元旦からかなり揺れましたね……。
すみません、誤字脱字チェックは明日やりますので、適当に読んでくだされば嬉しいです。
2024.01.5 大幅改稿しました、この方が面白いんじゃね?
「子よ、中々どうして面白い趣向を凝らした催しであったぞ? いやはやどうして、子よ?
俺が今いるこの空間――いや、
この領域は最初に訪れた場所とは異なり、春の訪れを告げるかのような暖かな太陽が場を照らし出し。湖面には何もなかったはずだったというのに、湖面の中央に建てられた武家屋敷を一言で言い表すならば、黄金に彩られた圧倒的贅の無駄遣いを体現せし建物。その建物の中央にある庭園に宴席が設けられ、その宴席に俺は招かれ、いつの間にか手にしていた盃にゆっくりと頼光は酒を注いでいるこの状況は一体何が起こっているというのだ!?
「……仰っている意味が分かりかねますが? いや、それよりもこの場所は一体?」
「む? この場所のことか? 私が住まうに相応しい屋敷ではないか! ふはははは! 源氏万歳!」
何言ってんだ、コイツ……。
「いや、そういう意味ではなくてですね? え? あの……、頼光様? 先程まで殺し合いしてたはずではないですか? で、確か頼光様を倒しましたよね?」
「うむ、敢えて負けた! 負けてやったわ!
そう言いながら頼光は、小馬鹿にするような感じで語り出した。
その事象とは、自我を保てない程義経は狂ってしまい、幽世の世界を延々と彷徨う廃人と化してしまっていたと。
が、そんな廃人と化した義経ではあるが、何かに導かれながら結界の外に向かってゆっくりと歩き続け、結果、無事に結界の外に出た直後に道端に倒れ。たまたま通りかかった通行者にその場を目撃され、通報され、緊急搬送され、現在は何処かの病院の個室で、まるで死体安置所にある死体のように大人しく眠っているとのことだ。
「ようは、だ。子よ、お前は生と死の狭間の世界で再び私にこうして出会い、そして私はお前を愛しい初恋の女を抱くかのようにこうやって大歓迎しているのだ。だってそうだろ? この私にまた鬼殺しを愉しませてくれた子を歓迎しないなど、無礼にも程があるではないか? 礼には礼を尽くす、それが私の美学である。なので子よ? ささ、飲むがいい! この私が振る舞う酒は、神の酒であることを有難く認識しろ! ……ぐいっとな?」
……どうする? この酒を飲むか否か。
ようはだ、頼光は俺との繋がりを更に強くしたいと言っているようなものなのだ。
何たる性悪な男か! 頼光め、契約を交わせと遠回しで言っているようなものではないか!
何故そう感じているか? 簡単なことだ、あの表情を見れば誰だって分かるだろ? ――「私の力が欲しいか? いいだろう、くれてやろう。だが代償は寄越せ、当然であるよな?」というような愉悦の表情をしているのんだぞ!?
そしてここは最悪な頼光の領域であるが故、当然頼光が主導権を握っている――あの義経を廃人と化す程の強大すぎる男に魂を優しく締め付けられているのだ、ふざけた状況すぎる!
「ほ~れ? どうしたぁ? まさかとは思うが……、神の酒を飲めぬとは言わんよな? あ、面白い話をしてやろうか? 試しに
何言ってんだ、この変態……。
「源氏万歳!」とドヤ顔しながらさ、目の前で勃起されても困るんですけど?
で、そのご立派様から俺に御来光を浴びせてくるの本当にやめてくださいませんかね!?
滅茶苦茶煌びやかなのが本当に腹立つんだが? ――あの
「む? 子よ? 何故一緒に叫ばんのだ!? 貴様、ふざけてるのか!? これだから現代っ子は、全く!」
「……」
「ふはははは! どうしてそんな呆けた顔をしておるのだ? 私が美男すぎるからか? っふ、流石は私である! いや、待てよ? あー、酒が苦手な奴も世の中にはおるか? これは失念していたぞ、私。だが安心しろ、子よ? 馳走があるではないか! ささ、目の前にある生肉を喰らうがいい! 私みたいな美男になるにはな、生を愛すのだ、生を! それに、そ・れ・に?
……今、なんて言ったんだ? 聞き間違いか、この生レバーのような肉の正体が――。
「おやおやぁ~? 物覚えが悪い子だなぁ~?
「っ!? よ、頼光ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
その言葉だけで俺の怒りが最高潮に達するのに十二分すぎる程だった!
その叫びが如何に虚しいか、その叫びが如何に絶望的すぎる程か! だからこそ頼光は滑稽そうに笑う、哂う。
そう、この領域は頼光は頼光だけが認めた者しか入れない領域であり、それ即ち神の領域に等しい領域なのだ。
そんな領域に対して、俺は生まれて初めて本気で殺し尽くしたいと思える感情を抱いてしまった! 絶対許さない、許してたまるか!
「ふはははは! 私が丹精込めて用意した酒や肉を拒み、私に対して愛おしき怒りを放つとは、何とも面白き子よな? で、それで? どうしたいのだ? 言ってみろ?」
「お前を殺す! 殺して、殺して、殺し尽くしてやる! 頼光ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
「ふはははは! はーははははは! なんとも滑稽なことか! いいだろう! やってみるがいい! ほれ、私の刀を貸してやろうではないか? ささ、刀を抜いて私を斬ってみせろ? 頭からスパーンと頼んだぞ♡」
が、現実はなんとも非情なことか。びくともしないのだ――絶対にお前如きに抜かせてたまるかという明確な意思を刀と鞘から感じ。俺は思わずその場で膝をガクっと落とし、ただひたすら弁慶の名を呼びながら涙をボロボロと流すことしか出来なかった。
「……ふむ、なるほど? 興覚めだ。戻れ、童子切安綱」
頼光が自分の刀の名を呼ぶと、既に頼光の手には童子切安綱があり。
いつの間にか刀の先端が俺の眉間に優しく当たり、こう告げる――いつでもお前如き斬り殺せる、と。
「お前も言ったではないか、子よ。先程まで殺し合いをしていたはずではないですか、とな? であれば、だ。弁慶の血肉がこうやって出されても文句はあるまい? まー、ちょっとした源氏ジョークという奴だ、許せ。安心しろ、義経も弁慶も無事だ。子よ、すまなかったな」
そう言うとゆっくりと刀を鞘へと収め、その後に大きく手をパンパンと叩く。
その直後、顔を隠した女性達がそそくさと片付けを始め、すぐに別の料理が運ばれてきたのだが、これはどっからどう見ても――。
「ふはははは! 源氏ハンバーグであーる! 大丈夫大丈夫、普通の牛の肉! 源氏、絶対嘘ツカナイ。子よ、普通に喰らえ。さっさと回復してもらわねば困るのだ、私も。だってそうだろ? 源氏の恥晒しが言っておったではないか、やらねばならない戦があるとな? ならその戦の果てに惨たらしく死ね。それまではこの頼光、子に力を貸そうではないか? っふ! 流石は私! なんともお茶目であーる!」
「……無事、なんだよな? 無事なんだよな! 頼光!」
「こらこら、様をつけんか! 様を! うむ、無事だ。言ったろ? 戦の果てに惨たらしく死ねばいいとな?」
……確かに義経はやらねばならない戦いがあるとは言っていた。
で、問題はその戦いの相手が誰であるのか――決まっている、滅霊会議で話していた神代家の神。
富が欲しいか? くれてやろう、ならば娘を寄越せ、生娘をな――それを未来永劫続けろと強要しているあの糞野郎と殺し合いということか!
「……そうか、だから義経は彼女達を成仏させて欲しいと――」
あのラブホ跡地で嫌と言う程思い知らされ、そして誓ったではないか。
魂魄百万回救えないとも分かっていても、俺が救ってみせると! 救わねばならない!
今もなお、あの糞野郎に囚われ続けている
「ふはははは! 涙を流しながら、狗にも劣るかのように貪って喰らうておるか! かつては仏門の身であったのだろ、子よ?」
「黙れ! 喰らえばいいんだろ! それが望みなんだろ! 頼光様!」
「流石は子! まさにその通りである! どうだ? 源氏ハンバーグはさぞ美味であるか! よし、もっと喰らうことを許す!」
「言われなくとも! ――だから俺に力を貸してください、いや、貸してくれ! 頼光! 俺の全てを捧げてもいい! だから黙って力を貸せ! 頼光!」
「――なるほど。
【専門用語等説明】
◎オリジナル要素◎
源氏ハンバーグ……静岡の超絶有名なファミレスに出される鉄板焼きのハンバーグ的なアレな感じ。牛肉100%であり、嘘は言っていない。だって源氏だもの。え? 牛肉の種類? 国産100%。