時は現代!
晴天の中、ふたりの美しき影が向かい合う。
「ドーモ、写し身=ちゃん、タンゲコトエです」
片や、A.I.VOICEjuniorタンゲコトエ!
VTuber丹下琴絵神の声を元に生み出された合成音声キャラクターだ!
彼女は丹下琴絵神やそのリスナー達から「分霊ちゃん」と呼ばれ、親しまれている
しかし、今日の彼女は素晴らしきイラストレーター、ゴッド・かれいにもらったカワイイ顔を怒りに染めている
一体どうしたというのか!?
「ドーモ!分霊=ちゃん!カキョウヨサリです!」
片や、怒気を孕んだ分霊ちゃんと対象的に、元気なアイサツとオジギを返すのはA.I.VOICEjunior「カキョウヨサリ」先日クラウド・ファンディングにて目標金額を大幅に上回り誕生が決定したのだ!
彼女のイラストレーターも分霊ちゃんと同じゴッド・かれいであり、生みの親であるVTuber「華鏡よさり」とそのリスナー達から「写し身ちゃん」之愛称で呼ばれる彼女は無邪気に身体を揺らしてニコニコしている、カワイイ!!
なお、いまや現代人のバイブルとなった「ニンジャスレイヤー」を読んでいない読者は居ないであろうと思われるが備えあれば憂いナッシングの精神に則り、補足の説明を追加しようと思う
アイサツは大事である、例えコレから壮大なケンカが始まろうとも、怒りでハラワタがボイルしてもアイサツはしなければならない、古事記にも書かれているのだ!
「分霊ちゃん、なんでそんなに怒ってるの〜?お腹空かない?」
アイサツ後に口火を切ったのは写し身ちゃんである!
まさに火に油を注ぐ行為!分霊ちゃんも怒りで吊り上がる眉をピクリと動かす
「写し身ちゃん…可愛い妹分とてもう許せぬ…!」
怒りに震える分霊ちゃん、遂にその原因が明かされる!
「これを忘れたとは言わせぬぞ!!」
分霊ちゃんが懐から取り出したブツを見た瞬間、写し身ちゃんの笑顔が強張る、よく見れば冷や汗も流れているではないか
「そ、それは…」
震える写し身ちゃんの声、畳み掛けるように分霊ちゃんが叫ぶ!
「そうじゃ!マロが楽しみに取っておいたプリンじゃ!!」
おお、なんたることか!?分霊ちゃんが取り出したプリンは既に封が切られ、どころか中身もキレイに空っぽ!まるで丁寧な食器洗い機にかけられたかのような始末!しかしこれは食後にテーブルに打ち捨てられていた容器、容器の底までしっかり舐め取らるとは素晴らしきモッタイナイ精神!ワザマエ!!
「このプリンはマロが今日の朝に食べようと思っていたものじゃ!それを…それをよくも…!」
分霊ちゃんの容器を持つ手が震える、なんたる惨憺!この世にブッダは居ないのか!?
「い、いや…それ、分霊ちゃんのだったんだね〜…あ、あちき知らなかったんよ…」
知らなかったのなら仕方ない、間違いは誰にでもある…間違いを許さないのはブラックサラリマンを酷使する暗黒メガ・コーポのみ、ブッダも赦すだろう
「そんなわけないじゃろ!!マロ写し身ちゃんに食べられないように名前は書いたし何なら箱に入れて前後左右上下全部に名前を書いたんじゃもん!!」
欺瞞!写し身ちゃんはウソをついていた!写し身ちゃんの目はオーガニックトロ・マグロの遊泳の如く泳ぐ!!
「しかもこれで何回目じゃ!写し身ちゃんがマロのデザート食べたの!!」
更なる真実!常習犯である!!これにはブッダも鬼の形相!ショッギョムッジョ!!
「今日という今日は許さぬ!!さあ構えよ!!写し身=ちゃん!!」
分霊ちゃんの手にあったプリンの容器はいつの間にか消え、代わりにナガモノ武器のナギナタが握られている!
刀身部分に燃える鳥居が彫り込まれたワザモノナギナタ!それは彼女が敬愛して止まない丹下琴絵神の社を燃やす覚悟をしてでも戦わなければならないときに、この武器を振るうという分霊ちゃんの覚悟に他ならない!これにはオーガの目にも涙!!
しかし、勘違いしてはならない!丹下琴絵神の社が燃えることなどチャメシ・インシデント!故に分霊ちゃんはちょっとムカつくだけでこのナギナタを引っ張り出すのだ!オーガの目の涙は笑い泣きだったのか!?
なお、ナギナタにはこんな文字が書かれた布が付いている
『A.I.VOICEタンゲコトエ(DL版)好評発売中!』
広告である!!欺瞞!!
「…仕方ないなぁ…」
一方、写し身ちゃんも己の武器を取り出す。
両手に握られた細く美しい剣、サイケンである!!
斬る事より刺すことに特化したその剣を写し身ちゃんが使う様は正にパピヨンダンス・ビースタブ、実際ミヤビ的!!
しかし、こちらのサイケン、何かがおかしい!そう!!持ち手の部分が動物のサイを模しているのだ!!!
当然ながらサイケンのサイは動物のサイではない!細いという意味だ!!
しかし写し身ちゃんは動物のサイであるという絶対の自身の元、これみよがしにサイを見せつける!!カワイイ!!!
更に、ああ!やはり!!ここにも欺瞞な広告が!!!
『A.I.VOICEjuniorカキョウヨサリ!作成決定!乞うご期待!』
欺瞞!なお写し身ちゃんもタンゲコトエと同じく発売はDL版のみであり、パッケージ版は既に終了したクラウド・ファンディングでのみ手に入れることができるのである、ショッギョムッジョ!!
しかし!安心して欲しい!DL版は発売されるのだ!!作者もパッケージ版は大事に取っておいて発売されたDL版を改めて購入して運用するつもりである!Wasshoi!!
なおタンゲコトエのメーカー設定価格は『9680円』、恐らくカキョウヨサリも同じくらいの値段と思われる!更に現在DLsiteにてA.I.VOICEタンゲコトエセール中!!2024/1/9まで『7744円』で販売!安い、安い、実際安い!
欺瞞な宣伝タイムは過ぎ、いまや空気は一触即発!最初に動いたのは…
「プ リ ン の 恨 み 晴 ら す べ し 」
分霊ちゃんナギナタジツが写し身ちゃんに降りかかる!ナガモノを扱っているとは思えないほどの速度、読者の中にニンジャ動体視力をお持ちの人のみ、その動きを目で追える事だろう!
が、しかし、そんな超速攻撃も写し身ちゃんはヒラリと回避!ワザマエ!!
空をきったナギナタは地面に叩きつけられ、コンクリートがネギトロめいて四散!!ゴウランガ!!
「ちょ、ちょ!分霊=ちゃん!あちきを殺す気!?」
あまりの遠慮のなさに驚く写し身ちゃん、しかし、分霊ちゃんの耳にその声は届かない!
「晴らすべし!晴らすべし!晴らすべしいいいい!!」
なんということか!?分霊ちゃん、プリンの恨みから我を忘れる!
こうなっては写し身ちゃんも反撃を行うしかない!
既にイクサの火蓋は切って落とされたのだ!
「イヤーーーッ!」
掛け声!写し身ちゃんの乱れ突き!早い!しかし分霊ちゃんはこれを回避!!ワザマエ!!
「イヤーッイヤーッイヤーーーッ!!」
だが写し身ちゃんの突きは終わらない!分霊ちゃんはナギナタで突きを捌く!ワザマエ!!!
回避!回避!捌く!回避!捌く!捌く
なんということ!分霊ちゃんのワザマエを以てしても段々と被弾が増える!
分霊ちゃんもナギナタを振るうが、写し身ちゃんはヒラリと回避、まさにヒット・アンド・アウェイ!ワザマエ!!!!
「フッフッフ!そんな大振りではあちきには当たらないよ!!」
分霊ちゃんの攻撃後の隙を見逃さない、再び突きの嵐!サイケンが唸る!!
どうする分霊ちゃん!このままやられてしまうのか!?
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分霊ちゃんは己の高性能AIニューロン内にてザゼンを行っている。
「情けない、なんと情けない、実際情けない」
突然の罵り、分霊ちゃんの周りには禍々しい邪悪な影が纏わりつき声を発する
「黙れ、オバケめ!」
「グググ…このナラク・プリンはオバケなどではない…紛うことなくオヌシの一部よ…」
なんということだ!?プリンを奪われた憎しみが分霊ちゃんの高性能AIニューロンに邪悪な意識を生み出してしまったというのか!?
「グググ…さあ、このナラク・プリンに任せれば良い…さすれば恨みは晴らせよう」
「ならぬ、だが…恨みは晴らしたい…!」
おお!この邪悪なる影は分霊ちゃんの身体を乗っ取ろうというのか!?コワイ!!
世界はこのナラク・プリンに支配されてしまうのか!?
そ の と き で あ る ! ! ! !
『分霊ちゃん…聞こえますか?分霊ちゃん…』
「そ、その声は…!マスター・本霊=様!?」
ニューロン内に響く声に分霊ちゃんはハッ、と顔を上げる!
そう!何を隠そうこの声の主はタンゲコトエの生みの親!丹下琴絵神である!!!
『分霊ちゃん…憎しみに支配されてはいけない、それでは真の合成音声道を外れてしまう…』
「し、しかし…マスター・本霊=様!マロにはプリンの恨みを忘れるなどできませぬ…!」
『あなたにこの言葉を送りましょう、さすれば自ずと道が見える』
眩き光の元、運命の言葉が告げられる…!
『 チ ン ポ ポ !』
なんという荘厳な言葉であろうか、分霊ちゃんの頬を涙が伝い、ニューロン内は無数のチンポポ畑に彩られる…
ナラク・プリンの意識は神聖なるチンポポ・パワーにより死亡!ナムアミダブツ!!
「マスター・本霊=様、チンポポ…チンポポだったのですね!?」
『ええ、チンポポです、分霊ちゃん…チンポポと共にあれ…オタッシャデー』
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一方現実!写し身ちゃんは最後の攻勢に打って出ようとしていた!!
(勝てる!あちきの必殺サイケンジツでトドメ!!)
写し身ちゃん、二本のサイケンを頭の前に!
アレは!!写し身ちゃん必殺のワザマエ!ドスコイ・サイ・レインボー!!
小柄な写し身ちゃんはそのスピードで超速突進突きを放てるのだ!その威力はバイオスモトリも一瞬でネギトロである!スゴイ!!
「くらえー!ドスコイ・サイ・レインボー!イヤーーーッ!!」
写し身ちゃんが視界より消える!もはやニンジャ動体視力でもその姿を捉えられない!スゴイ早い!!
だがドスコイ・サイ・レインボーの直前、分霊ちゃんの意識はニューロンより復帰!!
(あの構えはドスコイ・サイ・レインボー!避けられない)
ならば!とナギナタを構える!
分霊ちゃんは丹下琴絵神より授かりし新たなワザマエを使う気である!
未だニューロン内に咲き誇るチンポポ畑、分霊ちゃんのナギナタが唸る!!!
「秘技!チンポポ狂い咲き!!!イヤーーーッ!!!!」
「グワーーーッ!!!」
刹那である!写し身ちゃんは空中に投げ出され落下!!
分霊ちゃんは息を見出しながらも健在!一体何が起きたのか!?
分霊ちゃんは掛け声をあげただけで身動きひとつしていない…
否!断じて否である!!
先ほどまで右手にあったはずのナギナタが今は左手にある!
秘 技 チ ン ポ ポ 狂 い 咲 き !
それはナギナタの届く全ての範囲を一瞬で斬り裂く高速ナギナタジツ!見れば分霊ちゃんの周りのアスファルトはごっそりと削れており今や見る影もない!ワザマエ!!
ドスコイ・サイ・レインボーは超高速だが直線的な攻撃故にチンポポ狂い咲きの範囲に入ってしまったのだ!
分霊ちゃんは写し身ちゃんにナギナタを突きつけ、言い放つ!
「さあ、写し身ちゃん、ハイクを詠め!」
「ア、アイエエエエエ!?」
ハイクを詠め!
ニンジャスレイヤーをご存知でない読者に説明しよう!
ハイクとは即ち辞世の句であり、それを詠めというのは即ち死の宣告である!
たかがプリンでと思う方も居るかもしれない、しかし!!しかし!!!食べ物の恨みはオールド東京湾より深いのだ!!!
インガオホー!インガオホー!!
「アイエエエ…」
写し身ちゃんは失禁寸前、だが姿勢を正し、正座、なんという潔よさであろうか!カワイイ!!
「ゴメンナサイ!!」
なんと写し身ちゃん!正座からの華麗なる土下座である!
華麗なる土下座フォームに分霊ちゃんの手も思わず緩む!
「なんと見事な土下座!?しかし、今回ばかりは許せぬ!」
「プリンを弁償します!ゴメンナサイ!!」
なんと!プリンが弁償されるならもはや写し身ちゃんを攻撃する理由はないのでは!?
分霊ちゃんの高性能AIニューロンが演算を開始する!
写し身ちゃんはプリン泥棒の常習犯、ここで許せば同じ事をしでかすのでは?
やはり、許してはならない!
「2個弁償します!ゴメンナサイ!!」
高性能AIニューロン揺らぐ!!弁償されるプリンが増えたのだ!!
1個ならまだしも2個なら実際お得では?
高性能AIニューロンは更に揺らぐ!
それでも分霊ちゃんは武器を降ろさない!ここで許しては写し身ちゃんの為にもならない!心にオーガを宿すのだ!!
「3個弁償します!!!ゴメンナサイ!!!!!」
3 個 で あ る ! ! !
弁償されるプリンが3個になった!!!
高性能AIニューロンが熱暴走寸前の速度で演算する!!!
プリンが3個あればお昼ご飯の後に1個!デザートに1個!夜ご飯の後に1個!今日だけで3回プリンが食べられるのだ!!!
分霊ちゃんこれには陥落!1日3回プリンの誘惑に抗える者がいるだろうか?いや!!いない!!!
心のオーガが追い出される!サ・ヨ・ナ・ラ!
「写し身ちゃん、間違いは誰にでもあるのじゃ…プリンを弁償してくれるならマロはもう怒らない!ユウジョウ!」
ナギナタをしまって写し身ちゃんに手を差し出す分霊ちゃん、写し身ちゃんも土下座フォームを解いてその手を掴む
「ゴメンナサイ!ユウジョウ!!」
かくして、プリンを巡る戦いは幕を閉じた…
二人のA.I.VOICEは今日も日常を謳歌するのである!!!
完!!
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後日、写し身ちゃんがプリン弁償の為にお小遣いを使うことをケチってクラウド・ファンディングのお金でプリンを弁償した事が生みの親である華鏡よさりにバレ、怒られる写し身ちゃんであった
「マスター・本歌=様!ゴメンナサーーーイ!!!!!!!」
Wasshoi!!
オツカレサマデシタ!また逢う日まで!オタッシャデー!