ハリーポッターと花曇の魔女   作:madなサイレント

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入学初日

図書館を出てすぐに転移魔法―姿くらましではない―を使ってキングズ・クロス駅の人気のない場所に行きそこから、指定されたホームへ向かう。

 

「さて、駅に来たまではいいものの...9と4分の3番線ってどこよ?」

 

ホグワーツの入学式に行くため、すべての準備を整え、手に革製の鞄を持って、パチュリーは9番線と10番線のホームに立っていた。

そして私はホームに立っている柱の一部に魔法がかかっていることを発見した。

 

「よく見たらこの柱魔法が掛かってるじゃない。この柱を通っていくのね。全く、私だから魔法に気付いたけど、ホグワーツに両親が通っていない子はどうするのよ。こんなの相当魔法を使っている人じゃないとわからないじゃない。特に両親がマグルの子とか絶対大変でしょう...」

 

そう悪態をつきながら周りに人がいないことを確認して柱に向かって歩いていく。通った先には赤い古めの蒸気機関車が停まっていた。まだ出発まで一時間近くあるためか人はまばらだ。

まだガラガラの客車に乗り込み、空いてるコンパートメントの中に入って、鞄から本を取り出す。題名は『変身術と陰陽術の式神の違いについての考察』

この鞄は当然のように空間魔法が使われており、どんだけでも荷物を詰め込める。

そのまま背もたれにもたれてその魔法書を読み始める。

 

しばらく時間がたって、列車が動き始める。その時、ノックされ、

「どうぞ」

と答えると扉が開き、ぼさついた茶色い髪の毛の女の子と自信なさげにおどおどしている少年が入ってきた。

 

「ごめんなさい、相席いいかしら?もうどこの席も空いていなくて」

 

「えぇ、いいわよ。1人で使うには広過ぎるもの」

 

「そう!よかった!私はハーマイオニー。ハーマイオニー・グレンジャーよ。よろしくね!」

 

「ぼ、僕は、、、ネビル。ネビル・ロングボトム」

 

「わかったわ。ハーマイオニーにネビルね。私はパチュリー。パチュリー・ノーレッジよ。よろしくね」

 

私は二人に挨拶を返して、再び魔法書を読み始める。

すると突然ネビルが大きな声を上げた。

 

「トレバーが!僕のトレバーがまたいない!」

 

どうやらペットのヒキガエルのトレバーがいなくなったらしい。しかもまたということは過去に何度も抜け出しているらしい。何か対策を考えておけばいいのにと考えるのは私だけなのだろうか。

そんなことを考えているとハーマイオニーが立ち上がって

 

「大変!私たちも一緒に手伝うわ!手分けして探しましょう」

 

そう言ってネビルを連れてすぐにコンパートメントを出て行ってしまう。

 

「はぁー。私は手伝うとも言ってないのに何で勝手に決めつけるのよあの子は。まったくもう。さっさと連れて帰りましょう。」

 

そうして3両目と4両目の連結部分のそばにいたトレバーを捕まえ、結界で逃げれないようにして、連れて行き、コンパートメントの中の席に置いた。

そのことを二人に伝えようと思い再び外に出てしばらく歩いていると、ひょろっとした金髪の少年と、頭の悪そうな大柄の少年が二人歩いてきた。

 

「おや、君もロングボトムのヒキガエル探しかい?」

 

「君もってことはすでにあの二人とあったのね?見つけたからそれを伝えに行こうとしていたところよ」

 

「へぇ、そうかい。なら僕らと一緒にお茶でもしないかい?見つかったんならもういいだろう。」

 

「そうね、それもいいわね。お言葉に甘えようかしら。」

 

「あぁ、いいとも。僕らのコンパートメントはすぐそこだ。」

 

そうしてその少年らのコンパートメントに入り、話始める。

 

「そういえば君はマグル生まれなのかい?」

 

「あら、血統の話?そうね、マグル生まれかと聞かれれば違うけど純潔の魔法使いかと問われればそれも違うわね」

 

「ほう、それはどういうことか聞いても?」

 

「父方はイギリス生まれの純潔の魔法使いだけれど、母方が日本の陰陽術の家系なの。だからマグル生まれではないけど、純潔の魔法使いとも言いがいたいってわけね」

 

「なるほどね。そういえば自己紹介がまだだったね?僕はドラコ・マルフォイ。僕の隣に座っているのがクラップ、君の左がゴイルだ」

 

「そう。私はパチュリー・ノーレッジ。よろしくね」

 

「ノーレッジ...知識ねぇ。君はレイブンクローに入るかもね。」

 

「どうかしらね。あなたたちは血統の話をしたところから考えるとスリザリンかしら」

 

「当然だ。僕の家系はみんなスリザリンさ」

 

「そう」

 

彼女が心の中で「あー、これハーマイオニーよりも話が通じるかも...」と思ったのはここだけの話である。

 

「君は、グレンジャーとロングボトムと友達なのかい?一緒にヒキガエルを探していたけど。」

 

「いえ、まだそこまでの仲じゃないわ。たまたま一緒のコンパートメントに乗り合わせただけよ」

 

「ならあんなのとかかわらないほうがいい。ロングボトムは純潔の家系だがグレンジャーはマグル出身の穢れた血だ」

 

純潔主義ってこんな考え方なのね。本で読んだことはあるけれど実際に見たのは初めてとか考えながら

 

「そう。でも友達くらい自分で選べるわ」

 

と答え、しばらく彼らと話をしていると、コンパートメントの扉が突然バンと開いた。全員で一斉に扉のほうを見ると、そこにはハーマイオニーの顔があった。ハーマイオニーはマルフォイを見て一瞬顔をしかめたが私のほうを向いて、

 

「パチュリー!!こんなところでなんでこんな奴らとお茶なんてしてるのよ!ネビルのヒキガエル探しはどうしたのよ!」

 

「あれは私のカエルじゃないし、あなたが私の返事を聞く前に突然始めたんじゃない。それにもう捕まえて私たちのコンパートメントに放り込んでおいたわ」

 

「ご、ごめんなさい?」

 

まさか、もう見つかっているとは思ってもいなかったらしく、何も反論せず、素直に謝ってきた。

 

「じゃあね、マルフォイ。私は自分のコンパートメントに戻ることにするわ」

 

「ああ、また学校で。あと、僕のことはドラコでいい」

 

そうしてドラコたちのコンパートメントを後にした後、

 

「それで?あなたたちは何をしていたの?」

 

「そう!そうよ!ハリー・ポッターを見たのよ!」

 

「はぁ、ポッターねぇ、そんなにすごいのかしら」

 

―別に死の呪文くらい無効化できるし―って思いながら返すと、ハーマイオニーはそんな私の反応が気に食わなかったらしく、ホグワーツにつくまで、ハリー・ポッターについて語り始めた。パチュリーはパチュリーでそんなハーマイオニーの説明を聞きながら魔法書の続きを読み始めた。少し不機嫌になりながら...

 

そして、ハーマイオニーの解説にうんざりしてきたころ、もうすぐホグワーツにつくのか、列車が速度を落とし始めた。

 

あっ!もう着くんだ。じゃあ話はこのくらいにし...パチュリー!!!」

 

「何よ、急にそんな大きな声を出して」

 

「何でもなにもないわよ。なんであなたまだ制服に着替えてないのよ!」

 

確かに今のパチュリーの恰好は紫と薄紫の縦じまが入ったゆったりとした服に三日月の飾りのついた所謂ZUN帽をかぶっている。

 

「あなたがしゃべり続けていたから着替えるタイミングがなかったんじゃない」

 

「え...?ごめんなさい、私、そんなつもりじゃぁ...」

 

「別に責めているわけじゃないけれど...」

 

そういいつつ、読み途中だった本を閉じて鞄から杖を取り出し、自分のいま着ている服をたたくと、気に入っている帽子以外がホグワーツの制服となった。

それを見て目を丸くしたハーマイオニーが

 

「驚いた!あなた、もうそんなに高度な変身術が使えたのね!」

 

「ぇ、えぇ、まぁ...そうね...ほら、もう行きましょう!」

 

実際のところパチュリーが使ったのは変身術ではなく、鞄の中に入っていた制服と、自分が着ていた服の場所を入れ替る転移魔法だがいちいち訂正するのも面倒くさく、さっさと外に出ることにした。

客車から降りると、少し離れたところに身長が2メートルを軽く超えているような大男がランタンを持って立っており、

 

「イッチ年生!イッチ年生はこっちだ!」

 

と言っていた。しばらくして一年生が全員集まったことを確認すると、大男―ハグリットというらしい―は足元に注意するように言いながらずんずん暗い道を歩いて行った。

しばらく進むと前のほうから大きな歓声が上がった。少し進んでみると、大きな湖の向こうに小高い山があり、その山の上に荘厳の一言に尽きるようなとんでもない大きさの城が建っていていて、それが湖に映されるという非常に幻想的な光景が広がっていた。

その城がこれからパチュリーの入学し七年間過ごす予定のホグワーツである。

 

「4人ずつボートに乗って」

 

と船着き場を指さしながらハグリットが指示を出し、私も空いているボートに乗り、列車で読み途中だった本を再び開き読み始めた。しばらく誰も乗らなかったが、マルフォイやクラップ、ゴイルが近づいてきて、

 

「一緒に乗っていいかい?」

 

と聞いてきたので

 

「構わないわ」

 

と答え、再び本を読み始める。

するとマルフォイが

 

「なんの本を読んでいるんだい?」

 

と聞いてきたので

 

「『変身術と陰陽術の式神の違いについての考察』。今は、変身術で生物となったものと、式神に命を吹き込んだものの違いについての考察と、その証明、実験方法について書かれている章を読んでいる」

 

するとマルフォイがひきつった笑みで

 

「へ、へぇ、すごいんだね」

 

と言ってくる。そんなマルフォイの様子に気づいていないパチュリーは本を読み進め、しばらくして対岸についた。

 

 

 

 

さて、ここでホグワーツの寮について少し説明しよう。ホグワーツには寮が全部で4つあって、それぞれ違った特徴がある。勇猛果敢な騎士道で、勇気あるものが住まうグリフィンドール。古く賢く意欲があれば機知と学びの友を得られるレイブンクロー。忍耐強く真実で苦労を苦労と思わぬハッフルパフ。どんな手段を使っても目的を遂げるスリザリン。そしてその寮を決める組分けには『組分け帽子』と呼ばれる帽子を被ることでその者に合った寮を帽子に決めて貰う。これが入学式だ。

 

 

 

案内役をマクゴナガル先生―手紙を送ってきた副校長―にハグリットが案内を引き継ぎ、校内に入るとハーマイオニーが近寄ってきて

 

「ねぇパチュリー、寮分けの試験には何が出ると思う?やっぱり教科書に載ってあった呪文を紙に書かせるのかしら?」

 

なんて言ってきた。

 

「あのねぇ、初めて魔法について知って入学する子もいるし、そもそも魔法を学ぶ為に入学するのになんで魔法の試験があると思ったの?第一、あなただってまだちゃんと魔法を使ったことなんてないし、合格の通知が来るまで魔法の”ま”の字も知らなかったわけでしょ?なんでそんな不平等な試験をするのよ。あと、寮は性格や思考でわけるそうよ。」

 

「そ、そうだけど...」

 

「まあ、仮に魔法の試験だとしてもそんな大したものは出ないわよ」

 

「そ、それもそうね!」

 

そんな会話をしていると額に特徴的な傷のついた眼鏡の少年と赤毛の少年が目に入った。

私はつい二人に話しかけた。

 

「あなた、もしかしてポッター?その隣の子はウィーズリーかしら」

 

「え?う、うん、そうだけど...そういう君は?」

 

「私はパチュリー・ノーレッジよ。パチュリーって呼んで」

 

「僕はロン。こっちがハリー。僕たちのことは誰から聞いたの?」

 

「さっきドラコ・マルフォイって子から聞いたわ」

 

そういうと二人はあからさまにいやそうな顔をして

 

「悪いことは言わないから、あいつとはかかわらないほうがいいぜ。純潔主義のくそ野郎だ」

 

「ふふふっ」

 

思わず笑ってしまった。

 

「な、なにが可笑しいんだよ!」

 

ロンが突っかかってくる。

 

「いや、ねぇ。だってあいつとはかかわらないほうがいい。碌な奴じゃない。ってドラコと言っていることが同じじゃない。あなたたち案外気が合うのかもね」

 

「「なっ!」」

 

そうして二人は顔を見合わせ、顔を真っ赤にしている。反論はしてこない。いや、できないのだろう。

 

「まぁ、自分の付き合う友達くらい自分で選ぶわよ」

 

そういってその場を離れる。

確かにハリーには死の呪文がかけられた跡がかすかに残っている。それから守った魔法も。それが確認できただけでも面白かった。

するとすぐにマクゴナガル先生が戻ってきて、

 

「さぁ、一列になって。ついてきてください。組み分けの儀式を行いますよ。」

 

マクゴナガル先生に言われた通り、一列に並んでついていき、やがて大広間へと入っていった。その広間には四つの長い机が並んでいて、そこに上級生が座っていた。それぞれの列に座っている生徒の制服が違うことから察するに、寮ごとに並んでいるのだろう。天井には満天の星空が浮かんでおり、なかなかに幻想的だ。また、一番奥にも長い机があり、そこに先生が並んで座っている。

 

「ん?」

 

パチュリーは一人のターバンをした教師に目を向ける。強力な闇の魔術を使ったような形跡があったからだ。

 

マクゴナガル先生が先生たちの机と、生徒の机の間にいすを置き、そこに何度も継ぎ足されたぼろぼろの帽子を置いた。するとその帽子が突然歌いだし、新入生は一瞬面くらったがそのあとは大半の生徒が落ち着いて聞いていた。要約すると、寮の紹介とそのぼろぼろの帽子が新入生を寮分けするという内容であった。歌が終わると、上級生がそろって拍手をして、マクゴナガル先生が大きな紙を持って前に出て、名前を一人一人順番に呼んでいった。

 

最初に呼ばれた生徒が前に出て椅子に座り、帽子をかぶると、帽子が「ハッフルパフ!」と叫んだ。

どうやら人の記憶や経験を覗いて決めているらしい。私は閉心術の応用を使って覗かれたくない記憶をすぐに隠した。

その間にも次々と名前が呼ばれ、とうとうパチュリーの番が来た。

 

「次。パチュリー・ノーレッジ!」

 

「やっと私の番ね」

 

パチュリーは椅子に座り、組分け帽子をかぶった。すると帽子の方から小さな声が聞こえて来た。

 

「お前さん、なんでここにおるんだ?もうここに入る年でもなければ、何かを学ぶ必要もないだろう?」

 

(あら、一応私に入学の案内を送ってきたのはそちらでしょう?面白そうだから来てみることにしたの)

 

と心の中でつぶやく。

 

「それはそうじゃのう。」

 

(それで私は何処の寮になるのかしら?)

 

「むむ...これは難しい。かつてないほど難しい。研究の為ならば苦労を苦労と思わない。さらに膨大な知識を持ってなお、誰よりも強い探求心。どんなものにも恐れない勇敢な思考に、どんな手段を用いてでも成功させようとする狡猾さ。はてさて、どの寮に入れたものかのぅ」

 

そう言って帽子は5分ほどうんうん唸って考え込んでしまう。

そして口を開いたかと思えば...

 

「ぶっちゃけお前さんはどの寮に入りたいとかあるかね?」

 

(ハーマイオニーが入ってたし面白そうだからグリフィンドールがいいかしら。でもこんなこと生徒に聞いていいの?)

 

「承知したでは...グリフィンドール!!...いいんじゃよ。お前さんは特殊すぎるからのう。」

 

 

組分け帽子がそう力強く叫ぶとグリフィンドールの席から歓声が上がった。私は立ち上がってから帽子を脱いで椅子の上に置き、グリフィンドールの生徒が座っているテーブルへと向かう。私はハーマイオニーを探して隣の席に座りほかの生徒に適当に挨拶を済ませた。

すると横に座っていた上級生が話しかけてきた

 

「随分時間がかかったな。ホグワーツ史に名を残すほど長かったもしれないな」

 

その上級生はからかい半分でそう言ってきた。

 

「あら、やっぱり長かったのね。あれ」

 

「まぁかなりな。見ているほうがひやひやしたぜ。なんにせよグリフィンドールへようこそ」

 

「こちらこそよろしくおねがいするわ。」

 

そうしてカッチリ握手までする。

しばらく組分けを眺めて居るとマクゴナガル先生がハリーの名前が呼んだ。グリフィンドールを含めすべての寮の生徒がどこの寮に入るのか興味深そうに眺めて大広間がしーんとなる。そして、しばらくして...

 

「グリフィンドール!」

 

そう組み分け帽子が叫ぶと、グリフィンドールから盛大な歓声と割れんばかりの拍手が聞こえてきた。

 

今日知り合った人は、ハリー、ロン、ハーマイオニー、ネビルがグリフィンドールでドラコ、クラップ、ゴイルがスリザリンだった。

 

そしてもう少し儀式は進み、最後の一人の寮分けが終わったところ、マクゴナガル先生は自分の席に座った。そしてホグワーツの校長、ダンブルドア先生が立ち上がり、前に出てにこやかに話し始める。

わけのわからない挨拶をしたのち、食事をとるように勧められる。確かに此処の料理はこあの作ったご飯に匹敵するほどおいしかった。150年以上パチュリー好みの料理を作ってきたこあに匹敵するってここの料理人はどうなっているんだ...なんて考えつつ、食事をしているとハーマイオニーが話しかけてくる。

 

「パチュリーもグリフィンドールだったのね。正直レイブンクローに行くもんだと思っていたわ」

 

「帽子も私をどこの寮に入れるか随分迷っていたみたいだったわ。でも、性格だけで分けてるわけではないと思うわよ。本当にそれだけで選んでいるんだったら、寮に入る人数に偏りが出ちゃうじゃない」

 

そんな話をしていると後ろから上級生に話しかけられた。

 

「確かに、均等に分けてるわけではないけど、人数に大きな差が生まれることもない。僕はパーシー。パーシー・ウィーズリー。この寮の監督生をしている。」

 

「ハーマイオニー・グレンジャーよ」

 

「パチュリー・ノーレッジよ。ウィーズリーっていうとロンのお兄ちゃん?」

 

「ああ、そうだ。ロンのことを知っているのかい?」

 

「さっき少し話した程度だけどね」

 

「そうかい。ぜひ仲良くしてやってくれ。僕が言うと身内びいきに聞こえるかもしれないけどいい子だよ」

 

「機会があればそうさせてもらうわ」

 

「なんにせよ、私は授業が楽しみだわ!特に変身術の。すごく難しいって言われてるけど...」

 

「あらそうでもないわよ?ハーマイオニー。理論さえしっかり理解してしまえば割と簡単よ。ほら」

 

そう言って杖を燭台のろうそくに向けて変身術を使う。するとそのろうそくは瞬く間に犬のゴーストになった。

それを見てパーシーが目を丸くする。

 

「驚いた。新入生が変身術を使えるだけで驚きなのに、犬に、しかもゴーストに変えてしまうなんて...というか、変身術はそんなこともできたのかい?僕は初めて見たけど...」

 

「変身術はやろうと思えばなんでもできてしまうわよ」

 

そんなことを話しながらおいしい料理を食べ進めていく。

マクゴナガル先生が顎が取れそうなほど口を大きくあんぐりと開けパチュリーのことを見ていたことは彼女は知らない。

 

その後、ダンブルドア先生の教師紹介により、ターバンをした先生はクィレル先生ということが分かった。どうやら彼は闇の魔術に対する防衛術の教師らしい。だったら闇の魔術の使用痕跡があっても不思議じゃないか。

 

 

 

 

料理を粗方食べ終えて多くの生徒が満足したころ、再びダンブルドア先生が前に立って話し始めた

 

「皆、よく食べ、よく飲んだことじゃろう。新学期に入る前に少しお知らせがある。まず一つ。禁じられた森への立ち入りは、文字通り禁じられておる。二つ目に、管理人のフィルチさんから授業の合間に廊下で呪文を使わんでほしいという忠告があった。気を付けるように。また、とても痛い死に方をしたくない者は今年いっぱいは四階右側の廊下には入らんように」

 

これは、禁じられた森には入って廊下で魔法を使えってことかしら。にしてもとても痛い死に方ときた。普通、学校では絶対に聞くことのないような言葉だ。

 

「それでは諸君、よい学校生活を」

 

それを合図にしてパーシーが声を張り上げた。

 

「一年生! 談話室に案内するから僕についてきて!」

 

私はぞろぞろとパーシーについていく一年生の集団に合流する。

 

 

 

私たちは、パーシーについて行ってグリフィンドールの寮の前にやってきた。寮の前といっても、大きな肖像画があるだけだが。周りの上級生によると、肖像画の太った婦人に合言葉を言うと、寮への階段への扉が開いて寮の談話室に入れるようになるらしい。

 

「合言葉は?」

 

肖像画に描かれている太った婦人は、パーシーにそう聞く。

 

「カプート・ドラコニス」

 

そう答えるとゆっくり扉が開いた。

そうして談話室に入るとたくさんの肘掛椅子とソファーが並んでおり、かなり居心地がよさそうである。

私は談話室の奥に女子寮と書かれている扉を開け、螺旋階段を上る。

どうやらここは城にある塔の一つのようだった。

螺旋階段を取り囲むようにして、ドーナツ型の部屋が階層状に並んでいる。

どうやら女子寮は七階建てのようだ。

一年生の部屋が一番上で、最高学年の部屋が一番下になっているようだった。一学年で一つの階らしい。

私は螺旋階段を一番上まで上り、自分の名前の書かれている部屋を見つけ扉を開ける。

そこには真紅のカーテンがかかった天蓋付きのベッドが四つ並んでおり、そのうちの一つに私の荷物は置いてあった。...と言っても少し大きめの革の鞄がちょこんとベッドの上に乗ってるだけだが。

そしてどうやらハーマイオニーと同じ部屋らしい。

 

「これから七年よろしくね!」

 

「こちらこそ」

 

ほかの二人はパーバディとラベンダーというらしい。

パーバディには双子の妹がいてレイブンクローに入ったらしい。

 

「パチュリー、あなた荷物たったのそれだけ?鞄に空間魔法でもかけてるの?」

 

「そのとおりよ」

 

そう答えつついつも通りの恰好―紫と薄紫の縦じまが入ったゆったりとした服―に着替え、驚いて動きを止めたハーマイオニーをよそにさっさと寝ることにした。

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