個性『不義遊戯』でいく! 僕の曇らせアカデミア!   作:波間こうど

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悩みは時間が本当にないこと。


★HEROS

 

僕がヒミコちゃんから離れて、転移した先は雄英からほど近い街だった。見覚えがあるどころかほとんど地元みたいなノリである。都道府県でいうところの静岡県ね。

 

なんで雄英高校を首都とかじゃなくて静岡県にしたのだろうというところは諸説ある。でもこの世界で生きてるうちに身につけた知識だと雄英高校は国立の学校だけど流石にあのレベルの施設を置くには東京だと土地とお金が心許なさすぎたみたいな話だった気がするかな。国にお金がないのは日本だとどの世界を生きててもそうなりがちなのである。黄金の国……。

 

いや、遊園地みたいなの作ったりバカデカ体育館たくさん乱立させたりヒーロー科に金使いすぎだろ馬鹿なんじゃないのみたいな施設がゴロゴロあったことを考えるとやっぱり都会の一等地には建てられないよね。そりゃそう。

 

まぁ、そんな静岡県も今となっては荒れ果てた土地だ。もう、どこからどう見ても廃墟とかにしか見えない場所。それが僕が今見下ろしている土地の全てである。マジで廃墟。終わってラァ。

 

そんな中で、一人だけ……一人と一台だけ、そこに不釣り合いなほど堂々と立っていた。あまりにも場違いなほどに。

 

人々がほとんど避難したそこに立っていたのは、僕のよく知る人物……というか、この国の国民なら、つーかほとんどの人間が知ってるほどの超大物であった。元No.1ヒーロー。オールマイト、その人である。

 

「……なに? 待ち伏せ? ファン?」

 

一応、原作でみんなが飛ばされたところには飛べるように準備してあったんだけど……僕の用意周到さに呆れる事案が一つだけある。ここにまで準備をしてきていることだ。

 

なんでこんな場所に不義遊戯で入れ替えられるポイントを準備してるんだ。

 

まぁ、曇らせを見るためなんだけどね。

 

「……来ると思っていた」

「……俺もなんとなくそんな気はしてたよ」

 

オールマイトの原作一と言ってもいい戦闘はおそらく「ワン・フォー・オール」を所持している時じゃないと僕は考えている。いや、まぁ、実際のところはね? オールマイトのガチ戦闘を映像で幼い頃から見てきた世代としてはバケモンのそれだと思ってるんだけどね? 原作を見てた頃に一番いいなと思ってた戦闘はここだった。何故かって? そんなこと言うまでもないだろう?

 

いい顔をしてくれるからさ!

 

「話を聞いて、驚いたよ」

「そりゃ残念でしたね、俺で」

 

オールマイトvsラスボス先生。

 

本当に原作のラストもラストで行われる名勝負、僕としては最高にカッコよくて興奮したことを覚えている。それは彼が「君はヒーローになれる」と出久くんに呪いをかけたように、そのコスチュームを使えば、無個性でもラスボスと渡り合えるという事実に興奮したんだ。自分でそれを示したことに興奮して仕方なかったんだよ。

 

それを見た前世の僕は僕だって、何かを成せるようなそんな気がしたんだ。……そんなことなかったんだけどね。

 

「本当は、AFOが来ると思ってたんだ。……でも、君がAFOを破ってくれたんだろ? 手間をかけさせたね」

「手間なんてかかってないですよ。あんなの雑魚だ。あれより強い俺が来て誤算だったな? ボロ雑巾」

「いいや、嬉しい誤算さ。ヒーローだけじゃなくて、先生の仕事もこなせるからね」

 

……雄英の方に、僕とラスボス先生が飛ばされた場所からどちらかというと近い場所、そこに、彼はいた。

 

しわしわの顔、枯れ枝のような腕、仕立てのいいスーツを身に纏ってはいるものの、痩せ細った骸骨のような格好を晒した男。

 

元・平和の象徴(オールマイト)が、そこに居るということ、それには意味がある。が……

 

「あー、まぁ、お前のこと殺すのは俺のつもりでいたから、予定調和ではあるんだけどな」

 

そこに、もう平和の象徴だという威厳はない。

 

オーラもない、ただの残り滓、それが今の八木俊典(オールマイト)だ。

 

怖くもなんともない。あんなにも憧れたヒーローだったはずなのに。彼には、もう、何も残っていない。道具を使わなきゃ俺たちと並ぶことすらできない。言うまでもないような、被差別者(むこせい)だ。

 

「貴方を殺します。オールマイト」

 

なんの感慨も湧かない。貴方の曇らせを見ること以外に、貴方になんの感情も抱けはしないのだ。

 

向き合って、彼に向かって一歩踏み出した。アスファルトは固い感触を足裏に伝えてくる。雨足は強くなって、頬を叩いた。

 

両手を開く。抱きしめるみたいに。僕がこんなことしたら普通は拍手を止めなきゃ死んでしまうってわかるから、なんとか止めようとするよね。オールマイトじゃなけりゃさ。

 

「随分と物騒なことを言うじゃないか! 舞妓少年! 君らしくもない!」

「貴方の知ってる俺らしいは俺らしい俺じゃないですよ。間違えんな」

 

なんでこのタイミングでまだ会話できると思ってんだこの人。どんだけ心が強いんだ。メンタル強過ぎない? 今貴方無個性だよね? 相手が元生徒だからってそこまでテンション上がることある? 一応原作知ってて空元気だってわかってるのに僕が引くレベルなんだけど。なんなのこいつは。

 

「わりぃけど、こっちが俺だ」

「いいや違うね! 少年くらいの歳には大体の子が中二病というのに目覚めるのだろう!? なら! 今の君はそれさ! それをAFOに利用されたに過ぎない!」

「はぁ?」

 

なんだその理論は。……あぁ! なるほどね!? この戦いはエルクレス……君のサポートアイテム! アーマードオールマイトのアーマードの部分が撮影してくれるもんね!? 僕がそういう風に操られてたってことにして! 僕に情状酌量の余地があるってことにしたいんだ!! うわ! 咄嗟の機転まで流石は平和の象徴だぜ!! 何十年も平和の象徴しただけある! 

 

僕馬鹿だからわかんないけどよォ! その機転をエンデヴァーにも分けてあげればよかったんじゃないですか?

 

でも、機転は僕の方がきくね! 舐めるなよ!

 

「…………無個性がどれだけ虐げられるかも知らないくせに。いい気なもんだぜ。個性を持っていないのは被差別者も同然の世の中で!! 人権にも等しい個性を望むことの何がいけない!!」

「…………ッ」

 

思った通りの展開にならなくて! 曇って、いい顔だぜオールマイト!! でも、この程度で僕が止まるわけないだろう!! これは!! 全世界に配信されてるんだろう!? なら! お前たち全員が絶望する地獄を見せてやろう!!

 

最高の曇らせを生配信だ!!

 

「個性がない奴は生き方を選べないこの世界で!! 生き方を手に入れるために悪に手を染めることの何がいけない!! 学校の先生は助けてくれなかった!! 俺は成績だってよかった!! ボランティアだってしてた!! どんな人にも優しくした!! 困ってる人には手を差し伸べた!! それでもなお!! 足りないんだ!! 夢を見るのにも!! 普通に生きていくのにも個性がないと馬鹿にされるんだ!! そんな世界で!! 俺を虐げるその世界で!! 人権を……!! 個性を求めて何が悪いんだ!! 言ってみろよ!! オールマイトォ!!」

 

それは、怒号だ。それは、号哭だ。

 

そして、魂の叫びにも等しいその声は。お前たちを曇らせるのに十分だろ? ほら! その証拠に!! 

 

笑顔を絶やしてはいけないヒーローが! 酷い面だぜ!!!!

 

「………………」

「……お前が、その顔をしているのが答えだ。オールマイト」

 

また、地面を踏み出す。ほら、その顔をよく見せてくれよ。なぁ、オールマイト。

 

その歪んだ顔を! もっとよく見せて……

 

「確かに」

「あ?」

「確かに。この世界は個性のない君に対して不義理を働いてきたんだろう。私が学生の頃ですら無個性が珍しかったんだ。無個性であることがさらに少数派になった今、君が苦しんでいたことはよくわかる」

 

その顔に笑顔が戻っていく。その瞳に熱が戻っていく。その手のひらが強く握られる。

 

「それでも。苦しんだ君が苦しめた人を救うために。私は、先生として、ヒーローとして、君を止めよう」

 

どうしようもない生徒を慰めるみたいに温かく笑って、オールマイトは片手を薙ぎ払った。

 

「悪いが君を捕まえて、お説教しないといけないのでね」

「はっ! やれるもんならやってみろ。悪いけど、お前を殺してヒーロー共には絶望してもらわないといけないんだ」

 

それは確かに戦いの狼煙だ。お互いの意見が決裂して、今から戦闘をするんだって意思表示だ。

 

彼の持っているジュラルミンケースが分解されて、彼の体を這い上がっていく。どう考えても質量上そうはならんやろがいって感じなんだけども。でも、その格好になった貴方はかっこいいよね! 俺はそっちの貴方の方が好きだよ! ねぇ! オールマイト後で写真とろ! ツーショ撮ってインスタあげていい?♡ パパ活ってハッシュタグつけるね♡

 

「舞妓少年」

 

鈍く、黒く光った彼は、まるで正義の味方だ。

 

「私が来た!!」

 

彼の体を纏った鎧が鋭く光る。

 

そこには確かに、ヒーローがいた。

 

「あー、そーゆーのいいよ」

 

頭をかきながらなんてことはないとでもいうようにつぶやいてみせる。本当はね、今すぐにでも大興奮でセルフィーとか撮りたい。インスタとかに上げたらいいの? というかインスタとかのSNSに今ヒミコちゃんとのツーショットとか上げたらはちゃめちゃにバズったのかな? どうなんだろう。もう今となってはできないことだけどさ。……いや、オールマイトとのツーショットをパパ活にハッシュタグつけてあげたくはあるが……それは曇り顔ではなく困り顔だろ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「悪いが、ヴィランの側には俺がいる」

 

両腕を広げて、オールマイトと相対する。

 

「殺して、みんなに届けよう」

 

さぁ、最高の曇らせを。最高の絶望を。

 

「俺がいるってことをね」

 

そして、どうしようもない破滅のメロディを。

 

みんなに届けてみせるよ。

 

 

  × × ×

 

 

【オールマイトside】

 

……よもやこれほどまでとは。

 

目の前で両手を広げて、死んだような目つきでこちらを見つめる舞子少年を見て、冷や汗が頬を伝うのがわかった。雨が降っていてよかった。冷や汗は把握もされないだろう。彼なら冷や汗を見て私の心のうちを読むことも朝飯前だろうから。

 

体をパワードスーツで纏った上でのこの寒気。AFOと向き合った時以上の感情の揺れ。それが今体を蝕んでいるのがわかる。

 

今、私は私が今まで向き合ってきたヴィランの中で一番の強敵と向き合っている。

 

「おい」

「なんだい? 先生に向かっての口の利き方じゃないなぁ」

「俺に先生なんていねぇよ。つーか、いいのか? このまま突っ立ってるだけなら」

 

両手を擦り合わせるようにして彼が私を睨む。重圧が体にのしかかる。

 

「俺から行くぞ」

「ッ!」

 

拍手の音が聞こえて、気がついた時には目の前に舞妓少年が転移してきていた。その爪先がこちらを向いている。

 

「エルクレス!!」

 

咄嗟にガードを展開し、右腕を伸ばした。右腕前腕から縄が伸びる。鉄で作られた、拘束の鉄縄。

 

「ブラックウィップ!」

「あぁ?」

 

黒鞭と同等のそれで彼の腕を捕えた。すぐさま、その縄に電気を這わせる。

 

「チャージズマ」

「あがッ!!」

 

彼の体を十万ボルトの電撃が襲う。アンペア自体はそこまで高くないからほとんどスタンガンみたいなものだ。だけど、この程度で彼が気絶してくれるなら苦労はない。

 

「巻き取り! セロファン!!」

「ぃ゛ぃ゛が げ ンにし……!」

「悪いがね! 少年!!」

 

彼の体が引き寄せられる。それに合わせて私の左足を(エルクレス)から補給されたパーツが包んだ。それは無骨で、それでいて私の守るべき生徒……いや、尊敬するヒーローたちの力だ。

 

シュートスタイル。それは、愛弟子の編み出した戦い方で。

 

「私はヒーローであり! 教師だ!!」

 

これは、君の技だ。

 

「黒閃!!」

 

黒い稲妻を伴って、キックのインパクトに合わせてその攻撃力を2.5乗倍にまで膨れ上がらせる特別製だ。その威力に耐え切れずにパーツに使ったエルクレスが自壊してしまうという欠点はあるが、私単体で出せる最大出力を誇っている。

 

彼に巻きつけていたブラックウィップを解除して左足を振り切る。彼の体の感触が体が離れて大きく吹き飛ばされていった。ビルを一つ、二つ貫通して、三つ目のビルでようやく止まったことを確認して足に備え付けたジェットを鳴らし、空中へと飛び上がる。

 

「まさか、この程度で終わるわけないよな? 君は魔王を倒してきたいわば裏ボスだろう」

 

瓦礫の山へ向けて口を開く。煽れ、煽れ、煽り続けろ。そうすれば彼の心を開けるかもしれない。彼から「本当はしたくなかった」という供述を、彼の口から引き出せるかもしれない。

 

精神的に不安定であり、この世界が抱える無個性への差別的意識、彼がいじめられていたという事実、そしてAFOを葬ったという事実を合わせれば彼のことをなんとか守り切ることができるかもしれない。

 

そうすれば──。

 

「随分と、生徒思いな先生だなァ」

 

彼にから出てきた彼は口元の血を拭いながら私を見上げていた。その瞳は青く、曇った硝子のように、ビードロのように私を映す。

 

「今どき体罰上等の熱血教師は流行らねぇだろ。教育委員会が黙ってねぇって」

「生憎私の世代は“そこ”でね」

「あぁ、そぉ……ソリが合わないわけだ」

 

彼が一度息を吸い込んだかと思うと、頭を振るようにして血を吐き出した。内臓器官にダメージがあったかな? それも、リカバリーガールに治癒してもらえる。

 

「……緑谷の“黒鞭”上鳴の“帯電”に瀬呂の“テープ”……極め付けは俺の“黒閃”か。無個性でもここまでやれるとでも言うつもりか? 資本主義の豚すぎるだろーが。いくら積んだんだボケ」

「残念ながら私にはお金を使う趣味がなくてね。募金くらいのものだったのさ」

「ますますソリがあわねぇ! やっぱりアンタは俺の敵だよオールマイト」

 

髪の毛をかきあげて彼が笑う。歪な笑みを向けた彼が息を吐いた。その目にどこまでも曇り空が映る。

 

「ヒーローもそこまで行くと病気だろ。異常者が」

「褒め言葉として受け取っておこう。君も随分男前になったじゃないか」

「元からかっこいいだろ俺は。お前と違って童貞じゃねーし」

「……全国配信されてるんだよ?」

「今更だろ」

 

舞妓少年がこちらを強く睨む。その口元に笑みが浮かんでいることに私は気づいた。それなりにダメージは与えたはず、彼に回復の手立てはない、と思うのだが。

 

…………妙だ。何故彼の額にあった傷が消えている?

 

「それに、恥ずかしい話は見えなくしてから聞くからさ」

 

彼が両手を祈るように合わせる。それは、緑谷少年たちの言っていた、彼のとっておき。

 

「日に何度も使えないんだぜ? でも、相手がお前なら不足はない」

「……! 望むところだ……!」

 

彼の体がブレた気がした。世界が歪んで、反転する。

 

「領域展開『全天曇下』」

 

荒廃した中世の城、屍の山、血の川、荒廃して、神などいないと荒んだ誰かの心の奥底のような場所で、彼はシスターのような清純な顔をして立っていた。両手を組みながら彼は空を見上げていた。

 

「……」

「どうした? 物思いに耽っているのか?」

「んぁ? ……あぁ、そうだよ。物思いに耽ってるのさ。別に構いやしないだろ?」

 

ここには俺とお前しかいないんだから。なんて、彼は言ってそのアンニュイな顔をこちらに向けた。世界を作り替えてなお飽き足らない、その憎悪と復讐の灯は、彼の心を未だに照らし続けている。

 

「……昔、アンタに憧れてる幼馴染がいて」

 

それが誰のことかなんて、言うまでもなかった。

 

「そいつは言うんだ。アンタはすごい。アンタみたいになりたい……次第にアンタについて詳しくなって、個性がないってわかってもずっと夢見て……そんなアンタに見そめられたアイツはすごいと思った。そんなアイツを選んだアンタもすごいと思った。適任だと思ったよ」

 

彼が苦しんだ胸でも抑えるように胸元を強く握りしめる。

 

「でも……アイツは俺を裏切った。個性があれば、俺のことなんて簡単に裏切れるやつなんだ。そんな風に思えてさ。最悪だよ。気分はどん底さ!! お前が!! 緑谷にヒーローになれるってあの路地で言ったとき!! 緑谷が!! 泣きながら蹲ってたとき!! 俺は一つ手前の曲がり角でゲロ吐いてたんだぜ!? わかるか!! この意味が!!」

 

彼の怒りは、彼の憎しみは。緑谷少年や、私に向いていて、その矛先を世界に向けているのは八つ当たりだ。

 

そうわかっても、なお。彼の怒りは消えなかった。

 

「…………差別主義者が蔓延るこんな世界は、一度リセットするしかないんだよ」

 

彼は笑顔でそう言った。とても悲しそうな笑顔で。

 

説得するなら、つけ入るなら、その隙間しかないと思った。

 

「舞妓少年……君の、動機は……理解できる。いや、理解できるというのも、少し烏滸がましいのかもしれないね……だけど、理解はできるんだ」

 

わかるさ。当然だ。私も無個性だったのだから。

 

それでも、言わなければいけない。

 

どの立場で? ヒーローとして? 教師として? 大人として? それとも……別の何かとして? ……どの立場でも、彼に寄り添えないくせに。彼に寄り添う存在は、きっと、彼の……敵連合だけだというのに。

 

「……君のしていることは、許されないことだ」

 

彼の顔がくしゃりと歪んだ。苦しそうに歪んで、

 

「………………………………………………やっぱりね」

 

とだけ、呟いた。

 

その顔と言葉を、私はきっと死ぬまで忘れられない。

 

まだ、緑谷少年が摩耗しながらダツゴクを追っていた時の方が、まだ舞妓少年が足を失った時の方が、まだ、AFOに敗れてアメリカへと逃げ延びた時の方が、自分の無力感に苛まれながらも間違いを犯してはいないのだと、自分の最善を手探りしているのだという自覚があった。

 

しかし、これは違う。わかってしまうのだ。

 

選択を誤ったのだと、私は今、彼を大きく傷つけたのだと理解してしまったのだ。

 

選択を誤ったのだと自覚するには十分すぎるほど、寂しそうで、苦しそうで、ただ、もうたくさん泣いた後の少年が救いを求めるような、そんな縋るような、求めるような、そして、何かを諦めるような、そんな、

 

そんな笑顔だった。

 

後になってこれは彼が残した呪いだったのだということに気づく。全てが終わって、世界が絶望の雲に包まれて、闇の中へと沈んだその時に。復興の光すらも消えたその闇の中で、彼の笑顔だけがこびりついたまま。

 

 

 





オールマイトが一番輝いていたのはきっと個性を持っていたとかじゃなくてアーマードオールマイトを思いついてそれを作った上にAFOと戦いが成立していた時だと思います。賭けてもいいですよ。1ペリカ。

オールマイトの曇った顔といえばモナリザにも勝るとも劣らない程のものであると言うのは周知の事実であろうかと思いますが、ここでクエスチョン!!

彼を曇らせる一番の秘薬はなんでしょうか!! 正解は来週です!!

この度もんこにゃさんの神のようなイラストありがとうございます!! たくさんの人に読んでもらえて……ちょっと今忙しくて感想返せてないんですが、8月の間に全部返そうとは思ってます!! いつもありがとうございます!!

なかなか上手くいかないことも多いですが週間連載の方は続けていきます!! みんなの応援や感想、評価が励みになります!! これからもよろしくお願いします!! 頑張ります!!

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