ペルソナ5Rにオベロンっぽいキャラがいたら 作:名無しの妖精
カツカツといくつかの固い靴の音が、認知世界の銀行の中で響く。
怪盗団はカネシロパレスに忍び込み、今まさにオタカラへ向かって前進している最中だった。
「さぁ、さっさとオタカラを見つけて帰ろう!」
「……緊張感ってものがないわね」
「初心者の真と違って、ボクはこの世界と付き合いが長いからね!」
胸を張って自慢げに言う真白。
「それにしても、二人のショータイム…随分と派手だったねぇ。ねぇジョーカー、ジョゼのホシを少しだけ見せてもらえるかな?」
彼女は蓮から受け取ったジョゼのホシをさまざまな角度から眺めて、何度か頷くとそれを蓮に丁寧に返した。
「うんうん、これがあればボクももう少し活躍できそうだ。ちょうど目の前に敵がいることだし、ボクに任せておくれ」
彼女が指差す先には、確かにこちらに気がついて走ってくるシャドウがいた。
彼女は仲間を制して前に立つ。
一歩足を進めるごとにパレスの景色が書き換わる。
薄暗い銀行から、黄昏の秋の森へと塗り変わっていく。
彼女は誰かに語りかけるように呟く
「わかっているとも……誰だって、今より少しだけ幸福になりたいんだろう?」
戸惑うシャドウたちを尻目にニヤリと笑った彼女の体が宙へと浮き上がる。
彼女の羽が微かに羽ばたき、光を放った。
「いいとも──『
彼女の体から鱗粉のような光の粒子が舞い散り、シャドウたちに降りかかる。
すると、シャドウたちはがくりと項垂れてその場に立ち尽くす。
それを地面から伸びた木の杭が貫き、全て消滅させた。
すると、金城の声で放送が響き渡る。
『警備員ども、よく聞け!どうやらネズミどもが侵入しているようだ。いいか、絶対に地下へ進ませるな!』
「……さて、オタカラまでの道も後半戦かな?」
「おいおい!」
何事もなかったかのように歩み出そうとする彼女に、怪盗団の一同は声を合わせて彼女を呼び止める。
彼女は本当に何故呼び止められたかわかっていない顔で振り返る。
その背後で、真は額に手を当ててため息を吐いた。
「説明不足、あと自分の理解が共有されていると思ってる。これはあなたの悪い癖よ」
「ははは、そういうことか。ありがとう、生徒会長?」
「……クイーンでお願い。オベロン?」
「はいはい。それじゃあ取り敢えず……何を話したいんだい?」
そう言うと、竜司が真っ先に手を上げる。
真白が少し笑いながら彼を指名すると、彼は少し大きめの声で
「今のすげぇのなんなんだよ!?」
「言っただろう?パンサーとモナがやってたショータイムの応用だ。ボク一人でどうにかなるのが利点かな?」
「すげえな……、でもそれじゃあパンサーとモナがやってたやつは……」
「威力はあちらが上だよ。その代わり、ボクは仕留めきれなかった場合にも少しの間行動を阻害できる。必要に応じて使い分けてくれたまえ」
その言葉に、モルガナが密かに胸を撫で下ろしていると
「さて、このまま進んでしまおうか。今日中にオタカラまでのルートを確定させられるとあとが楽だからね」
「おい、ワガハイのセリフだろ、それ!」
「言わないのが悪いと思うなぁ?」
「ぐぬぬ……」
一人と一匹の言い争いを聞き流しながら、一行は先に進むのであった。