最悪じゃねえか
ここから一歩でも動けば死ぬ→死に戻りのループに入る以上もう二度と動けない。一応とりあえず一編死んで引きずられながら街に戻って蘇生されれば解決するのだが俺にはそんな事が出来ない。死に戻りがあるからだ。
なので頼む、俺は毒状態、解毒手段がなければ死ぬからお前らだけで地上行って解毒剤取って来てくれ。
そう言って5人のボンクラ共の顔を眺める。いや大丈夫か? 一応こいつらの能力に関しては心配してないのだがこの悪意の迷宮はただ強くて賢いだけの集団が確実に生き残れると断言できるようなぬるい世界ではない。
理由は多岐に渡るが最も大きな理由はどれだけ強くとも一撃のもとに遥か格下に殺される可能性が常に存在するからだ。
侍のボンクラがゾンビの麻痺攻撃1発で戦闘不能に追い込まれたように、過去この迷宮に挑んだトレボー王がボーパルバニーに一撃で首を飛ばされたように、そしてアーダンが俺様に首をはねられたように、圧倒的な実力差があろうと死ぬ時は死ぬのだ。
認めるのは嫌だが、不測の自体に対する保険として有用だが地力の足りない俺と、実力はあれど保険がなければいつか死ぬこいつらの双方が、お互いがお互いを補う事で俺達【黄金の剣】はここまでこれたのだ。
モヤモヤしながらも適当に謝罪をしながらもう一度、頼むと言った。
任せてくれたまえ! とドヤ顔で侍と僧侶は司祭は言った。
魔術師はお前でも迷宮内でミスすることあんだなと言った。
戦士はお前いないとバカ二匹の対処できないから死ぬなと言った。
司祭はまるで今生の別れかのように、私達が戻ってくるまで死なないでね。君は幸せにならないといけないんだから。私みたいなクズと違って君は強くて優しいから。とか言ってきた。
バ──────っかじゃねえのこいつ。俺が優しいわけねえだろ
ただこいつはいつも君のようになりたかっただのなんか俺へのやたら好感度高くて怖いんだよ、一番最初に俺にパーティ組みませんかって言ってきたのも司祭だしなんか裏ありそうでこえーよ。
送り出した奴らの背を眺めながら俺は思った。
こいつら全滅したら俺は便利な道具を失う事になる。スカトロ趣味といううんこにたかる蝿みたいな生態をしているが才能だけならこの国でも最強格の駒たる侍。
バカのバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ
俺の次に口も性格も悪いがやれることが多く便利な駒である魔術師
戦力としては1枚落ちるが決して期待を裏切らない戦士
戦力としては俺未満だが俺の知る限りで最もおっぱいがでかい司祭という粒揃いの道具たち。
これを失うのはもったいない。やっと連携も良くなってきたし人心掌握も終えた。徹頭徹尾俺様に都合の良いパーティーが完成したというのに壊れたら3日間くらい寝込みそうだ。
そして、まあまあ、今のパーティーの居心地も悪くはない。便所コオロギみたいに纏わりついてくるバカ一号とバカ二号という特急汚物もいるのが面倒だが。
まあそれでも全滅したらしたですっぱり諦められるだろう。無くなったらまた作れば良い。こいつらは俺にとって大切なものではないのだから
■■■■
別れてから既に3時間、俺はガキだった頃を思い返していた。
スラム街での思い出を思い出す。糞を拾って肥料として売り便所掃除をして俺は生計を立てていた。まあ文字通りのクソ野郎だわな、ギャハハハ。
その時は富も、風俗も、酒も、タバコも無かったが最も大切ながいた、最も幸せだった頃だ
今思い返せば母さんは善良な人間かは怪しかった。それでも俺への愛情は売るほどあった。母さんは言っていた。愛情とは相手の幸せを願う事。その定義に照らせば、俺は嫌と言うほど愛されていた。俺も愛していた。
しかし母さんは、病気になった。その上、治療には莫大な金が必要だとも、スラム街唯一のヤブ医者に言われた。
延命には、こんなスラムに住んでいない一般人の1年分の賃金と同額を
毎月払う必要があるとも言われた。不可能だと思った。
しかし誰にでも一つは特技があるという。俺の場合は盗みのスキルだった。ボンクラクズの俺にもそれで金を作ることはできた。
そうしてクソヤブ医者に必死に金を納めていたが、その甲斐も無く、母さんは、死んだ。その詳細は書かない、書きたくない、書けない。
後々外の世界に出て分かったが母さんの死因はありふれた、それこそスラムからちょっと出れば容易く治せる病気だった。
ヤブ医者は嘘をついて金だけ持って行ったのだった。無駄に優れた、才を見抜く目で俺の盗賊適性を見抜きながら。
以前クソ親父が金を持ってくれば母さんは助かったと言っただろう。それは違った。俺がしっかりした医者に見せていれば母さんは生きていた。俺が殺したも同然だ。
母さんの簡単な葬儀が終わった後、俺は喪失感で痺れた脳で遺骨を眺めていた。
そして《奴》は扉を叩いた。そしてもう一つの地獄が始まった
扉からでてきたのは二人の男
ドス黒い闇の様な目をした髭面の大男。【盗王】チェイン・ペンドラゴン。
着飾った服と確かな威厳と実用的な筋肉で身を固めているが、その目に映る、弱者を虐げ強者に媚びるだけのチンピラメンタルは隠しきれてないアーダン・アーカイブ
そいつらが俺を拉致って、反社共の奴隷兼ストレスのはけ口に仕立て上げた。
9歳から22歳になるまで俺が所属していた組織を思い出す。
俺にスリなんかやらせやがったクソヤクザ。俺が成人しても俺を脅してクスリの売人になる事を強要してきた挙げ句断ったらボコってまたスリをさせやがったクソ共。
最悪だった。餓死一歩手前の俺はスリと空き巣を強要され、今に至っても俺の体に後遺症を残す程の虐待をゲラゲラ笑いながらされた。盗王から遊び感覚で熱湯を目にかけられ失明直前まで追い込まれた。アーダンに意識が飛ぶほど殴られた挙げ句胃液を全部吐き出すまで蹴られた。朝は俺の爪に針をねじ込まれ叩き起こされた。俺の唯一の友達だったネズ吉くん(ドブネズミ、享年5歳)を踏みつけにして殺し泣き喚く俺は彼の肉を喰わされ……思い出したくもない記憶が次々に浮かんでくる。
かつて【ゾディアック】キューブ・メタリカムという超越者の大悪党によって、十年間虐待を受けた盗王が、俺や他の犠牲者達を反社のストレス解消用のサンドバッグに仕立て上げたのが皮肉な話だ。
もっとも、俺は22歳の誕生日、ワードナによって盗王が殺害された時、どさくさに紛れて逃げられた
しかし、なんの因果か奴らの残党もご主人が殺された事で、大部分がこの都市に流れ着き、新たに一旗揚げようとした。
ちょうど【白銀】【魔女】【下衆女】の3人からなる当時最強の冒険者パーティ【クリムゾン】が迷宮都市から消えていたのもあり、好機だと見なしたためだ。
しかし冒険者というゴロツキは欲しかったが迷宮攻略の邪魔にしかならないゴロツキは、いらないと判断したトレボー王によってそのほぼ全員が死んだ。超越者としての圧倒的身体能力、【核撃魔術】、神さえ殺す魔剣【村正】、による蹂躙暴虐によって、クソヤクザは壊滅した。アーダンは、その強者に立ち向かわないという性質により、部下を盾にしてかろうじて生き残ったが、二度と地上に出られない程のトラウマを植え付けられた。
そういや、アーダンは俺に殺される時もなんか喚いていたな。弱肉強食の摂理に逆らうんじゃねえだの弱者のお前が強者の俺様を殺すな! 殺すな! 憐れむような目で見てくるんじゃねえ! 殺さないで! 嫌だあああ! 死にたくないいいいいいい! とか。
やなもん思い出しちまった
なにはともあれ、こうして俺を虐げた奴らは全滅した。
……違うな、おそらく、盗王は生きている。ワードナとぶつかり死んだと言われているがそんなわけあるか! 俺の感情が、魂が言っている! あの邪悪は、怪物は、生きていると! そして、もう既にこの都市にいると! このまま冒険者として名声を上げ続ければ、確実に俺と奴は再びぶつかるだろう。
絶対に奴は殺さなければいけない。その存在の本質は、この世界のあらゆるものに反している。生きていては、生かしておいてはならないものだ。
奴が究極の邪悪である以上、改心も望めない。俺達6人が奴を滅ぼすか奴が俺達6人を滅ぼすかの生存競争は避けられない運命だ
その時まで、俺達は強く、強く、強くならなければいけない。
相手に失わないように
いや、違うな……俺は大切なものはもう全て失った。母さんは失った、ネズ吉くんも失って、そして俺は誓った。二度と大切なものなど作らないと。多分、昔の俺なら大切に感じていたような相手でも、今の、俺様は大切なものだと認識できないだろう。失うのが怖いから。
奴らが死んでも俺は多分気にしない
というかどうせあのアホども(司祭除く)が死んでも泣くやつなんていないだろ。
侍のアホは配慮とデリカシーが死にすぎていて友達がいないし僧侶のクソボケジャワティーは言うまでも無くアレだし戦士魔術師は余所者で知り合いがいない上に俺の次に口も性格も悪い魔術師とドワーフと言う被差別種族。
どう転んでも奴らの死で泣いてやるのなんて俺くらいだ。
便利で有用な道具が無くなった事だけ嘆いて、すぐに忘れてやる。
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■■■■■
魔物が湧いてきやがった。コボルト2にボーパルバニー。戦闘は不可能だ。少しでも動いたら毒が回って、詰む。必死で気配を殺す。俺の気配を察したのか寄ってきやがった奴らに触れるか触れないかの距離で俺は息も気配も殺した。
母さんの遺言は幸せに生きてくれというシンプルなものだった。だから俺は生きて地獄のような生にしがみついた。
俺は幸せにならなければいけない。例え自分以外の全てを地獄に落とそうが俺は幸せにならなければいけない。
クソッタレのヤブ医者よりも、反社のクズ共よりも、クソ親父よりも、盗王よりもずっと良い家に住んで、ずっといい女と結婚して、ずっと金持ちになって、ずっと高級な馬車に乗って、ずっと美味いもんを食って、ずっと高い地位について、ずっと名声を集めてやる。
地位も、金も、飯も、女も、名声も、名誉も、全部全部全部よこせ! 死んでたまるか! 死んでたまるか!! 死んでたまるか!!!
だってだってだってだって、不幸になるために生まれてきた人間などこの世に存在しないのだから
直後、
【領域】に芸術的なまでに磨き上げられた、戦士としてケチのつけようの無い肉体が映る。次の瞬間投合された剣が魔物を3体纏めて始末した。侍だ! 奴が帰ってきた! 次に領域に入ってきたのは恐ろしく貧弱な胸部装甲を持った鍛え上げられた肉体。僧侶か! 奴らが帰ってきた!
ただいま、■■■■くん
そう言って侍が俺に手を差し出した。
ん、おかえり。
そう言った俺の口に魔術師が瓶をねじ込んできた。毒消しか。
ちょっとこいド貧乳
そう魔術師が言うと何故かドヤ顔ダブルピースをしながら僧侶が歩み寄り俺に治癒魔術をかけてきた。
毒で瀕死になった体にみるみるうちに生気が戻り、視界の端の皮膚がどんどん色づく、生気が宿る。やっぱ回復能力一流だなこいつ
しかし、奴らも結構ボロボロになってる。
話を聞けば、優秀な指揮官が欠けてる上に5人だったので単純に手数が足りなかった。侍が指揮官であったものの、物凄く優秀な指揮官止まりだったので、危うい場面が多かった。何より普段よりも敵が強かった上に、不運な出来事が起きたりいつもほど幸運な出来事が起きてくれなかった。そうだ
“まあまとめると”
魔術師が言った。
“お前指揮官としても戦力としても盗賊としても斥候としても優秀だけど多分お守りとしての能力が一番たけぇ”
“まあ、それでも黄金の剣には君が必要だ。”■■■■■◾️■■■卿
侍が俺に言った
なんで卿と思ったがああそうか、あのばばあ3歩手前を若返らせてた時に爵位もらったんだわというか俺自分の苗字も名前も嫌いだからよぶなっつったろ。まあ、助けにきてくれた事は感謝してやらん事もないこともないというか……ありがとう
これが、俺の障害においてとある化け物との戦いを抜いて、もっともやばかった冒険の顛末だ
迷宮クズたわけのスキマ
ワードナ
真面目で優しい奴がこじらせると凄いことになるという典型
呼吸をするだけで魔力を吸収しレベルアップ、年齢一桁で全魔術を習得し、村正装備のトレボー王とも装備魔術召喚術抜きで互角に戦える化け物
暴力どころか自分の暴力への適性すら忌み嫌っていたので鍛錬を一切していない、それどころかマジックアイテムで自分を弱体化させようとしていた。それでアレ。
バンパイアロード
クソオタ、マネモフ
司祭
当然の如く頭より乳のほうがでけえ
三大欲求が死んでる
身長140センチ台
あなたの好きなキャラクターは誰ですか?
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盗賊
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司祭
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僧侶
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ワードナ
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トレボー
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ウシノスケ
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アーダン
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クダン