ハリーポッターと花曇の魔女   作:madなサイレント

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賢者の石
ホグワーツに入るまで


さて、これは後の世に語り継がれるほどの魔法使いがどのようにして有名になっていったのかという物語である。

 

この世界には魔法がある。

杖を動かして、呪文を唱えると、風が吹いたり、物が浮いたり、姿かたちが変わったり、ドブネズミを黄色に変えたり、相手にナメクジを吐かせたり...

要するにハリー・ポッターの世界である。

 

さてさてこの世界の1700年を少し過ぎたころ、ある一人の少女がイギリスの深い森の中にある、図書館と言っても差し支えないほど大量の本がある大きな館にいた。

パチュリー・ノーレッジである。

彼女は、東洋で陰陽術と呼ばれている術を使う一族の末裔であった母と、イギリス生まれイギリス育ちの魔法使いであった父を持っていた。

彼女が十を過ぎたころ、彼女の両親は亡くなった。

自分らで新しく作った魔法が実験中に暴走したのである。

彼女は十歳にしてたった一人になったのである。

 

幸いにも彼女は八歳になる頃には一人で生活できる程度には魔法が使え、図書館には読むだけで500年はかかるような量の本があった。それもほぼすべてが魔法書である。

強大な魔力を有するが生まれつきの喘息を持っていたこともあり、彼女がその図書館の中で魔法書を読み、知識を蓄え、魔法に精通していったのも必然であろう。

まず初めに、彼女は両親が研究していた不老不死の魔法を完成させようとした。

頭の回転の速い彼女はこれを完成させるには、神話に出てくるような力を使わなければ不可能だと考えた。

彼女の両親はそれを使うことなく実現させようとしたのである。

 

そこで彼女は考えた。

過去にニコラス・フラメルが完成させた賢者の石を使えば、不老は実現できるのではないかと。

実際に彼女の両親も彼女と同じように賢者の石を使おうとし、それをすでに作っていたのだ。

そして、彼女が12歳になるかならないかという頃についに不老の魔法を創り上げ、自身にかけたのだった。

 

これが彼女が最初に創り上げた魔法である。

 

それから彼女は魔法書を読みながらそこで一人過ごしていった。

 

 

 

 

 

それから時は流れ1992年。

その『ヴワル大魔法図書館』―そう彼女は名付けた―の外から声がした。

その声の主は紅い髪に蝙蝠のような羽の生えた少女である。

 

「パチュリー様ぁ~!パチュリー様宛に手紙が来ましたよ~」

 

「手紙?...あぁ、両親が掛けた結界魔法が少し弱まってるわね。でもよく気付けたわね?どんな人だったの?」

 

「いえ、人間じゃなくて梟です。ほら、可愛いもふもふのこの子です」

 

「...梟が手紙を?」

 

「はい」

 

「鳩とか、飛行魔法とか、郵便配達とかじゃなくて?」

 

「じゃなくてです」

 

私は梟を腕に乗せている小悪魔から梟が運んで来たと言う手紙を受け取り、読んでいた魔法書を机に置いて封を切った。

 

『ホグワーツ魔法魔術学校

 

校長:アルバス・ダンブルドア

 

マーリン勲章勲一等、大魔法使い、魔法戦士隊長、最上級独立魔法使い、国際魔法使い連盟会員

 

親愛なるノーレッジ殿

このたびホグワーツ魔法魔術学校に入学を許可されましたこと、心よりお喜び申し上げます。

教科書並びに必要な教材のリストを同封いたします。

新学期は9月1日に始まります。7月31日必着でふくろう便にてのお返事をお待ちしております。

 

副校長:ミネルバ・マグゴナガル』

 

封筒にはその様な手紙と一緒に教材や、ホグワーツがどのような学校なのかが書かれている紙が入っていた。

ふくろう便というのはこのこあの頭に乗ってる―紅い髪の彼女の名前はこあである―に持たせればいいのだろうか?

 

「なんで今更入学案内が?300年近く魔女やってるパチュリー様が行って学ぶ必要なんてあります?」

 

「多分図書館に掛けていた結界魔法が弱まって私の魔力が少し外に漏れたのね。それを探知魔法か何かで感知して私にふくろう便を送った...まぁこんな感じかしらね?流石に年齢までは分からなかったけれど、今まで私の名前を聞いたことがなかったから子供だと考えて新しく入学させる義務があったんじゃない?年齢はともかくこんな見た目だしね」

 

「あぁ~そんな感じですか~...それでパチュリー様はこの学校に行かれるのですか?」

 

「う~ん、学校なんて行ったことないし、召喚した悪魔の貴方以外と話したこともないし...行ってみようかしらね?昼食を食べ終わったら書いてある必要なものを買いに行きましょう」

 

小悪魔は「分かりました〜♪」と小走りで奥にある調理場に向かい昼食の準備をする。私はペンと紙を取り出して返事を書いて梟に渡し、扉を開けて外に出て飛ばした。

 

そして教材のリストをもう一度見る。

 

「それにしても...私、ホグワーツで学ぶことなんてあるのかしら?」

 

その疑問はもっともである。なんせ彼女にとってその内容は250年以上前にすでにできるようになっているような内容である。

いわば社会人に一桁の足し算の方法を教えているようなものである。

 

 

 

 

 

少し時間がたって昼食後、パチュリーとこあは暖炉の前に立っていた。

 

「パチュリー様ぁ~、買い物に行くんじゃないんです?」

 

「そうよ」

 

「だったらなんで玄関じゃなくて暖炉の前に立っているんです?」

 

「私は使ったことないんだけど、この暖炉も煙突飛行ネットワークにつながっているらしいのよ。もっとも、魔法省に管理はされてないけど」

 

「そうなんです?」

 

「そうと決まればすぐに行くわよ。暖炉の中にフルーパウダーを入れて、炎の中に立って”ダイアゴン横丁”って叫べば行けるはずよ」

 

「了解です!」

 

そうやってパチュリーは生まれて初めて図書館を出たのである。

 

 

 

 

 

「さて、まずは制服から見に行きましょうか」

 

「うぇぇ...はいですぅ...」

 

「...もしかして酔った?」

 

「だ、大丈夫です」

 

「そう」

 

そうしてまっすぐ店の中庭の壁に向かっていった。

 

「えっと...たしかこうやって...」

 

そう言い、メモを見ながら壁のレンガを順番に指で小突いていく。

その瞬間、ただのレンガの壁が大きなアーチに変化していった。

アーチの向こうには活気に満ちた大きな商店街が広がっていた。

 

「さて、制服は何処で仕立ててもらえばいいのかしら?」

 

そういいつつ、大通りの中にあるマダム・マルキンの洋服屋に入っていく。

 

「すみませーん」

 

「はぁーい、ホグワーツの新しい制服?」

 

「そうです。よくわかりましたね?」

 

「この時期に、あなたくらいの子供が一人で服屋に来る用事なんてそれくらいしかないでしょう?」

 

「そういうもんなんですかね?」

 

そんなことを言いながら採寸をささっとして―もちろん魔法で―図書館に届けるように頼んで店を後にする。

次に向かうのは杖屋だ。実のところ、パチュリーは西洋魔術の四大元素と東洋魔術の五大元素、それと日と月の属性の魔法を使えて、そのうち杖が必要なのは西洋魔術のみ。他は霊符や魔導書で行使することができるため、彼女は杖が無くても魔法が使える。

しかし、ホグワーツからの手紙によれば買わなければいけないらしい。

 

「昔適当に私の髪とかで作ったやつを持って行ってもいいんだけれど...せっかくだし専門店で買いましょうか」

 

「むしろ、パチュリー様の髪で杖が作れてしまうんです?」

 

「まぁ、極論を言っちゃえば魔力さえ通せればなんでもいいわけだしね」

 

「そうなんですか」

 

そんなことを話しつつ、大通りを進んで目的の店に向かう。

『オリバンダーの店―紀元前三八二年創業 高級杖メーカー』と書いてある。

中に入ると、店の奥のほうから品のいい呼び鈴が鳴り、一人の老人が出てきた。彼がオリバンダーなんだろう。

 

「いらっしゃいませ。今年からホグワーツですかな?」

 

「ええ、そのために必要な杖を買いに来たのだけれど。」

 

「どちらが杖腕かな?」

 

「利き腕のことなら右手よ」

 

そう言って私は右手を差し出す。

オリバンダーさんは私の右手を丁寧に触り、隅から隅まで細かく測定しながら、杖について簡単な説明をし始めた。

 

「ここの杖は強力な魔力を持ったものを芯に使っております。ユニコーンの鬣や不死鳥の羽、ドラゴンの心臓の琴線。そして素材一つ一つにも些細な違いがあり、同じ杖は一本たりとも存在しないのじゃ。ゆえに、ほかの魔法使いの杖を使っても決して自分の杖ほどの実力を出すことはできない。」

 

計測が終わるとオリバンダーさんはカウンターの後ろの棚の中からいくつか細長い箱を取り出した。

 

「柊、ユニコーンの鬣、24cm、よくしなる」

 

パチュリーは杖を受け取って、軽く振ってみる。赤い光が出るが荒れ狂っている。

 

「だめね。あまりあっていないみたい。」

 

「そのようじゃ。では...これは。ハンノキにドラゴンの心臓の琴線。27cm、持ちやすい。」

 

その杖を振ってみるが、今度はうんともすんとも言わない。

そんなことを繰り返してしばらくして、数百年はほっとかれてたであろう箱から杖を取り出し渡してくる。

 

「ではこの杖を、ウリンに朱雀の羽、26cm、非常に良質でしなやか」

 

するとどうだろう。びっくりするくらいしっくりくる。今まで図書館の庭に生えていた木に、私の髪を芯にしたものなんかとは比べ物にならないほどしっくりくる。

 

「これはすごい!この杖を売る日が来るとは思っておらんかった。これは何十代も前の店主が一度だけ作った杖です。おそらく古今東西朱雀の羽を使って作られた杖はこれ一つだけじゃ。杖は持ち主になる魔法使いを選ぶ。あなたはこの伝説になるような杖に選ばれたんじゃ。」

 

「そう。驚いたわ。でもそんな貴重な杖を売ってしまってよかったの?」

 

「問題ありません。さっきも言った通り、杖が持ち主を選ぶ。あなたはその杖に選ばれた。それだけじゃ。」

 

「ならいいわ。いい杖をありがとう。」

 

そうして店を後にする。

 

「パチュリー様、朱雀の杖なんてすごいです。やっぱりパチュリー様はすごい魔女なんですね」

 

「さて、あとは教科書を買って帰りましょう。」

 

「わかりました!」

 

そうして二人で買い物を終えた後、図書館に帰るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

さて日付は進み9月1日10時頃。

目を真っ赤にして泣いているこあに苦笑いしながら

 

「じゃぁこあ、いってくるわね。図書館の管理は任せたわよ。」

 

「ふぇぇぇ〜〜ん!やっぱ行かないって選択肢はないですか~」

 

「大丈夫よ、クリスマスには帰ってこれるだろうしいい子で待っているのよ。」

 

「はい...」

 

「じゃあ行ってくるわね。ほら泣かないの」

 

「行ってらっしゃい...」

 

そうしてパチュリーはホグワーツに旅立っていった。

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