ダークギャザリング~闇なる者達よ、死に候え~   作:四五茶

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神祖鏖殺
神祖鏖殺―①


 あれから三日後。

 ラブホ跡地の悪霊と化した彼女との戦い後、酷い頭痛と吐き気を覚え、前日に泊まっていた温泉宿に連絡し、たまたま空き室が出来たとのことだったので、念のため三泊四日で泊ることになった。結果、支払い時の金額が中堅会社の管理職の1ヵ月分の手取り分になったのだが、そこは仕方ないと出費だとして割り切るしかない。

 

 一応ではあるが、滅霊会議の中に既になり代わりが紛れ込んでいる件は貞観(じょうかん)闍彌弥子(しゃみなみこ)だけには連絡済みだ。貞観は相変わらず冷静な口調で今後の対応に関して、東照寺内部になり代わりがいるかなどを探ってみると話したが――。

 

『ッハ! 面白い話じゃねぇか! 分かった! もし見つけたら、不慮の事故扱いで処理してやるよ! また電話しておいで、宗海』 

「いや、鳴海という素晴らしい名前が――あ、切れてるし……」

 

 と言った感じで、血気盛んな感じで絶賛ブチギレ状態と化してしまった。もう少し年齢相応な感じで落ち着いた物言いをした方がいいと思うのだが、まー、あのババアにそれを求めるのは少し酷なことかもしれない。

 

「またのご利用お待ちしております♡ 鳴海様♡」

 

 何故か受付の若い女の子から熱い視線ならびに恋する乙女の表情で俺をじっと見ているが、まー、原因は絶対義経なんだろうな。下手糞な口笛で両手を頭に組みながら天井を見上げて知らぬ存ぜぬな顔をしているし、間違いなくお前が原因だな、うん。あの子どっからどう見てもまだ20歳なったかどうかの新人の子じゃん? 俺と倍以上年齢離れている子にお前はナニをしちゃったんですかね、この野郎……! 

 

「あ、あぁ。また利用させてもら――」

「次はいつご予約されますか!? そうですね、直近ですと来週の木曜日はどうでしょうか? あ、急すぎますよね? であれば、再来週の月曜日であれば、次の日に京都観光を一緒にしませんか!? ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「こ、こら! お客様がお困りになられてますよ!? 申し訳ございません、仕事が好きな子でつい――」

「い、いえ! だ、大丈夫です! あ、あは、あははは……」

「仕事よりも私達の将来のことを考えますと、やはり来週の木曜日にしましょう! 私の両親にも顔合わせして欲しいので――」

「このお馬鹿! 流石にもう看過できません! ちょっとこっちに来なさい! 新人教育を一からやり直しますので! 全く、これだから最近の子は……」

 

 義経君? あのさ、何か俺に言いたいことないかな? 

 あ、コイツ、完全に俺のことガン無視してる! 清々しいまでのクズっぷりだな、うん……。

 

 

 

 

「だーかーら! これでも僕は抑えてるんだって! 知ってるかい? 僕は都にいた時はね、そりゃあモテる要素しかない超絶美少年であり、腕っぷしも凄かったし、何より色気が物凄かったのよ! って、運転中だからあんまり喋らない方がいいかなー? ねーねー! 喋ろうよー! そんなに怒らないでよー! やだやだやだやだ! 僕とお喋りしようよー!」

 

 義経の逸話というか、英雄色を好むという言葉を体現した男であり、都にいた際に24人の女性と関係を持ったらしい。都落ちになった後でさえも、10人以上の女性とキャッキャウフフな感じでハーレムしてた奴なので、全国に住まう童貞達からすれば今すぐ滅んで欲しい人間だと俺は思う。

 

「……で、なんで受付の子を抱いたの?」

「いやさ? 鳴海君が何か飲み物欲しいっていうし、全く動くことできなかった時あったじゃん?」

 

 あー、初日の話か?

 確かに体を義経に預け、そのまま意識を失ってたか。

 

「で、鳴海君の体を借りて売店まで買いに行ったわけですよ! そしたらさ? 売店で買い物してた時に、あの子をたまたま見かけてね? 可愛い子だったし、そりゃあお試しでちょちょいのちょいするじゃん?」

「しねぇわ! ちょちょいのちょいっていう表現がオッサンらしいな、このアラサー!」

「ははは! まーまー! 久々の対戦だったし、5回戦もやったよ! あ、なんだっけ? えっと、んー、こんどーむ? いやー、見当たらなかったからさ、まー、いいんじゃないかな?」

 

 ……は? え? ま、まさかとは思うが……?

 え? ちょっと待って? まさかまさかまさか!? そ、そんなことはないよな!? 義経!?

 

「……。お前さ、もし子供出来たらどうするの? え、責任取るの俺なんだが? 当然さ、そこは分かってヤったんでしょ?」

「……ひゅ~……! ……ひゅ~! ゴホゴホ! ひゅ~!」

 

 義経はまた下手糞な口笛を口ずさみ、それだけで全て察すことが出来た。

 はぁ……、胃がズキズキと痛くなってきたんだが? お陰でまた俺の大事な毛根が急激に死滅しそうですね、本当にありがとうございますじゃねぇよ、クソが。

 なんでしっかりと避妊しないんだよ、この馬鹿はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

 

「――で、向かうのはこの場所でいいんだよな?」

「そうそう! まぁ、真夜中に行こう! 一応さ、人払いの結界だけはしておいてね? 身内同士の大事なお話合いをしたくて、ね?」

「はぁ……。まー、この場所の神主とは知り合いだし、事前に連絡だけしておくか」

「さっすが♪ これだから鳴海君は僕の主として超絶優秀だぞ♡」

「……誰かさんは性欲を持て余さなければ、とても素晴らしい守護霊なんですがね」

「……ひゅ~! ……ひゅひゅひゅ~!」

「――はぁ……」

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