砲艦外交の前に   作:休日

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休日×原作世界ゲート×日本国召喚SS投稿します。
戦いも何もありませんよ(^^;


20砲艦外交の前に パーパルディア皇国レミール皇女勉強中

 

 

 ここは地上300階建てのマンションビルの下層階。100階地点。

 

 100階で下層階というのもおかしな話しだが、その下層階の一室。

 

 朝田泰司と表札の張られた下に、もう一つパーパルディア皇国皇族レミールと偉そうに、自己主張の激しい表札が掛けられていた。

 

 態々それ専用の長ーい表札枠まで用意してという入れ込みよう。

 

 この家の主、朝田泰司とレミールは、レミール・パーパルディアでいいでしょうという朝田の意見に、いや、それでは皇室の人間がいるとは分からぬであろう。

 

 という、最もなのか、言いがかりなのか良く分からない言葉に押されて、二つの表札の名前を決めたのだ。

 

 そんな二人の部屋の中。物が散らかってはおらず整理整頓が行き届いている。几帳面な朝田の性格が表れている書斎の机に。

 

 レミール皇女は自分専用に購入したノートPCを置いて、カタカタと色々調べ物をしていた。

 

 まあ要するに勉強中なのである。

 

 レミール皇女はこの星の常識が、大転移してきた北側諸国の常識と全く異なるということを、一年と数ヶ月前に思い知らされた。

 

 間もなく北側諸国会議の開催も待っている。

 

 一つでも多くの知識を頭の中にたたき込んでおかねばならない。

 

 一年前、処刑されたルディアスに心酔する以前はかなり聡明な方だったレミール皇女は、多くの知識を学び取っていった。

 

 まずこの星の常識として最も重要な軍事力。

 

 砲艦外交が基本のこの星なのだ。

 

 最も最初に知るべきであろうが、調べ初めて目を疑うと同時にさじを投げた。

 

 調べても無駄というのはこのこと。軍事力に差が開きすぎていて話にならないのだ。

 

 北側諸国の盟主国は二国存在する。

 

 大日本帝国と、神聖ブリタニア帝国だ。

 

 この二国については分かる。他を圧倒する軍事力を持っていることくらいは。そうでなければ盟主国など名乗れないであろう。

 

 実際に調べてみてそうだった。近代兵器に触れてきた一年。レミール皇女もその凄さ、力、能力についてもある程度理解してきた頃。

 

 F号兵器がなんなのか? 戦艦大和・戦艦ペンドラゴンなどの実力は? 13万t強の航空母艦、5~6万t級の強襲揚陸艦の圧倒的戦闘機の積載能力と打撃能力。

 

 第7世代KMFの量と打撃力。第8.5世代エナジーウィングKMFの機動力に速力。8.5世代機を上回る第9世代KMFという怪物機。そして最早言葉には出来ない戦闘能力を誇る第9.5世代KMF。

 

 地上には60式をしてブリキのおもちゃと称する、第4世代から第5.5世代の戦車が溢れに溢れ。質処か数でさえどうしようもない圧倒的開き──100倍以上の数的差がある。

 

 もちろん詳しく調べた。何の為に駐日大使になったのか? 何の為に外交官になったのか? それはパーパルディアという大きくも小さな世界を飛び出て、もっと広い世界と国を見るためだ。

 

 大日本帝国__

 

 その降り立った地を調べないでどうする? 結果、レミール皇女は魂が抜け掛かってしまった。

 

 まず目に入った700m、800m、900m、そして1000mを優に超える天を突かんばかりの摩天楼群。その群れ、群れ、群れ、最初に降り立った海南島という日本の外れの外れでさえも700,800m級のビルディングが建ち並んでいた。

 

 日本は全土がこの様に発展しており、まだ発展し行く途上にあるという、信じられない高さの東京スカイツリーは2,000mを超え、この国は何処に向かっているのかという疑問すら抱かせた。

 

 その名を『技術の日本』北側諸国の元いた星で、二つ名の超大国という特別な国家であるらしく。確かに何もかもが特別だった。驚愕すべきは2,600年以上の歴史を持ち更に数万年以上も昔の古代国家の系譜にあるという。

 

 ここまで発展するのに何万年と掛かるのか? この2,600年で急速に発展したのか分からないが、古都、ここだけは発展していなかった京都を散策したときには歴史の重みを感じた。

 

 北側諸国が我が国のエストシラントに手を入れることを反対している理由は、古き良き伝統と歴史の重みは大切にすべきと考えているからなのかも知れない。

 

 そうして、台南、台中、台北、鹿児島、熊本、宮崎、南から順に、福岡、広島、神戸、大阪、奈良、京都、名古屋、静岡、神奈川、東京、埼玉、千葉、福島、宮城、岩手、青森、北海道、樺太、千島列島、神坂、千琴、アリューシャン。

 大きく南下し内南洋、日本領外南洋。

 

 列島を横断していった。どこもかしこも発展していた。富士山にも登った。朝田と一緒に見るご来光は素敵だった。

 

 震災が起こると予想されている地区には高さ100m、深さも奥行きも100m以上という、強化耐震ブロック製の防波堤が築かれており。

 

 災害対策には恐ろしいくらいに力を入れていることが分かった。

 

 

 

 そして各地で見た軍事基地。陸も海も強力な軍事力が伺えた。

 

 マッハ4~6.5で空を飛ぶ極超音速戦闘機。

 

 不整地を200㎞近い速さで走る155mm砲を搭載する戦車。

 

 排水量16万tに達する世界最大の戦艦大和型。

 

 マッハ3.75の速度と超高機動力を誇る第9.5世代KMF。

 

 これらの軍事力。

 

 とくに最新版の情報公開された別冊宝大陸2023年度版を見て、こりゃもうダメだと思ってしまった。

 

 ルディアスはこんな国と戦争をしようとしていたのだ。ただの愚か者である。

 

 

 

 砲艦外交の前に パーパルディア皇国レミール皇女勉強中

 

 

 

 新大鳳型後期空母:30艦

 

 新紀伊型強襲揚陸艦:30艦

 

 超重型斑鳩級浮遊航空艦:10艦

 

 重斑鳩級浮遊航空艦:350艦

 

 斑鳩級浮遊航空艦:600艦

 

 軽斑鳩級浮遊航空艦:700艦

 

 小型可翔艦:1250艦

 

 主力水上艦艇:1500艦

 

 小型水上艦艇:520艦

 

 通常揚陸艦その他:2550艦

 

 極超音速ミサイル搭載の極超音速機込み統合打撃戦闘機:18,000機

 

 作戦機:13,000機

 

 戦車・装甲車:123,000両

 

 作戦車両:125,000両

 

 第9.5世代KMF:7騎

 

 第9世代KMF:860騎

 

 第8.5KMF:4,700騎

 

 第7世代KMF:13,000騎

 

 第5世代KMF:21,000騎

 

 第4世代KMF:22,000騎

 

 戦闘用輸送用VTOL:9,500機

 

 大和型戦艦:4艦

 

 戦略潜水艦:300艦

 

 攻撃型潜水艦:500艦

 

 日本海・太平洋・東シナ海・南シナ海に幾つもの人工島基地や通常基地を作ると共に本土にも大量配備、千島、樺太、神坂、千琴、アリューシャン全島、各衛星国に配備。

 

 各F号兵器総数100,000発配備。

 

 

 それぞれの艦艇や戦闘機、KMFの諸元性能等の詳細が載っていなかったが分かる。伊達に一年日本に住んでは居ない。

 

 以前の処ではない。今の最強状態のパーパルディア皇国が1000国あっても勝てない。

 

 F号兵器なんて必要ない。通常戦力だけで充分だ。

 

 次いで、もう一つの盟主国ブリタニア帝国を調べる前に、北側諸国№2の国AEUの軍事力も調べていた

 

 

 皇歴2023(中央歴1640) AEU軍

 

 最高司令官:オーガスタ・ヘンリ・ハイランド皇帝

 

 最高指導者:アドルフ・ヒトラー宰相

 

 次席指導者:ベニート・アミルカレ・アンドレーア・ムッソリーニ(イタリア王国国王)

 

 

 志願制

 

 

 陸海空三軍

 

 

 総兵力:6,500,000名(予備役4,700,000)

 

 作戦機:10,500機(第五世代戦闘攻撃機5,100機、第六世代統合打撃戦闘機2,000機、その他作戦機約3,000機)

 

 VTOL:6,700機

 

 浮遊航空艦艇:205隻

 

 KMF:13,300騎+予備役機7,200騎(スメラギ製・ブリタニア製・AEU製混成。第5第7世代。第8.5世代、第9世代少数騎。第4世代予備役機)

 

 G-1ベース:122両

 

 戦車:18,000両(第3~4世代)

 

 装甲戦闘車両:39,000両

 

 自走砲・野戦砲:26,000門

 

 航空母艦:15隻

 

 主力水上艦艇:320隻

 

 揚陸艦艇:500隻

 

 潜水艦:125隻

 

 他補給艦・支援艦・ミサイル艇・哨戒艇・掃海艦艇等:380隻

 

 各種兵員輸送車等作戦車両多数

 

 F号兵器1,000~2,000発保有

 

 

 今だからなんとも思わない。初めて見たときは文字通りひっくり返った。

 

 な、なんだこれは?! と。これも日本とブリタニアの援助でここまで巨大化したと聞く。

 

 考えてみれば、我がパーパルディア皇国も日本・ブリタニア・AEUを中核とした北側諸国よりの援助で急速に巨大化している最中であるしな。

 

 

 ついでだからと、北側諸国一番の小国の軍事力を映し出していく。

 

 

 シーランド軍2023空・海軍

 

 

 アヴァロン級浮遊航空艦:1

 

 カールレオン級浮遊航空艦:7

 

 88,000t級戦艦:2

 

 80,000t級空母:2

 

 8,800級t巡洋艦:10

 

 7,000t級駆逐艦:30

 

 攻撃型潜水艦:8

 

 第9世代KMF:8騎紅蓮聖天八極式量産型4騎、ランスロット・アルビオン量産型4騎

 

 第8.5世代KMF:68騎ヴィンセント・カスタム68騎

 

 第7世代KMF:200騎ウィンダム100騎、ヴィンセント100騎

 

 第5世代KMF:500騎グロースター200騎、サザーランド300騎

 

 水中用KMF:ポートマンⅡ300騎

 

 水中用KGFヴァル・ヴァロ、シャンブロ多数

 

 

 何なのだろうか? この虚無感。

 

 これで小国などと言われて誰が信じるだろうか?

 

 名まではまだ公開されていないのか? 名付けられていないのか? ネットに出回っていないだけなのか知らぬが。

 

 この88,000t型戦艦1艦でもパーパルディア海軍は全滅する。それが2艦。8万t空母もどうせ搭載しているのは、第六世代統合打撃戦闘機とかいう、無茶苦茶な戦闘機だろう。

 

『レミール皇女』

 

『は、はい、い、いや、なんだ』

 

『もし貴国がロウリア戦争の決を着けない気ならうちがもらうぜ』

 

『あなた!!』

 

『あ、も、もらいますよ』

 

 女王陛下の尻に敷かれていた国王陛下が印象的であったが、シーランド国王陛下は本気のようであった。

 

 私やセレミア、パーパルディア皇国が決着を付けなければ代わりにシーランドがやる。

 

 なんでも我が国の18インチ超電磁砲24門一斉射撃の衝撃波から、シーランド王国の領海にまで、命からがら逃れたロウリアの船団が僅かばかりいたらしい。

 

 シーランド側が領海侵犯を告げても無視されるどころか、火矢まで撃たれ、漁民が怪我をしたとかで、温厚なシーランド国王陛下が珍しく怒ったらしい。

 

 愚かとしか言い様がない。知らぬ事とは言え、シーランド王国は北側諸国の一角だぞ。

 

 それでパーパルディア皇国の二番手にシーランド王国が名乗りを上げると、ファミレスすかいらいくで告げられた。

 

 あの方、あまり高級店には行かないらしい。王妃様が一緒の時は高級店もそれなりに赴かれるらしいが。

 

 庶民派というのか? 私も日本に訪れてからすっかり庶民派になった。いつもの黒を基調としたドレス姿で泰司と共にマスバーガーなどにも行くのだが。じろじろ見られてしまうのだ。

 

 泰司曰く『そんな高級ドレス着てハンバーガーショップに入る外国人ここらで貴女だけですよ!』と。むう、服も選び処だな。

 

 カチカチッ

 

 PCに繋げたマウスをまたいじる。

 

 ブリタニアのも見ようと思ったが軍事力はもう良い。お腹いっぱいだ。我が国はそんな馬鹿な競争からは抜けたが、他の国がこの星のたったこれだけの地域で。列強だの何だのと言っているのは、実に馬鹿げたことだと思う。

 

 大東洋こと北側諸国が本気なら全文明圏が植民地にされるぞ。幸いにも我が国は北側諸国17番目の加盟国となれたので助かったが。

 

 まあ、まだオブザーバーであるがな。

 

「レミール皇女、お昼何になされますか?」

 

 キッチンの方にいる泰司が聞いてくる。

 

「チキンラーメン二玉に卵二つとネギを大盛りで載せてくれ」

 

「またで御座いますか……あまりラーメンばかり食べていらっしゃると、お太りになりますよ?」

 

「サラダもいただこう。それでよいだろう?」

 

「はあ、分かりました……」

 

 私は勉強中は直ぐに食べられるものを食べる。チキンラーメンは美味しいぞ。というか、ラーメン全般が美味しいのだ。

 

 この間、アルデの奴が電話で。

 

『レミール皇女殿下にこの様なことをお頼み致しますのは誠、不敬に御座いますが』

 

「申して見よ」

 

『その、次回の輸入品目に各種インスタント麺とカップラーメンを入れて戴きたいのです」

 

「セレミアの、皇帝陛下の御命令か?」

 

『それが、その、』

 

「よいよい、わかった。入れておこう」

 

『ありがたき幸せにございます!』

 

 カップ麺も、インスタント麺も、すでにパーパルディア皇国には普及している。ハキとイキアも同じようなことで電話を掛けてきた。

 

『なあ、レミールー、なんか珍しいラーメンないか?』

 

 ハキが呼び捨てタメ口で聞いてくるが、別に友達だから良いのだ。

 

「珍しいと言われても日本だけでもかなり広い上に、他国で進化していったインスタント麺もあるからな」

 

 すると、イキアが興味深そうに告げてきた。

 

『なあ、俺も日本に行ってみたいんだけど何とかならないか』

 

「まずパスポートと入国管理の手続きなど色々と必要だぞ」

 

『うへえ、お前やってくれよ皇女様なんだから』

 

「無茶を言うな。私はこちらでもパーパルディアの皇女は皇女だが、一介の外交官でもある。皇室外交は行うが、まさか日本の御帝にパスポート二枚発行してくださいなど不敬なことも言えぬだろうし言うつもりもない。デュロとエストシラントからなら直通便も出ているゆえ手続きを済ませれば良い。交通費もそれ程高くない」

 

 そんな話があるくらいにラーメンは国民食となっている。あとおにぎりとお米がブームだな。農作物は主にクワ・トイネから仕入れているが、米も仕入れているのだ。

 

 パーパルディア皇国では日本食ブームが起きている。

 

 

 さておき。

 

 

 ネット上を調べていると、やけに西海岸という言葉が目立つ。

 

 日本に西海岸はあると言えばあるが、海南島西海岸が日本の西海岸なのだろうか。

 

 まさか南沙諸島のことを言っているのでもあるまいし、台湾だと日本の最西端でもない。

 

 九州も違うだろう。本土四島の西海岸と言えばそうだが。

 

 西海岸とは、我がパーパルディア皇国のような大陸国家で、かつ国土の広い国に於いて使うのが一般的な気もしていたが、違うのだろうか?

 

「大日本帝国西海岸っと」

 

 カチカチッ

 

 やはり出てくるのは、九州、台湾、海南島だ。バラバラで、西海岸地方とは言い難い。

 

 ではネットの検索項目や、候補にも上がってくる西海岸とは何処のことだろうか?

 

「泰司?」

 

 私はチキンラーメンを作っている泰司を呼ぶ。

 

「急かさなくとももう出来てますよ。持って行きます」

 

「ありがとう、それと聞きたいことがあるのだが」

 

 泰司が私の向かいに座らず、こちらへ椅子を持って来て私の隣に座り、膝下へと流れる真っ直ぐな私の銀髪をひと撫で。

 

 前は腰下までの巻き髪だったのだが、今は泰司の勧めもあって真っ直ぐに降ろしているので、毛先が膝下にまで届いてしまうほどに長いのだ。

 

 故に髪の手入れは泰司にして貰っている。愛する男に髪を愛撫されながら手入れをされるのは心地がよい。

 

 そんな泰司は私の髪を数回撫でたところで。

 

「ん――」

 

 口付けをしてきた。軽い口付けで直ぐに唇は離されたが、甘酸っぱさは感じられたので気分が良い。そして、気持ち良かった。

 

「どうなされたのですか」

 

 泰司は私のPCの画面を見る。

 

 そこには、西海岸の文字が多数写っている。

 

「この西海岸というのだが、海南島の西海岸のことか? それとも九州の西海岸か? 私は海南島の西岸地方も、九州島原・長崎・佐世保にも行ったが西海岸という地名は聞いたことが無い」

 

 公務に外交に忙しく、あと、恥ずかしながら泰司との愛し合う時間にも忙しい私は、最近勉学の時間が減っていた。

 

 これではいかぬと今日の休みは、朝は泰司と愛し合って、それ以降は勉強に集中しておったのだが。

 

「ああ、この西海岸ですか。これは、」

 

 泰司は検索項目の処に、神聖ブリタニア帝国西海岸と打ち込んでいく。

 

 ほう、なるほど。ブリタニア西海岸のことであったか。

 

「ここです」

 

 表記されたのは。ワシントンとオレゴンという場所。

 

「いや、泰司よ。これではあまりにエリアが狭いのでは?」

 

 これは確かに西海岸だが、狭い。広さは一国ほどはあるのだが西海岸というにはどうだろう。

 

「これは。海岸線がかなり長いか?」

 

 うむ、いや、しかし、充分西海岸と言えぬでもないか。

 

 よくよく見れば、海岸線もかなり長い。アップで映されているからか気付きにくいが1,000㎞は超えているだろう。

 

「お。気付きましたかそうです確か1,160㎞だったと思いますよ」

 

 なるほど、充分に西海岸だな。

 

 そこにはクルシェフスキー領と表記されている。

 

 クルシェフスキー? 少し背中に汗が出てきた。その名、知っている。あらゆる場所で目にし、耳にする。

 

 確か、神聖ブリタニア帝国シャルル・ジ・ブリタニア皇帝陛下の12の剣、ナイトオブラウンズ。そのナイトオブトゥエルブの名が、モニカ・クルシェフスキー卿……。

 

「そして、もちろんここのことだけではありませんよ。少し縮小しますのでよく見て下さい」

 

 縮小していくと。巨大なブリタニア大陸が映し出されていく。我がパーパルディア皇国のあるフィルアデス大陸と良い勝負をする広さの巨大な大陸だ。これが1個の国なのだというのだから驚かされる。

 

 より巨大な大陸はユーラシア大陸だが、比較しても意味は無かろう。

 

「ここ、ワシントンの北方にブリティッシュコロンビアという大きな地区がありますね」

 

「ああ、あるな」

 

「面積、ご覧ください」

 

「約94万4千㎢。この広さはもう一つの国だな。我がパーパルディア皇国の5分の1近い広さだ。この地域がどうしたのだ?」

 

「これ、子です」

 

「は?」

 

 私の口からは間の抜けた声しか出なかった。子。とは親子の子の事ではなかろう。地域を指しているのだから。

 

「その隣、アルバータという地域がありますが、これも子です」

 

「ま、待て待て泰司よ、何の子だ?!」

 

 滲み出てくる背中の汗が止まらない。

 

「アイダホ、モンタナ、ワイオミング、ネヴァダ、カルフォルニア、ユタ、コロラド、アリゾナ、ニューメキシコ。この辺りまで全部“子”です。この」

 

 とんでもなく広い地域を滔滔と足し上げて行った泰司は、最後に、最初に指にしたワシントンとオレゴン――クルシェフスキー領を指さした。

 

「このクルシェフスキー領領主の子の貴族が治める地域なのですよ」

 

 言葉を失うと同時にぞっとした。貴族に於ける親子は、親とする貴族を盟主と仰ぎ子は親を守り固めるもの。

 

 その貴族家が恐らく一つではなかろう。幾百幾千という大中小の諸侯が、一貴族を盟主として仰いでいる。

 

 こんな巨大貴族が国家の中に居て、反乱も起こさずに国に忠誠を誓っている。信じられぬ。というのが最初に抱いた感想であった。

 

 我がパーパルディアにも貴族の領地はそれなりにあるが、この様な巨大な影響圏を持つ貴族はいない。

 

 当たり前だろう。皇室に反乱を起こす可能性があるのだから。

 

「西海岸とはこの地域全域のことです。恐らくお目にされたでしょうから説明致しますが。その西海岸諸侯の盟主というキーワードはここを指しております」

 

 クルシェフスキー領。ブリタニア西海岸諸侯の盟主。

 

 その影響範囲、広さだけで言えば間違いなくパーパルディアの国土全体と同じか、それよりも広い。それが一貴族の影響圏だとは?! し、信じられぬ。

 

「域内総人口はまあ3億前後と言ったところでしょう」

 

「さッ、3億ッ?! ぱ、パーパルディアの総人口の四倍よりまだ多いというのか?!」

 

「統計を取っておりませんので分かりませんが、そのくらいかと」

 

 こ、これは早速、神聖ブリタニア帝国のことも歴史から詳しく勉強しなくてはいかぬな!

 

「ずるずるずる~~ッ」

 

「なんか、緊迫感だしておいてラーメン食べ始めるのやめて下さいよ。力が抜けますので」

 

 うるさい。今食べねば麺が伸びてしまうではないか。

 

 

 

(どんな傾向かを知りたいのもありまして

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  • ミリシアル嫌い
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  • グラ・バルカス嫌い
  • ロウリアは徹底的にやっちまうべき
  • ロウリアにも救いを
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