「無線連絡、あー・あー・あー・ニイタカヤマノボレ・本日は晴天なり・、大日本帝国最西端海南島よりレミール様を乗せた艦隊が出発と無線に入りました。なおあまりに離れすぎている為中継点を用いました」
国家戦略局・文明圏外外国担当部・南方担当係長だったパルソ。ロウリア王国を支援していた事で今では降格され、一兵卒となってしまった彼は、南方担当部の一室に設置されてある高出力無線通信で入った内容を伝えた。
なお合言葉にして話したニイタカヤマノボレは作戦暗号でも何でもない。一種の挨拶の様なものである。かつて83年ほど前の日ブ太平洋戦争で使われていた暗号だとは誰も知らないだろう。
パーパルディア皇国レミール皇女歓迎艦隊といっても僅か4艦の内の1艦、重巡洋艦パール、航空隊ゼロ式陸上攻撃機20機、駆逐艦ミシュラ、レシーン、クションの計4艦のみすぼらしい艦隊の艦隊司令シウスは。
(いや、数ではない。質こそが重要なのだ)
自身に言い聞かせて、その見たことも無い巨大な艦船を4艦操り、丁度パーパルディア皇国皇都エストシラントの1,000キロ先にあるという、海南島との中間地点で全艦の機関停止を言い渡した。
「しかしいつ見ても巨大だな我が生まれ変わりしパールは」
排水量14,500tに達する重巡洋艦、かつて供与された時は名前のなかった艦パールは、現在皇国史上最強の艦の一つだった。他に軍艦と言えばミールなど恐るべき40,000tの竜母、いな空母は100機のゼロ式艦上戦闘機を搭載できる巨大艦だがあれは例外だ。
いずれにせよこの一番艦パールを含め二番艦フィシャヌス、三番艦ディオス、四番艦ムーライトの力を合わせれば、彼のムーの大戦艦ラ・カサミとて。
そこまで考えて思考を振り切った。その油断こそが慢心なのだ。格下だと勝手に決めつけていた大日本帝国・神聖ブリタニア帝国・AEUはどうだったか?
当時も、今でも、パーパルディア皇国が足元にも及ばない超大国ではないか。そこを肝に銘じねばならない。そして今日の強力となったパーパルディアがあるのも彼の国々による無償援助のお陰だ。
「しかし、それでさえも骨董品か」
彼の国々が本気を出したらどれほどの物だろうか?
見てみたくもあり、見るのが怖くもある。
「レミール皇女殿下ならば彼の国の事をよくご存じかと思うのだが」
前帝、愚帝ルディアス処刑後、レミールは広い世界を見てみたいと申し出て、セレミア皇帝の合意の下、大日本帝国へと渡っていった。
当初は高位の皇族であるレミール皇女が人質に取られたのだと騒ぐ者もいたが、当のレミールから毎日が充実しているという報告が入り、何より大日本帝国政府が。
『人質外交? そんな時代錯誤な古臭い事いまどき行う国は我が北側諸国には存在しません』
ときっぱりと否定されてしまった為に、レミール皇女は自らの意思で外交官とおなりになったのだという認識が広まった。
そんなのんびりとした航海。忘れられないのは駆逐艦の砲撃をフィシャヌス級100門戦列艦に当てた時だ ドウンッ、低く静かな轟音とともに吐き出された12.7㎝連装砲の威力。一撃でフィシャヌス級を木っ端みじんにしてしまった。
あの時の衝撃は忘れられない。たった2門の砲が一撃でフィシャヌス級をバラバラにしてしまったのだから、驚くなと言う方が無理だ。
その後次々に10㎞は離れた位置から砲を命中させていった。やはり一番驚愕を覚えたのは、パール含めた基準排水量14,500t級という恐るべき重巡洋艦の15.5㎝連装砲だった。
あまりに威力が強すぎて、標的の戦列艦を貫通、弾丸は2艦貫通して3艦目で爆発轟沈させるという離れ業を見せた。ああ、ダメだ。こんなのを相手にしていたとしたら生き残れる自信が無い。
演習に参加していた皆が共通して考えた事。これを紙の軍隊だといってポンとくれた北側諸国の恐ろしさ。絶対に怒らせてはならない。絶対に逆らってはならない。
機嫌を損ねれば死が待つのみなのだ。滅びしかないのだ。全く以てこの北側諸国といち早く関係を築くべきだと提唱成されたレミール皇女殿下の先見の明には感服させられる。
駆逐艦ミシュラ型
基準排水量:2,200t
全長:117.5m
全幅:10.8m
吃水:3.80m
機関:ユグドラシルドライブ旧型×3、エナジフィラー×3、65,000馬力
速力:36.0ノット
航続距離:7,000海里
乗員:250名
兵装:12.7㎝連装砲×3基
25㎜連装機銃×2期
61㎝四連装魚雷発射機×3基
爆雷18
同型艦:レシーン、クション、パーズ等
重巡洋艦パール型
使用国:パーパルディア皇国
排水量:14,500t
全長:208.5m
全幅:21.5m
吃水:6.8m
機関:ユグドラシルドライブ旧式×4、エナジーフィラー×4 130,000馬力
速力:34ノット
航続距離:11,000海里
乗員:1,800名
兵装:15.5連装砲×3基6門
12.7㎝連装砲×6基
7.6㎝連装砲×12基
20㎜連装機関砲×12基
同型艦:二番艦フィシャヌス、三番艦ディオス、四番艦ムーライト
ゼロ式艦上戦闘機52型改×360機
ゼロ式陸上攻撃機52型改×240機
ゼロ戦を始め、これからやってくる機体……、かつての特A竜騎士で現在の航空隊エースだろうレクマイヤが言っていたが、ワイバーンオーバーロード程度でこの機体には絶対に勝てない。
速度も機動力も、戦闘能力も違い過ぎると息巻いていた。それと電探、レーダーと呼ばれるものだがこれは遠くから敵機の接近が分かる代物で、こちらの動きは丸裸。
北側諸国はこれをはるかに強力にしたものを保有しているという。当たり前の様に。
正直危なかった、本当にレミール皇女がいなければ、ルディアスの様なやりかたでやっていれば、皇国は滅びていた。
「だが今はその北側諸国が心強い味方となって居る。北側諸国におんぶにだっこはいけないがな。自らは自らで鍛えていく必要があるのだ。……しかし、なんだ? レミール皇女殿下はお土産と重要な情報を持ってくると言っていたが、お土産とはなんだ」
「シ、シ、シ、シウスてて、提督っ」
いきなりレーダー員が変な声を上げて叫んだ。
砲艦外交の前に処女航海やら色々あんだろ。
「どうした?」
どうしたもこうしたも、どうかしたのだろう。でなければ冷静で優秀なる我がパーパルディア皇国軍人が、恥も外聞もなく慌てふためくことは無い。
まあ一年前に散々慌てふためいたわけだが。あれはノーカウントだ。
「す、す、推定250m越えの艦船がこちらに向かってきますっ、それも4艦。更に上空には空飛ぶ船らしきものの存在がっ!」
空飛ぶ船だとっ?! この第三文明圏で空飛ぶ船を、空飛ぶ戦艦を持つのは北側諸国のみ……!
「ぜ、全艦隊員落ち着けっ、恐らく相手は北側諸国の何処かの国だ。粗相のないように、けして発砲などはするなよ。味方だ」
『はっ! シウス提督閣下っ!』
うむ、無線機は楽でいいな。ここに居て全艦隊員に言葉を届けることが出来る。しかし、北側諸国はなんだってこんな時に。特に何かが起きたわけでもなかろうに。こう言っては何だが北側諸国は強すぎる。その強すぎる存在が態々出張ってくる案件……なにかあっただろうか?
『……だ』
ん? 無線から声が聴こえる。
『……ルだ』
無線を使う国は北側より無線を供与された我が国。アルタラス王国。クワ・トイネ公国。クイラ王国。の四か国以外ではこの大東洋・第三文明圏で使う国は。無いはずなのだ。
という事は、この無線は前方からやってくる艦隊からの物。だがまだ遠い為か雑音がひどい。レミール様が特別に頂いたという、レミール様の私邸にある無線機以外は我が国の無線機の出力はそこまで高くない。
それでも200㎞は余裕で届くが、ムーの大使が相変わらず悔しがっていたそうだ。謎の機械群を一体どこで手に入れたのかと。無論吹聴してはならないというお達しが出ていたため、教えることはできない。
その無線が拾って居る声。段々と近く大きくなってくる。それは北側諸国の無線ならば出力も高かろう。まだ私は行った事は無いが、今度長期休暇でも取って東京旅行でもしたいものだ。バルス閣下が自慢していたな。何度バルスと驚いたことかと。
(しかしこの無線機から聞こえる声、どこかで聞き覚えが……?
「……ざ……ざざ……ミルだ……」
ようやく距離が近づいたからなのか、はっきりと聞こえ始めた無線に、私はその場で膝まづきそうになった。
「──私はレミールだ。パーパルディア皇国外交官のレミールだ。前方より来たりし艦隊の長、聴こえているのなら応答せよ」
「レ、レミール様ッッ!?」
知って居るどころか我がパーパルディア皇国皇族レミール皇女であった。
目標人物がいきなり現れた事。その人物が空飛ぶ船まで引き連れている事。
また250mを優に超える巨大艦を引き連れている事に混乱した私は、思わず無線への返事を忘れていた。
『聞こえぬのか? パーパルディア皇国外交官のレミールだ。お土産を以て一時帰郷した』
どこか優越的な発言をするレミール様。やがて向こうの艦隊との距離は縮まり、強大なる艦がこの目の前に姿を現した。
「こ、これは?!」
正直遠目に見てもかなりの巨大艦だという事は見て取れたが、間近で見ると艦橋など見上げすぎて後ろにひっくり返りそうになる。
なんなんだ、この巨大な砲は。人間でも詰めて飛ばすのだろうか? そんな馬鹿な事を考えてしまうくらいに巨大な軍艦だった。
私はこの重巡洋艦パールこそが今やムー国のラ・カサミと同格の、北側諸国を別とすれば最強クラスの戦艦だと考えていたが、これを前にしてはただの小舟に過ぎない。
しかもこれと同等の船が他に三隻浮かんでいる。冗談だろう?! だが事実で現実であり、幻ではない。
その一艦、私の艦の目の前に停止した艦から、黒を基調とした豪奢なドレス、宮廷服飾職人が仕立てたそれよりも豪奢で美しいドレスに、こちらは目を奪われる。
膝下へとまっすぐに伸ばされた流れる長い銀髪はそのままに海風に晒し靡かせ、頭の上に金のサークレットだけを付けた美し過ぎる二十代後半くらいだろう淑女。パーパルディア皇国皇族レミール皇女の姿があった。その隣にはパリッとした黒い衣服。
北側諸国でスーツと呼ばれる衣服を着た三十代前後の眼鏡をかけた男が、レミール皇女の手を取り立っていた。その様子はまるで従者と主というよりは恋人同士の様。あきらかに並び立っている二人。その男、見覚えがあった。確かレミール皇女と懇意にしていた北側諸国の中核国の一つ、大日本帝国の外交官朝田殿であった。
そのお二人がなぜというのは横に置いておいて、今はこの強大なる軍艦の事だ。
「レ、レ、レ、レミール皇女殿下ッ、恐れながらお尋ね申し上げますっ」
「構わぬ。申してみよ」
ああ、何だかレミール皇女殿下、棘が抜けたというか、柔らかくなってはいないだろうか? 日本とは人の性格まで変えてしまう程に豊かな場所なのか?
「こ、これは、この軍艦は」
「おもちゃだ」
レミール皇女は一瞬にして答えてくれた。お。おもちゃ?
「っと、辻卿や北側諸国の首脳方は申しておられた。一撃で沈められるおもちゃであると。ただし、我がパーパルディア皇国の戦力としては申し分ない。無償でご提供くださるということだ」
「む、無償っっ! これを一撃ぃぃぃーッッ!?」
「お前、確かシウスであったな海軍提督の。顔は覚えておる」
美しい銀髪が風に靡く。以前はロールヘアーにしていたから気づかなかったが降ろすと随分長く膝下まで届いている、そして美しい髪だ。レミール皇女の美貌を更に引き立てている。
「お前に一つ教えてやろう」
常識とは掃いて捨てる物らしいぞ
美しい彼女に腑抜けになって居たところへ、ぽーんと、投げ渡された資料を見た私の常識は、瞬間ガラガラと音を立てて崩れ去った。
我が艦隊は最強? ラ・カサミにも負けぬ。小さい。何と小さなことを考えていたのか。
パールネウス型戦艦
基準排水量70180t
満載排水量76800t
全長275m
全幅39m
吃水11.2m
フレイヤ炉搭載
推進器スクリュープロペラ4軸
出力180000馬力
速力32ノット
航続距離∞
乗員2800名
主砲50口径46㎝三連装超電磁砲3基9門
副砲60口径15㎝三連装砲4基12門
対空砲40口径12.5㎝連装高角砲6基
20㎜バルカンファランクス4基
装甲
舷側510㎜
甲板300㎜
主砲防盾750㎜
これを見て今の我が国の戦力を紙っぺらだと揶揄された意味が分かったような気がする。
思えばビデオや本で見た彼の国々の戦艦群。どれもこれもが、これよりもまだ大きかった。砲口径も、この目の前の戦艦よりも巨大だった。
確かにあんなものから見れば、我が国の現在の艦艇も航空機もおもちゃ、紙っぺらに過ぎない。
「シウスよ、まだあるぞ」
レミール様はまた別の資料を投げ渡してきた。態々こちらの高さまで降りてくださりながら。皇女殿下へ下へと降り頂くのは忍びなかったが、そうして頂かなければ風で資料が飛んでしまう。
渡された資料に目を通す。
001式コルベット
基準排水量1100t
満載排水量1315t
全長87.14m
全幅12.00m
吃水3.20m
機関ユグドラシルドライブ旧型
可変ピッチ・プロペラ2軸
速力36ノット
航続距離4000海里
乗員65名
兵装ファランクス20㎜CIWS1基
短SAM4基
SSM4連装発射筒4基
4連装短魚雷発射管2基
艦載機90式VTOL1機
戦術情報処理装置
3次元式レーダー1基
対空捜索用レーダー1基
対水上捜索用レーダー1基
射撃指揮用レーダー1基
電波探知装置
電波妨害装置
通信情報装置
72連装デコイ発射機3基
32連装発煙弾発射機2基
対魚雷デコイ1組
「これを12艦頂いた」
「はあッ!?」
よくよく見てみると、艦隊の周りに小さな艦艇がいくつも機関停止状態で止まっていた。
一見弱そうにも見えるこの小艦艇だがレミール皇女によれば、やり方次第でこのパールネウスをも無力化できるらしく、けして侮ってはいけない艦艇らしい。
「まだある」
軽斑鳩級
全長191m
時速巡航450㎞
最高速度1000㎞
ブースター装着時マッハ2~3
乗員230名
充足時340名
フレイヤ炉搭載
航続距離∞
カールレオン級
全長190m
最高時速960㎞
乗員210名
充足時315名
フレイヤ炉搭載
航続距離∞
「そ、空飛ぶ戦艦まで供与されたのですかあッ?!」
「まだだぞ。こちらは4艦頂いた」
001式戦車揚陸艦・ドック型輸送揚陸艦
基準排水量10500t
満載排水量17000t
全長188m
最大幅27.8m
吃水7.0m
主機001式戦車揚陸艦・ドック型輸送揚陸艦エナジーフィラー×2基
推進器可変ピッチ・プロペラ×2軸
出力35000馬力
最大速力30ノット
乗員195名
兵装20㎜バルカンファランクス機関砲(CIWS)×2基
搭載艇エアクッション型揚陸艇(LCAC)×2隻
レーダー対空捜索用×1基
対水上捜索用×1基
航海用×1基
電子戦および対抗手段8連装デコイ発射機×4基
揚陸能力陸軍部隊520名
民間人輸送1400名
収容能力陸軍部隊520名
60式戦車35輌
VTOL3機
「当然ながら陸上戦力もだ」
出てくるわ出てくるわ、次々と出てくるレミール皇女のお土産。
60式主力戦車
全長8.31m
車体長6.40m
全幅3.0m
全高2.50m(砲塔上の重機関銃を含む高さ3.17m)
重量35.5t
速度時速50㎞
行動距離500㎞
主砲60式55口径90㎜ライフル砲
副武装7.62㎜機関銃
12.8㎜重機関銃
エンジン60式エナジーフィラーエンジン
乗員4名
「リントヴルムを一発で粉みじんにする主砲を持つこの戦車、これが1,000両だ」
「り、リントヴルムを一撃で倒せる砲を持つ機械の車を1,000両!!」
「もう面倒だ後は纏めてある目を通してくれ」
震電改×500機
BF109改×500機
P51マスタング×500機
旧式無頼・旧式グラスゴー×各500騎、軽1000騎
90式VTOL輸送用×500機
「レミール殿下、このシンデンカイやビーエフ109というのは?」
「ゼロ戦よりも強力な戦闘機だそうだ。我が国が北側諸国にオブザーバー参加した事による戦力強化の一環だそうだが、それもまた100年前の骨董品だぞ?」
「あ、あのゼロ戦より強くて骨董品って……私にはもうついて行け──」
「とどめの旧式無頼・旧式グラスゴーはKMFだぞ? お前も覚えていよう。あの鉄の巨人の群れ。あれだ。空は飛べぬし骨董品らしいが新品同然にオーバーホールしてくれたそうだ」
頭がどうにかなりそうだった。ではなにか? 我が皇国は現在ワイバーンオーバーロードよりも強い航空機を2,000機以上保有。
リントヴルムを一撃で破砕する戦車と言う兵器を1,000台保有。
あのKMFを1000騎保有、70,000tを超える化け物みたいな戦艦を4艦。
ラ・カサミに匹敵するような重巡洋艦を4艦。
鋼鉄の駆逐艦を16艦。
コルベット艦とかいう鋼鉄艦船を12艦。
戦車揚陸艦とかいう空母みたいな船を4艦。
そのもの40,000t級の空母を4艦保有。
「だ、第三文明圏を軽く征服できそうな戦力じゃないですか!!」
空に浮かぶ戦艦と、この海域に待機している通称レミール艦隊を見て叫んだ。これだけあれば第三文明圏の覇者になれる。
フィルアデス大陸全土、ロデニウス大陸全土を制圧できる!
そう考えたところで。
「愚かな考えだな。お前も一年前に見ただろう? 大日本帝国・神聖ブリタニア帝国・AEUを中核とした北側諸国の大艦隊を。この今の戦力を持ってさえ北側諸国の最も小さな国、シーランド王国にも勝てぬそうだ」
鬼気迫る話を聞かされている私にレミール皇女は申された。それに──。
「それに我がパーパルディア皇国はその様な愚かな覇権主義を捨てたのだ。最早覇権主義は時代錯誤。といっても彼の国々の元いた世界にも強大なる覇権主義国家が存在していたらしい。全面戦争となれば世界が滅亡しかねない程の相手がな」
せ、世界が滅びる相手って……。
レミール皇女はそこで言葉を切ると。
「シウスよ。このまま合流してエストシラントへ向かうぞ。先導を頼む。何せいきなり顔を見せてはまた騒ぎになる故にな。それとパールネウス級と自動車運搬船は大きすぎて港に入れぬ故沖合で待機する」
自動車運搬船。戦艦パールネウスの後方を見遣ると、レミール様の艦隊に遅れて更に巨大な船が迫って来ていた。
「あれは500,000級の運搬船だそうで、戦車とKMFを運搬してきた、さすがに貸与されただけだがな? ん? どうしたシウスよ」
ご、ごじゅうま……。
「れ、レミール様、常識とは」
「教えてやったであろう。掃いて捨てる物であると」
処女航海や練習航海も出来そうだというレミール皇女の手を「泰司」「はい」と、少し甘さを振りまく様に受け取る朝田泰司外交官。レミール皇女の腰に手を回して抱き寄せながら。
朝田外交官とレミール皇女はパールネウスの艦橋へと消えていった。
(どんな傾向かを知りたいのもありまして
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ミリシアル好き
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ミリシアル嫌い
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グラ・バルカス好き
-
グラ・バルカス嫌い
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ロウリアは徹底的にやっちまうべき
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ロウリアにも救いを