なっているかどうかは分からないけど、慎二→(←←)←士郎を目指して書きました。でも桜ちゃんよりは内面描写は少なくて馴れ初め中心かも。
Side:衛宮士郎
俺と慎二の関係は多分、
少し、慎二との馴れ初め的なものを振り返ろうと思う。初対面は中学の文化祭の時、成り行きで看板を作っている時の事だった。
「お前、馬鹿なの?」
いくら文化祭前とは言えども、てっきり下校時間ギリギリにまで作業をしている人が居るとは思っていなくて、声を掛けられたのにはとても驚いた。そして顔を上げて、もう一度驚いた。
そこに居たのは学校内でも一、二を争う文武両道を体現したかのようだと言われている有名な優等生、間桐慎二が居たからだ。
「もう一度言うけどお前、馬鹿なの?」
優等生である慎二がこんな荒い言葉遣いで言っていたのが信じられなくて、またまた俺は驚かされた。コイツ、こんなにも言葉遣いが荒かったのか。場違いの驚きの感情湧いてきたが、それはそれとして馬鹿と言われたことは頭に来たので反論させてもらった。
「む……、馬鹿は無いだろ馬鹿は」
「いいや、馬鹿だね。成り行きだろうとも一人で作業するだなんて愚行をするのは馬鹿としか言えないだろ。明らかに人数が足りねぇだろ」
「ぅ゙……それは、確かに……」
彼の口から放たれる正論に俺は何も言い返す事が出来なかった。実際、成り行きで押し付けられたとも言える形であったし、何より人数が足りないというのが図星だったからだ。
「んで?他の奴は?」
「え?他の奴?」
俺は言われたことの意味が分からず、問い返してしまう。慎二はその事が気に食わなかったのか、優等生のイメージからかけ離れた怒鳴り声をあげて俺に言ってきた。
「だから!その作業を他にする奴は居ねぇのか!って話だよ!!分かれよ!」
「あー…………」
突然の展開に俺は唖然とするしかなかった。こんな短期間に俺が抱いていた間桐慎二という優等生のイメージが一気に崩れ去ったからだ。そもそも
「間桐、お前それが素なのか?」
「はぁ?今それ言う?まぁそうだけど?それを知ってお前に何か得あるの?周りの奴に言い触らすとか?そんなんやってもお前の気の所為だって言われるだけだろうがな。あと、他に作業する奴居ねぇんならさっさとやれよ。帰りが遅くなるだろうが」
「あ、うん……」
想像の倍は罵倒が飛んできた……。短期間に崩れ落ちるイメージ像に再び唖然とするが、彼の言う通り作業に戻らねば帰りがもっと遅くなるので作業に戻ることにした。作業に戻ってしばらくは誰の気配もしなくなったので、近くに居た慎二も言うだけ言って、おそらくは帰ったのだろう。
そんなこんなで作業もようやく半分以下の量となった時、ガサリとビニール袋が置かれる音が聞こえてきた。音のした方向へ目線を向けるとそこには帰ったと思われた間桐が居たのだった。
「え、間桐?」
「まだ半分程度しか済んでないのかよ。トロいな、お前」
自分以外の人がまだ居た事に驚くが、それと同時に彼の口から放たれる辛辣な言葉に再びイラッとすることになった。そこまで言う事は無いだろ……。
「む……。一人なんだから仕方ないだろ。そもそもコレは俺の担当じゃなかったし……」
「ハッ!押し付けられたってワケか。ご愁傷さま」
俺の反論に慎二は馬鹿にしたかのように笑うと、俺と反対側の位置に座り込んだ。そして、俺の近くに投げ捨てられたビニール袋を指差して、
「食えば?あ、でも全部は食うなよ。俺の分もあるんだからな」
と言って俺のやっていた作業の続きをし始めたのだった。
「え……?」
「んだよ、お前でも好き嫌いすんのか?なら別に食わなくても良いんだが」
「いやいやいや……っ!そうじゃなくて、何やってんだよ間桐」
「何って、見ての通りだが?お前、馬鹿なだけじゃなくて目も悪いのか?」
まさかの返答に唖然とする。もはや気の所為だと言えない口の悪さと彼が俺がしていた筈の作業に取り掛かっている事に困惑したからだ。
「いや……視力は別に問題は無いけど……。な、何で間桐がソレやってんだよ」
「最初に言っただろ。明らかに人数が足りねぇって。それを俺が補ってやるっつうことだよ」
俺の零した疑問に慎二は目線を下にしたままそう答えた。
「え、あ……ありがとう?」
まさかの事態の連続に思わず感謝の言葉が疑問形になってしまったが、彼は特に気にする様子もなく『ん……』と短く反応するだけで、目線は相変わらずこちらには向かなかった。
その後は慎二の厚意に甘え、ビニール袋に入っていた物を一つ二つ程貰い、二人で作業することになった。本当は流石に日も暮れ始めていたので俺一人で大丈夫だと言って慎二には帰ってもらうつもりだったのだが、
「この量を一人でやるなんて阿呆がやる事だ。この俺が人数の空きを補ってやるってんだから、黙って作業してろ」
と言われ、俺が折れるしかなかった。しかし、後々から考えてみれば、口調はいつも通り悪いのだがいつもと比べてかなりのデレが出ていたなと思う。まぁ、それにしても作業中はずっと嫌味やらダメ出しやらで五月蝿くはあったのだが。だけど、出来上がった看板を見て
「ふーん?結構良い仕事するじゃん、
「っ!」
さっきまでオイやらお前としか言ってなかった筈の彼が始めて俺の名字を呼び、ストレートな褒め言葉と共に笑い掛けてくれたことには少しドキッとした。
「な、なぁ。慎二って、呼んでも良いか?」
ドキッとした気の迷いからか俺はそんな事を口に出していた。今日限りの付き合いになるってのは、どこか寂しい気がしたからだ。それになんだか予感がしたんだ。慎二との付き合いはこれから長くなるっていう妙な予感が。
「・・・・・。好きにすれば?」
「あぁ!よろしく、慎二!」
これといった返事は無かったが、本当に駄目な時は断るというのは噂から聞いてはいたので許可は得たのだろうと勝手に納得した。
それから俺はクラスは違えども休み時間にはちょくちょく彼のクラスを尋ねるようになった。最初こそ人の居ない所で『来るな。うっとおしい』と冷たくあしらわれ、中々優等生面を外してくれなかったのだが、回数を重ねる事にそれも少なくなっていった。何だか中々懐かない野良猫のようだなとこっそり思ったのは慎二には秘密だ。
そんな風に俺からぐいぐい行く形で慎二との交流を重ねていく内に、色々な一面を見ることが多くなってきた。
「僕が優等生なのは当たり前だろ。なんてったって僕は天才なんだからな」
優等生としての慎二は何か鼻につく奴ではあるが、素の時と同じく根は良い奴っていう根本は変わらないこと。故に先生やクラスメイトからの信頼も厚い。
「お前、何でそんな無闇矢鱈とお願いを受け入れるワケ?馬鹿なの?本当に救いようが無ぇな。お前に頼む奴なんてお前の事を都合の良い便利屋としか思ってないんだぞ?」
慎二は言葉でこそ優しさを読み取るのは難しいが、言葉の真意を読み取れば、実は身内には甘い奴だと言う事。本当に馬鹿だ、救いようがない、と思っているのならば放っておけば良いのだ。けれども慎二はそれをしなかった。それどころかあえて辛辣な言葉にすることでこちらに気付かせようとしている節があるように思う。
「はぁ?こんなのも分からないのか?俺とつるむってんならこの位出来るようにしとけよ。今度俺の家で教えてやるから死ぬ気で覚えろ」
優等生という面子の為かもしれないが、慎二は面倒見も良かった。よく慎二が教師側になって勉強会を行ってくれたのだ。おかげさまで勉強には今の所苦労はしていない。
「…………何も言うな。聞くな。黙って受け取れ」
「ソレ、近頃人気の長時間並ばないと手に入れられないヤツじゃないか。どうして急に?」
「黙って受け取れって言ったよな?耳腐ってんのか?」
慎二は借りっ放しは好まない質で、こちらがちょっとした手助けをするといつも何かしらの形で返してくれていた。ただ態度は毎度毎度悪いので、コレって一種のツンデレなんじゃないかと思ってしまうのだが。
「朝練ダル……」
「そういう事言うなよ慎二。というかそんな事思ってるから朝起きられないんじゃないか?」
「蔵で寝落ちする奴に言われたくないわ、このアホ。それにこうしてちゃんと起きてるだろうが。むしろ起こしてるのは俺だっつうの……」
意外と朝に弱い体質だったのも驚いたな。本人曰く健康的な時間帯に寝ているらしいのだが、どうにも朝は頭が働きにくいらしい。それでも悪口のキレは変わらないのは流石である。
「漫画も人並みには読むぞ。クラスメイトとの話題の一つにもなるからな。交友関係を築くならそれなりにいるし」
「へー、そうなのか」
てっきりそういった娯楽には疎いのかと思っていたが、そうではないのも驚きだった。慎二にも結構年相応な所もあるんだな、と勝手に思った。ただまぁ、理由が交友関係を築く為というのはどうなんだと思う所はあったが……。
そういった感じで慎二の色んな一面を知っていく内に、俺の中で慎二は親友と言える人物だと思えるようになったんだ。以前なら考えられなかったが、もし慎二と約束事を交わした場合、その用事が終わるまで俺は他のやつに頼まれ事をされても断るという選択を取るようになったんだぜ?こんな事言ったら慎二には『アホかよ』って言われてしまうだろうけどな。
そんな風に仲良く過ごしていた訳なのだが、ある日を境に俺と慎二は同じクラスであってもよく別行動をするようになってしまった。そのきっかけは弓道部の大会前に俺がバイト先で怪我を負ってしまった事だった。
「何をしたか分かってんの?お前」
「…………勿論だ」
「勿論だ?巫山戯てんのか。俺言ったよな?大会が近いんだからバイトはなるべく控えろ、控えるのが難しいにしても怪我には一番気を付けろと。しつこい位には言ってやった筈なんだが、何で怪我してやがるんだ?お前」
慎二の言い分に何も言い返す事が出来なかった。実際、ここ最近で彼に良く言われた言葉として真っ先に思い浮かぶ位には言われていたからだ。
「ただ矢を射るだけだったなら、認めるのは癪だが……お前の方が腕は上だ。本当にそれだけだったら俺は何も言わねぇ。だが、お前がやるのは礼射だろ。見える所に怪我を負ってどうするってんだ。なぁ?」
「……本当に申し訳ないと思っている」
「チッ……‼本当に申し訳ないと思っているなら態度で示しやがれってんだよ」
俺の返答に怒りを隠すこと無くそう言うと、慎二は背を向けてこの場から去ってしまったのだった。優等生モードの時とは違い、あまり長く話すことを好まない筈の彼がこちらに殆ど反論の余地無く吐き捨てる様子は、相当怒っていると感じさせられた。
態度で示しやがれ、か。確かに慎二の言う通りだよな。だって慎二の忠告をなあなあに受け流して来た結果がコレなのだから、言葉で無理なら態度でしろ、ってなるよなぁ……。そう考えた俺は礼射を辞退し、バイトとの両立もこのままでは難しいと思い、これを期に弓道部も辞める事にした。
「……
辞める直前に見た慎二の顔と初めての名前呼びは今後、一生忘れることは無いと思う。彼の泣きそうなのに泣けないという顔と、何かを諦めたかのようなあの暗い瞳。その時は、そんな辛そうな顔を直視していられなくて足早にその場を去った俺だったが、弓道部を辞めて疎遠気味になった後もあの顔がやけに忘れられないでいた。
そんな感じで中学の文化祭用の看板作りから始まった関係だったが、この時の俺はまだ知らなかった。いつものように引き受けた弓道場の掃除をする前に言われた
「衛宮。頼んだ俺が言うのも何だが、
「え?あ、おう。分かった」
あの言葉の真意を。そして、これから自分の身に降り掛かる
お、お気に入りが千件超え?!ほぼ毎時間UA三桁超え?!真っ赤な評価バー?!日間ランキング一桁入りだと??!!
え……えっ?!ホントにコレ現実ゥ?!って思いながら何度もスマホ画面を確認してましたwテンションが上がってすぐに続きを書き上げましたが、投稿はビクビクしながら投稿してます…(汗)
作者はやわやわメンタルなのでグダっても評価はどうかお手柔らかに……
次回はライダー召喚を予定。アンケートも次回まで取るつもりです。未だに本編考えれてないけどライダー退場からのルート分岐にするならまずUBWを辿らねば難しくない?と気付いたので序盤だけUBWでルート分岐からHF参照で許してください。
本編は何ルート?(あくまでも参考程度のアンケートです)
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八人目のマスタールート
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黒聖杯ルート
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共闘ルート
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敵対ルート