『まずはWSC王者! 世界1位の現ポケモンマスター、ダンデ選手!
全トレーナーの目標にして憧れ! ガラルの地に反社がいないのは大体この人のおかげ!
対するはガラルノースリーグチャンピオン、世界ランク9位キバナ選手!
本戦ではヤロー選手、フヨウ選手、コクラン選手、カキツバタ選手を下しております!
ヤマブキシティの女学生100人に聞いたアンケート、「付き合いたいジムリーダー部門」1位! 名実ともにマスターズエイトと同格のお方です!』
『世界2位の華麗なる金色女王。シンオウチャンピオンにして女王戦王者シロナ選手!
今年度の全女性トレーナー、オンライン人気投票1位!
彼女の1時間のマンツーマンレッスン代は、むしとりしょうねんのお小遣い2年分に匹敵するとの噂!
対するはカロス四天王にして西欧メガシンカバトルの雄、ランク10位アラン選手!
本戦ではハウ選手、シューティー選手、パキラ選手、シンジ選手に勝利!
彼の働きにより、メガシンカバトルの技術は3年進んだと言われております!』
『世界7位のパルデアチャンピオン、ネモ選手! パルデアが産んだ不世出の寵児、グレープアカデミーOGのバトルマニア!
チャンピオンの中でも圧倒的な親しみやすさで、少年男子層からの人気バツグンです!
対するは現カントー四天王にしてランク13位、ナツメ選手!
本戦ではプリム選手、クロツグ選手、リョウ選手、アマネ選手に勝利!
かつて"ハナダ北研究所壊滅事件"で世間を震撼させた伝説のエスパー少女が蘇る!
なんと最近では女優志望とのこと、個人的に応援しております!』
『世界8位のアローラチャンピオン、デュフォー選手!
2年前の世界選抜大会決勝やミュウツーとの和平交渉、ロケット団壊滅、公式戦無敗――彼が築いた数々の伝説は枚挙に暇がありません!
彼の相棒、ゼオン・ベルは30~40代のママさん達から圧倒的な人気を誇り、非公認ファンクラブも存在するとのこと!
対するは、現役アローラ四天王! ランク14位のグラジオ選手!
本戦ではリーリエ選手、ゲンジ選手、リラ選手、ハラ選手に勝利!
思春期の少年少女達の心をくすぐるファイトスタイルとキャラクターで、若年層から多大な人気を誇ります!』
『世界4位のカントーチャンピオン、ワタル選手!
国際対反社組織の指揮官でもあらせられ、私達の平和と国防に多大な貢献をされている方です!
デュフォー選手とは、任務の間に強い絆で結ばれたとのこと!
対するはブルベリーグ四天王 130位のサトシ選手!
本戦ではコテツ選手、ハヅキ選手、テツヤ選手、イツキ選手を撃破!
グランドカーニバル出場選手の中では最年少の12歳!
公式戦デビュー時から師にデュフォー選手を持つ、新進気鋭のルーキーです!
果たして今大会で師匠を超え、恩返しが出来るのか!』
『世界3位のホウエンチャンピオン!ダイゴ選手!
ツワブキ社の御曹司にして、東洋のメガシンカバトルにこの人あり!
申し込みのあったお見合いの数は100を下らないとの噂!
対するはシンオウ四天王、12位タクト選手!
本戦ではゴヨウ選手、ガンピ選手、クロツグ選手、ネジキ選手に快勝!
ネットで伝説厨と囁かれていたのも今は昔! ロケット団掃討戦での活躍以降、今や多くのトレーナーが彼に弟子入り志願する日々!
デュフォー選手のゼオン・ベルに匹敵する大エース、ダークライが今日も選手たちの夢を喰らい尽くすのか!』
『世界5位、カロスチャンピオン、カルネ選手!
かのガラル法皇を含め、多くの要人やセレブが彼女のバトルと芝居を愛しております!
今大会も多くのスポンサーにご支援いただき、感謝の極みであります!
対するはガラルサウスチャンピオン、世界11位のサイトウ選手!
本戦ではネリネ選手、ミナキ選手、アオキ選手、オニオン選手に勝利!
2年前の選抜大会とロケット団掃討戦以降、メキメキと腕を伸ばし、キバナ選手と双璧を成すまでに成長!
本戦で相見えたかつての戦友達の屍を踏みしめ、武の頂きへと辿り着けるのか!』
『世界6位、イッシュチャンピオン、アイリス選手!
サトシ選手に次ぐ弱冠13歳の新星! 王者に君臨しつつもドラゴンマスターの頂きを未だ目指すあくなき向上心が、今大会でも発揮されるのか!
対するはカントー四天王補佐にしてジョウト王者、185位のモ・コージー選手!
本戦ではコウヘイ選手、タロ選手、ギーマ選手、ナンジャモ選手と熱戦を果たしました!
全試合、バトルアーカイブ見直し必見の名勝負と断言できます!
ランクこそ他選手に一枚劣れど、デュフォー選手が唯一引き分けたその爆発力は本物の強ポケ狩り講師だ!』
『以上の組み合わせで16名がポケモンマスターの座を競います!
それではバトルルールの発表に移りたいと思います!
このグランドカーニバルでは、選手の選択希望制でルールを選定いたします』
ダンデやシロナといった、大会常連のメンツも真剣に実況の言葉に耳を傾ける。
デュフォーはそれを横目に、このルールは本当に本番直前まで秘匿されていた特殊ルールなのだと察しながら、次の言葉を待つ。
『1回戦はポケモン4体を選出するバトルとなりますが、シングルバトルかダブルバトルかの希望を提出することができます。
希望が合致した場合はそのルールで、合致しなかった場合はランダムで決定します。
ポケモンマスターたるもの、どの様なルールにも臨機応変な対応が求められるということでしょうか!』
ルール解説の最中、ゼオンがやきもきした様子でデュフォーへ近寄る。
最初は対戦の相談かと思ったが、そうではないようだ。
「おいデュフォー……オレの非公認ファンクラブってなんだ?」
「さあな。おそらく客席の一角でこちらを見ている、あのマダム達がそうなんだろう。
それより今のルールの話し合いをしてこないとは、随分余裕だな」
「あ、ああ……。ルールならシングルだろうがダブルだろうが、1回戦は新入り達の力を使いオレは出ない手筈だろう。
グラジオとは何度も戦ったが、あいつは侮れない。
どちらかというと、そっちの方が舐めプじゃないのか?」
「ゼオンを出さないのは『侮り』ではなく、温存戦略だ。
ここから先にお前が戦う相手は、最低でも2年前のコージーのマンダやタクトのダークライ、キバナのブリジュラスと同格以上の連中ばかり。
当然全てに勝ってもらうが、ゼオンとて痛手は負うだろう。
あくまで本番は決勝だということを、念頭に置きオーダーを決める必要がある」
決勝戦でゼオンが必ず本調子で登板するという状況を逆算すると、準決勝と1回戦の起用を避け2回戦だけを戦うのが安牌。
デュフォーのオーダーは合理的と言えるだろう。
ゼオンなしで1回戦を勝つ、という前提があればの話だが。
「そのために《アンサー・トーカー》の力を1回戦から全開にして、戦うつもりだ。
ポケモンの運用には極力注意を払うが、オレという資源は出し惜しみしない」
肥え太ったレインボーロケット団の戦力を丸ごと吸収するという作戦を絶った今、このWCSによる優勝は必須条件だ。
ワンミスも許されないというデュフォーの気迫に飲まれたのか、ゼオンはサトシとピカチュウへ言葉をかけようとして既で思いとどまるのだった。
◆◆◆◆◆
ゴーストポケモンは、霊体だけが纏える特殊な瘴気で攻撃を防ぐ。
霊は存在そのものが希薄ゆえ、そうでもしなければまともに外敵からの攻撃に耐えられないからだ。だが同種のゴーストはその瘴気を相殺できる。
だから、ゴースト技同士だと効果バツグンになる――というのが学説だ。
「ならば――何故ドラゴンタイプのポケモンは、自身のタイプでもあるドラゴンの技が効果バツグンになるか、知っているかい?」
「たしか……ドラゴンは同種へのライバル意識が強い種族だから、同族に特化する攻撃能力を持つ、というのを学園で習った気がします」
青年の問いに少年が応え、その解に対する焦点の大きさに青年が言及する。
「もう少し正確に言うと、ドラゴンは同族で自分より強い存在を認められない。否定し合う生き物だ。
もちろん個体差はあり、争いを好まない優しいドラゴンも存在するがね。
それを踏まえた上で先の第1試合、ダンデさんのドラパルトとキバナさんのブリジュラスの戦い――あの戦いの決まり手は何だと思う?
「それは……ドラパルトの実力が勝っていたからでは?」
「いや、実力だけで言えばあの2体は拮抗していた。
むしろあの場面だけで言えば、勝利への気勢はブリジュラスの方が上回っていた。
それでも勝てなかったのは――ブリジュラスは、かつてのWCSであのドラパルトに敗れていたからだ」
ドラゴン同士の戦いは、相手の心身に癒えぬ刻印を刻みつける。
2度と己に逆らってはならないと知らしめるよう、本能にプログラムされているからだ。
「一度敗れた同族に勝つのは容易ではない。
つまり――我がカイリューに君もカイリューをぶつけるというこの選択は、トレーナー同士の優劣を決める以上の重い戦いだということだ、サトシ君」
一般ポケモンの頂点に位置する、
対峙する2頭のカイリューは、戦いが始まってもいないのに、普段の穏やかさから想像も付かぬ、険しい表情を浮かべる。
シュートスタジアムを纏う異様な緊張感と熱気から、
この先の世界を支える未来の宝として、ロケット団掃討に携わった仲間として、ポケモンマスターを目指す同士として――サトシを見守り続けたその優しい瞳に、初めて打倒の意志が宿る。
カントー王者としてのワタルと初めて対峙したサトシは、己に恥じること無く恐怖と緊張、そしてその奥に決意を纏わせる。
(このプレッシャー……! 殺意を除けば、2年前に俺から全てを奪い去っていったJと同じだ!)
Jは邪知深い女ではあったが、ポケモンバトルの実力は敬意を払う程に完成されていた。
今日の相手は彼女と同格かそれ以上。
2年前に絶望を味わったこの壁を、今日こそは超えねばならない。
「覚悟の上です! ワタルさん」
口先だけではないことは、表情でわかる。
ワタルもそれ以上の言及を止め、龍の威を振るうが如くマントを翻す。
「ならば構わない。世界4位にしてカントー王者、ドラゴン使いのワタル――参る!」
「マサラタウンのサトシ、よろしくお願いします!」
『1回戦第7試合――4VS4のシングルバトル、始め!』
試合開始と同時に、極限の集中に入った2人の周りの景色と音が消失。
まばゆい白の無音世界に包まれながら、長年王者として君臨し続けた経験を照らし合わせ、ワタルはこの初期対面への答えを出す。
この開幕のカイリュー対決の結果が、そのまま勝敗の分岐点になる――と。
「行け、カイリュー! ダイマックス!」
いつもありがとうございます。
以下グランドカーニバルに出そうと思って止めたキャラ一覧(観客として登場する予定)
シンジ,グルーシャ→入れるならサトシとぶつけるべきだけど、サトシに戦わせたい枠が満杯だったため泣く泣く取り下げ
マスタード→自分の脳内ではダンデ級。アランとネモをボコボコにする予定だったけどその後どうするん?ってなって取り下げ
ナンジャモ、チリ、アデク、ギーマ、ジンダイ、ネジキ、オモダカ、マリィ、オーバ→枠不足 ギーマはデュフォーと戦わせたかった