のんびりやっていきます
「ね~、
「なんだい、お嬢」
とある喫茶店で2人の男女が向かい合ってチェスをしている。
男は店員で女は客だが。
「お仕事しなくていいの?」
「ん、お客様はお嬢しかいないし…いいんやない?」
「それもそうかぁ」
お嬢と呼ばれてる女の子はナイトの駒を手に取り「ん〜」とフラフラ揺らしたと思ったら元の位置に置いて紅茶を飲む。
「降参~やっぱ白兄強いね~。あ、紅茶なくなっちゃった。白ちゃーん、おかわり頂戴!」
「妹よ、俺にもくれ」
「わかった。だが兄よ。妹に働かせておいて自分は琴葉と遊んでるとはいいご身分だな」
「これも接客ではないか妹よ。それに掃除をしつつやってるのだ。一応仕事はしてるというのではないか、どう思うお嬢?」
「白兄と遊べて満足なのです」
ニコリと笑ってお嬢は答える。
「この通りお客様は満足されておる」
「ならいいか」
兄、
今の時間は客が少ないので店内の掃除をしたら暇なのである。なので遊んでいても問題はない・・・はずだ。
「はい、お嬢。クッキーと」
「紅茶だ。待たせた」
「ありがとう~」
お嬢、七色琴葉はクッキーを口に入れて幸せそうな表情を浮かべて紅茶を飲む。
「白兄のお菓子と白ちゃんのお紅茶が合わさると最強なのです」
「うむ、妹の紅茶は至高だろ」
「そうだ、兄のお菓子は美味であろう」
「これが逆に白兄がお紅茶、白ちゃんがお菓子を用意すると絶望的になるのが不思議だよね~」
雪城兄妹はバツが悪そうに顔を逸らす。この兄妹、得意なことが極端なくらい分かれてるのだ。
「お、俺にできないことは妹が出来るし」
「適材適所、私に出来なきことは兄が補うべき」
「「ニ心同体2人で1人前以上!それが我らの真城兄妹!」」
「開き直ったね~」
「そりゃね。できない互いに任せる。無理なことはしない。」
「あれは嫌な事件だったね兄よ」
「そうだな妹よ」
兄は紅茶の淹れ方が悪いのか味が安定しないし、高確率で器具を壊す。
妹は調味料を素で間違えるし小麦粉ぶち撒けて粉塵爆発を起こしそうになったことがある。
それ以来、兄妹は思った。出来なきことは無理にやるべきではないと。
「それにしてもまたシマエナガの置物増えた?」
「お、わかるかお嬢。父がまた新たなグッズを作ってな」
「作るのはいいが何でもかんでもお店に置かないで欲しいけど」
この店にはシマエナガの置物だったり両親が趣味で撮ったシマエナガ写真などが飾られている。数年前は普通の喫茶店だったが、いつのまにかシマエナガグッズの製作や販売もするようになった。
琴葉はテーブルに置いてあるシマエナガのぬいぐるみをもふもふと触る。
「シマエナガかわいいよね~」
「そうだよなお嬢。このもふもふ感が素晴らしい」
「美味しそうだよね~」
「あぁ、美味し・・・え?」
「唐揚げ、焼き鳥、じゅるり」
「琴葉、お腹すいてるのか?ほら、私の分のクッキーも食べていいぞ」
真白は琴葉の口にクッキーを詰め込む。
そこでぼーん、ぼーん。と振り子時計から5回鐘を鳴らす。
17時を知らせる鐘だ。
「あ、もうこんな時間なんだ。それじゃあ私はそろそろ行くね」
「ん、今日もありがとね。送ろうか?」
「大丈夫、迎えの人呼んでるから」
琴葉はお会計を済ませて「またね〜」と手を振りながら店を出てく。
ここは喫茶「止まり木」
雪の妖精シマエナガに癒やされながら、のんびりしたお時間をお楽しみください
かわいいよねシマエナガ