ポケットモンスター -紫電のゼオン・ベル-   作:やぶゆー

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7話:2体目 オカシラ

 

 ――ニンゲン達はこの世で未知の生物を"ポケモン"と呼んでいるらしい。

 

『お頭、荒らされた西居住区の修復が終わりました!』

 

『よくやった。ガキ共が的にかけられないよう引き続き警戒しろ』

 

 ――そんなポケモンの中でもここにいる俺達は、ニンゲンと共存する道を拒んだはぐれ者だ。

 

『親分、第五食料庫の蓄えが無くなりそうだ。そろそろでけえ"補充"が必要スね』

 

『おう、明日の幹部会で遠征部隊を組むか』

 

 ――気付いたときには、俺はそんな連中を束ねる役回りになっていた。

 

頭領(ドン)、南の区域に侵入者だ!』

 

 寝床に部下が急報を知らせに駆け込んできたことで、俺はくつろいでいた身体を起こす。

 夜襲とは珍しいな。しかも警戒の強い南から攻めてくるとはどこのアホウだ?

 

『被害と敵の数は?』

 

『ニンゲン一匹とそいつに従って戦ってるポケモン一体だけだ。

 血の気が多い若い衆が何人かふっかけて返り討ちにあってノビてるそうだが、怪我は負わされてねえみたいだしも侵入もされてねえ』

 

『ああ? 侵入者が侵入してねえってどういうことだよ。うまいこと食い止めてるのか?』

 

 報告が理解できずに問いただすと、部下は続けて情報を提示する。

 

『そいつらどうも戦う気は無いみたいで、お頭に会わせろっつって入口前にとどまってるみたいなんだが……』

 

 ああ、来客に対して手荒い歓迎をしちまったってことだな。

 俺と会おうなんて奴は胡散臭さしかないから仕方ねえか。

 

『……ここまで連れてこい。手は出すなよ』

 

 

 

 

 

 7話:二体目 オカシラ

 

 

 

 

 

 岩山と加工された木々で囲った要塞の総本陣で、俺は幹部や舎弟達と共にそいつらを迎え入れる。

 

 手下に先導され、森林から現れた"そいつら"の異質さはひと目見ただけで、わかっちまったよ。

 ニンゲン、ポケモン共に底の見えない雰囲気を醸し出している。

 俺と舎弟に高所から包囲されいつ総攻撃を受けてもおかしくないのに、気後れも緊張も無い。

 双眸からは己の強さへの誇りと、その奥底に怒りと悲しみを宿らせた複雑な輝きを放っている。

 

 その迫力に気圧されまいと俺は幾多の戦いで敵を屠り、傷つき、鍛え抜いた漆黒の両翼を示威する様に広げる。

 

『俺がここの頭だ。くだらん前置きや名乗りは要らん。どうやってここを嗅ぎつけたのかと、俺に会いに来た用件を手短に聞かせろ』

 

 上からの態度で礼を欠きつつも、殺気立てることはしない。

 白銀の布きれを纏ったポケモンの方は見た目がガキでまともに喋れるか怪しいな、と浮かんだ懸念は想像していない形で吹き飛ばされる。

 

『ここに人との共存を拒むポケモン達の大きな集落があることは有名だ』

 

 ポケモンではなく代わりに若いニンゲンのオスが俺の問いに答えたことでその場が一気にざわつく。

 少したまげたが、なんとか態度には出さず受け答える。

 

『ニンゲンが俺達の言葉を喋れるのか?』

 

『ああ、その方が話が早いだろう。ここの長が豪傑の"ドンカラス"だと聞いて、オレの手持ちポケモンになってもらうために来た。

 ひと目見たが、お前の強さは噂に違わぬものだと見受けた』

 

 ドンカラス――たしかに俺の種はニンゲンからはそう呼ばれてはいるし、俺の強さは周囲にそこそこ広まってる自覚はあるが、「仲間になれ」は聞き間違いではないよな。

 

『そいつは光栄だなぁ。で、お前のポケモンになることで俺達にどんな得がある?』

 

『得など無い』

 

 ニンゲンがそう即答し俺は僅かに口をポカンとさせその数瞬後、この場は蜂の巣をつついた騒ぎを見せる。

 

『何ホザいてやがるこのニンゲン!』

 

『お頭がブチギレる前にとっとと失せやがれ!』

 

 騒ぎ立てる舎弟達をしばしの間好きにさせていたが、キリの良いところで制して黙らせる。

 

『話にならねえな。言うことはそれだけか?』

 

 突き放す様な言葉とは裏腹に、このニンゲンから次に放たれる言葉が、己の予想を越えてくるのではないかと期待している俺もいる。

 

『確かにそれだけでは利益はお前には無い。だがお前の力がオレを頂へと持っていけたなら、話は別だ』

 

 回りくどい言い回しをするニンゲンに対し、俺はしばし考えた後『続けてみろ』と先を促す。

 

 ニンゲンは順を追って詳細を語る。

 

 自分たちの現状、

 ニンゲンにはポケモン達を戦わせるポケモントレーナーという存在があること、

 その頂点に立つポケモンマスターをこいつが目指していること、

 ポケモンマスターの絶大な権限を持ってすれば、俺達が安心して住めるくらいの特区を作ることくらいわけはないこと、

 

 俺も配下も黙って一連の話を聞き届ける。

 この話が本当なら確かに条件としては悪くない。だが……

 

『お前の話は筋こそ通っているが、事実だという証拠はこの場で出せないよな』

 

 明日の命と食い扶持が保証されない生き方から脱却できるかもしれない、そんなニンゲンの提案で浮つきかけていた舎弟達は俺の指摘で少し落ち着きを取り戻す。

 俺もここで追及の手を緩める真似はしない。

 

『仮に本当だとしても、お前が「ポケモンマスター」とやらになった後に、約束を履行する保証がどこにある?

 お前がニンゲン界で最強になるほど強くなったのなら、バックレられても俺達は歯向かえず泣き寝入りするしかねえだろ』

 

 ニンゲンが口を開こうとした時、それまで沈黙を貫いていたガキのポケモンがそれを小さく制する。

 

『証明はできない、が現時点でオレ達はお前に誠意を以て接しているという根拠は提示できる』

 

『年の割にしっかり話せるじゃねえか。 で一体どうやって――』

 

 俺が話し終えるのを待たずして、ガキは"力"を開放する。

 

 俺達ポケモンと呼ばれる者達なら誰もが持っている不可視の力。

 その大小はポケモン同士の戦いを大きく作用するほど――乱暴に言っちまえば、こいつがでかい方が強さの基本スペックで上だと言ってもいい。

 

 規格外ともいえる"圧"があっという間に総本陣全てを覆い尽くし、舎弟達を完全に圧倒し萎縮させる。

 ガキは敵意無しにただ戦力の彼我差を披露しただけ。それだけでほとんどの連中との格付けを完了させやがった。

 側近達も取り乱しこそしないものの、息を呑んで身構える。

 

 これで話がしやすくなった、とばかりにガキは年相応の笑みを浮かべた。

 満月が照らす月光で映えるその表情は、視線が合った舎弟共を否応なしにゾクリとさせる。

 

『オレ達には色々な選択肢がある。

 お前達の流儀に則り、群れのボスの座を賭けて正々堂々の決闘を挑む方法。

 他の人間がやってるようにお前の意思に関係なく、ボールでの捕獲を試みる方法。

 搦手を使ってもいいし全面戦争を仕掛けてもいい。

 だがお前とは五分の付き合いの方が良いと考えた』

 

 ――だから手下共を必要以上に痛めつけなかったのか。

 

『無血で対等な交渉を進める、今この状況がお前に対する最大級の待遇だ』

 

 優しく言い回しているが、本質は「格上の此方側が譲歩してやっている」ということだろう。

 

『その気遣いにゃありがたくて涙が出るが、そんな回りくどいことまでして何故俺なんだ?

他にも強いやつはいるし、強くなくても従順な奴を育てりゃいいだろ。育成はお前らニンゲンの十八番だ』

 

『オレ達が求めているのは即戦力、かつ相性で噛み合う奴だ』

 

 ……こういうところはやっぱりガキだな。おかげで大分見えてきた。

 こいつらにはあまり時間がない。まともな戦力はこいつだけのワンマンチームだろう。

 

『ほぉー……お前はどんな種族なんだ?』

 

 相性で噛み合う、とはこのガキとペアで相性を補えるやつのことか。

 俺が相性で明確に有利を取れるのは不可視の力使い(エスパー)化ける連中(ゴースト)、地に伏してる連中、草使い。

 

『こちらの情報はそう簡単に明かせん』

 

 これらに弱いとなると……こいつは岩使い、電気使いか、徒手空拳使い(かくとう)辺りか。

 

『そりゃそうだよな』

 

 全員で襲いかかるのは――無いな。

 幹部未満の連中は対峙しただけで戦意を喪失するだろうし、都合よく勝てたとしてもこちらに大きな被害が出るだろう。

 ただ交渉に来ただけのこいつらを追い払うためにそうなっちまったら、こっちは大損もいいとこだ。

 

 さて、会話での時間稼ぎもそう長くは続かない。どうしたものか――

 

『どうやらお前は返事を先伸ばしたいようだな』

 

 唐突にニンゲンの方が再度口を開く。

 俺の本心を射抜いたニンゲンの眼は、全てを見透かす様な力が宿っている。

 今、俺の鼓動が強く波打ったことも見抜かれているのだろうか。

 

『今日は一度退こう。明日、日の出と真昼間の間くらいにもう一度ここに来る。それまでに結論を出しておけ」

 

 こちらの望みを先回りするかのような案がニンゲンから提示される。が、俺も安堵には至らない。

 

 結論を出せ、はこいつらの建前。その真意は「覚悟を決めろ」なのだろう。

 

 返事を待たせた挙げ句断るナメた真似をこいつらは看過しないはず。

 そうなれば"特区"の話もどうなるかわかったものではない。

 

 明日の猶予期間までに戦闘準備をして迎え撃つなど愚の骨頂。もしバレたら完全に敵に回してしまう。

 

 こいつらは仁義を持っているが、支障となるものへは容赦しない非情さも併せ持つようにみえる。

 俺が今本当にすべきことは――

 

『待て』

 

 修羅場をくぐり続け今日まで生き延びた経験と本能が、このまま帰してはいけないと告げ俺は反射的に呼び止める。

 踵を返そうとしていた2人は立ち止まり、今一度俺を見上げる。その瞳は次に放つ一言から俺を値踏みしようとしてた。

 

『――提案を受けよう』

 

 俺の決断を聞いても、ニンゲンとガキは表情一つ動かさない。

 対象的にだんまりを決め込んでいた舎弟達からは、せきを切った様な喧騒が起きる。

 

『お頭!?』

 

『こいつらを信じていいんすか……!?』

 

 舎弟が戸惑うのも無理もない。しばし黙ってそれを聞き入れていたが、それは一喝によって消し飛ばされる。

 

『騒ぐな』

 

 一度収めた"力"を再び放出させ、舎弟達を沈めさせるとガキは周囲を軽く一瞥する。

 

『お前達をここまで守ってきた長の決意をちゃんと聞け』

 

 後はお前の仕事だ、と言わんばかりにガキは力を収めると、拳を俺に向かって突き上げ不敵に微笑む。

 余計なお膳立てを、そう呟いて俺は小さく笑い返す。

 

 求められているのは本心。ならばそれに応えるだけだ。

 

『――歳も定かじゃねえガキの時分に実の親を殺った』

 

 誰かの息を飲む音が聞こえるほどの静寂。もはや騒ぎ立てるものは誰もいない。

 

『どうしようもねえ親で機嫌が悪くなるといつも殴られてたが、それはまだ我慢できた。

 あいつの寝首を掻いたのは、弟妹達を捨てて敵対種族のエサにしようとしたからだ。

 口減らしと自分達が助かるためだったらしい』

 

 親に捨てられた、という部分で初めてニンゲンの表情が少し揺れ動いた気がした。まあ触れない方が良いな。

 

『その後はまあ、生きてくために色々悪さもやったしド突きあいもした。

 ゴミ漁りの権利を賭けたしょうもない戦いから、縄張り争い、俺達を駆除しようとニンゲン達が送り込んできた連中の相手、とにかくその全てに俺は勝ち続けて今がある。

 お前ら吹き溜まりの連中を纏め上げるお山の大将としてこのまま生涯を終える――さっきまではそう思っていた』

 

 あいつらの目を見て気付かされちまった。俺もあいつらと同じで、全く満たされていないことに。

 

『平和に生きるってのは、大体のニンゲンやそいつらに飼われるポケモン達が生まれた時から当たり前の様に持ってる権利だ。

 それを得るためだけに俺は都度大事なものを失い、世界に差し出してきた。お前らもそうだよな?』

 

 俺の迫力に圧倒されながらも、皆「おお!」と追従する。

 

『ニンゲン共の娯楽を満たすために、ポケモン同士で戦りあって見世物になるってのは正直気に入らねえ。

 だが飢えてる奴同士で、明日の食いものを賭けて仕方なく殺し合うよりはマシだ。

 力を手に入れて、俺達が差し出した分を"取り返す"ってのも悪くねえ』

 

 舎弟共の瞳に力が宿っていく。

 盗った時、奪われた時、傷つけた時、失った時、少しずつ失った光が各々に戻っていくようだ。

 完全にこの場は俺の旅立ちを歓迎する空気になっていた。あとは俺個人の気持ちだけだ。

 

『だが俺がつるむのは俺が気に入った奴だけだ。惚れさせてみろよ』

 

 奴らの返事を待たずして俺は闇夜に羽ばたき、地に舞い降り改めて面を合わせてみる。

 ガキは瞳から紫紺色の光を輝かせ、ニンゲンと共に俺を見返す。

 ポケモンはともかく、近距離で俺から目を反らさないニンゲンは久しく見ていない。

 

『一太刀で十分だ。かかってこい』

 

 ニンゲンは後方に下がり、腰を下ろす。

 自分はガキに指示を出さないという合図だろう。

 『話が早くてわかりやすい』とガキがマントをはためかせ、左手を俺にかざして"力"を練り上げる。

 直後の交錯は驚くほど単純で、しかしそれで十分だった。

 

 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 ――あんた達は偵察に行っててあの戦い見てなかったんだね。

 え? あんたは見てたけど、よくわからなかった? ……まああれは幹部クラスじゃないと見切れないかもね。

 

 ――普通あたしらみたいな存在って、他者の事なんかお構いなしだろ。

 お頭はさ、生きてくため、食っていくため、誰かを守るため、消極的な理由でしか争わないし修行も一切しない。

 それだけであの強さだ。かっこいいだろ?

 小さい頃から戦い続けて、攻撃されまくって、ある日"開眼"したって話さ。

 あたしにはまだ見えない世界だけど、相手の敵意がどこに向いてるか、相手がどのタイミングで攻撃するか、どう打てば自分の攻撃が確実に当たるか先にわかっちまうんだって。

 

 ――ああ、話が横道にそれたね。

 とにかくあの勝負は一瞬だったんだ。

 お互い睨み合ったと思った次の瞬間、お頭はチビとニンゲンの間までひとっ飛びした。

 んで同時にチビの手から電撃が、お頭が元いた場所に打ち込まれてた。

 火力はあたしら幹部クラスと大差無かったけど、発動までの予備動作が全然なかったし疾さも並じゃなかった。

 

 ――すごいのはここからだよ。お頭はそのチビの攻撃を完璧に予測して、紙一重で先んじてチビへの「ふいうち」を決めた。

 けど、チビも当たる頃合いで横っ飛びに回避してて、頬が少し腫れた程度で済ませた。

 あの距離からキメに行ったお頭の直撃を避けた奴は初めて見たよ。

 

 ――そっから先はあっという間。あれだけのやりとりでお頭もチビもお互い気に入っちゃってさ。

 ああ、お頭はあたしらとは住む世界が違う。あのチビはお頭が初めて出会えた、同等以上の次元の住人なんだなってわからせられたよ。

 

 ――でもどちらかというと、底が見えなかったのはあのチビより……

 

 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

『さしあたって考えなければいけなのは、お前らの世話をどうするかだな』

 

 勝負が終わり、俺もニンゲンに着いていくことを決意したところ。

 舎弟共の意見を伺うためのつぶやきだったが、真っ先に反応したのはこの場にいる唯一のニンゲンだった。

 

『左の崖上、先頭にいる"マニューラ"と、一言も喋らず長の後ろに控えている"ヘルガー"。お前らなら代理である程度纏められそうだ』

 

 その横でガキが『オレ達と周囲への警戒を絶やさない2体だったな』と相づちを打つ。

 ――うちのNo2と3をあっさり見抜きやがって。舎弟が横で『こえーよこいつら……』と零す気持ちもわかる。

 

『むかつくけどそいつの言う通りさね。

 あたしは腕っぷしが、ファンドゥラは舎弟共を纏める力が足りてねえけど、2人で補い合えば、しばらくは"保たせ"られるよ。

 こっちに憂いは持たずに行ってきな』

 

 ニンゲンに名指しを受けたレウェヴィルが、崖上から樹上に跳躍し俺とファンドゥラの間に割って入る。

 

(お前らから見てあいつらはどうだ?)

 

(信の置けない薄気味悪い連中だけど、強さは疑う余地が無いね。抗争にならなくてホッとしてるよ)

 

 あいつらに聞こえないよう呟くと、レウェヴィルがそれに応え背後でファンドゥラが黙ってうなずく。

 

(おもしれえ、虎穴に飛び込んでやるよ)

 

 後は任せたぞ。そう言い残し俺は羽ばたき、奴らの間へと割って入った。

 

『長、お前のことはなんと呼べば良い」

 

『舎弟共は好き勝手呼んでやがるな。お頭,親分,首領……何でもござれだ』

 

『じゃあお前は"オカシラ"で決まりだな』

 

『異議なし』

 

 適当だろこいつら。なら俺も勝手にさせてもらうぞ。

 

『ならニンゲンは頭の形から"ツンツン"でポケモンの方は見た目から"ガキ"だな』

 

『好きにしろ。呼び名など何の意味もない』

 

『デュフォー、勝手に仕切るな! おい、オレはガキじゃない。ゼオンという名がある』

 

『それより仲間が加わったことだし、サトシから教わった決めポーズをした方がいいか?』

 

『やめてくれ! オレまで変な奴に思われる!』

 

『あとさっきオカシラとの交渉でゼオンが引き継いだ後だが、発言に改善する余地がいくつかあったぞ。後で反省会だな』

 

『クッ……そういうことは皆がいる場で言わずとも良いだろう!』

 

 無表情のツンツンに対してガキが年相応の様相で食って掛かり、張り詰めっぱなしだった場の空気が少し緩んでいった。

 

『ククッ……お前らと必要以上に馴れ合う気は無いが、こういう馬鹿話が全く無いのもつまんねえからな。まあこれからよろしく頼むぜ』

 

 ――しばし後、こいつらが計画している地獄のタイムテーブルを聞いてひっくり返ることになるのだが、そんなことは露知らず俺は呑気に喉を鳴らしていた。

 

 

 ポケモンリーグのエントリー期限まで 残り140時間

 




片平巡査システムを1回やってみたかったです。
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