思うじゃない!それなのにいざ覗いてみたら本気の殺し合い一歩手前!何度シュミレーターを止めさせようとしたかわからないわよ!」
「そうか、踏みとどまってくれたこと、心の底から感謝する。」
いつも通りの仏頂面で感謝を述べる。
すると、オルガマリーは大きなため息を吐いて
どうも、と返事をする。
「それにしても、アンタが笑っているのなんてあの試合で初めて見たわ。」
「久々に楽しかったからな。あぁ、全力で戦ったのは久しぶりだった。」
そう笑った謙道に、オルガマリーはまた一つため息を吐いて
「戦闘狂もほどほどにして頂戴。貴方はカルデアの要の一つなのよ。」
そう言って、医務室を出て行った。
すると、カルテを持ったロマニがオルガマリーと入れ替わりで入ってくる。ロマニは目が覚めたら様子の謙道を見て安堵の息を吐く。
「しっかり目が覚めたようだね?よかったぁ……君、三週間くらい目を覚まさなかったんだよ。体の方はもう完治してるから言うことはないけど……」
ロマニは手元のカルテをもう一度覗き、そして謙道の顔を見て、意を決してその疑問を口にする。
「君の体には魔術が刻まれているね。それも、何かを呼び寄せて定着させるための魔術だ。その刀に名前、思うに君は……」
「黙れ。俺は部屋に戻るぞ。」
謙道はそう言って医務室を出た。
そして、廊下で呟くように言う
「それで、なぜ見ていたんだ?ランサー。」
すると霊体化を解除して謙道の横に立った景虎は酒瓶を片手に
「景虎、でいいですよ。渾名とか、考えてくださるならそれでもいいですけど」
「……なんのつもりだ、景虎。」
景虎はいつもの笑みを一切崩すことはなく
「いえ、ただ興味が湧いたので。」
「興味?」
「えぇ、なぜそこまで強くなりたいんです?今の世の人ならばそこまでの力は必要ないでしょう?」
その言葉に謙道は静かに辿り着いた自室のドアを開けながら
「そうだな。普通はそうだ」
と返す。
そしてベッドに腰掛けると
「だが、俺は違う。俺は望まれた、力を持ち強き者であることを。そうして、俺自身はその望みを跳ね除けるために力を望んだ。だからこそ俺はお前を……」
謙道はそこで言葉を切り、なんでもないと濁した。
「そうですか……、それで結局はどうなったんです?力を望まれるなんて、魔術師としての家系云々でしょう?」
「……俺の家系の全員が死んだ。話はそこで終いだ。」
眉一つも動かすことなく、謙道はそう言った。
「そうですか、じゃあ暗い話はこれくらいにして呑みましょう!おつまみあります?」
暗い話をやめにしようという彼女なりの気遣いだとは頭の端でなんとなく理解しながらも、あまりに急展開な話の変わり方に謙道は驚いて数秒固まるが、その後立ち上がって冷蔵庫を開ける。
「アーモンドとタコ、あとは塩くらいだな。……塩はやめておけよ。」
「なっ!?ご無体な!」
「冗談だ、好きにしろ。」
壁際の床に座って酒をコップに注ぎ込む景虎。
謙道は当然のようにその横に座って壁に寄りかかりながら景虎にコップを差し出す。
「おっ、今日は乗り気ですか?」
「あぁ、俺達の奇縁に乾杯、だ。」
呆れたような、毒気が抜かれたような表情で謙道は景虎のコップに自らのそれをぶつけて小気味良い音を鳴らす。
二人は夜が更けるまで飲み明かした。
………………
朝になって目を覚ますと、すぐ近くで彼女が──上杉謙信として世に名を馳せ、今は長尾景虎と名乗る女が眠っていた。
どうやら酒を飲みながら寝たらしく、俺は壁に寄りかかったままだが、景虎はどう酔っ払ったらそうなるのか、胡座を描いた俺の太ももを枕にして穏やかな顔で眠っていた。
昨日までの苦悩の全てを土足で蹴り壊してくるような穏やかな寝顔に少しずつ怒りが込み上げてきたので、起こすこともなく立ち上がることにした。案の定床に頭を打ちつけた景虎は頭を抑えて呻いている。
「俺の足で寝るお前が悪い」
と言えば恨めしそうにこちらを見つめながら
「マスターが先に寝たのが悪いです!こっちは途中から一人で呑むことになったんですからね!」
と、ビシッとこちらを指さす。
そんな彼女に俺はとりあえずインスタントの味噌汁を差し出す。
大体の場合、彼女は俺が途中で寝てしまうと一人で二日酔いするまで呑み始めることをこの数ヶ月で理解していたからだ。
景虎はそれを一息に飲み干すと俺のベッドを占拠して眠り始めた。
一度深呼吸をして、そして考える。
目の前の女、現在は長尾景虎と名乗り、そして上杉謙信として名を馳せた女。毘沙門天の化身であり越後の龍と呼ばれたこの女は今、俺のサーヴァントであり、きっと友と呼んで差し支えないのだろう。
この女は、あの試合の最後、あれが実戦であったのならば首を貫かれていたのはきっと俺だったと確信できるほどに強い。
だからこそ俺は……、いつかあの槍を越えなければならない。
読了ありがとうございます。
原作前はそろそろ終わりに近づいているかな?
という感じです。
明確なプロットはないですが脳内で
こんな展開にしたいな……という妄想はあるので
もうわけわかんねぇ!閉店ガラガラ!
とはならないはずです。
よろしくお願いします。
原作の大幅コピー(規約違反)に引っかかるのが怖いので本作主人公が活躍しない部分は……
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省略してええで(^^)
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関係ない、書け(DIO風味)