失われた運命   作:くまたいよう

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 食事関連パートは趣味?です。


代償 研ぎ澄まされる刃

『シュルリシュルリ』

 

 今夜のメニューである『ブリ大根』用の大根を輪切りにして、桂剥きにして皮を剥く・・・・経験積んだ人からしたらこの桂剥きが包丁の修行には一番らしい、次に『面取り』して十字の切れ目を入れたり、下茹で用の米の磨ぎ汁もブリの身もアラも一旦は湯通しする為の準備終わったで下拵えの準備をする俺の名は?

 

『シン・アスカ』

 

 名前以外は知らない、焼けちまった私物の端に辛うじて残ってた名前らしいから、そもそも本当に俺の本名なのかすらわからん、預かり物かもしれん私物はスーパーのポイントカードらしきものだったらしい。

 

 倒れてたとこを救助されて、発見者であるシグナムさんとリイン・・・・リインは何か小さな姿だけど・・・・意識が曖昧で、夢の中で会った人を小さくして、目の色変えて穏やかにしたらあんな感じだった?ってとこだから、思わず名前の最後の辺りを言った。

 

『アインス』

 

 それを聞いた二人、シグナムさんは凄い怖い顔になって・・・・リインはあたふたしてた。記憶喪失だから色々やってもらって、リハビリ途中で料理の腕を見込まれたから、新設部隊の食堂の下働きとして職を得たってのが現状、料理を試しにやらされたのは、俺の歳でポイントカード持ってたから、『趣味』でやってた可能性有りとか推測されたのが理由らしい。

 

 まあ、周りは親切なのばかりだし・・・・シグナムさんからは時々きつく当たられるけど悪意は全然感じないから、ぼちぼちやるか?ってのが結論だよとしたら?

 

「おう、アスカはいるかっ!?」

 

 乱暴な口調・・・・受け取り口にいる小柄な女の子が軍の制服?を来た外見、俺にしたらシグナムさんの次くらいに顔を合わせる『ヴィータ』直接来たって事は・・・・。

 

「例のもの『却下』な、何だと?てめえっ!」

 

「八神・・・・司令予定?から、ヴィータに関しては身分階級関係無しに、頼みを聞かなくて良いなんて言伝もらってんですよ、アイス類の食い過ぎは身体に悪いからって」

 

「は、はやてが・・・・」

 

「あ、あの?この世の終わりなんて顔をしないで良いんじゃ?」

 

「う、うるせえ!最近はだなあ?・・・・」

 

「?」

 

「すまん、ヴィータは最近は『主の料理』を食べる機会が無くて気が立っているのだ」

 

 後ろから来たのは、精悍な『犬』じゃなくて『盾の守護獣』らしい『ザフィーラ』・・・・人型になれるらしいんだが、諸事情でこの姿のまま過ごしているって聞いた。まだ良くわからないけど?実は、無茶苦茶強い人の一人・・・・いや、待て?

 

「そもそも、主と言うと八神さん?あの人の料理食べる機会が無いから気が立って?それが何でアイス食い過ぎに繋がるんだ?」

 

「ヴィータがお前の手作りアイスを気に入って、この辺りではそれしか楽しみが無いからだ」

 

「う、うるせえぞ!お前のは、はやての料理の他は?『翠屋のスイーツ類』の次に数えてやるかどうかって程度なんだ!勘違いすんじゃねえぞ!?」

 

 そう言って、乱暴に退散するけど?他の味なんか知らない相手に八神さんや翠屋?と比べても意味無いんじゃ?ヴィータの代わりに『すまんな』と、頭を下げるザフィーラ・・・・外見だけの問題でも?犬の方がしっかりしてるって図に何か引っ掛かるけど、これは一線を越えてはいないと、何故か感じる俺はあるものを渡した。

 

「何だこれは?」

 

「豆乳で作ったドーナッツ、これなら食ってもアイス程の心配は無いんじゃ?と」

 

「過保護だな・・・・『保父さん』でも目指していたのかもしれんな、ヴィータに渡しておく」

 

『保父さん』

 

 偶然であるが、ザフィーラはシンを刺激してしまう推測をせずに済んだ。ここで?

 

『ワガママな妹を持っていた』

 

 そう言っていたら危険だったとは知る術は無いが、豆乳ドーナッツの入った袋を背に乗せ、礼をして退散した。後日、このようなヘルシースイーツの注文が一人分にしては大量に入り続けた。

 

 それは良いが、包丁の手入れもしっかりやっとかないとな?研ぎ澄まして良く斬れるのより斬れない方が危険らしいしとして、シンは手入れを始めた。

 

 

 

 

 シンの穏やかな日常はまだ続く・・・・まるで、それこそが違う世界の歪みを防ぐと同時に加速させる手段とばかりに。

 

 

 

 

 そう、彼が居た世界で場合によっては最も行くべきだったかもしれない場において。

 

『アメノミハシラ』

 

 軌道エレベーターとして建造されていたものの戦争により建造計画が凍結したが、運用可能部分を軍事拠点として使用する形にしてオーブから離れた勢力にして、実はオーブを襲った悲劇の原因を作った『サハク家』が占拠した場である。

 

 その一室の大画面には、アメノミハシラに君臨する『ロンド・ミナ・サハク』の乗機を早目に改修し、名前にゴールドフレーム天ミナと付ける予定である機体の戦闘が移されているが、ミナは、それを見る側だ。

 

 初期のXナンバーからドレッドノートを始めとした機体、実弾には無敵のPS装甲を持つ機体相手に細身の実体剣でセンサーや関節部をピンポイントで破壊。

 

 鉤爪型の武装で敵機を引っ掻け、バランスを崩させた隙に容赦なく、実体剣で胸部バーニア部分を破壊。

 

 早目に完成予定のビームランス、アンカー、ビームシールドの機能を備えた兵装も難なく使いこなしている。

 

「素晴らしい・・・・っ」

 

 カプセルの中の少女とシミュレーションの映像を交互に見つめながら、素直な感想を述べるミナ。

 

『オーブの影の軍神』

 

 そう言われ始めた自分にとっての過ち、寝耳に水と言えたオーブ解放作戦の折に自分を支持する者達が回収出来るものは回収出来るだけアメノミハシラに持ち帰ったが、その際に山中で瀕死だった『民間人の少女』を保護していた。片腕を無くし、精神が崩壊しかけていると診断された哀れな少女。

 

 自分が気遣った『ソキウスや薬物強化された者達のデータ』を参考にした治療中に素性等を調べている内に発覚した事・・・・遺伝子操作されているか怪しい類い、プラントでは?

 

『無調整』『安物』

 

 そうと揶揄されるだろう二世代目以降と判明したコーディネーターだが、判明したデータと回復力は自分ですら顔負けだ。前大戦の最中に出会ったらイレギュラーとして抹殺したかもしれないし、ソキウスシリーズに加えたかもしれない。

 

 睡眠学習と言うべき処置の中、仮想された戦場で、自分のMSであるゴールドフレーム天ミナを駆らせてみたら、デタラメとしか言いようが無い戦闘力を示した少女の回復を切に願う、正に天が我に与えた恩恵であり、断罪者でもある。自分の元に送られるべきとして、これ以上の適任者はいないとミナは歓喜した。

 

「計算では?間も無く意識は戻るが・・・・早く、目覚めるが良い・・・・お前の『両親と兄』の死の一因はここに、お前の目の前におる!目覚めた時にお前の全てを余にぶつけるが良い・・・・だから、早く目覚めよ!『マユ・アスカ』よ!」 

 

 試行錯誤の末の結果であるが、傍目には非道極まる処置だと自覚はしているミナだが、一つ見落としがあった。マユの状態を正確且つ完全に把握出来ていたワケではない。

 

 そう、マユは危険域を等に過ぎた状態にあった。

 

『・・・・ぇ・・・・せっ』

 

 マユの意識は仮想された戦場で、失っているハズの片腕が再生された上で、何故か知らないハズのMSを駆ってはいたが、繰り返されるのは、あの光景。

 

 無残な姿になって息耐えた両親、上空で戦う蒼い翼を持つ機体、何より・・・・大好きな兄を無理に連れて行く白い・・・・そう、何故か白くて綺麗な軍の服を着た大人・・・・何故、そんな風にしてられるのか?それを離れた場の土砂に埋もれながら見ていて、そこから導き出した結論は?

 

「ぁ・・・・っ・・・・ぇ、せっ!返せ!」

 

 あの時、自覚はしてないが全ての感覚が鮮明になっていた・・・・光を無くしたような状態の瞳になっているとも知らず。ただ何もかもが理解出来た。

 

「パパを・・・・っ!ママを・・・・っ!お兄ちゃんを返せえええええぇぇぇぇっ!」

 

 凄まじい一方的虐殺ともなる戦いで天ミナの機能と武装を使って既存の敵機を薙ぎ払い続ける。そうしてしまえるのは脳内にある物質が完全に覚醒しきっているともなる現象・・・・この世界を揺るがすキッカケとなったものだが、この年齢で・・・・しかも、生身でいきなり発現させた者はいない、同じ因子を持ってしまった兄ですら到底不可能な域に最悪の形で踏み入った。それこそが、精神が崩壊していると判定された原因・・・・今の彼女は全てを認知して理解してしまえている。

 

 ミナが思うように、目覚めた後に多少訓練するだけで天が与えた存在となるであろう。

 

 

 だが?

 

 

「パパ、ママ・・・・お兄ちゃん・・・・ごめん、なさい・・・・」

 

 破壊する対象が無くなって泣き崩れていた。わかっているのだ・・・・自分がワガママを言ったからだと。

 

『自分の携帯』

 

 山中で、それを落とした時、駄々を捏ねた。

 

 ワガママな娘として、少しおしゃまと言われたのが呪いになっている。兄が取りに行ってくれた。両親は走るのを一旦止めた・・・・その瞬間に自分達を襲った衝撃、流れ弾の下手人・・・・そして、兄を連れて行ってしまった軍人・・・・何より元凶である自分・・・・全てが憎む対象だ。

 

 

 

 

 

 

 

 後に、『この世界の歴史』には、こう記された。マユの両親の遺体を調べた結果、二名には子供達のような因子は無かったと判断した者達の証言を合わせて。

 

『シン・アスカが生きていてくれたら』

 

 そう、ミナにより研ぎ澄まされた刃となったマユを止めてくれただろう唯一の存在が、惨劇が起きていた間に『他からは』確認されてなかったのだ。




 斬れない包丁って本当に危ない。かといって、原作シンみたいに、レイや議長が余計な事ばかりして研ぎ澄まし方を間違えたようなのも危ないが。



前回のアンチ元ネタ一部を私的解説?

 発進直後のインパルス各パーツに取り付いた敵に関しては高山漫画のハイネ登場回が元の発進直後が元だが、あんな風に接近出来るなら私作デュランダルが言うようにミネルバのブリッジ潰す方が楽な気がする。無印でアークエンジェルに取り付いた時のブリッツには及ばないけど。
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