砲艦外交の前に   作:休日

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CP:朝田さん×レミール

R16くらい。

少し改訂、修正。


15砲艦外交の前に浮遊航空艦で朝

 

 

 

 

「んっ……」

 

 佳日と呼んでも良いだろう。いや佳日なんてことを呼べばいつでも佳日になってしまう。

 

 大日本帝国外務省無役の外交官朝田泰司は、美しい銀糸の感触を顔に受けて目を覚ました。

 

 この銀糸の持ち主は、膝下まで流れる真っ直ぐな長い髪を持つ女性、パーパルディア皇国皇族レミール皇女のもの。

 

 昨晩夜を跨いで愛し合った二人は、衣服を着ることも無く、シャワーを浴びることも無く、疲れに任せてベッドに倒れ込んでしまったのだ。

 

 互いに互いを抱き締め合って。

 

「ああ、私はレミール皇女と抱き合って、愛し合って」

 

 目の前にはそのレミールの姿がある。長い髪はベッドにちらばり幾つもの銀線をタコ糸線のように張り巡らせている。

 

 メロンのように大きな胸が二つ豊かに実っている、寝顔はあどけなく普段の厳しさを全く見せない。

 

 美しい肢体が布団も着ないでそこにある。

 

「パーパルディア皇国皇族レミール皇女……」

 

 出逢いは最悪に等しかった。なんだこの高慢ちきで嫌な女はっ?! 私の出逢ってきた女性の中でも最悪から数えた方が早い!!

 

 だが、当時のパーパルディア皇国への繋ぎとして贈り物を何度も贈っている間に、彼女は少しずつ素顔を見せ始めた。

 

 正直を言えばその素顔でさえ煮詰めてゴミ箱に捨ててやろうと考えるくらいに醜悪だった。

 

 後に聞けば、皇族のほとんど、特にレミールは当時の皇帝ルディアスに心酔しきっており、ある種の洗脳状態に置かれていたとか。

 

「私のレミール皇女」

 

 今では誰憚ること無く言えるだろう、まあ他人の前では恥ずかしくて言うことなど出来ないが。

 

 ルディアスが彼女を抱いたりしていなかったことが、個人的には嬉しかった。

 

 交流を続ける間に朝田は自分でも良く分からない感情。自分とは正反対に生きているこの女性を意識していき、またこの女性も他国の一平民を意識し邸に招くようにまで成った。

 

 どうしてこうなったのか、本当に分からない。愛情。それは本当に理解不能な感情だった。

 

 気が付けば朝田はレミールを愛していた。朝田同様にまたレミールも異国の一平民を愛していた。この頃、ルディアスの洗脳は解けていたのだろう、元は聡明だったらしい彼女は次々と対北側との接触についての準備を始めていた。

 

 そうして北側諸国を受け入れ、これに反対したルディアスに皇帝の資格無しと真正面から突きつけたのも彼女、皇位を返上するならば命までは取らないと、従妹のセレミアと決めた措置も反故にされ。

 

 やむなく北側諸国の力も借りて、KMF無頼・グラスゴーの力を見せ付けたたき付け、北側が骨董品と呼ぶ兵器群も借り受け、ルディアスと、皇帝一派の掃討に入ったのだ。少なくない血が流れ、命乞いをするルディアスをセレミアがレミールがギロチンに掛けた。

 

 ことの始終はレミールもその手に掛けたことで見ていた。一度は愛した男の泣き叫ぶ無様な声、ギロチンに掛けられた瞬間のむなしさ。

 

 様々に去来する想いをレミールは朝田の胸に泣きつくことで抑えきった。

 

 

 

 

 砲艦外交の前に浮遊航空艦で朝

 

 

 

 

 その後、彼女は北側諸国の存在もあり、世界の広さを識りたい。赴任先は日本で外交官が良い。行動は常に朝田と二人セットで、バディとして働きたいと、日本側とパーパルディア皇国側双方に伝えたのだ。

 

 日本側にとっては超弱小国の皇女様が自分のやりたいようにやりたいと自発的に申し出ているのだから、断る必要は無い。それと共に、超弱小国とはいえ皇族が日本に来訪するばかりか大使・外交官として赴任する意味は大きいとして受け入れた。

 

 一方のパーパルディア皇国側は荒れに荒れた。とてつもない超大国が相手とは言え皇族をそれも、レミール皇女のような高位の皇族をまるで人質外交のように差し出しても良いのかと。

 

 これにムッとした朝田は『北側諸国は人質外交は行っておりません。そのような時代遅れの政治はいち早く改革して破棄するべきでしょう』と口を挟んだのだ。

 

 当のレミールは朝田の腕を取ってその通りだと良い、古い政治を捨て新しい政治を取り入れていく。これもまた皇国発展のためぞと。朝田を擁護。結局次期皇帝にセレミアを推し、レミールは晴れて外交官となったのだ。

 

 外交官となってからは色々な国を巡った。熱い国、暑い国、寒い国、砂漠の国、沼の国、湖の国、豊かなる国、貧困に喘ぐ国。自身が知らない世界をレミールは見ていった。

 

 そして支援が必要な国でパーパルディア皇国が支援可能であるならば率先して動いた。パーパルディア皇国の国力では不可能ならば北側諸国、主に日本とシーランドの力を貸して頂いた。

 

 日本側も『地域との友好が広がる』と歓迎し、支援を求めてきたレミールを、『無理な自己解決をせず助けを求める勇気も外交官には必要ですからね』と諭、少々激情家な朝田には上司より釘を刺される一面も。

 

 そんなとき、レミールは朝田をかばうのだ『泰司は、あ、朝田外交官は精一杯やっている。見た目だけで評価をするな』どう考えても逆らってはいけない相手に、逆らってまで朝田をかばうのだから。上司としては『良い恋人を持ったな』である。

 

 すでにこの頃。朝田泰司とレミール皇女が恋人関係にある事は日本・パーパルディア皇国の外交関係者なら知っていた。

 

 四六時中ずっと一緒にいるのだ。パーパルディア皇国との接触と砲艦外交の頃から朝田はレミールと共にいた。恋心の一つくらい生まれてもおかしなことでは無いだろう。

 

 やがてそれが二人の情事の噂、確証にまで辿り着き。今後の日本・パーパルディア皇国の関係を考えるに二人の婚姻を進めるべきと言う議題や方針も決取り入れられた。

 

 レミールはパーパルディア皇国の高位皇族。この惑星のこの地域では大国の皇女。故に政治的議題としてあげるべき物として、外務省から上がってきたのだ。

 

 日本側は全会一致で良とした。そしてパーパルディア皇国は、皇族と平民の結婚はどうなのであろうかという今更な議論の蒸し返しを行う者がいたりして少々揉めたが、やはり相手はあの大日本帝国の人間だぞ。その血がパーパルディア皇国皇室に入るのだ。という声が大勢を占め、結果皇帝権限で皇族レミールと日本国平民朝田泰司の婚姻を認める。

 

 と、多少強引なやり方で可決した。

 

 まあ、実際に。事実として二人の情事は噂では無い。

 

 

 この日の朝のように。

 

 眠っているレミール。その美しさに引き寄せられるように、朝田は少し申し訳なくも、彼女の足を抱え上げ愛に進んだ。

 

「あっはああ──!? なッ、なに、がっっああ!?」

 

 長い銀色の髪がベッドの上でうねり広がっている。

 

「すみません、レミール皇女がお美しくて、つい」

 

 我慢が出来なかった。

 

「あっ……、起き抜け、がっ、愛の行為であるとはっ、わ、わたし、もっ、おもわなっ、かったぞ?」

 

「いつまでも綺麗な寝顔を晒しているからっですよ! まるで私に抱いてくださいと言わんばかりっ、でしたっ、」

 

 朝田はレミールの奥まったところにまで進む。

 

「はっ、ああっっ、んっっ……気持ち、いいっ……や、優しく、してくれっ」

 

 頬が赤くなり零れる涙。レミールのしずくが美しい。

 

「そのっ、前にっ、レミール皇女の長い髪っ、御髪をっ、」

 

 レミールの銀色の髪を集める朝田。ほつれたり乱れたりしないようにと、細く白いリボンで結ぶ。なにせ膝下にまで届く長さがあるのだ。

 

 少しの身体の動きでほつれたりすることもままある。といって髪を解いたままの彼女の姿も美しく、朝田はその背徳感の溢れる姿の彼女と幾度も愛し合ったこともあった。

 

 今日はこの後、ムー国への説明。ロウリア戦争の経緯についての説明なども控えているため、髪を結んで行うことにした。後で梳きやすいようにと。

 

 そうしてレミールの艶めかしい長い髪を一つに結ぶと、朝田は事を再開した。

 

「あ、ふうううつ、──レミール皇女っ、レミール皇女っ、貴女を、どれだけ愛してもっ、私の愛は尽きませんっ、尽きる、ものかっ、レミール、皇女っ」

 

「あっ、はあっ、たい、じっ、わ、わたしはっ、おまえの子をっっ、お、おまえのっ、子をっ」

 

 レミールの言わんとしていることは朝田にも伝わる。

 

「ええ、レミール皇女似のっ、美しい子が、いい、ですねっ」

 

「あっ、あァっ、たいじっ、好き、だっ、愛して、いるっっ、私はっ、私はお前がいてくれたからっ、今日までやってこれたのだっ、これからもっ、ずっとっ、永遠に私の傍にっ、いてくれっっ」

 

「私もっ、レミール皇女のことっ、心からっ、愛しておりますっ、レミール皇女のお傍より離れませんっ、永遠にっ、レミール皇女のお傍にいるとっ、誓いますっっ」

 

 愛とは言葉では語れない。言葉で語れる愛にはラインがある。ある一線を越えてしまうと、もう言葉で語ることは出来ないのだ。

 

 髪に触れ、顔を触り。

 

「ん、ちゅ――」

 

 いまレミールと朝田が行っているような口付けを交わし。

 

 身体に触れ、背中に触れ、脚に触れ、大切なるところにも触れ。

 

 そうして身体同士で重なり合い、深く愛を奏でる以外に無くなってしまう。

 

「ああ――――!」

 

 時の終わり。短くも秘めやかなる時の終わり。

 

「くっ……!」

 

 朝田はレミールの中で果て、全てをレミールの中へ。

 

 レミールは朝田と共に果て、朝田の全てを受け取る。

 

 

 二人の朝が始まった。

 

 

 

 

 

 行為後。

 

「レミール皇女。一つよろしいでしょうか」

 

 朝田はレミールの髪を解く、しゅるりと解ける白いリボン、レミールの銀色に輝く髪がざあっと広がる。

 

 その髪を託し持ち、背中へと流す。そうして櫛で梳いていた。膝下まで届く髪を梳くのは重いし大変だが、朝田はこの朝のまったりとした時間が好きだった。

 

 レミールと二人だけで過ごすこの時間が。

 

「なんだ。もうしてみよ」

 

 朝田の入れている櫛がレミールの美しい銀色の長い髪を抜け。また首の後ろから梳くために髪の中へと入る。

 

「私、朝田泰司はレミール皇女との子供、二人は欲しいです」

 

 顔を真っ赤にして言う朝田。直球過ぎて恥ずかしかった。幸せなる家族計画だ。直訳するとレミールに子を産んで欲しいと言っているわけだ。

 

 いずれレミールは朝田の子を産む。これは確実である。その際人数はどれくらいか? 無計画に作るのも良くないが。

 

「泰司、私は泰司の子、三人は産みたいと考えている……多いか?」

 

 レミールも頬を赤らめる。子供を生む話しその物は異星・地球、共通に恥ずかしいようだ。そうでない種族もいるだろうが。

 

「はは、一般的家庭ですね。現在の大日本帝国では三人、四人くらいが普通ですから。圧倒的経済力と福祉技術のおかげで。子育てサービス全般も整っております」

 

「パーパルディア皇国の皇室も多くの子を産むぞ。次代皇帝とならんものを育てんがために。だがまあ、先帝ルディアスの様な失敗例が生まれたりもするが」

 

「皇族も大変ですね」

 

「他人事では無いぞ? 泰司、お前もパーパルディア皇国皇室に入るのだからな。形の上でだが」

 

 朝田は髪を梳いていた手を止める。どうしたと振り向くレミール。きらきらと朝日を浴びている銀色に輝く長い長い髪が。

 

 美しい。宗教画のようだと考えるも彼女は現実の人と頭を被る。それも自分の恋人で有り婚姻までするパーパルディア皇国皇族のレミール皇女だ。

 

 一度頭が冷えたからなのか、朝田に欲が出た。

 

「レミール皇女、やっぱり子供、四人産んでください」

 

「ふふ、泰司が望むなら私は幾人でも産もうぞ。子育ては失敗せぬよう、共に、な♪」

 

「はは。この平民の朝田泰司の‟御子”をパーパルディア皇国皇族レミール皇女に産んでいただくのですから、失敗なんてさせませんよ。仲良く二人で育てましょう」

 

「頼むぞ泰司……」

 

 朱の色に染まるレミールの頬。これから自分が子を産み育てることを考えているのだ。

 

「レミール皇女……」

 

 ん──。

 

 そんな愛おしい彼女に、朝田は──また一つに重なる唇。銀色の長い髪がさらりと流れた。

 

 

 浮遊航空艦デュロ艦内。朝田泰司とレミールの部屋では、朝から愛の時間を過ごす二人の姿の一場面だという。

 

 

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