カガリ・ユラ・アスハは冷たい視線に晒されていた。
『自分の留守中、オーブの地下で修復されていたフリーダムが強奪され、各地でテロ活動を開始した』
事実だけを告げられ、ひたすら説明と返答を求められている。それは自分がやる側だったハズなのにと考えながら。
『知らなかった』
それが事実なのだが、それを言うと亡き父に自分がどう言っていたかが返ってくるのだ。結果的に黙秘を貫いている事の意味を考える余裕すらなかった。
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一方で、護衛であるがカガリとは引き離されたアレックス・ディノは二律背反の思いに苛まれていた。
オーブ本国は、フリーダム強奪時に相当な被害が出たらしいが、政府首脳陣は無事だと聞いた。だが、フリーダムを隠してあった場の周辺の情報は曖昧だ。当たり前の事だが、残った者達は?密かに造られた施設を狙っての犯行だったと弁明しているようだが、それで済むワケが無い。
そして、仮に手段があるなら?今すぐにオーブに戻り、オーブにいるキラやラクスの安全を確かめたい、だがカガリをどうする?無理矢理連れ出したとしたら、逃げ出したと見なされるだろう、既に連合が何を言って来ているか程度は予想がつく。
そうして、無意味な時間だけが過ぎて行く。
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『ありもしないもの』
最初、カガリを見たルナマリアはそれについて喚いているようだが、実際あった側はどうするのだろう?まして?
『密かに、戦争の火種になるものを持ってた側は』
一応は条約範囲内で製造したMS等を?ある程度の数を揃えただけの側を非難しながら、自分達は思い切り違反・・・・『ユニウス』が舞台で名前に付いている条約でそれだけはやってはいけないとされる『核エンジン』を使っていると知れ渡っているフリーダムを密かに地下で修復していた意味は大きい。
(それに・・・・アレは本来はザフトのものよね)
前大戦後に、最早意味が薄れて来たが、プラントは連行から強奪したデュエルとバスターは返却している。フリーダムに関しては・・・・せめて、姿形を変えていれば良いのにとルナマリアは思ったが?
(これ、どうするの?ねえ、シン・・・・あんたの料理を?私より全然美味しいからヒステリックにインチキ呼ばわりした時あるけど、あの代表さんは、どうするのかしらねえ?)
全然に違うが、自分の不始末棚にあげての筋が通らない言動は重大としている。あの時にマユに頬をつねられたが、今となっては感謝していた。バカをやり始めた時に止めるか止めてもらえる事は大事と学んでいたルナマリアだが?そこで待ったを掛けてしまった。
(けど、それを極端にしたのが3隻同盟とでも?ってとこかしらね)
そう、他がバカをやっているから止める。
あのパトリック・ザラと支持者は、3隻同盟と言うよりラクス・クラインがわざわざ核を敵に渡して撃ち込まれる場を演出してヒーロー気取りで介入したと穿った考えをしていたと聞いた。
流石に、そこまではと考えるルナマリアであるが、結果的には・・・・そもそも、3隻同盟と言われる者達には致命的な見落としがあったと吹き込まれていた。
『パトリック・ザラはフリーダムとジャスティスを何処で、どう使う気だったのか?』
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ギリシャに滞在して、ステラを連れ帰った私には色々疑問があったけど、唐突にある事が告げられたわ。
「ステラが?れ、連合のエクステンデット?」
「そうだ。遺伝子操作を忌み嫌う連合が、薬物を始めとした肉体強化で生み出した存在と簡単に説明したな?さて、どうするかな?」
呆気に取られた。私はどうすれば?と考え始めた。えぇと?この隠れ家と言うには豪華な施設にステラを連れ込んだ時、セツコ・オハラは偽名で、本名はマユ・アスカだと打ち明けていた。申し訳なく思ってたけど、ステラは?
『マユ・・・・カッコ良い・・・・』
昔から、何かの番組とかで?名前が複数ある主人公やレギュラーキャラは珍しくない、そんな類いに取ってもらえたようね・・・・けど、それを聞いたら、単なるヒーローものみたいな感覚なのか強化された反動なのかとくらいしか考えられなくて、それを言った。
「案外、元来かもしれん・・・・そう考え過ぎるなよ?お前が不安がると、ステラにとっては命取りだぞ?」
「え?」
「エクステンデットとはな、簡単に言うと薬物以外にも精神操作で強化もされているが、私が見たところ、恐怖心等を煽っている副作用が過多だ。救ってやりたいなら?恐怖や不安を与えてはならん・・・・精神的な暗示系はそれだけで死を招くからな・・・・だから『死』と言う単語に怯えてたのだろう」
「え~、それ?仮にステラが戦闘員とかだとして、相手が『死ねえっ!』とか叫びながら襲い掛かって来たらどうすんの?」
「知らん、余もそれに関しては言葉が無い」
「次に、何か私に言わないでいる事が沢山あるだろ?」
「うむ、思ったより賢いな」
「私にそれを教えなさい!」
「断る。お前に教えてカッカしたり落ち込んだりしてみろ?折角のロスト・デスティニーが本来の性能を出せないし、考え無しに突撃して負けたなんて結果を出しかねん・・・・冷血とか言うなよ?戦う者にとっての絶対悪の一つはな?『無駄な敗北』だ。余はお前を勝たせる義務がある」
悔しい・・・・悔しいけど、確かに『負ける』のは許されない、そもそも負ける戦いをやるのは個人なら趣味の問題だけど、他を含むなら?最低な愚行だ。
『私やお兄ちゃんみたいのが出る』
ブルっとしちゃうけど、私に言われたのは?
「では、裸の付き合いと行くか?」
「はあ?」
「ステラの面倒を見てやるが良い、まさか?折角、自分を慕ってくれている娘を風呂無しで過ごさせる気かな?」
そう言われて、何の冗談か知らない施設の大浴場に三人で入ったけど?
「どうした?二人して、何を縮こまっておる」
「「・・・・」」
ぬぬぬぐっ、背筋を伸ばして胸を張ってやがるっ!何て事なの!?鍛えてるだけあって、しなやかだけど・・・・何じゃ、あの巨大なのは?男だったら、何でおめえ胸に尻ついてんだ?って言ってやりたい!
私とステラはもそれなりだけど・・・・と歯噛みしてたら?
「何で、二人してシャンプーハットが無いと髪が洗えんのだ?」
私は、アメノミハシラにいた頃は気にしてなかったけど?ステラと会って気が緩んだのか昔に戻ってた・・・・楽しげに、気持ち良さそうにしているステラは気持ち良さそうだわ。私の番になって、ミナさんはステラとは違う類いでの楽しみようだ。やろう、いつかぶっころしてやる!
そして?私はその夜にステラと一緒なベッドで寝た。ミナさんは?
『川の字で寝てやろうか?』
ちきしょう、あのデカいの見せられた後じゃ子供扱いに文句は言えない・・・・数年後を見てやが、れ・・・・っ?
『数年後』
私、それがあるんだろうか?と考えたけど、ステラを不安がらせちゃいけないんだった。先ずは寝よう。そうよ・・・・明後日は?
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流石はアメノミハシラの長、どういう経緯か知らないけど?ザフトのボスゴロフ級に近い潜水母艦を調達していた。これは何なのかしらと聞いたけど、やっぱり自分で考えろ?こんなのばかりね。
『予定通りだ。断っておくが?リミッターを外すなよ?』
「了解」
そう、地上で戦う以上は万一にでもエンジンを爆発されてはならない・・・・幸い、この機体の動力は?
『核とバッテリーのハイブリッド』
本来の用途から更に改良されているから、積んである核エンジンを使わないまま戦えて、核搭載機とバレないように出来る・・・・あこぎってやつね、これを私に使わせるにも意味はありそうだけど、地道にでも解き明かして見せるわよ!
『マユ~♪♪』
何か言いくるめてるらしい、ステラが呑気に手を振ってる画像見せられた。まるで運動会のノリね・・・・けど、私にはステラは必要よ!万が一なんか起こさせない!画像が途切れて、此処からが勝負。
「マユ・アスカ・・・・ロスト・デスティニー、行きます!」
待機状態が解除されて、今回は『蒼』の機体に『白』のラインを入れた色に染まった状態になったデスティニーが射出され、海上に飛び出したわ・・・・出力が最小限だから気を付けないとね・・・・目標は?
『インド洋』
そこには、フリーダムが暴れた後に現地民が駆り出されて基地の建造をやらされていると情報があった。その周辺の連合軍を叩けらしい。
そして?
『そこの未確認機?所属を告げよ!』
連合のウィンダムね、残念だけど?
(問答は無用!)
不意撃ちで撃破!幸い、基本的な操作しか出来ないし動きが直線的なのばっかり!シミュレーションの焼き増しみたいな戦闘だけど、わざわざやらせる意味は何なのよっ?数だけはいるし。
燃費対策に突撃機銃やマシンガン持たせてくれたのが幸いね。一機一機冷静に・・・・ビーム・ブーメランに対応出来ないで二機まとめてやられるようなのばかりだしね、ひたすら撃って、背後を取った機体のバックパックに頭部ガトリングを見舞ったけど、威力が有りすぎて本体が爆発した。
(何をやっているのよ、仮にブルーコスモスとかだとしても?こんなんで戦争をやりたいっての?)
核を使っていなくても性能差は歴然なせいで三十近い敵は全て片付いた。ミナさんの潜水母艦に帰還するべく、予定地に向かったけど・・・・私は知らなかった。私の戦っていた戦場、インド洋の空の『下』で何が起きていたか。
まあ、最後については兄とは違う展開にする為なせい、やったとしても、マユの上官?はミナなので。
今回のデスティニーは、マユが偽名に使わせてもらったキャラの愛機のような色。