フリーレンぽいエルフの話   作:フリーレンのそっくりさん

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エ・ランテル

今は亡きリ・エスティーゼ王国の領土にあるエ・ランテル。そこはバハルス帝国とスレイン法国との境界が近く様々な国の物資が流れてくる貿易都市としての知名度が高かった。

 

三ヶ国のどこに行くにも旅の準備を整えるのに丁度良い場所なので私もよく通っている便利な都市だ。しかし、毎年の王国と帝国との戦争では国境近くであることもあって、城塞都市として利用されていることが多い。だからそのタイミングに出会した時は大変だった。

 

今では奴隷や自国の民でない人たちを無理やり徴兵したりなんかしないけど、百年前ぐらいまでは見付かると国の為に戦えって無理強いしてくるのだ。

 

それで断ると犯罪者扱いされて捕らえようとしてくる。

レベル10そこらが集まった軍隊である為、殲滅するなら簡単だったど、ヒンメル曰くフリーレンはそう言った行為をなるべく避けるようにしているらしい。理由はヒンメルに言われたから。

 

……ん?

 

漫画のヒンメルと目の前にいるヒンメルとの差別化が出来ておらずその時は混乱したが、私はモンスターやカルマ値が悪に振りきれた存在を除いて無益は殺生はしない主義だった。

 

だからそういう時は、逃げる羽目となり幾度も面倒な思いをした記憶がある。

 

さりとて、王国が帝国に飲み込まれてしまった今、大々的に奴隷禁止令も出されていることだし滅多なことでは同じような目に遇う事もないだろう。

 

 

「おい貴様!何の目的でここへ来た!現在ここは閣下のご命令で一般の通行は厳しく制限されているんだぞ!」

「はい、これ」

 

私は門番からの予想されていた問い掛けに、ジルクニフに用意して貰った許可証を取り出す。

 

「これは閣下直筆の!!!?失礼いたしました!──おい!直ぐに門を開けろ!」

 

途端に焦ったように頭を下げて、門を上げるように他の兵士に命令する門番。

 

「ふふん♪︎」

 

何か自分が偉くなったみたいで鼻が高い。

 

「フリーレン様ってフールーダ様よりずっと長生きなのに子供っぽいところがありますよね」

 

心外だな。私はエルフの寿命だとまだ折り返し地点にも来ていないんだ。

エルフにとって1010歳は全然若い方だよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでフリーレン様。何故この街を訪れたのですか?」

 

「ん?話してなかったけ?」

 

黄金の輝き亭と呼ばれるこの街一番の宿屋。

定職に付かず、旅をしてばかりの私だが最近臨時収入があって懐は温かい。

そこで遅めの昼食を摂っていると弟子からそんなことを聞かれてしまった。

 

「最近、ズーラーノーンがこの街で怪しげな動きを見せているという話を聞いてね。陛下が目を光らせているから大丈夫だと思うんだけど、確認しておきたかったんだ」

「ズーラーノーン?」

「あれ?この前渡した本に乗ってたと思うんだけどもしかして読んでない?」

「……すいません。歴史にはどうも身が入らなくて」

「そっか。でも歴史書も大切だから読んでおいた方がいいよ。じゃないとうっかり伝説の大迷宮のトラップに引っ掛かってひどい目を見たりするんだから」

 

ちなみに伝説の大迷宮のトラップに引っ掛かったっのは私の話だけど今は説明しなくてもいいか。

 

「ズーラーノーンってのはね。アンデッドを崇めるカルト教団のことだよ。世界各国で凶悪なアンデッドや悪魔を街中で解き放ったりしている危ない連中さ」

「成る程、その教団がこの街で今度は悪さをしようとしているかもしれないという話ですね」

「うん。そういうこと」

「なら止めなければならない。ですが私達が動くより皇帝に伝えた方が確実では?」

「いや、この手の話は相手を撹乱する為に流されるウソの可能性が高いんだ。だからフルーダの弟子達や四騎士なんていう大きな戦力を帝国は割いてられない。かと言ってそれ以下の兵士を送られてもアンデッドの生け贄にされるのがオチだよ」

「自由に動ける私達は丁度良かったって訳ですか」

「もし噂が本当で私達だけでやれそうならそのままやるし、無理そうなら陛下に言って戦力を割いて貰おう。百年前ぐらいの帝国ならズーラーノーンには太刀打ち出来なかったけど、今なら最悪フールーダに任せればどうとでもなる」

 

単純な魔法の火力なら私が上だけど、フールーダは私が入れ知恵する前から逸脱者と言われていた高名な魔法詠唱者だ。

逸脱者というのはプレイヤーでもプレイヤーの血を色濃く受け継いだ神人でもないのに、飛び抜けた才能を持つ人間のことで、フールーダは独学で研究し続けた魔法への深い理解によってそう呼ばれることになった。

だから私よりも使える魔法が多く、逃げられても小さな痕跡から地の果てまでだって追いかけることは可能だ。

 

そう言えば最近、フールーダがそうなりたいという願掛けとしてゼーリエに改名してもいいかと聞いてきて、それは私に勝ってからねと軽く否定しておいたが、いつかはゼーリエの名に恥じない大魔法詠唱者になるかもしれない。

 

「フリーレン様?」

「あ、ごめん。少し考え事してた。情報が不確かだからこの街に滞在するのは長くても10日間ぐらいになると思う。もしそれだけ調べても何もなかったら『過去の過ちをやり直す魔法』を探す旅の続きをしようか」

 

ゼーリエで思い出したけど、今の私の弟子はかつて喧嘩別れしてしまった父親との出来事をやり直したくて私に着いてきている。階位魔法にそのようなものはないが古い文献によれば階位魔法がこの世界に広まる前の時代にそんなものがあったらしい。

だから旅をしつつ探しているのだが、それがどことなく葬送のフリーレンの漫画で出てきたフェルンって子と目的が似ているような気がするんだよね。あっちは死んだ育ての親にもう一度会って話す為だけど、こっちは行方不明なのでその捜索も兼ねてるし、ザイン要素もある気がする。

 

絵とは全然見た目は違うし(主に顔つき)、名前もフェルンじゃなくてルンだけど、いつも聞こえるか聞こえないかの声量で頭にフェを付けている。

 

ヒンメル的にはこの子達はありなんだろうか?

 

 

益々次の百年周期が楽しみになった。

この街には行きつけの店も沢山あるし、ヒンメル達に紹介する時になくなっていたら困るから、ちょっと今回は本気を出そうかな。

 

 

 

 

 

 

「ここが、エ・ランテルか。流石に村とは人間の数も活気も桁違いだな」

「はい。まさにゴミ虫の巣窟ですね」

 

──アインズ・ウール・ゴウンの到来まであと0年。

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