アインス、何故かシンの身体を無意識に乗っ取るがどこぞみたいにコスプレさせられまくる事は無い。
「じゃあ、行くわよ!」
鬼気迫るとやらだな、何があったか知らないがシンの身体で・・・・ティアナとスバルの朝練に付き合ったが。
「え?」
「あ・・・・」
先手で放たれた銃弾を掻い潜り、鳩尾に指を当てて。相方の銃撃に合わせて突っ込む算段な前衛は振り向く前に首筋に手刀を当てた。
うむ、身体は不自由無く動かせる!
何回かこんな感じを繰り返したが、馴染んで来たと思った瞬間に私は顔を逸らした。馴染んでは駄目なんだ。
「そろそろ、失礼す・・・・いや、時間なので」
「ねえ、シン君・・・・」
「あ、仕事あるので」
何を言ってるか知らんが、私はシンみたいに料理等は経験が無いので何とか食堂の仕事をやらねばならん!とにかく、見ていた限りの事をやって何とか乗り切ったと思った時だ。
『おう、アスカはいるか!はやてから許可は出たんだからアイスを出してくれ!』
(ヴィ、ヴィータか・・・・)
「あの、ヴィータ副隊長にアイスを」
「はいはい、しかし珍しいね。他任せなんて」
「そ、そうですか。では・・・・雑用がまだあるので」
事実だ。最近は予備戦力程度に数えられてるから色々あるのは知られてる。何とかこの場から離れる為のルートをと考えた時。
『くぉるぅぅあああっ!アスカ、イチゴ味を注文したのにヴァニラだとっ!出てきやがれ、修正してやるっ!』
事態を悟った。私は確かにアイスを出してくれとは頼んだが、味まで指定してなかった。考えるまでもなく私は全力で逃げた。その先で自室に入ろうとしている隊員を見つけた。
「あれ、どうしたんですかアスカさん?」
「すまん、匿ってくれ!」
「ど、どうしたんですかっ!髪の色がっ!」
ピンク色の髪、確か『キャロ』と言ったか。素直な性格だから言う通りにしてくれたが、私は気を抜いたせいで言うような変化が出た。
念の為に鏡を見せてもらったが、元の私のようで白っぽい銀に近付いていた。目の色のせいで段々と・・・・。
「見ないでくれ・・・・」
「お、おかしいです!シャマル先生に相談をして・・・・っ」
手を掴んでいた。声も時々シンではなく私に近付いて来る・・・・ど、どうすればとした時。私はキャロに優しく抱き締めてもらっていた。まるで・・・・。
「な、何で」
「あの、フェイトさん達が昔こうやってあげたりしてもらったりした話を聞いたり・・・・駄目でしたか?」
ああ、そうだ。テスタロッサ達が良くやっていたな、だが私は・・・・。
『失礼!』
キャロに隠れていたと思いたいが、シャマルだった。クラールヴィントを使って、壁を通り抜ける等は造作も無いのだと知っているハズなのにと震えた。
「あら、騒ぎを聞き付けたから来たけど本当に失礼ね・・・・記憶喪失じゃ色々あるから、キャロちゃん。アスカ君の事はお願いね」
「は、はい」
退散した。誤解してくれたのかとしてキャロに頭を下げて一安心部屋に戻った私は机の上のメモを見つけてしまった。
『見たわよ、私一人で会うから医療室に来なさい。協力するから』
私は一つの終わりを半ば悟った。騒がれるよりは良いとして。そして手鏡を持ちながら髪の色がやはり戻らないので万が一を期待して言われた通りにした。
「失礼します。用件は?」
「髪の色が変わってた事で、何かの魔力の影響かと思ったけど、キャロちゃんにすがりたがる姿でわかったわ、貴女は・・・・ヴィータちゃんに負けないくらいに。はやてちゃんにああしてもらいたがってたから、元の姿にしか見えなかったわよ?」
やはり駄目か、目の色だけでわかる。理解されていないと期待した私が甘かった。
「いえ、これを言わないといけないわね。改めて久しぶりね・・・・『リインフォース』」
「呼ばないでくれ」
「けどっ!」
「頼む!その名前で・・・・『名前で呼ばないで』くれええ・・・・っ!」
耐えられない、私はもう立ってすらいられなかった。両膝を付いて頭を抱えて泣き出した私をシャマルは胸に抱いてあやしてくれた。今の私は闇の書と呼ばれた時と変わらないんだ!シンの身体をほぼ自由に出来る程に乗っ取ってしまった。一番見せてはいけない形で帰って来てしまった私はリインフォースではない。
【新たな闇の書として帰って来てしまった】
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『フリーダムデストロイヤー』
何の真似かと言いたいけど、各地を回って量産型のフリーダムを始末する私のデスティニーを世間はそう呼び始めたらしい、他がどう動くかなんて知らない、四体目のフリーダムのコックピットに背後からゼロ距離射撃での長距離砲を見舞って消し飛ばした。
段々と呼吸からして噛み合って来たのか負荷が軽減されて来た。
近くに来た部隊も向かって来たけど、急加速を繰り返して見失わせながらのビームを見舞って撃破した。
地上にいたザウート二機に向かうと見せ掛けて降下・・・・地上のスレスレで止まってから、ザウート二機の間に突撃。追撃して来たウィンダムは止まれなかったのでそのまま勢い良く墜落して大破してたわ、左右に両手のパルマを撃ってザウートが爆発する前に離脱した。
初陣からとっくに二桁越えになる出撃を終えて母艦に着艦した。
「見事だ。最早フリーダムを含めて量産型では相手にならんな、結構」
「どうも、ところで例の武器はまだ使わないんですか?」
【アロンダイト】
対艦刀の発展型なんだけど。
「【耐久性】に問題がある。万全で無ければ同クラスの機体相手にはパイロットが集中しなければ役には立たぬ。お前は常に最高の状態で戦えるにはまだ早い・・・・だが?」
「これには役に立つ」
【デストロイ】
巨体MSなのは納得したけど、これをどう使う気かと言われたら。
「【帰郷】が近いかもしれんぞ」
「どうでも良い、これがオーブ攻めるにしても私は【あなたの為に倒す】」
「ほほう、お世辞くらいは言えるようになったか。結構、ではステラのところに帰ってやるが良い」
どんな顔してるか興味は無いわ、私はただデスティニーを使わせてもらいたいから戦う。熱いシャワー浴びて戦闘を思い返すけど、何かが無くなってる気がする。最近の私は段々?
【家族の顔が思い出せなくなって来た】
「マユ~」
「だから、私の胸を掴むのはやめろ!自分の揉みなさい!」
「嫌だ」
くぅ、シャワー室に乱入して来たステラの気配がやっぱり読めない!背はステラの方がまだ高いんだけどこちとら成長期だからか感覚の変化が楽しいらしい!出撃後の疲れと荒業禁止だから引き離すの一苦労よ!とにかく、私は寝るわ!ステラが離してくれないけど寝る!はあ、でも迂闊に向き合えないのよね、だって向き合うと私が胸に顔を埋めたくなるのよ。
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「フリーダムデストロイヤーの情報を・・・・でありますか?」
「うむ、君の手腕を買ってな。諜報部だけでは見落としがあるかもしれないから違う視点が必要なのだ」
メイリン・ホークは最近に歌手にもなった姉絡みの誤情報が飛び交う事態を探る為に手腕を発揮したが、特定した数が評価されていた。歌手を兼ねる姉に言われた事からの劣等感がやや満たされていたが、今のままでは無理だ。
【その姉への劣等感】
快活な姉と比べられがちな自分が姉を助ける為の仕事だけでは正に光と影である。今世間を騒がすものの情報を暴ければ。
「やらせて頂きます!」
「う、うむ・・・・即決で助かるよ。危険かもしれないから慎重にな」
目に力強い光を宿して退室するメイリンを見送ったデュランダルの秘書はしばらくしてほくそ笑んだ。
(議長のおっしゃる通りだったな、浅はかな事だよ、気付かなかったのかな・・・・君が戦艦のオペレーター等に配置予定とされた理由をな)
そう、メイリンは最初から諜報部に行かせれば有益だったが、本人と周りの情勢の問題でそれだけはしてはいけないと見なされていた。
(これで貴様等の思い通りにさせない為の一歩目が出来たぞ『軟弱なクラインの後継者共』)
メイリンに関しては映画関係無しです。
まあ、ある意味で幸か不幸かですが。
アインス、ある意味最大の過ちを繰り返す危機に号泣。