溺死さんが朱色になる話 作:屍肉料理人
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『クッソ…敗だ…た!』
『ま……偽の……と…な…』
『せめ…所長…………死守せ……!』
『頼…所…生き……れ』
『僕……分……貴方……し……』
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【場所:???】
「………は?」
……変な夢を見たと思ったら、いつの間にか辺り一面☆まっ☆かっ☆か☆なんやが?
…というか血なまぐさい臭いが充満しとるってことはこれ、全部血なんよな。
いや…え?
風呂場で寝落ちしたら血の風呂に入れられるってなんちゅうドッキリ?
…てかいつの間にか服も着せられとるし。
しかも風呂入る前に着とったスウェットじゃ無くて出勤用のスラックスとワイシャツに変えられとるし……。
いやー…手のこんだドッキリやなぁ……。
スゥーーーー……よし…現実逃避終了……。
まず、目を逸しとったけど血の池に普通に死体混入しとるし…。
そもそもこんなドッキリを仕掛けてくるような親しい友達はワイにはおらん。(泣)
血も本物みたいやし…体の感覚もある。
いまだに呑み込めんが……。
これは、現実…なんやろうな……。
というかそもそも風呂場で寝落ちした時点で死亡フラグ立っとるんよね……。
あと、一瞬血の池地獄が頭をよぎったけど普通に裏路地みたいな、建物に挟まれた場所やし違うんよな。
…………つまりこれは十中八九転生したってことなんやろうな……。
…それもこの光景を見るに九割九分九厘ろくでもないタイプの世界やな……。
……今更やけどこの体、どうやらワイのがそのままこの地獄にぶち込まれたってわけじゃなさそうなんよな…立ってみたら視線高いし、(180 位?)髪の色も見える限り元の黒髪じゃないしな。
あと、こっちの世界の記憶もしっかり残っとるみたいやし……。
二人分の記憶のせいで容量パンパンで頭がいてぇ……。
まぁでも、そのおかげでこの光景にも耐えられとるんやろうな……。
前世の俺なら耐えられんかったやろうし。(確信)
この体の精神力様々やで。
……てか、なんでラノベの主人公って元の体で転生するタイプでも人殺して何も感じんとか言うんやろうか…まぁ普通に考えると毎回人殺すたびにオドオドしとる主人公は嫌やろうしな…テンポよくするためなんやろうけど、客観的に見るとサイコパスなんよな…(偏見)
おっとっと、話がそれたな…死体の上でくだらんこと考えるのも十分サイコパス味あるな…(偏見?)
それに記憶が統合されてきたんか知らんけど……
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『…む…長…生…てく…』
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……この死体の山の中にワイの仲間も含まれとるらしいんよな……。
なんか、仲間らしき記憶の断片がかすかに見えたし……。
てか、あの変な夢はこの身体の記憶が流れ込んどったってことなんやろうか?
まぁ今は気にせんとこう……。
そういや、記憶のなかに【一級フィクサー】やら【特色フィクサー】、【フィクサー事務所】の単語があるんよな〜……。
嫌な予感しかしない……。(白目)
(´Д`)ハァ…
絶ッ対、此処プロジェクトムーン世界じゃ~ん。
ガッチガチのディストピアじゃ〜ん。
鬼畜世界転生なのに仲間いね〜じゃ〜ん。(ヤケクソ)
……ヤバい…流石に(恐らく)フィクサーを悪魔合体させられたワイの精神力にも限界がきたのか情緒が不安定になるな……。
落ち着け〜〜……頭ブック○フになるな〜……。
よし…まずは一旦統合された記憶をたどって自分が何者なのかをはっきりさせよう……。
最低限身の振り方位は決めとかんとな……。
でも、流石に死体の山の上で考えるのはだめやな。(白目)
SAN値がガンガン削られていく音がする上に人気がないと言ってもワンチャンまた敵とエンカウントする可能性があるしな…。
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【W社裏路地━事務所】
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『こ……私達…始…りの場…だ…』
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よぉ〜〜し……やっと一息つける。
案外徒歩で行ける距離に事務所があってよかった〜。
そういや、今更やけど此処W社の裏路地やったんな、途中にヤバそうな料理店が何件かあったわ。()
食人してそうなのが、見てわかるのおかしいだろ……。
……都市では日常茶飯事やったな。
いや〜こっちの世界の記憶があるおかげで、ある程度危険性の少ないルートを通れるのは良かった。
やっぱ現地の知識やな☆。(場合による)
でもたまに幻聴みたいなんが聴こえるのはデメリットやな……。
あと、移動中に気付いたけどどうやら俺の武器だったらしい槍は穂先がポッキリいって如意棒みたいになっとったし、そこも心配やったんよな。
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『おぉ〜、こ……俺達…武…庫か〜……ぱ所長……ンスあ…な!』
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どうやら事務所に予備の武器は置いてあるらしいけぇまず武器の心配は大丈夫そうやな。
え?仲間とか敵から武器を追い剥ぎせんかったんかやって?
……どうやら、想像以上の乱闘やったらしくて武器が全部使いもんにならんかったんよな。
……というか記憶の統合がされたみたいやけぇな……分かるんやけど……。
……どうやらホンマにこの事務所のフィクサー全員死んだっぽいんよな……。
「……………………………………」
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『所長! ギャンブルで大勝ちしたであります! 今晩は美味しいもの食べに行きましょう!』
『しょっちょっさんや、久しぶりに呑まねぇか? 丁度記念日やしな。いいだろぉ〜?』
『わー! 所長さーん!! 助けてくださーい!!! スティグマ工房の武器がオーバーヒートしましたぁー!!!』
『懐かしいボードゲームが、倉庫から見つかってな? 所長も参加するか? 案外楽しいぞこれ』
『ぬわァァァ!!國士無双を俺に打つんじゃねェー!!!点がァー!!!』
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………しかもワイ、いや…私は二級フィクサーの『バルダミュ』所長だったらしくてな……。
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『『『『『所長?』』』』』
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……もう既にその人物との同化が結構進行してしまったせいか、いつの間にかあいつらとの楽しかった記憶が溢れてきてしまってなぁ……。
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『所長の手料理は最高でありますね! おかわりをください!』
『ほら、チェス。買ってきたからやらんか?こう見えて俺強かったからなぁ。え? 置く場所がもうないって? 別にいいだろぉ? 他の収納スペースでも使えばさぁ。』
『見ててくれましたか所長!! 大戦果を上げましたよー!!!』
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なんで…涙が止まらねぇんだろうな……。
ハッハッハ…それを体験したのは私で、前世であるワイじゃ無いはずなのになぁ……。
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『クッソ、失敗だった!』
『まさか、偽の依頼とはな…』
『せめて所長だけでも死守せねば!』
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「………クソが………」
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『頼む所長、生きてくれ』
『僕達の分も…貴方に託します』
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……まだ少し寂しさは残るが……。
事務所のソファでただ一人俯いとる訳にもいかんしな。
…俺は…これからはバスタブで溺死したただのゲーム好きではなく………。
これからは、もう誰もいない事務所の所長なんや……。
少しでも、私の為に死んでいった所員に恥じない生き方をせんとな……。
……でもまぁ、取りあえずは休眠やな。
体がもうボロ雑巾みたいになっとるんや…。
服も大概血生臭いけどもう動けるような体力も残ってないしな………。
ソファで寝るか……。
………じゃあな、お前達の分まで生きれるかは分からないが、元所長として最期までやってやるよ……。
………おやすみ。
…………安らかにな。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
やっと主人公の名前がわかりましたね。
バスタブ溺死野郎もといバルダミュ君です。因みに前世の名前や両親の事は統合された弊害で忘れています。あとは作者が見切り発車した作品なので情緒が不安定ですが、二人分の記憶を持つせいやと思っといてください。