砲艦外交の前に   作:休日

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小ネタ 別荘地

 

 

 

 別荘地

 

 

 

 

「エストシラント上空1,000mに到着です。艦長以下が致しましょうか」

 

「……」

 

 ぼーっとしている。いつ見ても空から見たエストシラントは美しい。

 

「泰司よ」

 

「はい」

 

「空より見たエストシラントは荘厳で美しいと思わぬか? 北側諸国がこの町に手を入れることを反対する理由、分からぬでも無い」

 

「私も美しいと思います。現代ではもう見られない荘厳なる都市風景・景観。これは次代。次々代へと残していくべき宝でしょう」

 

 この美しい街を東京のような耐震ブロック生の巨大都市に作り替えてしまう。それも一つの魅力であり美しさだが。

 

 この荘厳さを消してしまうには余りに惜しい。北側諸国の内更に西側諸国と呼ばれる国々が特に反対しているとか。

 

 古都の良さを知る大日本帝国も反対に回っているらしい。くだらぬことかも知れぬが、近く西側全諸国を入れたエストシラントの保全決議が成されるそうだ。

 

 ポルトガル王国、イタリア王国、エチオピア王国、スペイン王国、フランス王国、スイス、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク大公国、ドイツ帝国、オーストリア=ハンガリー二重帝国、マグレブ王国、エジプト王国、チュニジア王国、モナコ公国。

 

 ロシア帝国、スウェーデン王国、ノルウェー王国、フィンランド大公国、ギリシャ王国、モンテネグロ王国、セルビア王国、オスマン帝国。

 

 まだあるだろう。とてつもない数の規模だ。北側諸国とは単純に16ヶ国地域と考えていたが、その実数はまるで違う。

 

 あくまでAEUは代表国を北側諸国会議に送っているだけなのだ。その実態が見え始めてきた北側諸国とは、世界一つに匹敵する存在。

 

 その北側全加盟諸国によるエストシラントの保全会議。極小国に過ぎぬ我がパーパルディア皇国の首都を彼らは本気で保全すべきと考え。

 

 反面、クーズや、カース、アルーニや工業都市デュロについては発展を促していく措置を執る。

 

 信じられないが一年から二年内で我が国で本格的な近代軍艦を作り整備できるようにするという見込みを立てているという。

 

 浮遊航空艦やKMFも整備施設は我が国内に作るのと言うのだ。下に恐ろしき北側諸国、とみに大日本帝国、神聖ブリタニア帝国、AEUの技術力生産力・工業力に国力よ。

 

 我が国が500年経とうと斯様な国を作るには至るまい。

 

「艦長っ! 如何しますかっ!」

 

 今上げた全ての国、一国一国が、我々基準での列強を遙かに超えておる。この国々は天災によりこの星に飛ばされてきたと言うが、この星の在り方を変える良き切っ掛けとなるやも知れぬな。この私が変われたように。

 

「艦長っ! どうするんですっ!」

 

 オペレーターががなり立てる中、私の耳にそばだててくる泰司。

 

「レミール皇女」

 

「なんだ」

 

「ずっと呼ばれてますよ」

 

「へ?」

 

「艦長これからどうするんです、指示通り艦長の別荘地付近上空に辿り着きましたが」

 

「艦長、あっ、私だ」

 

『レミール皇女あんたあほかーっっ』

 

 全員がずっこけた。艦長が艦長職を忘れてどうするんだよ。敵と戦闘中だったら大事だ。

 

 レミールは髪を搔きながら方々に謝り、メインモニターに映し出された高度を見る。

 

 高度1,000mそうだな。このまま降下を。

 

「いいんですかい? この下皇女殿下の別荘じゃなかったか?」

 

「かまわぬ。この近くで広い場所と言えば我が別荘地を置いて他に無い。私有地故にムー国のムーゲ大使や報道記者が押しかけてくることも無いからな」

 

 皇都エストシラントの郊外 レミールの別荘地に浮遊航空艦デュロの巨体が降りていく。

 

 軽斑鳩級はカールレオン級と並んで、浮遊航空艦の中では最も小さなサイズとは言え全長にして191m。

 

 別荘地の建物に横付けにして降り立つとそれなりに迫力がある。

 

 発着艦ポートでもない場所に降りた所為で、レミールの別荘の正面の牧草が全て暴風で吹き飛んでしまった。

 

「わ、私の別荘が……ま、丸はげに……」

 

「レミール皇女艦長殿下様がここに降りろって指示したんですぜ」

 

 見事レミールの別荘前は、草木も飛んだ何も無いスポットが出来上がった。

 

「なるほど、ミステリーサークルはこうやって出来上がるのか」

 

 興味深げにこの現象を観察するもの。

 

「はげ上がっちまったなー」

 

「なー」

 

 ただ事実だけを指摘するもの。

 

「泰司、私はどうしたら。そなたを愛しておるのだ。泰司、泰司っ」

 

 朝田にすがりながらひしっと愛おしく抱き着くレミール。愛する彼なら何とかしてくれると思ったのだ。

 

「し、しかし、こればかりはなんとも」

 

 朝田も彼女を抱きしめ、優しく愛おしく銀色の滑らかな長い髪を撫で、背中へと撫で下ろしていく。しかし同時に汗を流す朝田。愛があろうが出来ない物はある。牧草は後で植え直そう。それこそゆっくりと二人で植えなおせば……。ただ……自分もレミール皇女も外交官。外交官にそんな暇はないかもしれない。レミール皇女も使用人は雇っている、最悪お手数をかけることになるが、使用人の方に。

 

 これを提案すると。

 

「そ、そうよな。使用人にも仕事は必要。使用人に頼むのも一考よな。また私たちが休みの日ならば夫婦で野良作業というのもまた良きものよ、」

 

 こうして納得してくれたが、私もレミール皇女も野良作業の経験は無いから、近所の方に指導して貰うことになりそうだ。

 

 

 そしてレミールの別荘地の外には、パーパルディア皇国とロウリア王国の現在の戦況の説明。

 

 そしてその空飛ぶ船は何なのかという好奇心に満ちた記者達が待ち受けていた

 

 

(どんな傾向かを知りたいのもありまして

  • ミリシアル好き
  • ミリシアル嫌い
  • グラ・バルカス好き
  • グラ・バルカス嫌い
  • ロウリアは徹底的にやっちまうべき
  • ロウリアにも救いを
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